山から下りたらこんな店 - 副隊長の自己満足

山から下りて、ひと風呂浴びてから一杯やるのは醍醐味の一つ。しかし、最近はどっちが主なのか、判らなくなってきた・・・。

2017年02月

公共交通機関利用派としては、道志の山はとっても行き難い山域のひとつ。最寄りはJR藤野駅か、富士急都留市駅からタクシー利用するしかない。どちらからでも7,000円以上かかるので、なるべく大人数でないと、出費が少々痛い。今回は、参加人数が二転三転したが、結局4人と云うことで落ち着いたので、リーズナブルな人数になった。
狙いは赤鞍ヶ岳から菜畑山までのトレースだったが、思った通り(?)尾根上には積雪があり、特に朝日山から先はラッセルが必要だったので、あっさりその時点で断念。ほぼ一日中良い天気で、富士山が良く見えた。
竹之本の集落に下りたら(山の記録はこちら)、やはりビール。「道志宿」というドライブインのような大衆食堂がある、和出村を目指して「道志みち」をてくてく移動。さすがにこの季節はツーリング族はおらず、静かな街道である。
10分ほどで「道志宿」に到着。いつもは、このような店に到着すると、開いているか閉まっているかで少々ドキドキするが、今回は予め、なおちゃんが店の営業状況をリサーチして呉れたお陰で、安心して入店。中に入ると、目の前にストーブが暖かい。奥にはテーブル席がずらっと並んでいて、右側に座敷。意外に広い。焼酎のキープボトルがずらりと並んでいるので、夜は居酒屋になるのだろうか。女将さんがお出迎え。さっそく生ビール(600円税込、以下同様)を注文。山中ではほとんど水分を取らなかったせいか、やっぱりビールが美味い。
メニューを眺めると、基本的には定食屋のようだが、うな重もある。蒲焼の大きさが気になるものの、1,400円は破格に安い。山女重(900円)なんてのもある。どんなものか興味が湧く。一品料理もそれなりにある。鹿さしみ(1,000円)は、感染症が気になるので少々躊躇う。結局選んだつまみは、馬もつ煮(600円)と焼き餃子(500円)。どちらも普通以上に美味い。馬もつ、なかなかお目にかかれないが、臭みは少ないようだ。漬物もサービスでいただいた。
最近、「日野出屋旅館」で立ち寄り湯が出来なくなったので、道志にやってくるモチベーションがやや殺がれた感じだが、「道志宿」があれば安心。菜畑山リベンジではまた寄らせてもらおう。

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海外出張帰りの人を肴に、オヤジ5人で急きょ、呑み会。かつて寿司屋があったところが、いつの間にか焼き鳥屋になっていて驚いた。それぐらい、この辺りには来ていなかったということ。とりたててどうこう云うような料理も無いのだけれど、ひとつだけ突っ込んでみたかったので、写真を撮った。

オヤジ達相手に、ハートのビール泡アートはやりすぎじゃないの?

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今宵は、毎度お馴染み「久呂無木」で新年会。8人でまた、有り難く奥の座敷に上がらせていただく。寒々しい三峰神社から下りてきたので、ここはほっこり暖かく有り難い。くまちゃんは前回に引き続き、店からの合流。
ビールで乾杯した後は、いつものように、ご主人にお任せのこだわり日本酒をいただく。最初に出て来た「醸し人九平次・純米吟醸」は、「火と月の間に・山田錦」という文言がラベルに付いている。どのようにイメージしたら良いのだろうか(まさか、火と月の間には、水と木と金と土と日がある、なんて下手なオヤジギャグじゃあるまいし)。何だかこの頃の日本酒は、TEVドラマや小説のタイトルのように複雑化している。
つまみは、やっぱり定番料理。今日も牡蠣は大ぶりでぷりっとしているし、サツマイモ天ぷらは甘くてほくほく、いわいどり炙り焼きはパリッとジューシー、そばサラダはパリパリ、シャキシャキ、出汁巻き玉子はほっこりアツアツ。どれも安心できる美味さだ。
日本酒は引き続き「鍋島 純米吟醸 山田錦」、「奈良萬 純米生酒 中垂れ」と続く。「鍋島」も、「奈良萬」もシュワっとジューシー。最後に出て来たのは、「大典白菊トリプルA」。これは初体験。ラベルが斬新。いただいてみると、呑みくちが軽く爽やかだ。
そして、締めの蕎麦。せいろが主だが、和尚はかけそば。つゆだけ飲ませてもらうが出汁が強烈、やっぱり美味い。今宵もあっという間に時間が経過し、名残惜しいがお開きとなった。また次回が待ち遠しい。ところでご主人に、大人数の場合は予めコースの予約を入れて貰えると助かる、と云われた。たしかに常に完璧を目指すご主人としては、急な対応ができずもどかしいのかも知れない。次回からは心しよう。

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妙法ヶ岳登頂後は、三峰神社の興雲閣にある「三峯神の湯」に浸かるつもりだったが、思いの外、時間がかかり、予定バスの時間まで残りわずか。湯に入ると必然的に次のバスとなり、「久呂無木」到着時刻は確実に1時間遅くなるので、涙を呑んで今日は立ち寄り湯は無し(しかし、ビールはしっかり呑んだ)。やはり雪があると、それなりに時間がかかる。
同じ話は、路線バスについても云える。三峰神社BSを15時35分発のバスに乗り、三峰口駅で5分の待ち合わせで、池袋行直通の快速急行に乗る予定だったが、バスはスリップに注意してゆっくり走ったせいか、定刻を少々遅れ、ぎりぎりアウト。バスの運転手も、三峰口駅改札口に居た駅員も、待ち合わせをしてくれるのか、くれないのか、何も云ってくれない。
走って切符を買って(秩父鉄道はPASMO・SUICAが使えないので、一つずつしかない券売窓口と券売機に8人で群がって切符を買う必要がある)、もたもたしているうちに結局乗れなかったら最悪だ。(駅員が直通電車を停めていてくれない限り)あえてリスクは取らず、そのまま終点の西武秩父駅までバスに乗り、次の特急レッドアローちちぶ40号に乗ることにした。「久呂無木」到着時刻は、20分ほど遅くなるが仕方が無い。予定外だが、500円払って優雅に行こう。
そうとなれば、車内から酒盛りだ。リュックサックから取り出したのは、「積善・純米・ヒマワリの花酵母」。前回呑んだ、「りんごの花酵母」と較べて華やかな香りは抑えめだが、酸味とこくのバランスが程良く、飽きがこない感じ。酵母の違いだけで、これほど味わいに差が出るとは、改めて驚く。ということは、酵母はただ単に、エチルアルコールと二酸化炭素を生成させるだけではなく、様々な微量の副生成物を作っている訳だ。例えば「りんごの花酵母」だったら、他の酵母と較べてカプロン酸エチルを多めに作る「癖」がある、という具合に。酵母の世界はなかなか深い。杜氏になったら病みつきになるかも知れない。
「積善・純米・ヒマワリの花酵母」を味わいながら、「特急ちちぶ」の車窓からとっぷりと日が暮れた外を眺めていると、列車のスピードが緩くなったかと思ったら、怪しい色にライトアップされた、芦ヶ久保の氷柱まつりが一瞬見えた。 

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今回は、秩父三峰神社の初詣と「久呂無木」の蕎麦が目的。一応、山の会としての矜持もあるので、バスは終点の三峰神社まで乗らず、麓から裏参道を辿り、奥宮がある妙法ヶ岳まで行くつもり。
裏参道の登山口は、岡本BSが最寄りなのだが、何故か乗ったバスが停まらない。その時初めて、三峰神社行きのバスは全て急行で、岡本BSは通過することに気が付いた。仕方なく、大滝温泉遊湯館前BSから戻る。いつ頃に降った雪なのか判らないが、脇の歩道部分には意外に雪が残っている。
裏参道に入ると、それほど雪は無いものの、無雪期よりはそれなりに時間がかかる。三峰神社までやってくると気温はぐっと下がり、積雪量もだいぶ増え、足首が埋まる程度の深さ。途中、ストックやアイゼン、チェーンスパイクも無しに奥宮まで来た若者カップルがいた。意外に、人間は簡単に滑落しないものだ、と変に感心してしまうが、偶々、運が良かっただけだろう。ラブラブなので気が付かないのだろうが。あれでもし、どちらかが滑落したら、マスコミが挙って彼らの準備不足を叩くのは間違いない。
とりあえず奥宮がある妙法ヶ岳の登頂は果たしたが(山の記録はこちら)、帰りのバスの時刻が迫ってきているため、風呂は諦めるしかない。それでも、ビールで喉を潤すぐらいの時間はあるので、大鳥居の目の前にある「大島屋」に入ることにした。この時間だと食事は出来ないようだが、我々には関係ない。中は暖かく、ビールを呷るには申し分ない。
こんなに寒空にもかかわらず、結構な参拝者がいて、ここ「大島屋」もそこそこ埋まっているし、しかも奥の大広間には団体客が来ている様子。これも信仰の力か。ここに三峰神社がある限り、ここ「大島屋」は営業し続けるに違いない。

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今年の月いち居酒屋ツアー第1弾は、オヤジの街、新橋。日頃、埼玉県と千葉県との間を往復しているだけの田舎者にとっては、新橋の呑み屋街の灯りがやけに眩しい。今日は少々会社をフライングして(勿論、ちゃんと半日年休を取って)出たので、少しの間、馴染みの呑み屋街をうろつくことができた。
彷徨う程に、知っていた店が無くなり(特に、居酒屋「均一軒」が無くなったのは大ショック。この店のアジのたたき(いわゆる、なめろう)はもう、絶品だった。例えば、この方のブログをご覧あれ)、新たな店が出来ていたりと、いつの間にやら随分様変わりしていた。もう、かなり浦島太郎状態になってきた。
今日の店は中華。新橋には勿論、中華料理店は掃いて棄てるほどあり、これまで何軒も入ったことがあるが、やや虎の門寄りにある、この「故郷 味」という店は初めてである。このツアーでは、良い酒をちょびっと呑むよりも、安い酒を大量に呑みたい(って、そんなに呑むトシじゃなくなっているのに)という圧力が常に懸かっているため、このような店に引っ掛かる確率が高い。店は地下。階段を下りて行くと、シンプルな内装。
まずは、生ビール(中480円、小380円税別、以下同様)だが、その後は紹興酒(三国演義5年もの、1,190円/ボトル)にする。ウィスキーダブル(760円)を呑む方もいるし、酒に飽きてジャスミン茶(300円)を飲みたいという方もいて様々。
つまみは、羊肉串(150円×5本)、煎餃(450円×2)、上海小籠包(480円×2) 、川味竹筍(680円)、回鍋肉(880円) 、搾菜(580円)、麻婆茄子(980円)。
餃子は、ここでは「煎餃」。最初から焼くのではなく、茹でた後に焼くと「煎」になるらしい。頬張ってみると、明らかに八角の香り、もしかすると五香粉が入っているようだ。中国東北スタイルって感じがする。羊肉串は、とにかくスパイシー。クミンの香りもするが、少々トウガラシが利き過ぎている感じ。川味竹筍は、細身の筍に辛味噌が掛かったもので、珍しい。
正直云って何れも、特に美味い訳ではないが、そこそこの味でしかも(とりわけ飲み物が)安いというのが、この店の特徴の様である。大人数で安くやりたい場合にはいい店だと思う。 

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「宮戸川」ですっかり不完全燃焼を起こしたので、験直しにもう一軒入ることにした。その店は「赤垣」という古典酒場。吉田類の「酒場放浪記」にも出て来る。藍染めの暖簾と、ぶら下がった提灯にも「酒夏酒冬」という文字が見える。どういう意味だろうか(「春夏秋冬」の洒落のようである)。
創業は100年にもなるらしい。ということは、大正ノスタルジーの世界。そういう店ならば、客あしらいも馴れているだろうと、その点では安心して入れるが、ここは予約が利かない店なので、やはり恐る恐る暖簾を潜る。
間口が2間ぐらいしかない小ぢんまりした店、入口右手にテーブル席、奥がカウンター席になっている。既に先客は10数人いてほぼ満席だが、女性店員(もしかすると女将?)がすっとカウンターを指して「如何?」と眼で合図。上手い具合にカウンター席が2つ空いていた。
この時間でも、仲見世界隈は外国人観光客で溢れ返っていると思われるが、一歩この店に入ると別世界。耳に入って来る話し声のトーンも抑えめで、むしろ心地良い。若者がいないかと思うとそうでもない。若いカップルが静かに呑んでいる。年季が入った居酒屋ならではの雰囲気が、そうさせるのだろうと思う。常連客が多そうな感じだが、一見客でもとても居心地が良い。これぞ酒場。
付き出しはパスタサラダときゅうりの酢の物が、2人で1セット。この心遣いも粋に感じる。酒は高清水純米(500円税込、以下同様)にしてみる。つまみは、カンパチのカマ焼き(750円)、カキフライ(650円)、合鴨つくね(450円)を注文。当然かもしれないが、そろそろかな、と思う頃にちゃんと出て来る。しかも、美味い。あ~、救われた。

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赤垣のHPはこちら 

用事で出掛けていたカミさんと、浅草で待ち合わせ。ほぼ3ヶ月ぶりの浅草である。待ち合わせ時間までぶらぶらしてみたが、相変わらず外国人観光客は多い。伝法院通りはまだそれ程でもないが、仲見世辺りは凄い人混み、近付きたくもない。
今宵の目当ては、浅草寺の西参道にある「宮戸川」という居酒屋。このネーミングは、佐伯泰英の時代小説「陽炎の辻」に出て来る鰻屋をイメージしているのか。それとも、古典落語の演目に肖ってのことだろうか。この落語に依れば、隅田川のうち、浅草付近を「宮戸川」と呼ぶらしい。
メニューを見ると、なかなか面白い料理が揃っている。曰く、江戸下町料理とのこと。天麩羅串や、豆腐田楽、揚げ出し大根など、興味がある。とりあえずはビール、その後、刺身盛り合わせを注文。1階には客は我々だけだったが、2階に上がって行く客がやってくる。どうやら宴会の様子。店員も頻繁に階段を行き来する。
ビールの後は日本酒。桑乃都があったのでそれをいただく。唯一、八王子にある酒蔵が造る酒。妙に懐かしい。それにしても、料理がなかなか出て来ない。2階で宴会をやっているせいだろうが、1階の客は我々だけなのに、すでに厨房のキャパを超えてしまっているのだろう。ならば、宴会が入っている時は、入店を断るか、客に予め料理を出せる見込みぐらい、伝えることをすべきだろう。客扱いに慣れていないようだ。
30分以上待って漸く出て来た刺身(蛸、鮪赤身、鰤、鮭)は、なかなか美味かった。でも、もうこれ以上注文する気にはなれない。食べ終わったら直ぐに会計してもらう。店のコンセプトは悪くないので、極めて残念な接客だった。
カミさんはもう二度と来たくないだろうが、小生は結局食べられなかった料理をそのまま諦める気にもなれない。空いている(宴会が入らない)タイミングを見計らって、もう一度来てみたい。それまで店があれば、の話ではあるが。 

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「酒蔵 信濃」から駅に戻って新幹線の切符を買おうとすると、意外に夕刻の本数が少なく、しかも直近の18時34分の「はくたか572号」、19時20分の「あさま628号」は既に指定席が満席状態。そんなに「信濃」に長居した訳でも無いが、やっぱり念には念を入れて、呑む前に指定券を買っておけばよかったか、迂闊だったと反省。立ったまま帰る選択肢も無い訳では無いが、せっかく良い気分になっているのに興醒めだ。明日も休みなので、今日はゆっくり帰るとしようと、19時50分発の「はくたか574号」の指定席を確保。席はバラバラだが、座れるだけ有り難い。
残念ながら、と云うか嬉しいことに、と云うか、まだ1時間半ある。もちろん、小生としてはハシゴをすること自体、吝かではない。ともかく再び、駅の外へ繰り出す。雪がしんしんと降っているので、やはり近場にしようと、「ゴールデン酒場」と書かれた看板に釣られて店に入る。
1階はかなり混んでいる様子で、2階へ通される。この店は、居酒屋ではあるが若者が好みそうな雰囲気。調べてみると、長野県内に展開している居酒屋チェーン店のようである。午後3時から営業しているので、我々のように帰りが遠い者向きの店である。
飲み物のメニューを覗くと、ここにも信濃の地酒が色々あるが、ハイボールの類もずらりと並んでいる。さっきは日本酒だったので、ここでは炭酸系でいくことにする。この店では、普通のハイボール(ウイスキーベース)のことを、態々ウイスキーハイボール(380円税別、以下同様)と呼んでいる。ゴールデンボール(380円)というのがあったので、それを呑むことにした。よくみると、キンボール(380円)というのもある。「ゴールデン」も「キン」も同じじゃないの? なんだか即物的なネーミングだなあ、と思いきや、実は「ゴールデン」の方は、宝焼酎ゴールデン(と云う名の焼酎)がベース、「キン」はキンミヤ焼酎がベースのハイボールだった。なかなかウケる。もうひとつ、単にボール(380円)というのもある。これは、この店オリジナルの焼酎らしい。
つまみもかなり豊富。どれにしようか迷うが、焼き餃子(380円)、ねぎメンマ(300円)、とりもも串(150円×3)、信州サーモン刺身(650円)を注文してみた。何れもさっきの「信濃」には無かった料理。信州サーモンは蕩ける。
こうやって梯子酒を呑んでいると、何だか、出張の帰りのようでもあり、事故かなにかで不通になっていて再会まで云い訳がましく呑みにいくような感じでもある。女性(特に主婦)にとって、列車待ちで一杯やるのは殆ど経験が無いと思うが、さらりーまん族は、出張の帰りに列車待ち、フライト待ちで一杯やるのは、ごく一般的な行動。そう云えば、この頃、すっかり国内出張が無くなったなと思い出した。

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ひと通りの観光を終えた後は、ちょっと腹が空いてきたので何処かに入ろうかとなるが、その前に一応、駅のみどりの窓口へ行って上り新幹線の空席状態を確認。どの列車も「空席有」となっているので、どうやら予約は要りそうにない、安心して店に入ることとしよう。
予め調べた範囲では、駅前ビルの地下に早い時間から開いている居酒屋があったので、そこを覗いてみることにする。店構えは、如何にも酒場という雰囲気。その名も「信濃」というストレートな店名で、場所柄、列車待ちに使う上で便利そうだし、夜が待ちきれない呑んべえにとっても使い勝手が良さそうだが、意外にも常連が屯している店のようである。しかし、だからと云って、一見客には敷居が高いということはない。
扉を開けると、右手にカウンター席と厨房、左手は小上がり。我々は、誰も先客がいない小上がりに着陸する。内観も、ごく普通の駅前居酒屋という感じだが、メニューを見ると信濃の地酒がずらり。こういうところが、山の帰りの楽しみの一つである。つまみも奇を衒わない品揃え。
ならば最初から日本酒でいくか。まずはやっぱり信州亀齢(400円税込、以下同様)で。メニューには、「きれい」と平仮名だけ、書いてある。付き出しは、おから。この頃、あまり目にすることが無い。他に、湯豆腐(450円)、馬刺し(800円)、ポテトサラダ(350円)、おでん(450円)、味噌煮込みうどん(680円)を注文してみた。
馬刺しは長野に来るとつい頼んでしまう。柔らかくって良い感じの歯応え。ポテトサラダは正統派。それ以外の料理は、どれも素朴だが、安心できる味。この安心感が、駅前居酒屋では重要。程良く呑んでいい気持になったところで外へ出ると、雪はすっかり本降りとなっていた。ここが信濃の国だったことを思い出した。

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岡崎酒造を出た後、女子連は、上田城を観光したいと云うのでご案内。途中、「おお西」の本店も外から見物。何故か「切られ与三郎」の看板が目印。次は本店の蕎麦を手繰るか。その先に、「菱屋」という味噌店があったので立ち寄り(武田味噌醸造の直売店だった)。霙交じりの氷雨が降ってきたので、少々足早に移動。
堀に掛かる道を進むと、上田城址の入口にある「真田丸大河ドラマ館」の前に、数軒の露店が並んでいた。真田茶屋と呼ばれているようだ。その中に、さっき上田電鉄・上田駅前で、店が閉まっていた焼鳥屋「番長」の露店があるのに気が付く。美味(おい)だれ焼き鳥が気になる・・・。
・・・上田城そのものはもう、2、3度入っているので、個人的には別に見なくてもいい。ならば、「ここで女子連が戻って来るのを待つのは良い手かも知れない・・・」と思い付き、ご案内はここまでにして「ここで一杯やりながら待ってます」と宣言した。寒空の下では、さすがに缶ビールには手が出ない。
カップ酒を飲み干す頃には戻って来るだろうと思い、熱燗を購入。銘柄は、「明峰・喜久盛」とあり、醸造元は「信州銘醸」。上田の丸子にある酒蔵のようだ。カップの周囲に、上田から眺められる山々が鮮やかに描かれている。昨日登って来た、根子岳も描かれている。こういうのって、いいなあ。
折角なので、つまみには、美味だれ焼き鳥をゲット。齧ってみると、焼鳥に、にんにく醤油だれをかけたもののようだ。なかなか美味い。
ちびちびやっているうちに、霙はいつしか雪に変わり、じっとしているとじんじんと冷えるが、カップ酒の熱燗があるうちは大丈夫。丁度飲み干した頃、女子連がお帰り。1月15日を以て、上田城真田茶屋は終了となった。従って、この店に寄ったのは、最初で最後ということになる。

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別所温泉観光の後は、再び上田電鉄に乗って、上田へ移動。今度は、旧市街を歩いてみようと旧北国街道沿いにある柳町へ。目当ては、「亀齢」を醸す岡崎酒造。この頃、すっかり「亀齢」の知名度が上がったのは、女性杜氏(当主でもある)のせいか、雑誌やテレビでの露出度が高くなったためらしい。昨年は、「真田丸」が大河ドラマだったため、地元、上田も観光地として人気が上がって来ていることもあるだろう。
岡崎酒造の外観は白壁造りで、この街道の風情に溶け込んでいる。吊るされた杉玉には、〆縄が付いている。創業は寛文5年(1665年)というから、もう350年も経っている超老舗酒蔵である。
「亀齢」を呑むようになったのは、ごく最近のこと。生産量がわずか120石(=21.6キロリットル)とのことなので、人気となれば、なかなか巡り合うことも少ないのだろう。なお、同じ名前で広島にも「亀齢」を醸す亀齢酒造があり、紛らわしいせいか、岡崎酒造のラベルには「信州亀齢」と書かれている。こちらが正式名なのだろうか。
 直売店で、利き酒をさせていただく。応対してくれた女性が杜氏兼ご当主か。つい意地汚く、タダですか、おいくらですか、などと訊いてしまうが、無料であるとのこと。小さい酒蔵なのに、細かいことを云わないのが潔い。
「亀齢・うすがすみ・特別純米生酒」と「純米・小境屋平助」、「上田城」を呑み比べてみて、小境屋平助(1,550円/720ml)を購入することにした。ちなみに「小境屋」とは、岡崎酒造の屋号のことであり、「平助」は代々、当主が襲名していたそうな。だけど今は女性当主なので、「平助」って名を襲名したのかどうかは判らない。
ふと、見上げると壁に、花鳥風月を描いた、丸い板絵が6枚飾られている。川船水棹という明治時代の日本画家が描いたものらしい。直売店の脇には、相当古そうな雛人形が飾られていた。歴史がある酒蔵だと、何気ないものが良い雰囲気を醸している。

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「おお西」で発芽蕎麦を堪能した後は、再び温泉街に戻る。途中、「日野出食堂」なる渋めの食堂があり、結構、客が入っているようだった。今日は残念だけど、次の機会には覗いてみるか。
温泉街を抜け、北向観音に詣でる。ここも午前中に拝観した常楽寺の一部。本堂の方は、ひっそりとしていたが、こちらはまだ松の内らしく、正月飾りで華やかだ。ここに来たのはこれで3回目だが、門前の店が殆ど開いているのは、初めて見た。
いちおう主だった寺は訪問したので、もう上田に戻っても良いが、折角、別所温泉まで来たので、温泉に入らなくてはなるまい。北向観音の直ぐ傍にある「大師湯」に入ってみることにした。
そもそも別所温泉は信州最古の温泉と云われていて、共同浴場も4つある。なかでも「大師湯」は、比叡山延暦寺の座主にもなった円仁(平泉の中尊寺や、山形の山寺・立石寺等の開祖としても有名。諡号は慈覚大師)が、825年に北向観音堂建立のため当地を訪れ、入浴したため名付けられた湯とのこと。もう1,200年近い歴史がある、とても由緒ある湯屋である。
「大師湯」の建物もなかなか趣きがあって、いかにも湯治場の共同浴場という感じだ。入口から男湯、女湯が別れていて、真ん中の番台のような受付で150円を支払って脱衣所へ。風呂場はかなりこじんまりとしてる。先客は3人だけだった(うち、1人はちっちゃい女の子)が、湯船は5、6人ぐらいがいいところだろう。源泉は51.3℃で、Ph8.6と弱アルカリ。無色無臭で柔らかい肌触りだ。
わずか150円でぽかぽか、いい気持ちになれるのは有り難い。空はどんよりとしていて今にも泣き出しそうな感じだが、ぽかぽか気分で駅に向かった。 

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根子岳に登った翌日は、天気も思わしくないので、完全に観光モード。リュックサックは上田駅前のコインロッカーに預け、先ずは別所温泉へ上田電鉄で移動し、仏閣めぐり。別所温泉は信州の鎌倉と云われるくらい、寺が多いらしい。めぼしい常楽寺、安楽寺を拝観したあと、少々腹が空いてきた。
そこで、「ペンションひらた」の若旦那に勧められた、「おお西」という蕎麦屋へ行ってみることにした。この店は、本店が上田市内にあり、別所温泉にあるのは支店である。「おお西」は十割蕎麦に拘った店らしい。温泉街を抜けて、坂道を登るようになると、辺りは段々寂しくなってくる。観光客が足を運ぶような場所ではない。こんなところに蕎麦屋があるのかと、半信半疑。
やがて、幟が立っているのが眼に入り、そのうち「おお西」と刻まれた巨大な切り株に気が付く。その先にあるのは古民家。赤い暖簾を潜ると、店があった。入口にご主人と思しき人が居て、客室へ案内される。座卓もあるが、炬燵の様なテーブル席を勧められ着地。先客は無し(我々の後も、誰も来なかった)。
生ビールは無いとのことで、瓶ビール(サッポロ黒ラベル755円税込、以下同様)をいただく。付き出しはうずら豆の煮豆だが、甘いだろうと思ったら塩辛かった。料理は、岩魚(???円)と野菜天ぷら(1,080円)を注文する。もちろん、ビールの次は日本酒。上田の酒、「亀齢・純米」(1,185円)をもらう。なかなか渋い片口で出て来る。すっきり辛口系。
店は、ご主人とご主人の兄弟(お姉さん?)の二人でやっているようだ。ご主人も、自ら料理や酒を運んできて、色々話を聞かせてくれる。曰く、店を開くために古民家を買い取ってリニューアルしたこと、「おお西」の師匠に弟子入りして修行したこと等々。かなり話し好きである。昨夜泊った「ペンションひらた」といい、「おお西・別所支店」といい、今週末はそういう巡り合わせのようだ。
仕上げはもちろん蕎麦。3人で、挽きぐるみ(田舎と更科の中間、1,080円)と発芽そば(1,620円)をいただくことにした。やがて出て来た蕎麦は、驚くほど細打ち。「久呂無木」の主人も嫉妬しそうだ。これで十割とは信じられない。長さはやや寸足らずかも知れないが、コシも申し分ない。発芽そばは、一番栄養価が高くなる発芽したものを使っているそうで、手繰ってみると独特の弾力と風味がある。
ご主人の話し好きは蕎麦が出て来た後も続く。我々が蕎麦を手繰ろうとしている最中も、話しに余念が無いため、ついこちらの手が止まってしまう。説明は有り難いのだが、蕎麦の伸びが心配になるところが少々困りものである。

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昨年、一昨年と、まともにスノーシューを履いていなかったので、今回、満を持して選定した山は、菅平の根子岳。地理院地形図を眺めてみても、スノーシュー向きの山であることは間違いない。隣の四阿山も考えてみたが、少々距離があるので、今回は見送った。
山が決まれば次は宿探しだが、選定のポイントは、第一にスノーシューをレンタルできること、第二に出来るだけ山に近い宿(残念ながら、ペンションしか選択の余地が無い)、ということになる。Google Mapや地理院地形図を駆使して探すと、意外なことに菅平のペンションよりも、須坂市側の峰の原高原にあるペンションの方が、根子岳に近いことに気が付く。峰の原高原は、菅平とは地名は異なるが、小さな尾根を跨げばすぐ目の前に菅平ダボススキー場がある。結果的に決まった宿は、「ペンションひらた」。既に標高は1,500m以上あるので、山頂までは700m程。登り3時間、下り2時間余りかと踏んでみたが、大体その通りになった(山の記録はこちら)。
「ペンションひらた」は、全て床暖房で、トイレは全自動ウォシュレット付きと、超快適。若旦那の話によれば、帝国ホテルよりもウォシュレット導入が早かったのが大旦那の自慢だそうである。大旦那は新しもの好きだけでなく、大の山好きだそうで、ここの眺めが気に入って、引っ越してきたとのこと(たしかに昔は窓から北アルプスが見えたとのことが、周りの木々が30年余りでだいぶ成長したようで、残念ながら今は殆ど見えない)。我々の出発前にも、山の説明(手書きの案内図(概念図?)まで呉れた)、持ち物のチェック等に余念が無い。
「親爺の話がしつこくてすみません」と若旦那は云うが、その若旦那も立派に話し好きの様子(自分からスキーを取ったら何も残らない、と仰るスキー好きでもある)、話し始めると止まらない。さすが親子、良く似ていらっしゃる。
根子岳へのコースは、想定通り、ほぼダラダラした登り。それでも、北アルプスの眺めが余りに素晴らしいので、つい立ち止まることが多くて、なかなか高度が稼げない。
なんとか根子岳登頂を果たした後は、狙い通り日暮れ前に宿へ戻り、我々が根子岳に登って来たというと、大旦那、若旦那とも、「すごい」と云っていた。そんなことを云われるとは思わなかったが、このペンションに泊まる客で、登山客は少ないということか。たしかに今宵の泊まり客も全て、スキー目当ての家族連れのようだった。
またこのペンションをベースに、根子岳を登りに来たいものだが、今回を上回るような北アルプスの絶景は得られそうにないと思うと、ややモチベーションが下がってしまうのは致し方ないことだ。 

001 【第1日目】ペンションひらたに到着。

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年の瀬。買い物があるとカミサンがいうので、北千住へ付いて行き、そのついでに何処かへ入ることにした。そうとなれば、少々、事前調査。もつ焼きがメインの店は外すとして、年末だともうやっていない店も有りそうだ。出来れば知らない店にしたいと探すうちに、ここはどうだろうと目星をつけたのが「まさき」という秋田料理の店。早めに入れば予約も要らないだろうと踏んで、とりあえず行ってみた。
まだ17時前だが、店の前に行ってみると、もう開店前から、入口に何人かが屯していた。こりゃ、予約をしていないと無理かなと思ったが、出て来た店員に訊くと問題なく「どうぞ」とのこと。偶々気の早いグループが目の前に居たということのようだ。
30人ぐらい座れそうなテーブル席は靴を脱いで上がる堀炬燵形式になっているが、床暖房がある訳ではない。奥にはカウンター席がある様子。うなぎの寝床の如く、奥に長い店である。我々は、一番厨房に近いテーブル席に着陸。暫くして、ポツリポツリと奥に入って行く。結構、カウンター席目当ての客がいる。テーブル席も次第に埋まってきたが、我々が帰る時になっても、全てが埋まることは無かった。
落ち着いたならば、先ずは生ビール(600円税込、以下同様)から。ここはサッポロ黒ラベルである。その後はやはり日本酒。定番の高清水(精撰420円/一合)でいくか。
料理は目移りするぐらい色々ある。ざっと、100種類ぐらい。しかも秋田らしい料理もかなり並んでいてワクワクする。さて、刺身は鰆炙り(780円)にしてみるか。もう鰆の季節なのか、ちょっと早い気もするが。鰆の刺身なんて、ひと昔前までは関東では見なかったが、とりあえず金さえ出せば喰える時代になったということか。
ポテトサラダ(480円)も試さない訳にはいかない、と注文。おや、いぶりがっこ入りだ。流石、秋田料理店。いぶりがっこは自己主張が強いな。次は比内地鶏唐揚げ(1,180円)。ちょっと高いけど。実はこの店、他に普通の鶏唐揚げ(680円)もあるんだけど、折角なので比内地鶏。ふ~ん、予想通り歯応えが違う感じ。
秋田ならではの、ハタハタ飯寿司(700円)も頼んでみる。馴れ寿司かと思ったけれど、全然癖は無し。麹の甘さを感じるが、余り食べることが無く珍しいので問題ない。最後に鴨つくね(400円)も注文。やっぱり鴨は美味いね。まだまだ、喰ってみたい料理が並んでいるが、今宵はこれまで。次回は、きりたんぽ鍋でも喰ってみたい。 

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「鈴真」で鴨葱鍋を堪能した後、越谷駅に戻るが、折角なのでもう一杯だけ寄り道することになった。何れにせよ、越谷界隈は全く疎いので、全面的にカミさんが頼り。それで入ったのは、越谷駅の直ぐ東にある「越谷ワイルドダック」という、まさに鴨に肖った店。
ここはちょっと変わった店で、入って直ぐ右側は、和テイストの「鴨ねぎや」なのだが、そのまま奥へ進み右折すると、洋風カフェテリア「カフェココチーノ」。つまり、2種類の店が同居している感じなのが「越谷ワイルドダック」なのだった。たぶん、経営者は一緒なのだろうと思う。
「和」と「洋」どっちにしようか迷ったまま、店に入ることができるという、優柔不断な人間にはメリットがあるだけでなく、互いの店からはもう一方を見ることが出来ないので、フードコートの様な雑然とした感じは無い。しかし、「洋」の店に居たまま、「和」の料理を注文できるのか、更には「洋」の店の支払いを済ませないまま、伝票を「和」へ持ち越せるのかどうかは、判らない。
我々は、存分に「和」を味わってきたところなので、そのまま「洋」の「カフェココチーノ」へ着陸。何となく、フランスかスペインの田舎に有りそうな雰囲気が漂う店の内装。さっそくメニューを眺めてみると、鴨ネギピザとか、鴨スモークがあるので、鴨好きには気になるところ。しかし、我々はそれほど喰えそうにないので、涙を呑んで、「情熱のガーリック枝豆」(590円税別以下同様、バケット付き)にした。いわゆる、枝豆のアヒージョである。にんにくと枝豆の和洋折衷的取り合わせは、目にすることは少ないが、意外とイケる。
飲み物は、白のグラスワイン(ミシェルローラン・ミュスカデ・セヴルエメーヌ、480円)にしてみた。かなりライトでフルーティ。ミシェル=ローランは、ワイン業界では超有名人だが、このワインが本当にその人の手によるものなのかは、少々眉唾な気がするが・・・。
この次にこの店に来る時は、是非、鴨ネギピザを喰ってみたい。

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越谷ワイルドダックのHP: こちら

また鍋の季節がやってきた。この頃は、鍋と云えば個人的に「鴨鍋」が先ず思い浮かぶ。昨年は結局、鴨鍋は食べず仕舞で、今年の1月に、越谷の「大花亭」に行って以来となる。
越谷には、知る人ぞ知る鴨場(埼玉鴨場。詳しくはこちら)がある。宮内庁が管理し、海外の賓客を接待する場になっているそうで、一般にはなかなか入るチャンスは無さそう。それでもその鴨場があることで、越谷は「こしがや鴨ネギ鍋」をご当地グルメとして大々的にPRしている。今回もその尻馬に乗って、越谷の店にやってきたという次第。
宮内庁が管理する、もう一つの鴨場(新浜鴨場)がある千葉・市川では、そんなPRはしていない様子。ちなみに日本には、宮内庁管理外の鴨場が、あと3つあるそうである。全くどうでも良い話だが、越谷の鴨場市川の鴨場をGoogle Mapで見較べてみると、引き堀の形状など、気持ちが悪い程、瓜二つである。話が逸れた。
以前、カミさんが呑み会に使ったと云う「鈴真」は、越谷駅から歩いて7、8分の距離。「大花亭」の看板が見えたら右に曲がり、暫く行った左側。辺りは全くの住宅街なので、極めて閑静。もうとっぷり暮れてしまったので、店の大きさは判り難いが、宴会も出来るとなれば、それなりに大きな割烹料理店の様である。入口が2つあり、手前を入るとカウンター席があり、そこが我々の席だった。気さくな女将さんが応対してくれる。
先ず、生ビール(中ジョッキ550円税込、以下同様)と共に、鴨ねぎ鍋(2,300円×2人前)を注文。鴨葱鍋以外に、すっぽんやあんこうの鍋もあるらしい。今夜は冷えるが、この中は暖かいのでビールが美味い。付き出しは、ふぐ皮の酢の物。こういうところが、普通の居酒屋とはちょっと違うなあ。プリプリだ。
鍋以外に、ホウボウの刺身(800円)、アンコウ胆和え(700円)、クワイせんべい(480円)を頼んでみた。あんこう胆和えは、あんこうの身の部分と、あんきもを味噌和えしたもの。いやー、美味い。こりゃ、ビールじゃない、酒だ。酒は、山梨の地酒「春鶯囀」(700円/一合)をいただこう。春の鶯の囀りも待ち遠しいかも知れないが、とりあえず冬の鴨の鍋だ。
ちょっと変わったのは、クワイせんべい。云わば、ポテトチップのクワイ版だが、クワイのホクホクさと苦味が程良い。クワイそのものは、正月料理用しか出回らないし、そもそも買う人も少ないので、取り寄せになる、と女将。その点では最早、これは珍味の部類。マレーシアに居たときは安かったので、山ほど買ってポテトサラダ風にして喰ったが、日本ではとても真似が出来ない。
やがて、鍋が出来上がり。この店の自慢は、鴨肉のつくねのようだ。ほぼ一年ぶりの鴨葱鍋。良い出汁が出ている。2人で2人前は十分過ぎる量。鴨葱焼きも喰いたいところだったが、ちょっと無理か。でも満足、満足。
何れ、越谷の「こしがや鴨ネギ鍋」をすべて喰ってみたい。次はどこへ行くか・・・

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鈴真のHP: こちら 

それではいよいよ(と云うか、ようやく)トップファイブの発表。ご笑覧下さい。

第5位: 飛騨高山/京や(No. 655, 520)

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飛騨高山自体、これまで行ったことが無かったのだが、偶々2016年に2回も行って、しかもこの店に2回入ったので、個人的なインパクトの強さから、堂々のランクインとなった。やや駅から離れているものの、旧市街をぶらぶら歩いて行けば、そのうちに辿り着ける。この店の佳さは、飛騨高山にあること、料理の種類が豊富で味も申し分ないこと、郷土料理が充実していること、酒は地酒がずらり揃っていること、大女将も若女将も接客がいいこと、中休みが無いこと、そして何よりも店内の雰囲気がいいことである(褒め過ぎか)。そして、最大の欠点は、我が家から遠いことである。

第4位: 最上川舟下り

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山形ツアーは徹頭徹尾、ツアコンのアユラシにおんぶにだっこだったが、その中でのメインイベントは、最上川の舟下り。ゆったりした流れに身を任せ、ちびちびやる酒は最高だった。これを体験すると、もう直ちに最上川が好きになり、ついでに山形も好きになってしまうという、とてもインパクトのある体験である。これも俳聖芭蕉のお陰かも知れない。この次は、最上川の鮎尽し、かな。
 
第3位: 日光沢温泉

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日光沢温泉は、とにかく、居心地がいい。建物の雰囲気、鄙びた内湯と露天風呂が良い味出している。宿の方の対応は、ともすれば素っ気無く感じたり、説明がくどかったりするかも知れないが、そんなことはちーとも問題ではない。この宿の、何処に身を置いても、まったりできるのが堪らない。これぞ日本の湯治宿。あと何回、訪れることができるだろうか、と考えてしまう。次は、雪もいいなあ。
 
第2位: 三斗小屋温泉大黒屋

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居心地の良さは、日光沢温泉と甲乙つけがたいので、大風呂の雰囲気だけで「大黒屋」を上位にした。これほど開放感がある内湯は他に知らない。是非、明るいうちに風呂に入るべきである。それと、今回はチェックイン時間前に到着し、一番風呂に入らせてもらったことが大きかったかも知れない。ここに来ると決めたら、もう山は適当に端折って、玄関の前でチェックインを待つくらいの気概が必要。そうすれば、極上の内湯が待っていて呉れる筈である。
 
第1位: トロッコわたらせ号

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2016年のイチオシは、渡良瀬渓谷鉄道の「トロッコわたらせ号」。これはもちろん店ではないし、ここで食事が提供される訳でも無い(売店はあった)のだが、とにかく風が気持ちいい。電車に乗って風を感じることはすっかり無くなった昨今、 このトロッコ列車に乗れば、子供の頃に乗った列車の記憶を蘇らせて呉れるのは間違いない。風薫る季節だったら、もう最高。この先も、この列車に乗るための山行計画を捻り出すことに全力をあげたい。

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アレっ、「ポッポ駅前屋」が入っていないね、と思ったあなた、その通り、「ポッポ駅前屋」は何故か、2016年には入っていないのでした。2017年には行く機会がありそうなので、そうすればランクインする可能性大だろうと思います。2017年は、果たしてトロッコを超える店が現れるか、自分でも期待しています。

ついでに、山旅とは直接関係ない[番外編]の店も、2016年にはかなり足を運んだので、これもエイッと適当に付けたランキングをご紹介。偶然かも知れないが、全部、カミさんと行った店。図らずも、仕事帰りの店はランク外となった。

★番外編第10位: 川越/はすみ

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偶々入った蕎麦屋なのだが、大当たり。30分ぐらい待たされたが、その甲斐があった。店内の設えも、蕎麦も、つまみも申し分ない。あえて苦言を云わせて貰えるなら、日本酒にもう少し拘りがあった方が宜しいのでは、と思う。そうすれば、完璧。
 
★番外編第9位: 高尾山口/杜々

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ここも蕎麦屋。外観も内装も、ごく普通の民家だが、そのせいか、やけに居心地が良い。ランチ時は予約が出来ないため、外には順番待ちしている客もいるのに、のんびり長居したくなる、罪作りな店である。高尾山口には蕎麦屋が多いが、居心地と料理(勿論、蕎麦も)の味は、少々別格。
 
★番外編第8位: 浅草/水口食堂

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ここは、まさしく下町食堂そのもの。料理は、それこそ何でもある(やや大げさ)。仕事の途中でさっと喰ってさっと帰る客やら、つらい出来事があって誰にも相談できず、この店の料理と酒で憂さをひとり晴らす客やら、サークル仲間と活動方針について喧々諤々議論しながら暴飲暴食する客など、あらゆる客の食欲を満たすことができそうである。たとえ、エスパー店員が居なくても、ここ「水口食堂」は永遠に不滅である。
 
★番外編第7位: 上野/韻松亭

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カミさんは女子会で何度も入ったことがあるようだが、小生は今回初めての入店。思った通り、女性軍団にほぼ占拠されている。とにかく、場所がいいし、建物の雰囲気がいい。とっておきの着物を着飾って、皆に披露する上で申し分のない舞台なのだろう。酔えばハッピーになるオヤジには無縁の世界。聞けば、部屋毎に設えが異なるようだ。今度来る時は、是非違った部屋に入ってみたい。料理?はて、どんな料理だったか・・・
 
★番外編第6位: 軽井沢/天空のカフェ・アウラ

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たとえ道楽息子が金と暇に任せて建てた店だろうが(勝手な妄想です、スルーして下さい)、雰囲気と眺めさえ良ければ、客にとって全く文句は無い。たとえコーヒーが800円しても(同じ800円を払うならば、小生はビールだ)、ここからの景色が濁って見えることは無い。この場所に店を造ろうとした、その目利きに敬意を表したい。軽井沢らしくない眺めが得られる、軽井沢らしい店である。
 
★番外編第5位: しなの鉄道/ろくもん

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昨今のグルメ列車ブームに刺激を受けたこともないが、手近なところにあるので、常々是非、乗ってみたいと思っていた。軽井沢から長野まで、2時間半かけてゆったり進むのがいい。いわゆる、東京湾や横浜港のランチクルーズの趣きである。料理は、代謝が落ちた人に丁度良い量。この次は和食メニューの時に乗ってみたい。

★番外編第4位: 軽井沢/万平ホテル

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個人的に、ちっとも飽きない宿。ここには何時も、クラシックホテルならではの、ゆったりした時間が流れている。特に、ダイニングルームで中庭を眺めながらの朝食は、とても心地が良い。ホントはジョンレノンの如く、何日もゆっくりしてみたいものだが・・・。
 
★番外編第3位: 月島/岸田屋

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これぞまさしく、THE酒場。ここに来る客には、憂さ晴らしや弾けたいと思っている輩はおらず、単純にこの昭和ノスタルジーな空気に、我が身を置きたい者ばかりのように思える。店の人の応対が気持ち良い。もつ煮は噂通りの味。ポテトサラダもそうだが、ボリュームが多過ぎるので、次回からはハーフにして、他の料理も楽しみたい。叶うならば、この店の常連になりたい。しかし、午後5時の開店に合わせて並ぶことを考えると、常連までの道程は長く険しい。
 
★番外編第2位: 寄居/京亭

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鮎を喰わせてくれる店としては、ここに優るシチュエーションは無い。全く、こんな建物が個人の別宅だったとは、羨ましい限り。廻り廊下で襖・障子の造りは、かつて泊まったことがある、逗子の「松汀園」という宿(KKR)の「大正館」を彷彿させるが、庭の眺めはこちらの方が上だろうと思う。そしてなによりも、この店のウリは天然鮎。とりわけ「鮎飯」だ。酒を呑みながらの食事で、ご飯が欲しいと思うのは、うな重の場合と、ここの「鮎飯」だけである。
 
★番外編第1位: いすみ鉄道/レストランキハ

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栄えある(?)番外編第1位は、「レストラン・キハ」。2時間程のトリップはあっという間。窓の外は、とにかく長閑である。それにしても、もうちょっと揺れを何とか出来ませんかね?ま、それも「味」の一つではあるけれど。 次回は桜の頃、和食にしよう。

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