山から下りたらこんな店 - 副隊長の自己満足

山から下りて、ひと風呂浴びてから一杯やるのは醍醐味の一つ。しかし、最近はどっちが主なのか、判らなくなってきた・・・。

2020年02月

今日も堪らなく暑い日だった。退勤時間になっても、アスファルト上はモワッとする暑さが残っている。今宵も熱帯夜じゃなかろうか。しかし電車に乗ってしまえば取り合えずもう別世界。電車から降りたくない気分だ。
でも今回の「自称・暴飲暴食の会」は、東京駅一番街2F「東京グルメゾン」にある「大衆ビストロジル」。京葉線地下ホームから店まで、同じ東京駅構内とは思えないほど遠いが、基本的に外へ出る必要がないのでうれしい。ここは昨今流行の、肉バル的な店である。
東京駅はレストラン街がたくさんあって、店を選ぶのにも実際に辿り着くにも迷うほどだ。しかし、東京駅一番街2Fの「東京グルメゾン」に来たことはたぶん今回が初めて(一番街のB1Fだったらビヤホール「ニュー・トーキョー」には入ったことがある)と思う。
「東京グルメゾン」には合わせて7軒の店があるが、どの店もそれなりに客が入っている模様。やはり交通の利便性は絶大だ。大家のJR東日本は、さぞやガッポリ儲けていることだろう。席に着いたらさっそく生ビール(東京クラフト、790円)で乾杯。この時期は特に、生ビールじゃないと何も始まらない。
その後は、やっぱり冷えた白ワイン、といきたいところだがどうせこの後は肉系なので、涙を呑んでドン・ダビ・マルベック・レゼルヴァ2017(3,300円)にする。
つまみは、スモーキーポテトサラダ(680円)、まいたけのアヒージョ(980円)、フライドポテト(580円)、アンチョビキャベツ(780円)、ハンガリー産ハーブ鶏のタンドリーフリット(880円)、アンガス牛のロースト(2,380円)、そして締めはボンゴレロッソ(???円)。印象的に美味かったのは、スモーキーポテトサラダ。その名の通り、自家製のベーコンがかなりスモーキーだし、ポテトサラダもスモークしてあるらしい。ドン・ダビ・マルベックとの相性は抜群。これだけで満足度はかなり上がった。意外に美味かったのは、フライドポテト。細切りでカリカリ、味付けも程々にスパイシー。普段殆どフライドポテトは食べないが、この店は別格に美味かった。

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「雅」でいい気持ちになった後、仕方が無くまたまた炎天下を小淵沢駅までふらふらと歩く。小淵沢停車の「特急あずさ」が限られていたので、甲府駅から乗るため普通電車で移動。ところが酒が入っていたせいか(たぶんこれが最大要因)、また車内が涼しくて快適だったせいか、更には適度の疲れも相まっていたか、何故か3人揃ってうっかりうたた寝をして甲府駅を乗り過ごし、ひと駅先の酒折駅まで行ってしまった。
しかし運良く、直ぐに反対ホームにやってきた下り電車に飛び乗り甲府駅へ取って返し、予定通り「特急あずさ22号」に乗ることができて事なきを得た。うたた寝をしていた時間はそう長くはなかったと思うけれど、熟睡したせいかとてもすっきり(酒折駅で反対の電車へ走ったせいもある?)、また立川で一杯やれそうになった。
立川駅に着いたら何の気なしに南口へ出てみる。何処か、今まで入ったことが無い店に思い巡らせているうちに、そういえば「餃子天国」には入ったことが無かったなと向かってみると、残念ながら今日(日曜日)は休み。しからばと次に覗いてみたのは「IN open」という名のオイスター・バー。
牡蠣は大好物のひとつである。この時期でも牡蠣を喰えるとは、良い時代になったものだ。入ると、先客は無し。先ずは飲み物、メニューを見ると様々な国のビールが並んでいるが、日本のビールは何故かオリオンビールだけ。無難なハイネケン(650円)にしてみる。
つまみはやっぱり牡蠣となるが、松島のかき小屋で蒸し牡蠣の美味さに目覚めてしまったので、蒸し牡蠣(1個390円×4)。他にレバーペースト(490円)、ガーリックハーブチキン一枚焼き(1,080円)も頼んでみた。蒸し牡蠣は何処産なのかは聞きそびれた。レモンだけでなくオリーブオイルも掛かっていて、やっぱり欧風スタイル。でもイケる。他に生牡蠣だけでなく、牡蠣フライやら、牡蠣のアヒージョやらメニューにあったが、残念ながらそこまで喰えず。また次回にするとしよう。

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「パノラマの湯」で折角さっぱりしても、ビールを呑んだせいか、茹だるような外に出ると忽ち汗が出て、熱中症で死にそうになる。甲斐大泉駅のホームで列車を待つ間も汗は止まらないが、やってきたディーゼルカーの中は涼しいのでまた生き返る。この時期、死んだり生き返ったりが忙しい。
小淵沢駅に着いて先ずは帰路の「あずさ」の指定席を確保したら、ちょっと遅めのランチタイム。小淵沢駅から歩ける範囲内の店となると、相変わらずあまり思いつく店が無いので、馴染みの蕎麦屋「雅」を覗いてみることにした。
駅から一歩出ると再び炎天下、また死ぬほど暑い。そういえばここを歩く時はいつも暑いなと思い出すと、まさに前回「雅」へ来たのは3年前のツルネ東稜敗退以来だと気が付く。無意識のうちに、暑かったら「雅」へ行こうか、となるのかも知れない。
暖簾を潜ると、ご主人に「蕎麦」はもう売り切れたので「うどん」しかない、それでもいいかといきなり問われる。女将にも念をおされる。が、このまま再び灼熱地獄に戻る気にはならない、上がらせてもらう。女将さんにとっては「蕎麦」は自慢のようだが、「うどん」はそうでもないらしい。
この店にはエアコンは無いが、耐えられないことは無い。風が一寸でも吹けばいいのだが、まだ昼下がり、そよとも吹かない。だったらビール(中瓶500円)を呑むしかない。
つまみには、板わさ(500円)、こんにゃく煮(500円)、玉子焼き(400円)、山菜天ぷら(1,200円)など、如何にも蕎麦屋らしいものを注文した。日本酒は、谷桜(1合500円)にした。冷した酒を竹徳利と竹猪口でいただくのが「雅」流。美味いものを呑んで喰っていると、暑さを忘れさせてくれる。
締めは蕎麦ではなく、うどん。この辺りでは「おざら」と呼ばれる、もりうどんが定番。手繰ってみるとつるつるでしこしこ、喉越しが申し分ない。これならば蕎麦が無くても不満はない。女将も、もっと自慢して良さそうだ。

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キレット小屋に泊まった翌日は、日の出前からピーカンの日本晴れ。4時半から朝食が食べられるのだが、照明は点かないので食事処は真っ暗。自分のリヒト(この頃はヘッデンと呼ぶのが普通らしい)で皿を照らしながら食べる。
今日は、再びツルネまで戻ってから、権現岳、三ッ頭を経て天女山まで下る(山行記録はこちら)。前権現まではアルペン的な雰囲気を味わい、前三ッ頭から下は高原の雰囲気一杯、変化に富んでいて楽しい。迫力のある南アルプスがほぼ常に見えるのもこのコースの魅力だと思う。しかし天女山に近づくにつれ気温がどんどん上がり、夏らしい暑さに戻る。やっぱり夏は高いところに限る。
予定よりもだいぶ早く天女山に着いてさっそくタクシーを呼んだら、途中が通行止めで迎えに行けないとのこと、図らずも更に天女山の登山口まで歩くことになった。待っていたタクシーはワンボックスタイプ。この頃こういうのが増えてきたので、我々にはありがたい。「パノラマの湯」まで、再び冷気に包まれ生き返る。
「パノラマの湯」でさっぱり汗を流したら、別棟にある食事処へ渡り廊下で向かう。何故か、この先はエアコンが利いておらず、再び汗が出てくる。しかも、食事処は営業開始が11時とのことで、10分ほど待たされる。風呂が10時からならば、もうちょっと開始時間を早くすべきだろう、と暑さも加わってちょっとイライラ。
営業開始の宣言と共に、券売機でビール(550円)と(餃子がメニューに無いので)モツ煮(600円はちょっと高くないか?)を注文。グビっとやったらあっという間に無くなったので(エアコン無しはビール売上げ向上のための小細工か?)、腹いせに追加ビールを頼んだ。

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3年前、八ヶ岳のキレット小屋に泊まってみたいと思い立ち、そのために、おそらく最短ルートだろうツルネ東稜を登ることにしたのだったが、悪天候で諦めて(その時の顛末はこちら)今回が再挑戦。バスを降りて暫くはちゃんとした径だったが、途中からは、土砂が洗い流され大きな石ばかり残った河原のようになって、甚だ歩き難い。
その後は地獄谷に出て、やはり巨石がゴロゴロしたところを縫って進む。ツルネ東稜に取り付くまでは10数回の渡渉が必要なため、沢の水量が一番の気掛かりだったが、結果的にはそれ程でもなく、1回も靴を脱ぐこと無く無事クリア。噂に聞いた出合小屋は左岸にあるとばかり思い込んでいたが、今回、右岸にあることを知った。
ツルネ東稜は想像通りに容赦のない登りだったが、ぐいぐい高度が上がるのを実感できる。天気は悪くとも、ガスの中に権現岳や大天狗などがちらりと見えると、気分は次第に高揚してくる。概ね予定通りの時間でツルネまで登り切り、明るいうちにキレット小屋到着。
小屋番一人だけで切り盛りしているのにちょっと吃驚。高見石小屋やくろがね小屋でもそんなことがあったが、それは積雪期のこと。今夜の宿泊客は我々以外に10人程度、うれしいことに我々には偶々(キャンセルがあったらしい)個室が与えられた。荷物を整理し濡れたものを干したら、さっそくビールをゲット。グビっとやれば、ツルネ東稜の苦労は忽ち報いられる。やはり毎年1回ぐらいは、登り堪えがあるところを登るべきだと実感。
夕食は釜炊きご飯のカレーライス。懐かしい味がする。同じテーブルに、単独行の女性がいた。訊けば旦那と二人、真教寺尾根を登っている途中、旦那がギブアップしたので置いてきたとのこと。旦那はそのまま家に帰って明日たぶん、迎えに来て呉れるはずという。なかなかドライな関係だといたく感心した。女王陛下としもべの関係だったらわかる。

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仕事帰りに、半年ぶりで近所のイタリアン「ルーチェ」にカミさんと入った。今夜も暑いが、店に入るとホッとする。エアコンの利きが悪いとの(SNS上での)噂があったが、それほど感じない(エアコンはその後、更新されたようである)。先客一組のみで、あとから若い女性の独り客がやってきた。我々以外は既に馴染みの客のようだ。
席に着いたら先ずはクラフト生ビール(540円)、また銘柄は訊きそびれた。前菜は、カポナータ、レバーの燻製、鴨の生ハム、サーモンの瞬間スモーク、そして北海道産イワシのマリネを盛り合わせでいただく。カミさんが苦手なレバーは小生が全部喰う。柔らかくて香りが高くて申し分ない。これを喰わない手は無いと思う。
ビールが無くなったらさっそく、白ワインを頼む。選んだのは、サルトーリ・ピノグリージョ・オーガニック2017。気軽に呑める、爽やかな夏向きワインだ。次はパスタ。カミさんが選んだのはフランチェスカーナ(ローズマリー、じゃがいも、パンチェッタ、レモン風味のスパゲッティ)。
さっそくいただいてみると、このフランチェスカーナが激うま!これまで、それなりに美味いパスタは喰ったことはあるが、これは単に美味いだけでなく唯一無二の味だ。何といってもレモンの香りが斬新で刺激的。そのレモンも、フレッシュなものではなく、乾燥させた皮を下ろしたものを使っているので、酸味は殆ど感じない。
こんなパスタ料理があったのか。さっそく調べてみると、じゃが芋入りパスタは「聖フランチェスコのパスタ」と呼ばれているそうだが、ローズマリーとレモンは出てこない。これはルーチェ流なのか?機会があったら訊いてみたい。
そのあと、蕩けるようなイモ豚の赤ワイン煮。これはこれで勿論美味かったのだが、フランチェスカーナのインパクトが大きくて気も漫ろ。まいりました。

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サントリー白州蒸留所レストラン「ホワイトテラス」でそれなりに喰って呑んだし、「ホリデー快速ビューやまなし」でもつまみをちびちび食べていたが、陽が傾くにつれやっぱりお腹が空いてきたので何処かに寄ろうということになり、ちょっと考えてから立川の「あかつき」に電話を入れてみた。
すると「コースでしか受付できません」とのこと、そういえばこの頃、当日に電話を入れるとそう云われる。気軽に一杯やる店じゃなくなったのか。でも皆、それなりに食べられそうだとのことだったので(健啖家のWoodyさんもいるし)、それじゃあということでおまかせコース(3,000円)で予約を入れた。前回からはもう5、6年ぶりぐらいか。ここは出汁が美味いので楽しみ、勇んで立川駅に降り、北口へ向かう。
相変わらず駅のコンコースは人、人、人の波。せっかく「ホワイトテラス」+「ホリデー快速ビューやまなし」でいい気分になっていたのが現実に引き戻された感じで、ともかく無心で人波を掻き分けながら駅の外に出る。
「あかつき」は表通りから小路に入った先にある隠れ家的な店。また、ちょっとだけ非日常モードに戻った。中に入ると先客はおらず、我々は右手のテーブル席に収まる。腰を下ろしたら、さっそく呑み物を注文。ちょっとだけ喉が渇いたので、ハートランドの瓶(600円)を頼んだ。その後は、日替わりの日本酒(銘柄忘れた(T_T)を頼む。
ひと息つくと、料理が次々と出てくる。何れも和風の味付けで、ほっこり身体にも舌にも優しい感じ。でも、段々腹が一杯になりもうこれで十分かな、と思った後にカレーライスが出てきて、これには堪えた(流石のWoodyさんだって難儀した様子)。もう我々には基本的に炭水化物は(Woodyさんはそうではないかも知れないが)、締めの蕎麦くらいにした方がいい。

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サントリー白州蒸留所レストラン「ホワイトテラス」のテラス席で「白州」ウィスキーを味わった後(ウィスキーに限っては「出来立ての」という修飾語は相応しくないので、蒸留元で呑むとひと味違う、ということは無いはずだけど、何となく有り難いのは何故?)、無料の送迎バスで小淵沢駅へ移動する。乗車率はせいぜい50%程度で、やはり自家用車でやって来る客が大半のように見受けられる。サントリー蒸留所へ車で来て「白州」を味わわないなんて、いったいどういう了見ですかね。
小淵沢からは、いつもだったら「特急あずさ」に乗るところだが、今日は16時16分発の「ホリデー快速ビューやまなし」に乗ることにした。ほぼ1年ぶりの乗車。これまで何度も利用しているのに、始発から乗るのは実は今回が初めてである。
これで立川までの所要時間は2時間9分。このあと出て、立川には先に着く「特急あずさ26号」だと1時間34分。この35分差が特急券1,580円に見合うかどうかは人それぞれかも知れないが、少なくとも呑み鉄だったら(特に急ぎの用事でも無い限り)「ホリデー快速ビューやまなし」を選ぶのがむしろ好都合。
折角の機会なので、2階席部分ではなく、平屋部分のボックスシート2個分を確保することにする。するとそこは、他人に気兼ねが要らない半個室居酒屋的スペースに早変わりだ。さっそく日本酒とつまみを取り出し、宴会の始まり(というか「ホワイトテラス」の続き)。
途中駅に停まって乗客が乗って来ても、我々を一瞥するだけでさっさと2階席(正確には中2階席)か1階席(というより半地下席)の階段へ向かうだけ。我々が宴会中の、両ボックス席の間を通って、隣の車両へ行くような輩は流石にいない。
窓の外を見ても相変わらず天気はいまいちだが、気分は申し分ない。2時間強の車窓の山旅はそれこそあっという間に終わって立川に着いた。

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「延命の湯」でさっぱりしてから、再びタクシーを呼んで今回のメインイベント(∵雨乞岳登頂は断念したため)、「サントリー白州蒸留所」へと向かう。途中、七里岩と呼ばれる断崖、すなわち八ヶ岳の山体崩壊(学術的には韮崎岩屑流と云うそうな)によって生成した台地を、釜無川が削った段差を下る道には、その高低差が大きい故にループ橋となっていて、なかなか興味深い風景だ。
「白州蒸留所」に到着すると、入口の手前にある広い駐車場にはかなりの車が停まっていて、こんな天気でも凄い人気だとちょっと吃驚。(とりあえず自分たちのことはさておき)いったい他に行くところはないのか。それに、下戸の運転手ばかりじゃないだろうから(受付で運転手は「酒は呑みませんカード」を渡される)、サントリーの工場(蒸留所)へ、皆挙って車で来るのは些か行動が矛盾していないか。当然、我々は「酒を呑みますカード」を貰う。
当初の計画では地理的都合上、雨乞岳から下りて先ずサントリー白州蒸留所内のレストラン「ホワイトテラス」に寄ったあと、「つたの湯」で汗を流すことにしていたが、今回は、山→温泉→レストランという順番になった。結果的に、順番が逆で良かった。
「ホワイトテラス」はその名の通り、白を基調としたレストラン。先客は数組のみで、大半の客はここを素通りして工場見学やら土産物屋やらにいるらしい。店員は殆ど女性。ここへどうぞとテーブル席を案内されたが、よく見ると屋外にもテーブル席が並んでいて、しかもガラ空き状態。外の方が気分が良さそうなので、あちらに移りたいと申し出て了解される。
ウッドデッキに設えられたスペースで、周りは緑。簡易屋根も付いているので雨でも問題ないが、まったく我々だけの貸切状態で寛げる。呑むのはもちろん白州ウィスキー。皆、水割りかハイボールにして香りと味を楽しんだ。

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当初の計画で南アルプス前衛の雨乞岳に登る予定が、台風6号が直撃しそうだとの予報を受けて再考。もうちょっと(風の影響が少ない)低い山にした方が宜しかろう、しかし小淵沢までの特急券はもう購入済みだし、小淵沢でのタクシーも予約済み。そんな条件で行けるところは何処だろうとしばらく頭を捻ってみるが、なかなか適当なところが思い付かない。
当日、参加女子連に、雨乞岳登山口の近くにある低山「戸屋山」の登頂(登り1時間足らず)か、観音平からの「八ヶ岳横断歩道」散策を上程してみたところ、(大枚叩いた交通費に見合わない)「戸屋山」はけんもほろろ、鼻にもかけない様子で、消去法で「八ヶ岳横断歩道」散策に決定した。「八ヶ岳横断歩道」を歩くのは、3年前の台風10号以来。八ヶ岳山麓は台風襲来のときの緊急避難先として定着しそうである。
八ヶ岳山麓は、この頃丹沢や奥多摩では余り見掛けなくなった、見渡す限り笹に覆われた世界。径は概ねしっかりしているので、悪天候でも特に問題は無い。時間があれば天女山まで行きたいところだが、後々の都合も考え「つばめ岩」で引き返すことにした(記録はこちら)。
散策を終えて観音平でタクシーに乗った後のこと、運転手に最寄の日帰り温泉は何処かと尋ねれば、この界隈じゃここが定番と、「延命の湯」を勧められた。「スパティオ小淵沢」という宿泊施設に付属の温泉施設で、日帰り入浴が可能とのこと。道の駅「こぶちざわ」に隣接しているので、ちょっとしたレジャーランドのようである。
受付で820円を支払い、男湯へ。風呂場には数人いた程度で閑散としていたが、さっと上がって食事処「森樹」へ向かうと、結構な賑わい。全てテーブル席なので、(セイウチかトドの如く)畳にゴロンとやる訳にはいかない割りに混んでいる。生ビール(680円)と揚げ餃子(430円)を注文。女子連がまだ上がってこないうちに、Woodyさんとグビっとやった。

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楽しい「快速・お座敷青梅奥多摩号」の鉄道旅はあっという間に終了し、立川駅に到着。夢から醒めて現実に戻る。そういえば「もえぎの湯」からもう3時間以上、何だかんだ呑み続けているものの、小腹が空いてきた。だったら何処かで美味いものを喰いながら、一寸だけ一杯やって締めようということになり、改札口を出て南口へと足を向ける。
こういう時の目当ては「狸穴(まみあな)」だ。何故ならば、美味い酒を引き立てる、美味しいつまみが揃っているから。でも、もしかして満席だったらどうしようと恐る恐る覗いてみると、何故か今日も客の姿は疎らで、そんな心配はたちまち杞憂と判る。偶々そういう巡り合わせかも知れないが、この店に客が集まらないのが理解出来ないのだ。ホント、どうなってるの?
ともあれ目出度く、奥のテーブル席に着地。小生とアニーはやっぱり生ビールで喉を潤したい気分だが、女子二人はいきなり日本酒がいいと、「凌駕 夏辛」で乾杯。新潟・十日町にある松乃井酒造のブランド。夏向きの爽やか系。
合わせた料理は、定番の狸穴サラダに、ヤリイカのバター焼き、スズキと真鯛とカワハギの刺身盛り合わせ、そして生カキにした。カワハギにはちゃんと肝が付いてくるのがうれしい。それに、この時期に生カキが喰えるようになったのも、つくづくいい時代になったと感慨深い。
こうなったらやっぱりこっちも日本酒だ。ちょっとだけあれこれ悩んで、「純米吟醸来福・夏の酒」にしてみた。これは茨城の酒。なんとシャクナゲの花酵母で醸したシロモノで、これもしっかり爽やか系。刺身に良く合う。いつも「狸穴」は期待を裏切らない。

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山から下りて奥多摩駅界隈(於:もえぎの湯、天益)を3時間以上もうだうだしたのは、昨年のE257系「快速・青梅奥多摩新緑号」に乗るために時間調整して以来である(そういえば、その時も「天益」に寄ったはずだ)。今回は、「快速・お座敷青梅奥多摩号」に乗ることが目的。
ちなみに今年はE257系「快速・青梅奥多摩新緑号」は走っていない。企画倒れに終わった様子である。その代わりに今回、まさか「お座敷列車」が奥多摩駅ホームに停まっているのを見る日が来るとは思わなかった。この企画も、今年限りでないことを祈らずにはいられない。
基本的にイベント列車好きである。しかし、人ごみは嫌いである。ホームから溢れんばかりに群がる撮り鉄(含、俄か撮り鉄)の中に混ざる気はサラサラ無いし、そんな列車に乗りたくも無い。しかし今回の「快速・お座敷青梅奥多摩号」に心配はご無用、見送り客などはおらず、静かに出発。お座敷列車はオールグリーン車(指定券770円)なので、途中から乗ってくる客も基本的にいない(除、御嶽駅から乗車したこのちゃん)。
他の車両は判らないが、我々が乗った4号車は満席。我々は8人掛けのテーブルに6人で着席。同じテーブルの他のご婦人2人には、我々が賑やか過ぎて少々ご迷惑だったかも知れない。この「お座敷青梅奥多摩号」は奥多摩駅17時30分発で立川駅には18時48分着。これは通常の各駅停車とほぼ同じ所要時間だ。こちらはお座敷列車なので、もっとゆっくりでも良かった。第3セクターのジョイフルトレインだったら、途中駅で暫く停車して、地元食材の販売やら、民俗芸能の鑑賞とかありそうだが、JRはちょっと素っ気無い。まだまだ、サービス向上の余地があるように思う。是非、一考願いたい。

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「もえぎの湯」で久しぶりにのんびりしても、まだ午後4時。乗る予定の奥多摩駅発の電車は5時半なので、まだたっぷり時間がある。ということで、徐に次に向かう先は「天益」。今季、初めての入店。実は「もえぎの湯」へ行く前に、既になおちゃんに予約を入れてもらってあったのだ。
それでも結構際どかったようで、今日はカウンター席は既にハイカーで満杯状態、いつものリュックサック置き場すら客で一杯なので、今回は珍しく座敷にシートを敷いて、ここに置いて下さいと云われる。席へ着く前に、さっそく生ビールと焼き餃子を注文。
この頃、鹿肉はとんとお目に掛かっていないが、今日も仕入れは無いらしい。この時期はハイカーが多くて、ハンティングが出来ないのが理由という話。そんなことだと、シカの個体群管理なんて出来そうにないので、結局、食害は減りそうに無いなあと思う。
それでも今日も感じたことだが、奥多摩の山の中はもうシカが食べられそうな草を見掛けない状態が何年も続いているので(目に付くのはトリカブトやハシリドコロなどの毒草やアセビなどの毒木ばかり)、既にエサの量が個体数の上限を決めているように感じる。
隣の座卓は地元の方々の予約が入っている様子。相変わらず「天益」は繁盛している。女将さんは我々に、どこの山から下りてきたのかと必ず訊く。様々なハイカーからそういった情報を得ているので、女将さんはこの手の最新情報に詳しいという評判である。
焼き餃子にビールという黄金の組み合わせを満喫し、一時間ほどまったりした後、ようやく駅へ向かった。

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もうそろそろ梅雨が明けてもおかしくない時期だが、まだ前線は日本列島に貼り付いたまま。朝から湿度がやけに高い。今回は本仁田山に登るだけなので、さして厳しいアルバイトではないのが幸いだが、ちょっと歩いただけでも忽ち汗が吹き出るし、立ち止まって休んでいても汗が止まらない。こんな陽気に山に登るのは、我ながら酔狂だと思う。
急登の平石尾根をフウフウ云いながら登っていると、突然、作りかけのコンクリート橋梁が現れ、その延長上にコンクリートのトンネル(高さ2mぐらい、幅1mぐらい)があった。トンネルは真っ直ぐ貫通していて、反対側の出口が見える。
しかし、その橋梁とトンネルは高さ関係が一致しているとは云い難い。橋梁の上を走っている車両があったとしても、そのままトンネルには入れない(トンネルの方がちょっとだけ低い)ように思われる。何となく、作っているうちに上下関係が一致しないことに気が付き、建設中止にしたようにも感じる。
地図を見ると、奥多摩工業曳鉄線の一部かと思ったが、よくよく見るとそうではない。奥多摩工業曳鉄線とは水平位置は一致しているようだが、地図上は標高450m辺りを通っている。一方、現在地は標高600mぐらい。つまり実物は150mほど地下深くを貫いているはずで、目の前にあるコンクリートトンネルは別物だろう。ググっても何も出てこない。謎は深まるばかり、誰か真相を教えてくれないものか。
本仁田山に登ったら、あとは「もえぎの湯」を目指してまっしぐら。流石に今日の天気では「もえぎの湯」はすんなり入れた。脱衣所もカランも、ストレスが無い状態。汗を流してさっぱりしたら、中2階へ上がって生ビールをグビっとやる。やりながらも、あの橋梁とトンネルはいったい何だったんだろうと暫し妄想に耽った。

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今回は山から下りてからの諸事情に合わせ、ちょっと朝が遅いプランとなった。しかし身体が早起きに慣れてしまっているせいで、遅く起きるなどという芸当は出来ず、而してほぼいつも通りの時間に家を出て、ほぼいつもの電車に乗ることになり、立川駅に着いたのは午前6時半過ぎ。一方、今日乗る予定の「ホリデー快速おくたま3号」の発車時刻は8時12分、あと1時間半余りをどうするか。
まだ早過ぎるので、駅構内のカフェも開いていない。入るとしたら、駅を出たところにあるマックしか思い当たらない。でも1時間半もマックに篭る気にもならず、立川駅の南口を出て街並みを暫しぶらぶら。駅の周りはいつも暗くなってから歩くことが多いせいか、明るいと何となく荒んで見える。通りには飲食店から吐き出されたゴミが積み上げられていて、それを狙ったカラスの集団がウロウロしている。歓楽街を外れると普通の住宅地で、犬の散歩と行き交う。
当ても無く30分ほどぐるぐる廻ったあと、駅に戻る。コンコースに「ベックス」があるが、既に開店していて、何人も群がっているので入るのをヤメ、そういえば駅ナカにもあったはずと、改札をくぐる。果たして、そこにあった「ドリップマニア」というカフェに入ってみた。
確かここは以前、本屋の中(奥)にあったように思うが、いつのまにか大分配置が変わり(本屋の名前も"PAPER WALL"という名に変わった?)、ほぼ切り離された様子だ。
ここのカフェは、ハンドドリップに拘った店のようである。コーヒーって、挽きたての豆の香り(アロマ)はいいと思うのだが、淹れたあとは何となく酸味が強めに出るようで、豆の香りが殺がれるような気がするのは小生だけだろうか。
だからという訳でもないが(本当は歩いてきたので喉が渇いたので)、アイスコーヒーにした。正直、アイスコーヒーの美味さも良く判らないが、ここの店は苦味が結構強いように感じた。本(電子書籍byタブレット)を読みながらゆっくり飲んで、ようやく電車の時間になったので店を出た。向後のためにこんな朝の、もっと気の利いた時間の過ごし方を考えてみたい。

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松本駅13時45分発の「特急あずさ20号」に乗り一路、東へ。「榑木野」でそれなりにいい気持ちになり、そこそこ満腹になったにもかかわらず、まだこれからたっぷり2時間以上乗るのだからと、売店でビールとワイン(ワンカップ)を仕入れて窓際に並べる。
駅構内の売店で売っている缶入り地ビールは、「松本ビール」でも「穂高ビール」でもなく、お馴染みの「安曇野浪漫」(上諏訪の麗人酒造製)しかない。小規模のブリュワリーにとっては、缶詰装置はなかなかハードルが高い投資なのか。
外は雨模様なので車窓から八ヶ岳や南アルプスは見えず。でも偶々か、日野春駅辺りで瑞牆山と金峰山が一瞬見えた。瑞牆山はたぶん、中央線ではこの辺りからしか見えないので、かなりラッキーだと思う。立川駅に15時58分到着。
とりあえず雨は上がったようだ。いつものことながら、この時間帯でも入れる店は限られている。手っ取り早いのは「酒亭 玉河」、もちろんここでも全くOKだが、個人的に偶には目先を変えてみたいと、南口へ出てみる。考え無しに流れに身を任せると、次善策はお馴染みの「だるま」だが、ここもとりあえずスルー。
他に無いかとさらに進むが、なかなか適当な店が見つからない。そこでふと足を留めたのは「ひだりうま・でん助」だ。ここは5年ぶりの2回目(前回はこちら)。ここでどうかと入ってみる。この時間帯にいる客はJRA御用達のはず。でもすんなり、テーブル席に着くことができた。
この店は馬刺しとおでんがウリだ。馬刺しはもう本場、松本で喰ってきたので、おでんと生ビールという組み合わせにしてみた。おでんは随分、煮しまった色だがそれほど辛くなく、ビールに良く合った。

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上高地9時30分発のバスに乗り、新島々で松本電鉄に乗り換えれば、松本駅に着くのはもう昼どき、今朝は「山のひだや」でしっかり朝食を摂ったし、その後は殆ど歩いていないが不思議と腹が減ってきた。入るんだったらやっぱり蕎麦屋が使い勝手が良さそう。
松本駅界隈には長野駅と同様、数多くの蕎麦屋があり、そのうちもう片手では足りないぐらいの店に入っているが、まだまだ未開拓の店は多い。今回はその中から、今日は駅ビル内にある「榑木野」に入ってみることにした。
女子連は一度使ったことがあるらしいが、小生は初めて。ここの本店は松本インター近くにあるらしい。駅ビルの一角なのだが、入口は駅前広場に面していて、見かけ上は独立している。しかし駅ビルの一角だけあって、中休み無しに営業しているところがうれしいというか、エラい。
入ってみるとそれなりに客が入っていたが、窓際の4人掛けテーブルが空いていた。店の真ん中には一枚板の長いテーブルが設えてあって、主に独り客が陣取っているようだ。腰を落ち着けたらやっぱりビール、今度は松本ブリュワリーのペールエール(740円税別、以下同様)にした。香りがいい感じ。
つまみには、馬もつ(530円)、揚げ餃子(350円)、揚げ出し豆腐(340円)、鶏唐揚げ(510円)、にしん甘露煮(420円)を注文。揚げ餃子が意外とほっこりしているのは、蕎麦の実が入っているせいらしい。
ビールの後の日本酒は、お品書きにずらりとあってとても迷うが、とりあえず鏡華水月 純米吟醸(630円)にしてみた。これは地元、松本の酒。呑くちはかなりすっきりとしているので、スカスカ呑める感じで危ない。そして締めはざるそば(840円)。かなりの細打ち、それでも香りもコシも申し分ない。この店は酒もつまみも豊富だし、駅に至近なのでとても使い勝手が良い。今後も贔屓にしたい。

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「山のひだや」に泊まった翌日は、朝からシトシト雨。まだ梅雨なので仕方が無い、昨日、一昨日と降られなかっただけでも全くラッキーだった。もう上高地BTまで1時間の距離なので合羽は不要、スパッツと傘だけでのんびりと歩く。
雨に煙る梓川もなかなか乙だ。このような風光を、高村光太郎や芥川龍之介のように芸術作品へ昇華できない小生は、せいぜい下手くそな写真に撮るぐらいしか能が無い。
ちなみに、高村光太郎は上高地の清水屋に2ヶ月も滞在している(うち約1ヶ月は智恵子と滞在)ので、掛かりも馬鹿にならなかったはず。今の清水屋(上高地ルミエスタホテルは1泊2食付で3万円する)に泊まれば、約200万円も払うのかと下種な思いをしてしまう。尤も、雇われの身では2ヶ月も隠遁生活すること自体不可能。金銭的にも時間的にも(そしてもちろん才能的にも)、凡人には文人墨客の真似は出来ない。閑話休題。
今日は日曜日なので、生憎の天候でも行き交う観光客も多い。ガスが掛かって明神岳は見えないのだが、それでもここは緑は瑞々しく滔々と流れる水はあくまでも清らか、単に歩いているだけでもいい気分に成れるから不思議だ。
明神岳から連なる急峻な尾根を回り込めば、もうそこは上高地。河童橋には大勢の観光客が群がっているが、穂高岳はガスの中。我々は一瞥したらバスターミナルへ向かい、バスチケットと整理券をゲット。丁度待ち時間があるのでビールを一杯呑もうと、つい2ヶ月余前に寄ったばかりの「上高地食堂」にまた入った。今回選んだのは、穂高ビール・アルト(720円)、苦味とキレが程よく、かなり美味かった。

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正直云えばつい最近まで、上高地・明神で泊まれる宿は「明神館」と「嘉門次小屋」の2軒しか無いと思っていた。「明神館」はメインストリートに面しているので、それこそ猿でも知っているし、「嘉門次小屋」は上高地で一番古い由緒ある山小屋なので、山ヤで知らなければもぐりだろう。
もう一つの宿、「山のひだや」の存在を知ったのは、冬でも営業している宿がある、という噂を(タクシーの運転手から)聞いたからだ。上高地をスノーシューイングする輩には常識なのかも知れない。が、それでも極寒の冬に本当にやっているのか俄かに信じ難く(だって冬は、釜トンネルから先は徒歩の世界)、いっそこの際、徳本峠越え&霞沢岳リベンジのついでに泊まって確かめてみようかと思い立った。
今日は結局、梅雨明け前にもかかわらず、合羽を出すことも無く済んだ。明神橋で梓川を渡ると、直ぐに「山のひだや」を示す道標があるのに気が付く。でも折角だからとちょっと遠回りして「嘉門次小屋」を覗いてみる。昔乍らの囲炉裏がある小屋のままかと思っていたら、いつの間にか葦簀屋根の食事処なんて出来ていて、ちょっと世間ずれした感じ。
さらに進んだ穂高神社奥宮の直ぐ脇に、板壁の古風な建物が見えた。ここが「山のひだや」。ご主人と思しき人が出迎え、フロントでは女将が受付をしてくれる。やけに人懐っこい女将は、野鳥好きなご様子で話し始めると止まらなくなる。訊いているうちに、やっぱりここで越冬するのだと仰る。凄すぎる。
部屋に案内されたら、さっそく汗を流そう。明神で風呂に入れるなんて極楽だ。さっぱりしたら、食堂に寄ってビールをもらい、部屋呑み。窓の外を眺めると、綿のようなドロヤナギの種がふわふわと飛んでいる。
夕食時になったらまた食堂へ集まる。宿泊客は我々以外に一組だけ。まだシーズンではないせいだろう。やはり上高地に来るのは、梅雨の頃が狙い目なのだ。イワナの塩焼きと様々な野菜天ぷらを美味しくいただいた。至福の時間。この次にここへ来るのは、やはり厳冬期にしようか。

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噂に違わず、霞沢岳は眺めが良くって登り応えのある、良い山だった。やや天気が危ぶまれ、霞沢岳山頂ではガスに包まれて眺望が得られなかったが、K2まで戻る途中で急速に視界が開け、焼岳や穂高岳が姿を現してくれた。やはり北アルプスの山こそは、眺めがあってなんぼだ。
霞沢岳は登り応えだけでなく、下り応えもある。単調な径であればすっかり飽きるところだろうが、眺めだけでなく高山植物も文字通り花盛り(特にキヌガサソウの群生は見事だった)だったので、気持ち良く歩き通すことが出来た。徳本峠に着くと、一日遅れで徳本峠越えを果たしてつい先程着いたばかりのWoodyさんとも会うことが出来たので、良いこと尽くめだった。
Woodyさんと別れて明神に向かって下れば、コースタイム通り1時間半で明神館に到着する。いつものように、明神はハイカーやクライマーのみならず、観光客も沢山やってくるところなので既に俗界、ここから「山のひだや」までもうちょっと歩かなくてはならない。
が、一杯ぐらいやってもよかろうと生ビール(中ジョッキ700円)を注文し、外のテーブルでお疲れさんとグビリ。昨日と今日と合わせ、6時間余り歩いた労が報いられる。やはりこれはビールに限るし、ビールが止められぬ。
辺りを見渡しても、午後2時半の割には我々のように一杯やっている客は少ない。明神が目的地という者はそれほど居ないのか。そう云えば11年前のこの時も、一杯やっていた(というか、浴びるほど呑んだ)のは我々だけだった。何故か、明神館で呑んでいる輩はあまり見掛けない。でもこんな風光明媚なところで(これから山に登るのであればいざ知らず)、山から下りて一杯やらずに過ごすことなんて誰が出来ようか。

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