山から下りたらこんな店 - 副隊長の自己満足

山から下りて、ひと風呂浴びてから一杯やるのは醍醐味の一つ。しかし、最近はどっちが主なのか、判らなくなってきた・・・。

2020年01月

昭和8年に釜トンネルが貫通して、梓川沿いに抜けられるようになる以前は、岳人だけでなく、高村幸太郎や芥川龍之介などの文人墨客だって例外なく、徳本峠を越えないと上高地には入れなかった。もちろん今は、わざわざそんなことをするのは物好きの謗りを免れないだろうが、それには構わず、やはりかつて先人達が通った徳本越えを自分もしてみたい、と思う輩はそれなりに居て、実は小生もその端くれだった。馬齢を重ねると、何故かクラシックルートが気になるようだ。
今回は、4年前の霞沢岳リベンジも兼ねた山行計画を立ててみた。新島々駅から朝一番のバスに乗り、島々から歩き始めた。約16kmの道程のうち、岩魚止小屋までの12km余りは沢沿いなので、大して高低差が無く楽チンと云えば楽チン。木道は滑り易いところもあったが、基本的に緊張を強いられるようなところは無い。
岩魚止小屋から徳本峠小屋までは高度差約900mの登りが待っているが、馬でも越えられそうに緩やかな九十九折になっているので、それほど扱かれもせずに歩き通すことが出来た。結局、休みを含め7時間半かかった計算だが、それ以上の充実感は得られる。小屋の前には数人が思い思いに過ごしていたが、どうやら皆、テント泊の様子だった。
さっそく小屋で缶ビールを仕入れて乾杯。間も無く、明神経由でやってきたあひるちゃんも合流し、再会を祝してまた乾杯。そうこうしている内に陽も陰り寒くなってきたので、小屋の中に入る。食堂兼談話室には誰も居らず、実に静かだ。
夕食時になって、今宵の宿泊客は我々を含め6人と判る。昨今は独りテントが流行りかも知れないが、ここまで来たら、山小屋として数少ない国重要文化財(他には室堂小屋とか)である徳本峠小屋に泊まってみるべきではなかろうか。

045 【第2日目】安曇支所前BS。7時22分。

046 ここから徳本峠越えが始まる。

055 まだまだ道はほぼ平坦。

061 川沿いは涼しい。9時ちょうど。

064 この先が二俣。

068 これから山径。

073 木製の桟道。
076 こんなに穏やかなところもある。

079 ここもいい感じ。

083 漸く半分を過ぎた。9時59分。

087 ちゃんとした石垣。9時20分。

090 左岸から振り返る。

092 左岸の桟道。

094 狭隘な瀬戸。

098 岩魚留まであと1.4km。

099 まだ、ほぼ平坦。

105 あれが橋で、あれが岩魚留小屋。

107 ビール500円の表示。

111 またまた右岸へ。

114 沢から段々離れる。

117 もう沢音は聞こえない。

119 歩き始めて6時間。

120 この水は最高に美味い。

125 峠の近さを実感。

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居酒屋「風林火山」でしっかり呑んでしっかり喰って満足したが、まだ時間は早い。折角なのでもうちょっとだけ松本の夜を楽しもうと、ハシゴすることにした。ビールと日本酒はもう十分なので、ウィスキーにしてみるか。だったらここはどうだろうと入ったのが「シャンティ」というバー。
地方都市や田舎街でバーというと、何かと女性が傍につく店を想像するが、ここは真っ当なオーセンティックバーである。外装は白を基調としているので、バーというよりも小洒落たカフェという感じ。扉を開けると、中も白ではないが意外に明るい壁の色、淡いモスグリーンか。何れにしても、小生にとってのオーセンティックバーのイメージとはちょっと離れている感じ。
客は誰も居らず、カウンター内にバーテンダーのみ。我々が居るあいだに客は入って来なかった。まだ時間が早いせいだろうか。バーテンダーの後ろにはバーらしく様々な酒瓶が並んでいるが、イチローズ・モルトやジャパニーズ・ジンがいくつか置いてある。何れもこの頃の流行り。バーに入るのは久しぶりなので、どれも呑んだことが無い。
でも今日はウィスキーにしよう。思いつくのはアイラ・モルト。ボウモアにしようか、ラフロイグにしようか一寸だけ迷って、ラフロイグにしてみた。アードベッグ程でなくても、このヨード臭さを偶には嗅いでみたくなるのは何故だろう。
カウンターの中にいるバーテンダーは、飲み物を作る以外はじっとしていて、こちらから訊かれない限り寡黙である(巷には水を向けると途端に話が止まらなくなる輩も居るので、根っから寡黙かどうかは判らないけど)。小生にとっては饒舌なバーテンダーよりも遥かにマシ、むしろバーテンダーの鑑のようである。この店では、ウィスキーとじっくり対話が出来る。

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美ヶ原から下りたあと、明日は徳本峠越えなので、今宵は松本の東急INNに投宿。荷物を部屋に置いたら、街に繰り出して夕食だ。松本で居酒屋に入るのはとても楽しみ。事前にいくつか検索した中から、「風林火山」へ17時過ぎに入った。
この店は駅に至近だから、これまで何度も目の前を通り過ぎている筈なのに、店が開いているのを見るのはたぶん、今回が初めて。店構えと店内の雰囲気は、ごく一般的な大衆居酒屋に見える。カウンター席と、奥に小上がりがあって、我々はカウンター席に案内される。かなりの予約が入っているようで、未だ空いている席が結構あっても、後から後からやってくる予約の無い客は悉く断られていた。場所が良いせいもあるだろうが、やはり人気店のようだ。ちゃんと予約しておいて良かった。
先ずは生ビール(中ジョッキ500円)を呷ってから、アルプスサーモン刺しと馬刺しの盛り合わせ(1,000円)を注文。この頃、淡水サーモンが海無し県で流行りだが、このアルプスサーモンはニジマスの三倍体とのこと。信州サーモンとの味の違いは判らない。馬刺しは赤身だが普通に美味い。
松本は山賊焼きが有名と知ってはいたが、食べたことがなかったし、どんなシロモノなのかも知らなかったので今回、初めて頼んでみた。出てきた一品をみると、焼いたものではなく巨大な鶏唐揚げのようである。齧り付いてみれば、しっかり下味が付いているしにんにくも利いているようだ。
ビールの後は日本酒に移る。頼んでみたのは「十九」と「黒澤」。「十九」はなんとハシビロコウのシルエットがラベルになっているが、店の人に聞いた限りは毎年、変わるのだそうな。「十九」は「純米大吟醸生」のせいか、やや甘口ですっきり爽やか。「黒澤」は「生酛 柱焼酎仕込み 勝沼ワイン樽熟成」という変り種を呑んだ。かなり酸味が立っている感じで、古酒のようだった。
この店は、料理も日本酒もかなり種類が豊富。しばらく通っても、ひと通り味わうには相当時間がかかりそうだ。次はいつのことやら。

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初めて美ヶ原に登る。登ると云っても、最高峰・王ヶ頭の直下にある「美ヶ原自然保護センター」迄タクシーで上がれてしまうので、残り僅か20分歩くだけで到着。これは登山ではなく散歩。山頂付近には様々なテレビ局のアンテナが林立していて、甚だ景観が阻害され、かつ山頂が何処なのか分かり難い。
生憎の雨交じりの風が吹いているが、そんな天気でも意外に下界の眺めが良いし、レンゲツツジの花も多少残っているので気分は悪くない。王ヶ頭から西へ、ほぼ水平移動すると王ヶ鼻。ここは更に眺めが良さそうなところだが、今日は辛うじて松本の市街が見下ろせるだけだ。
王ヶ鼻からの下りは、ゆったり歩き易い九十九折の径。遊歩道と呼んでもいいくらい。コウリンカやバイカウツギが丁度、見頃だった。Google Mapによれば、車道に降り立ったところにキャンプ場があり、併設された店があるはず。車道に出て間もなく、果たして蕎麦屋「桜清水茶屋」がひっそりと木々に包まれて建っていた。
見掛けはかなり大きい古民家(訊けば、わざわざ移築したとのこと)。中に入ってもその通りにテーブルがいっぱい並んでいるが、客は誰も居ない。午後2時前なのでそんなものかも知れないが、それでも営業中なのがうれしい。
早速生ビールで喉の渇きを癒したら、つまみを注文しよう。この店は、一品料理が結構あるのでいくつか注文。中でも、シオデという山菜は初めて(???円)。女将さんに訊けば、わざわざ山菜の図鑑を持ってきてくれた。味は、見かけのようにアスパラガスに近い。さして腹も空いていないが、やはり締めにはもりそば(600円)を注文。細打ちでコシと喉越しはばっちりだ。
先ほどのキャンプ場だけでなく、立ち寄り湯も経営しているらしいが、どう見ても蕎麦屋が本業で、キャンプ場と温泉は副業に感じてしまう。こんなに良い蕎麦屋が、こんな山の中にあるのは驚き。この車道は冬は閉鎖してしまうので、自動的にこの店も休業。実に勿体無い。ここ「桜清水茶屋」は隠れた名店と云っていいと思う。

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既に藤野の「風里」でお腹一杯だったにもかかわらず、「半兵衛」の格安ちょい呑みセットに釣られて、おでんと焼き鳥を肴に一杯やったので、もうすっかり喰い過ぎ状態、もうホントに帰ろうと国分寺駅の改札を潜ろうとすると、なんとヤマショウビン氏に遭遇。当然このままバイバイとはならない、じゃあちょっと何処かに寄ろうかとまた街へ戻る。
さっきまで物色していた店の中から、西武多摩湖線のホーム脇にある「世界の山ちゃん」を手っ取り早くチョイス。云わずと知れた名古屋系居酒屋チェーン。調べてみると、東京にも20店舗ある。以前、何処かに入った筈だが思い出せない。
この国分寺店は、雑居ビルの2階、3階にある。我々は2階のテーブル席に着く。ここは手羽先がウリのはずだが、とてもじゃないが何も喰えない。ヤマショウビン氏も自宅で食事が待っているはずなので、今回は飲み物だけ。
メニューを見ると、夥しい飲み物の種類がずらり。凄い数である。ビールや日本酒、ワイン、焼酎系だけでなく、ウィスキー系、ラム系まである。「バリキング」なんてあったが、初めて聞く。何だろうとまた調べると、サッポロが出したリキュール。ちょっとだけ興味が沸いたがスルー。
小生はもうビールも日本酒もホッピーも呑み飽きたので結局、バカルディー・モヒート(450円税込)で乾杯。何年ぶりの再会かと俄かに思い出せなかった(たぶん小生のインドネシア壮行会以来なので、たった1年ぶりだ)。
仕事の話とか、奥日光でニアミスした話などで盛り上がる。そのうちに、鳥見の会といぃday!のコラボで何処かに行きたいねとなり、それじゃあ白駒池なんか如何?となった。来年が楽しみである。

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藤野の「風里」でかなり満腹になったのでそのまま帰宅でも全く良かったのだが、やはり途中下車しようと二人で、立川ではなく何故か、珍しく国分寺で途中下車してみた。今日、日中浴びた宇宙線が、偶々小生の前頭前野のニューロンに貯めこまれていた、国分寺に係る記憶を刺激したようだった。
特に当てがあった訳ではないが、改札口を出てから確かあんな店があった、こんな店に入ってみたいと記憶を呼び覚ましながら街を進む。結局のところ当てにしていた店は一杯だったので、だったら何処にしようかと更に店を物色し、目に留まったのが「立ち飲み処 半兵衛」という店。
名前は「立ち飲み処」とあるが、中を見ればテーブル席もあるので入ってみた。巷にあるチェーン店の「薄利多賣半兵ヱ」とは関係が無さそうである。わざと知らないふりをする「半兵衛」とも関係はないであろう(そんなことわざはもう誰も使わないだろう)けれど、あえて古風な名前にした理由はそれなりにあるのだろうが、つい訊きそびれた。
店内は、あえて安普請にしたような内装。それはメニューにも反映されていて、ちょい飲みセット(1,000円)というのがあったのでそれにしてみた。ドリンク2杯と、串焼き(焼き鳥、焼きトン)やおでんのうちから好きなものを5つ選べるというから、かなり魅力的だが、果たしてそんなに食べられるのかとやや心配になった。
小生は呑み物をホッピーにして、つまみは二人分でおでんは大根、がんもどき、さつま揚げ、ごぼう巻き、焼き物はネギ間と砂肝、ナス焼きにしてみた。おでんはあっさり関西風。焼き物はどれも可も無く不可もない。何れにしてもこれで1,000円はお値打ちである。

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塩山駅から電車に乗って、わざわざ藤野駅で途中下車することは普通有り得ないが、今日は菊丸が、「藤野駅の『藤野観光案内所ふじのね』で売っている『藤野ゆずの尊』(600ml、780円税込、以下同様)と『藤野ゆずこしょう』(620円)を買いたいので降りる!」と云い出したので、ならば我々も一緒に付いて行って、そのついでに「風里」に寄るか、となった。
ところが駅を出て行ってみると、『藤野観光案内所ふじのね』はなんと閉まっていた。もう午後5時を過ぎているからしょうがないのか。ありゃりゃーとなったが、もしかして駅前の「ベイスターズマート戸丸屋」にないかと念のため覗いてみると、果たして置いてあったので目出度し目出度し。釣られて小生も「藤野ゆずの尊」を土産に買ってみた(後日、賞味してみたところ、確かに柚子の香りが高いと感じた)。
首尾良くいったので、満足して「風里」入店。いつものように板の間に置かれた座卓に着くと、なにやら隣の部屋には珍しく先客がいるようで賑やかだ。我々の後からも、子供の団体がやってきた。近くの保育園か幼稚園児か。まあ別にここは居酒屋じゃないのでヘンではないが、彼らとテーブルを並べて一杯やるのはやっぱり不思議な感覚ではある。
ともかくも、我々はこの店の定番日本酒、笹一(生酒300ml、590円)でお疲れさん、と乾杯。この頃、笹一を思い出すとこの店を連想する。そのくらい、ここが定番。
合わせて頼んだ料理は、ピリ辛えびせん(360円)に、厚焼き玉子(???円)、さば塩焼き(520円)、ビッグハンバーグ(1,000円)、明太チーズ豆腐(600円)など。ピリ辛えびせん以外は全てここの定番。他にも料理は色々あるのに、何故かつい同じものを頼んでしまうのだ。

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宏池荘には残念ながら、風呂上りにビールを呑めるところがないので(銭湯らしく牛乳などの自動販売機はあるけれど)、風呂上りの待ち合わせ場所を「日の出食堂」にしようと、皆へ周知してから風呂場に分かれる。
それを聞いていた宏池荘の女将さんは「あそこは美味しいわよね~、うちもよく出前を頼みますよ」と仰る。旅館もやっている宏池荘だったら賄いメシだってお手のものかと思っていたが、必ずしもそうではないらしい。
何れにしても汗を流してさっぱりしたら、旅館の女将のお墨付きまで貰っている「日の出食堂」へぶらぶらと移動。途中に小料理屋とか食堂がちらほらあるが、この時間(午後3時過ぎ)に開いているのはやっぱり「日の出食堂」だけだ。
派手な「ラーメン」の文字を染め抜いた暖簾を潜ると、馴染みらしき先客がお一人だけ。奥の小上がりには娘が孫を連れてきているように見受けられ、おじいちゃん店主も遊び相手になっていたようだった。折角の団欒に水を差すようで申し訳なかったが、丁重にビール(大瓶650円税込、以下同様)と餃子(350円)2枚を注文した。
餃子が来ないうちにビールを呑み干すのは癪なので、最初のひと口はグビっとやったものの、そのあとはちびちびやりながら、餃子のタレを準備して待つ。やがて餃子がやってきて、さっそく齧り付く。この店ならではの味だ。
そのうち女子連もやってきて、皆で餃子を突っつく。でもそれだけじゃちょっと物足りないので、野菜炒め(500円)を追加注文。その間、このあとどうしようかと相談、特段の要望がなければ立川で途中下車だが、菊丸はひとり、藤野に寄って買い物をすると云う。じゃあ皆揃って藤野で下りて、「風里」にでも行くか、となった。

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大菩薩連嶺と奥秩父を繋ぐ尾根にある寂峰、倉掛山に登った。その前後は防火帯が延々と続くと知っていたので、さぞかし眺めがいいだろうと想像していたが、当日は生憎どんよりと雲が垂れ込んでいて、遠望は利かず。それでも降られなかっただけましか。晴れたらきっといい眺めだろう、とは感じた。
板橋峠付近には大規模な太陽光発電施設があり、やや興ざめ。昨今、山中を歩いていると思わぬところで太陽光パネルに出くわすことがある。
倉掛山山頂は木々に覆われていて眺めは無く、かつ狭くひっそりとしているので長居する感じではない。防火帯には、延々とワラビが群生していて、ワラビの藪漕ぎ状態となる。その気になって(山登りはそっちのけで)ここへ来れば、ひと儲け出来そうである。白沢峠には、荷台から木が生えている噂のダッジWC54があって、独特の雰囲気を醸している。ここでテント泊するのも良さそうだ。
白沢沿いのやや荒れた径を下って秩父往還に出たら、タクシーを呼んでいつもの宏池荘に向かう。実は菊丸がまだ宏池荘の日帰り温泉風呂(銭湯)に入ったことがないと聞いて吃驚、じゃあ行こうということになったのだった。
小生の知る限り、会としての初入湯はたぶん6年前(記録はこちら)だから(実はそのときには何らかの理由で小生は不参加、それから下ることの4年前が個人的初入湯)、もう皆さん入湯済かと思ったけれど、そうでもなかった。
入口は知らないと判り難い。でも扉を開けるとちゃんと若女将がいて、「いらっしゃいませ」と笑顔を見せてくれる。入ってみると一番風呂だった。

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カミさんが、上野の東京都美術館でやっているクリムト展に行こうという。土日だと混みそうなので、いつもの定期検診日に合わせて行くことにした。クリムトはなんだかんだ、日本にやってくる度に見ている気がする。
同時代の象徴主義派たるギュスターヴ・モローやオディロン・ルドンに比べると、グスタフ・クリムトの絵はインパクトという点で個人的にはやや関心度は低い。しかしながら、モローやルドンがあまり展覧会をやらないのに比べると、クリムトは人気が高いせいか頻繁に展覧会があるので、自然と見る機会は多くなるのだろう。
開館時間のちょっと前に行ってみると、外には行列が無かったが、建物内はびっしりと人の列。結局たっぷり30分以上待たされた。相変わらずの人気ぶりだ。目玉は金ぴか「ユディトⅠ」なのだろうが、個人的には「ベートーヴェン・フリーズ」が印象に残った。
その後、ちょっと早めの夕食を取るために西浅草まで移動、浅草かっぱ橋本通りでは明日から始まる「下町七夕まつり」の飾り付けがされていて風情がいい感じだ。入った店はこの通りに面した、「オペラ」という名のイタリアンレストラン。20数席の店で、シェフが独りで切り盛りしている。念のため電話で予約してみたのだが、我々が食べ終わるまでに入ってきた客はひと組だけだった。浅草には沢山の店があるので、さぞかし競争が激しいのだろうと拝察する。
生ビール(500円税込、以下同様)で喉を湿らせたら、偶にはちょっと奢ってラ・サル・ド・プジョー2006(4,600円)を頼んでみた。さすがに豊潤な味と香り、コスパは高いと感じる。合わせた料理は、とりあえずのおまかせ前菜3品(900円)と、入梅イワシのタプナード風味(900円)、フェットチーネ・ジェノベーゼ(1,400円)、アサリの白ワイン蒸し(900円)、仔牛と生ハム、チーズのサルティンボッカ(2,000円)にした。どれも塩味は控えめで、なかなかどうして結構イケる。それにメニューもいろいろ趣向を凝らしている感じがして、やっぱりつい浅草はレストラン激戦区なのだと改めて感じた。三郷へ引っ越してくれれば、もっと客が入るのは間違いないと思う。

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「多雲坊」でそれなりに満足したので、皆なんとなくそのまま駅に向かって歩き出すと、わざわざ大宮まで来て一軒で帰るのか?という(呑兵衛として至極真っ当な)動議が出されたので、それならばと間髪を入れず、手っ取り早い場所にある「いづみや第二支店」へすっと入る。
入口の目の前のちょっと大きめテーブル席には、いつも予約の札が置いてあるが、6人でドヤドヤと入れば、店のおかあさんがさっと予約札を取り去って、「どうぞ」と目で合図。このあうんの呼吸は、「いづみや本店」にしても「いづみや第二支店」にしても久しぶりの気がして小気味良い。
そのおかあさん、さっそく注文取りにきて我々を待つ。頼んだのは、やはり瓶ビール(サッポロ赤星、510円税込、以下同様)。それと同時に、日本酒(大穴、610円、高い割りに大して美味くない(失礼!))やら泡盛を注文。
さらに併せて料理は、もつ煮込み(170円、オヤジだったら無意識で注文する)、らっきょう(200円、普段、頼む人がいないので、食べるのは久しぶり)、野菜炒め(450円、万人受けする料理だがここでは高級料理の部類)、ハムカツ(300円、何故か居酒屋でしか食べられない)も注文。呑みものの後、更に料理の注文を4つも受け付けてくれた。
他の店では当たり前だが、ここは我々よりひとまわりぐらい上のおかあさん達が仕切る「いづみや」だ。これまでたいていのおかあさんは、3つ以上の注文は受け付けられない(覚えられない)場合が多いので、それに慣れた小生としてはちょっと感動すらおぼえる。
我々を相手にしてくれた(「いづみや」にしては)やけに愛想がいいおかあさん、新人かも知れない。それとも営業方針を変えたのか(新たに立てたのか)? この仮説を検証するため、近々また来てみよう。

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今回の「オヤジばっかり月いち居酒屋ツアー」は久しぶりに山手線から外に出て、大宮でやることになった。久々、蕎麦好きオヤジさんが参加することになり、店も勧めていただいた「多雲坊」という居酒屋で決まり。以前、大宮東口界隈の店をリサーチしていた頃から名前だけは知っていたが、ネットを見た限りなかなか個性的な店のようで(悪い意味ではない)、ちょっと二の足を踏んでいたところだった。
個性的なのは料理。鹿刺(1,500円税込、以下同様)や鯨尾肉刺(1,500円)ぐらいは「おっ、珍しいね」という感じだが、ダチョウ刺身(1,500円)とかカンガルー刺身(1,500円)となると「え"ーっ!?」となる。他にもワニやカエルとかあるが、決してゲテモノ料理屋ではなく、「変わった料理もある」居酒屋という感じか。
店は袋小路のどん詰まり、西側からはアクセスできない。建物は古民家というか、看板が無ければ単なる荒ら屋である。大都市大宮の街中にこんな居酒屋があるとは、と少々吃驚する。総じて大宮の呑み屋街は普通の地方都市とは異なり、ゆったりした街並みでは無くカオス的にごちゃごちゃした感じだが、「多雲坊」はまさにそんな一角にあっても些か異色を放っている。
暖簾を潜ると三和土があり、靴を脱いで上がり込む。小生が一番客だった。女性店員に広間へ通され、ここでどうぞとテーブルをあてがわれたが、隣を見ると掘り炬燵形式のテーブルがひとつだけあったので、ここにして欲しいと女性店員に無理を云った。なにせ総じてオヤジは皆、身体が硬いので胡坐すら苦痛なのだ。
程なく皆が揃い、生ビール(600円税別、以下同様)で乾杯。その後は地酒。いろいろ置いてあったが、大七(800円)やら神亀(800円)やらを賞味。やはりいくつかある焼酎に切り替えた者もいた。つまみは、ポテトサラダ(500円)、自家製ザーサイ(500円)、卵焼き(500円)、まぐろ刺(800円)、太刀魚刺(???円)、大根煮(700円)、鶏竜田揚げ(800円)、へしこ焼き(800円)、鯖塩焼き(500円)と、まともな料理にした。
どれも申し分がない味だったが、特に大根煮は見掛けはギョッとするものの、味は実に優しかった。ポテトサラダは、極めてシンプルだがちゃんと美味い。他にもまだまだ料理はあるし珍味にも一切、手を付けていないので、また来ることになりそうだ。

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この頃大宮駅で途中下車しても、特に考えもせず成り行きでいつもの居酒屋に入ることが多かったので、今日はちょっと心を入れ替え、偶には未だ入ったことが無い人気の居酒屋にしてみようと検討、高崎から乗った新幹線の中から予約の電話をしてみた。
一つめと二つめは満席で、三つめの店で漸く「お待ちしています」の返答を得る。その店は「雑魚や 基」という居酒屋。場所は、南銀商店街の一本東側の通りにある雑居ビルの地下階。店の中は意外に広い。我々はカウンター席に座ったが、他にテーブル席や小上がりもあるようだ。照明を落した店内はやや薄暗く感じるが、テーブルだけは明るくなっていて、料理の見栄えが良い。その分、料理に自信があると見える。
またビールが呑みたい気分だが、そうは呑めそうに無いので生小グラス(360円税込、以下同様)をグビっとやった。料理もそんなに喰えないが、先ずさわら刺身(???円)を注文。その後は、ちょっと珍しいなとイカスミさつま揚げ(600円)を頼む。人気料理らしい。イカスミが入っただけ更に美味い筈だが、その辺りはよく判らない。さわらはイキがいい。
ビールの後はやはり日本酒、ここは様々な地酒が置いてあってうれしい。今日の気分で選んだのは「鶴齢・純米超辛口」(???円)。目の前で、片口に注いでくれる。
追加で、鮭トバ入りポテトサラダ(500円)も注文。その名の通り、鮭トバが入っているので独特の味わいがある。これはなかなかだ。ここの店ではアジフライも名物らしいが、残念ながら今日はそこまでは手が出ない。次回の宿題としよう。

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予定通りに「落合簗」で鮎を堪能したあとはとりあえず帰るだけだが、ここがちょっとだけ思案のしどころ。在来線で大宮まで行こうとすると、渋川駅17時25分発の電車に乗って、高崎で乗り換えすれば19時25分に到着し、料金は1,690円。一方、同じ電車で高崎から新幹線に乗り換えると大宮到着は18時26分となり、料金は3,560円かかる。
差額の1,870円で約1時間の「時間」を買うかどうかという問題。(そもそも電車に長く座っているのは嫌いだ、という方の意見は別として)もうそのまま家まで帰るのであれば金で「時間」を買う必要も無いが、小生の場合は買った時間を大宮で使おうという魂胆である。しかもその時間だけ、そこでも金を遣うわけだからダブルで金が必要となる訳なのに、折角の遠出だからそれもまた佳かろうと、酔った勢いで良い様に解釈し、すんなり新幹線の乗り場へ向かうことにした。
こうなった場合は、その余禄としてこの地域限定のビールを買うことにしようと、新幹線改札内のKIOSKを覗く。目当ての「上越線ビール」はちゃんとあった。月夜野クラフトビールが、JR東日本とタイアップして売り出したビールで、1年前にも高崎駅のベックスで呑んだことがある。
この「上越線ビール」には2種類あって、そのときに呑んだのは「C61 20ピルスナー」という種類。今回の目当ては、未だ呑んでいなかったもう一つの「D51 498BLACK」なのである。C61 20号機もD51 498号機も、どちらも上越線に所縁がある蒸気機関車で、しかも現役。「SLみなかみ号」に使われていて、個人的には2年前に見かけたことがあるので、D51 498号機の方が馴染み深い。
このビールの特徴はもう一つあって、なんとペットボトルに入っている。何故かペットボトル入りビールを見ることは無く、知る限り国産ではこれだけだ。ググッた範囲では、PET樹脂は完全に空気を遮断できず僅かながら酸化が進むらしいが、買って直ぐ呑む分には全く問題ないレベル。
肝心の「D51 498BLACK」の味は、コクだけでなくキレもあってかなり美味いと感じた。いつか機会があれば、山に持って行ってみたい。

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今年も鮎の季節がやってきた。北関東に簗場はいくつかあるが、我々のような公共交通機関利用派にとっては、渋川駅に近い「落合簗」は比較的使い勝手が良い。他に同じような位置関係にあるのは「磯部簗」ぐらいだが、生憎こちらは近くに適当な山が無い。ということで、3年ぶりに「落合簗」へ行ってみることにした(前回はこちら)。
ただし3年前は、茹だるように暑くて少々懲りたので、梅雨明けではなく梅雨の最中に早めることにして、もちろん、簗へ直行するような真似は出来ないので、行き掛けの駄賃で水沢山に登って、伊香保温泉でさっぱりしたあと「落合簗」へ向かうことにしたのだった。
狙い通り今日は、3年前とは打って変わって肌寒さすら感じる陽気。さっき登った、目の前に見えるはずの水沢山は雲の中、やや残念であるが、利根川の流れはそのままで良い風情。先客は2組と随分少ないのは、この天気であれば仕方が無いところか。
先ずは生ビール(600円税別、以下同様)で乾杯。その後は冷酒の大盃(300ml、1,000円)をちびちびやる。料理はさっそく塩焼き(800円)を人数分焼いてもらうよう頼んでから、土佐煮(500円)と南蛮漬(500円)、うるか(500円)、刺身(1,000円)を注文。
土佐煮の鮎とは初めて。普通の煮物に鰹節を加えたシロモノのようだ。これは日本酒にぴったりな肴だ。出てきた鮎刺身は、プリプリな食感が堪らない。うるかもたぶん、日本酒しか合わない。やがて塩焼き到来。遠火でじっくり焼かれているので、頭からしっぽまで残さずいただいた。これだけで幸せになれる。
そのあとは鮎飯(1,000円)と鮎田楽(800円)、鮎フライ(800円)を注文。気のせいか、今回出てきた鮎飯はあっさりしていて、なんだかワタは除いてあるような感じだったが、やはり鮎飯は美味い。鮎尽くしを堪能した約2時間、お代は締めて6人前で2万円と、懐にも優しい「落合簗」だった。

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今回は榛名山の東端にある水沢山を登って、伊香保温泉へ下る山行。水沢山は東西方向から眺めると鋭利な槍の如く聳えて見え、これはこれでひとかどの山だと思う。登り口は門前のうどん屋で有名な水澤観音。
ここへのアプローチは、高崎駅から伊香保温泉へと繋ぐ群馬バスを使うしかないのだが、些かタイミングが悪い。そこで、渋川駅から伊香保行きの関越交通バスに乗り、そこから逆モーションで水澤観音経由で高崎駅へ向かう群馬バスに乗り継ぐプランを立ててみた。
ところがところが、渋川から乗った関越交通バスが(さして交通渋滞があったとは思えないが)遅れてしまったのだ。群馬バスが待っていてくれる筈も無く、乗り継ぎは虚しく失敗、結局タクシーを呼ぶ破目になり高くついた。
折角なので、水澤観音をお参り。土産物屋のおかあさん達から「お茶を飲んでいって」と誘われるが、ここで油を売る訳にはいかない。既に雨なので、歩き出しからレインウェアを完全装備。もう梅雨入りしているので朝から雨も覚悟の上だが、水沢山山頂からの眺めが無いのはやや残念。
山頂までの山径は、ちょうどコアジサイが花盛りだ。それにしても、登る我々と行き違うハイカーが、こんな天気でも意外に多い。皆さん、地元の方ばかりのようで、我々のリュックサックの大きさに驚いてみせたり、わざわざ東京からようこそ、と云って呉れたりで、他の山とはちょっと趣きが違って賑やかだ。
眺望ゼロの山頂には長居をせずに、そのまま東側へさっさと下山。こちらもコアジサイロード。降り立った場所は伊香保神社。つまり石段街のてっぺん。ここから下りていく途中にある、「石段の湯」という共同浴場に入って温まることにした。ここも伊香保温泉らしく、赤茶色に濁った湯だった。
中に休憩室はあるが、残念ながらビールが無い。そこで、石段を挟んで目の前にあった「石段たまこんにゃく」で缶ビールを購入。店の中で呑むには、食事を頼まなくてはならない、と女将が仰るので、石段脇のベンチに座りながらグビっとやる。石段を行き交う観光客を眺めながら呑むのも乙だ。

46 伊香保神社に到着。

47 観光客で賑わっている。

48 伊香保名物。

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久しぶりに「たく庵」でカミさんと夕食。ここの店主は、色々な事をやるアクティブでかつマルチな人である。日本百高山登頂を目指したり(もう達成したらしい)、ボーリング大会(なにしろアベレージは200ぐらいらしい)やゴルフコンペを主催したり。勿論、打ち上げは「たく庵」でやることになので、店の売り上げ拡大キャンペーンの一環でもある訳だ。
最近の近況を訊いてみると、今は三郷市商工会の世話役をやっているとのこと。商店街の活性化に力を入れていると、しばし熱弁を伺った。今は、恒例になった冬のライト・イルミネーションの点灯式のイベントを考え中とのこと。どうやら蕎麦屋の営業は、すっかり奥さんに任せてしまっているようである(たぶん、蕎麦打ちだけは店主がやっているはず)。
いつもの席に着いたら、さっそく生ビールと枝豆を注文。ビールジョッキは冷凍庫に保管されているので、いつもキンキンに冷えていてうれしい。枝豆はまさに今が旬。味と香りもさることながら、冷凍ではなく生だと、莢がしっかりしているので歯触りが心地よい。枝豆にはやはりビールだ。
その後はいつものように「神亀 ひこ孫」を冷やで注文。グラスの下の一合枡に、摺り切り一杯注がれて出てくる。カミさんは例によって、生グレープフルーツサワー。1杯分に、グレープフルーツがまるまる1個分(半割で2個)付いてくるので、炭酸まで加える余地は無い。
追加のつまみは、かつ煮と焼き鳥にしてみた。かつ煮はいわゆる、「天ぬき」ならぬ「かつぬき」のようなもの。かつ丼を喰う機会はもう殆ど無いが、かつ煮だけはここでいただくことにしている。そして仕上げはせいろを一人前。特にお願いした訳ではないが、福井産と青森産の二種類の蕎麦を、ひとつのせいろに盛ってくれた。馴染みの店は有り難い。

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「奥村本店」で老舗蕎麦屋の味を堪能した後、まだ「特急あずさ」の時間まで多少時間があるので、もう一軒寄ってみることにした。甲府駅界隈には、午後5時以降であれば山ほど居酒屋が開いている。常々、山から下りたそのついでに、何処かに寄ってみたいと思っていたものの、どうしても帰りが遅くなるので二の足を踏んでしまう。それに、甲府駅に下りてくる山は意外と少ない。その少ないケースの中から挙げられるのは、今回のように広河原から戻る場合だ。
いつか機会が出来たら、寄ってみようといくつかリストアップしていた居酒屋のうち、今回は「七賢酒蔵」という居酒屋をチョイス。駅に近くて便利。その名の通り、「七賢」を醸す山梨銘醸の直営店らしい。
開店時間の5時を少々回ったところで入店。我々は左手のカウンター席へ。右手にはテーブル席、奥には座敷もあるようだ。さっそくメニューを拝見。当然ながら日本酒は全て「七賢」だが、いくつかの銘柄が並んでいる。他にもビールだって、ワインだってある。
もうビールはいらない感じだが、それでもちょっと口を爽やかにしたいので、「山ノ霞」(360ml、1,500円税込)というスパークリング日本酒を頼む。スパークリングワインと同様、瓶内で二次醗酵させたシロモノらしい。口に含んでみるとだいぶ甘口だが、炭酸が和らげてくれるのでそれほど悪くはない。すかすか呑んでしまいそうな、あぶない酒だ。腹はかなりいっぱい状態なので、つまみはもう余りいらない感じ。それでも折角なので、かつおの刺身とアスパラベーコン巻きを頼んだ。
カウンター席は独り客か二人連れ、テーブル席は仲間同士、座敷は家族連れという感じで客層は様々。そのうちに、中高年の10数人の団体(「歩こう会」みたいな雰囲気)がやってきて、テーブル席の一角を占拠した。

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「都温泉」から近いところで、この時間(午後4時前)でも開いている店がないかググってみると、見つかった店が「奥村本店」だった。店のホームページを覗いてみると、「創業江戸寛文年間」、「360年以上の歴史」などという説明がある。こりゃ凄い。
寛文年間とは西暦1661年から1673年までだから、江戸初期。そば切りの発祥時期には諸説あるが、少なくとも江戸に伝わったのが徳川幕府成立以降らしいので、ここ「奥村本店」はそれと大して違わない頃に甲州で創業したことになる。
東京で一番の老舗蕎麦屋、「更科堀井」だって創業は1789年に過ぎず、ここ「奥村本店」は飛び抜けて古い。そのせいかどうか、甲府の中心街には「奥京」だとか「奥藤」なる蕎麦屋が見つかるが、「奥村」の「奥」を貰って暖簾分けしたのかも、と気付く。
暖簾を潜って、通された席は一番奥のテーブル、こじんまりした中庭に面している。先ずは湯上りビール(生780円税別、以下同様)で乾杯。喉が渇いたのか、1杯では済まない、お代わりをする。その後は、地酒の飲み比べ純米吟醸セット(1,300円)をいただく。「太冠・純米吟醸」は初めてかも知れない。あっという間になくなってしまったので、今度は飲み比べセットの本醸造シリーズ(780円)を追加。
つまみは、B級グルメグランプリの鶏もつ煮(680円)を頼む。同じようなもので、いりとり(720円)というものがあったのでこれも注文。味付けはもつと同じで、モノがモモ肉のようだ。何れにせよ、ビールにも日本酒にも合う。後は、天ぷら(1,750円)ともり(770円)。
蕎麦は、細打ちなのにコシが強く、ツルツル。これはホンモノだ。この店がある場所は甲府市中央4丁目、駅からはちょっと歩きでがあるので、今までなかなか来るチャンスが無かった。甲府の街は奥が深い。

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個人的に長年の懸案だった小太郎山登頂を目出度く果たしたあとは、広河原13時発のバスに乗り、甲府に14時50分到着。腹も空いたが、先ずは風呂だ。甲府には何故か温泉の銭湯が多い。而して、直ちにタクシーに乗り換え、未だ入ったことが無い銭湯の中で最寄の「都温泉」を目指すことにした。実はここは土曜日が定休日、(いつも土曜日に計画する)日帰りの山行でここに寄ることはできないので、泊まりの山行の時に行ってみようと、以前から狙っていた。
ところが、タクシーの運転手に行先を告げても「み~や~こ~お~ん~せ~ん??」と首を捻るばかり。住所を教えても「そんなのあったかな~」と云うので、小生がナビすることにした。行ってみると、道から奥まっていて、しかも看板がない(正確には、葦簀の陰になって見えない)。これじゃあ、判らなくっても仕方がないかも知れないが、噂も聞いていないのだろうか。少なくとも、タクシーで乗り付ける客は少ないようだ。
都温泉の敷地に入ると、ズボンに半袖下着姿のおやじがいて、煙草を吸っている。どうやらここの主人らしい。顔は強面だが、話し始めると人懐っこくて、歯が殆ど無いので愛嬌もある。飄々としていて、ぜんぜん商売っ気がない感じもする。
建物は簡素な感じで、確かに看板が無かったら銭湯には見えない。中に入ると昔風に番台がある。おやじに、石鹸も買いたいというと、「これを使って」と使い掛けの石鹸を渡される。先客はお一人だけ。後からぱらぱらとやってきたが、ほぼ地元民のようである。湯は熱く(43度ぐらいか)、30秒ほど浸かっただけでも汗が止まらない。
扇風機に当たっていると、また話好きおやじが番台から降りてきて、一頻りおしゃべり。帰るときに、「年賀状を出したいから住所を教えて」と仰る。銭湯から年賀状を貰ったことは無かったので何となく楽しみ。年賀状が来たら、また行ってみようかと思いそうだ。

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