山から下りたらこんな店 - 副隊長の自己満足

山から下りて、ひと風呂浴びてから一杯やるのは醍醐味の一つ。しかし、最近はどっちが主なのか、判らなくなってきた・・・。

2016年06月

埼玉の場合、目ぼしいうなぎ屋の多くが浦和界隈にあるが、いろいろ探してみると他にも結構見つかる。これまで、我が家の近所となると、「うな百」ぐらいしか気を惹く店がなかったが、この「鰻樹」は最近、ネットを検索しているうちに見つけた店で、しかも我が家に比較的近いので、タイミングを見計らって、カミサンと行ってみることにした。
吉川駅の南口を出ると目の前の筈なのだが、何故か見つからない。ようく見てみると、不動産屋の2階にそれらしき看板を発見。かなり控えめである。階段の登り口には、「うなさし」と「ちまき」の看板。どちらも普通のうなぎ屋には無いメニュー。特に「うなさし」には興味津々である。
中へ入ると、カウンター席以外に4つのテーブル席。先客はひと組だけ。念のため予約を入れていたのだが、不要だったかなと思っていたら、その後、我々の後に客がやって来て、結局、テーブル席は塞がってしまった。
先ずはビールを注文。突き出しは胆の煮込み。ひと通りメニューを見た後、う巻き玉子(880円税別、以下同様)、白焼きハーフ(1,500円)、食べ比べうなぎ串(1,200円)、うなさし(1,300円)、蒸し鶏と豆腐の胡麻ドレサラダ(680円)、うな重(3,000円)を注文。
「うな刺し」初体験。思ったよりも歯応えがあって、それほど熟していない桃を齧ったくらいか。身は滑らかで上品な脂のノリを感じる。味も歯触りも、他の魚では例えようもない。何故、普通のうなぎ屋で出て来ることがないのかは、うなぎの血は「有毒」だから、だそうである。つまり、それを抜くには手間というか技が必要なのだろう。でも正直云って、珍しいから食べるのであって、蒲焼と二者択一を迫られたら、やっぱり蒲焼を選択しそうな感じはする。
う巻き玉子は文句なく美味いが、タレが掛かっているところは、あまり他の店では見掛けない。食べ比べうなぎ串は4種類の串が出て来て、甘めのタレ、白焼き、塩コショウ、醤油の効いたタレとのこと。たぶん、塩コショウは珍しい。他の料理もあるので、白焼きはハーフで丁度良いかもしれない。
ここまででだいぶ腹の具合はいい感じだが、やはり締めはうな重。これもタレの種類を選べるとのことだったので、醤油の効いたタレでお願いした。味は文句なし。この店には、他にうなぎのたたきとか、うなぎの西京焼きなど、余り耳に馴染みが無いメニューがまだまだある。次回がとても楽しみである。

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鰻樹のHP: こちら 

今回も大宮で途中下車。今日は6人いるので、いづみやの「予約席」はちょっと無理だし、到着時間からすると、他の店でも飛び込みではなかなか入れそうにない。そこで、予め上毛高原駅での列車待ち時間(=待合室で、ちびちびやる時間)を利用して暫し検索。
大宮駅で途中下車するのは、基本的に新幹線での帰り路。そうなると大抵は泊まりで行った翌日の日曜日となるケースが多いが、今日は日帰りで土曜日。神田や新橋辺りと違って、土曜日が休みという店は少ないので、基本的には選り取り見取りということになる。
とは云っても、未だ入ったことが無くて気になる店(=個人的データベースに入っている店)はだいぶ少なくなってきた。そろそろ新たな情報を仕入れる必要がありそうだ。それはともかく、ここはどうだろうと「ほっかいや」に電話を入れると、なんとか入れますとの返事。では行ってみよう。
いつもの南銀通りを入り、左側の雑居ビルの中へ。以前入った、「三悟晶」の斜向かい。同じ雑居ビルの中に、「北海」というろばた焼き屋もあるので、少々紛らわしい。
店に入ると、店員たちの活気ある声が飛び交う。カウンター席とテーブル席があり、一見、寿司屋かな、というような雰囲気を感じる。実際は海鮮居酒屋。カウンター席と厨房の間には水槽があって、泳いでいる魚が見える仕掛け。魚の泳ぐ水槽の手前には、ホッピーとかハイサワーのボトルが浸かった水槽があり、勝手に取り出して焼酎を割っていいらしい(勿論、後で空ボトルを計算)。なかなか面白い配置である。
ともかく、席に落ち着いたら生ビールで乾杯。その後は思い思いの酒へ移行。お通しはガッツリ肉じゃがが出てきた。かなり大ぶり。この店の料理は、やっぱり魚介系がウリのようなので、刺盛りを注文。他にホヤ酢、ツナサラダ、アジフライ、焼き鳥、焼き茄子を注文。どれも普通に美味かったが、やはり刺身が美味い。特に、サヨリと白エビの生きが良かった。白エビはなかなか食べる機会が無い。この店は、日替わりで様々な刺身が出るようなので、これからも楽しみである。

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列車が来る時間になったので、改札口を通ってホームへ。いつも感じるが、上毛高原駅のプラットホームは巨大なスノーシェルターだ。プラットホームだけでなく線路の上も全て丸ごと屋根に覆われている。たとえ外は吹雪となっていても、ここは別世界。今日は日差しが強いが、このなかは涼しさすら感じる。
そこへ、するするとオール2階建てのE4系新幹線車両が到着。17時26分発の「MAXとき334号」に乗車。大宮まで僅か48分の列車旅である。この頃、上越新幹線でE4系に乗ったことは無かったが、今日は偶々、往路も復路もE4系だ。
E1系と同様、連結部に乗降用の階段があることから、当然、ワゴン販売はやってこないと思っていたが、E4系にはワゴン専用のリフト(エレベータ)が備えられているらしい。一度、作動中のリフトを見物してみたいものである。結局、今日は客が少ないせいか、車内販売はやってこなかった。
我々が乗った車両の1階席は、我々だけという貸し切り状態。土曜日の夕刻の上りだから、ということもあるが、こんな乗車率でも上越新幹線としてペイしているのだろうか。上毛高原駅から、この列車に乗る客も、我々以外には殆どいない。
1階席の窓は、線路の両脇に設えた防音壁より低いため、眺めは殆ど得られないが、ここが移動居酒屋(女子連にとっては井戸端)と思えば、そんなことは欠点とは感じない。贅沢な時間を過ごすうちに、18時14分大宮到着。やや物足りないと感じつつ、さて降りようか。

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前にも云ったことがあるが(何度だって云うが)、上毛高原駅は立ち喰いそば屋が一軒と、コンビニが一軒だけの寂しい構内である。今では、この界隈の玄関口は水上駅ではなく、ここ上毛高原駅なのに、それにしてはちょっと物足りなさ過ぎないか。電車でやってくる(あるいは、電車で帰る)客を軽く見ているような気がする。みなかみ町も、越後湯沢駅を見習って、思い切って駅ナカに日帰り温泉でも掘ったら如何だろうか。それとも地元の温泉組合に顔向けできなくなるのが怖いのだろうか。
ともあれ、時間があれば、上毛高原駅前に唯一ある蕎麦屋の「天丸」にでも寄りたいところだが、今日は、次の上りまで40分余りしかないため、ちょっと難しい。そうなると、この構内で時間を潰すしかなくなる。そこで、閑散とした駅構内1階の窓際に、白木の無垢材でできたテーブルと椅子が並んだ待合スペースがあったので、切符を買ったら全員そこへ集合。和尚は腹が減ったらしく、駅構内の立ち喰いそば屋で、かけそばを喰ったらしい。さすが、代謝量が違う。あれだけのガタイを維持するには、それなりの食欲なのだ。
テーブルに着いたら、徐にリュックザックから酒ボトルを取り出す。今日、持参したのは「モダン仙禽無垢」という、栃木県さくら市(旧氏家町と旧喜連川町が合併してできた市)にある仙禽酒造のスタンダード。この日本酒のウリは「ドメーヌ化」ということで、仕込み水と同じ水を、稲作に使用した米を原料にしていると云うこだわり。呑んでみると、旨味と酸味のバランスが良く、すっきりした感じ。確かに無垢だ。何杯でもすいすい呑める。
それにしても今日は気温が高かったせいか、白毛門に登っている間で、持って行った飲み物PETボトル4本は、ほぼ全て飲み干した。うち、1本は凍らせて持って行ったのだが、大正解だった。4月頃までは、飲んでもせいぜいボトル1本ぐらいだった。日に日に暑くなる、これから先が思いやられるが、それに比例してビールも美味くなるので、それはそれで仕方が無い。
これからはビールの季節。そうだ、もし、日帰り温泉が難しいのであれば、みなかみ町の地ビール、「月夜野クラフトビール」とコラボして、ビヤホールでも造ってくれれば、それでもいい。ビヤホールこそ、駅ナカに相応しいはず(ドライブインには最も相応しくない)。そうすれば我々も、売り上げに貢献するため、年1回か2回は来るのは間違いない(大した貢献ではないけれど)。是非、一考願いたい。 

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何かのせいで、一度ケチが付くと何故かなかなか登れない山がある。小生の場合、その最たる例が今回の白毛門。これまで何度もチャンスを逃し、ようやく42年越しに白毛門の登頂を果たすことが出来、個人的にひそかに感無量。喉に刺さった魚の骨が漸く取れた思いである。天気が良く、谷川岳東面の岩壁を眺められたことや、様々な花に巡り逢えたことは、むしろ付け足しに過ぎないが、それはそれ。幸いであったことは間違いないので、まさしく登頂成就に花を添えられた形だ(山の記録はこちら)。
ともあれ、山から下りたら、先ずはさっぱりしたい。土合橋にやってきた、予約済タクシーの運転手が開口一番、「テルメ谷川でも寄りますか~?」とおっしゃる。ふむ、やっぱりそうくるか。もちろんそれでも構わないが、念のため「真沢の森」と「テルメ谷川」で、どちらがお奨めかと問えば、お湯は「真沢の森」の方が良いし、何しろ「テルメ谷川」は混んでいる、とのこと。ならば「真沢の森」で決まりだ。
場所は、上毛高原駅に近い。途中、水上駅を過ぎる頃、そのタクシー運転手に、水上温泉の現状を聞いたところ、どの宿もかなり集客数が低迷しているとのこと。たしかにそんな気がする。我々としては、在来線の特急電車「水上」が廃止になってしまったため、そもそも水上駅に行くことが無くなってしまった。駅前に、多くの宿の案内係がずらりと並んで、観光客を応対していた光景は、もはや遠い過去の記憶となったようだ。
「真沢の森」に到着。ここはちゃんとした旅館だが、日帰り温泉利用客も受け入れていて、利用料は500円とお得。和尚が「銭湯よりも安いな」と云ったが、そんなことはない。群馬県の銭湯入浴料金(上限統制料金)は400円である(ちなみに日本一高い県は、神奈川県で470円)。でも、ボディーソープもシャンプーも備え付けられているので、ほぼ同程度と云って良い。
風呂場は、エントランスが改装工事中だった。内湯と露天風呂がある。露天風呂は、内風呂の建物から伸びた屋根の下なので、開放感はいま一つ。しかし、高台の斜面に設えてあるので、気分はなかなか良い。さっぱりしたらロビーに戻り、フロントでビールを注文。食事処のテーブル席は宿泊者用に準備が整っているため、我々は使えない。もっと早い時間だったらよかったのか。従って、ロビーの椅子を陣取り、乾杯。持参した乾き物をこっそり取り出して摘まむ。やや落ち着かない雰囲気だが、客が少ないので、ちょっと秘密の湯という感じで悪くは無い。1泊2食付きで1万円ぐらいなので、今度はそれでも良さそうだ。

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2週続けて「特急スペーシア」に乗ると云うことは、2週続けて北千住に途中下車、とほぼ同義。今宵も東口へ出る。やはり狙いは学園通りの左手。先日入った「かほりや」のすぐ隣りに、結構賑わっている店があった。こちらもカジュアルな感じでなかなか良い。
丁度、店員が出てきたので、「空いてますか?」と問うと、こちらは如何でしょう、と店の入口の、何も無いスペースを指す。これからテーブルと椅子を持ってくると云う。ふむ、今日は陽気も良いので、外で呑むのも悪くないね、とここに決める。
訊けば、オープンして1年ちょっとの店のようである。店の貼紙やメニューを見ると、「肉と野菜と東北を食べる店」となっている。「東北を食べる」とは面白いコンセプトだ。芭蕉の「奥の細道」にもある通り、ここ、千住は東北への玄関口。其処に「東北を食べる」 店を構えるとは、なかなか味なことをおやりになる。
さて、先ずは生ビールで乾杯。お通しには茎わかめが出て来た。しかも、食べ放題。肴は何にしようか。柱に貼ってあるポスターには、「日本全国の”うまいもの”で一杯いかがでしょう」とあって、和風前菜の盛り合わせ「なでしこ」(900円税別)の宣伝。たしかに美味そうなので、注文。他にあだち菜のおひたしや、自家製キッシュも頼んでみる。
日本酒も月替わりで様々なものを仕入れているようだ。メニューを見れば、ここは100種類の梅酒を100分1,010円で呑み放題のようだ(千住なので”1,010”だそうだ)。道理で、店の中に何だかいっぱいボトルが並んでいた訳だ。梅酒は男子向きではないが、女子には興味があるだろう。
空を見ながらいい調子で呑んでいると、この建物の上にある”Cwave”というインターネット放送局が主催の、”声誕祭2016”のパンフレットを渡され参加しませんかと声を掛けられたり、着物姿のお姐さん方が髪飾りの教室から下りて来て、いっしょにやりませんかと(もちろん、小生にではない)誘われたりと、店の入口にいるとなかなか賑やかで、下町の雰囲気に浸れる。
次回、この店に来るのは、山菜と魚が旬の頃が良さそうな気がする。

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プエドバルのHP: こちら 

「やしおの湯」でまったりした後のこと。もはや馴染みとなったタクシー運転手に、今日は往路(東武日光駅⇒細尾峠)だけでなく、復路(やしおの湯⇒東武日光駅)もお世話になった。もうとっくに還暦を過ぎている筈であるが、よくしゃべる運転手である。オヤジギャグも時々炸裂させる。一方で、利用客に対するサービスにも熱心であり、観光で貸切の場合には、自ら観光ガイドまでするそうである。タクシー会社の社員でありながら、名刺も自前、観光名所の写真入りで、なんと10種類もあるそうである。そのせいで、全国にリピーターを持っている、かなり遣り手の運転手である。
今回も、我々が「やしおの湯」で寛いでいる時間を見計らって、運転手方から「そろそろ迎えに行きましょうか?」と云って来る程である。我々も、まんまとその手練手管に嵌ってリピーターとなり、日光に来る際にはほぼ必然的に予約を入れてしまうことになる。
ともあれ、東武日光駅に着いたら「またお願いします」と別れの挨拶をしたあと、駅の窓口で切符を購入。2週続けて東武線に乗っての帰り。当然、2週続けて特急スペーシアに乗ることになる。先ずは接続する普通電車に乗って、下今市まで移動し、乗り換え。その乗り換え時間は2分しかないので、もたもたしていると、危うく置いて行かれそうになる。
なんとか座席まで辿り着き、ほっとしたところで徐にボトルやらカップやらを取り出し、大型テーブルに並べる。ほたるいかの「缶つま」も出て来た。車窓からの眺めも肴に、暫しまったりできる。この東武日光線の上り特急に乗る際は、進行方向とは反対の向きに座って、男体山や女峰山が遠ざかる姿を眺めるのがお勧めである。もちろん、東京の街明かりが恋しい人は、進行方向と同じ向きに座りたくなるはず。今日は、逆景の気分である。

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今年もしつこく三ノ宿山へツツジを見に行った(山の記録はこちら)。正確には、薬師岳から東へ連なる尾根を歩いた。この頃は、この尾根を「日光南山稜」と呼ぶ輩がいるようであるが、なかなか良いネーミングである。
この前の週、同じ薬師岳から古峯神社まで南下したので、二週続けて薬師岳を登ったことになる。物好きと云われても仕方が無い。前の週はアカヤシオが満開だったのに、今週はアカヤシオは見当たらず、すっかりシロヤシオに変わっていた。トウゴクミツバツツジは二週に渡って見られた。ともあれ、僅か一週間の間に、こうも変化するとは興味深い。この季節の山はダイナミックだ。 
三ノ宿山から麓までは、シロヤシオからヤマツツジへと移り変わり、場所によってはトウゴクミツバツツジを含め3種類のツツジが混在し、「やしおの湯」が近づくにつれ、ヤマツツジだけの世界へと変わる。胸やけがするほどツツジを堪能したら、程なく「やしおの湯」に到着。ここはツツジが咲く頃しか来ないため、丁度一年ぶりとなる(前回はこちら)。
今年はどうかなと思っていたら、昨年同様、某ハイキングクラブの名前が書かれた大型バスがやってきていた。風呂場へ行ってみると案の定、カランは占拠されていて順番待ち。前回は女湯だったが今年は男湯が大被害を被った。毎度云うが、団体で立ち寄り湯を利用するのは止めてくれませんかね!大迷惑だ!と云っても、きっと聞き入れられないだろうから、これで止めておく。
湯は相変わらず、アルカリ性たっぷりの「ぬるすべ」系。 さっぱりしたら、さっさと休憩室へ移動。ここは結構広いから、団体客に占拠されるようなことにはなっていない。良かった。荷物を置いたら、まっすぐ券売機へ。やっぱり、生ビールに焼き餃子を注文してしまう。
それにしても、どうも我々にとって「やしおの湯」は鬼門である。二度あることは三度あると思った方が良い。また来年も三ノ宿山に来るかどうかはさておき、もし来ることになったら、「やしおの湯」は立地条件が良いので外し難いものの、次は別の日帰り温泉を考えた方が良さそうである。

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月いちの居酒屋ツアー。今回は、肉好きの方のご希望にお応えするため、秋葉原にある「肉アバンギャルド」と云う肉バルに入ろうかと企んでいたのだが、残念ながら予約で既に満席とのこと(この時点で、小生はまだ電車の中で、店には到着していなかった)。やっぱりと云うか、予約無しでこの手の店に入るのは難しい。昨今「熟成肉」で火が付いた、「肉バル」人気は止まることを知らないようだ。
それでは仕方が無い、その代わりに、蕎麦好きおやじさんが選んだのは「金子屋」という居酒屋。やきとんがメインなので、ここだって昔ながらの「和式肉バル」と云えなくもない。同じく総武線の高架下近くにある店。如何にも典型的なやきとん屋という感じで、外見よりも中身で勝負だとアピールしている。
小生を除く先行組5名は、すでにもりもり喰っている。聞けば、生ビールは19時までだったら200円とのこと、そりゃいい。ならば、生ビールで追撃開始。しかし、先行組はハイボールやチュウハイで、だいぶ周回遅れ状態。やきものは既に粗方注文済みの様なので、ポテトサラダを追加注文。ほどなく、注文済みの豚バラとハラミ、到着。どちらもけっこう大ぶり。これで90円はCPが良い。
次に、ハムカツ2皿分、到着。ハムの厚さはこんなものかも知れないが、このCPもまずまずだろう。その後、シロ、鶏唐揚げ、ポテトサラダが雪崩を打って到着。シロも大ぶりだが、ちょっと弾力が有り過ぎでやや残念な感じ。逆に云えば、これをもぐもぐ噛んでいるだけで結構、ビールが進む。鳥唐揚げとポテトサラダは、特段のインパクト無しだが、合格点はあげられる。
さてビールも無くなったし、次にホッピーにするか。メニューを見ると「全ドリンクホッピースタイル」と書いてある。何のことか一瞬判らないが、これはチューハイもハイボールも、全て「ナカ」と「ソト」を別々に頼めると云うこと。割り加減はお好みでどうぞ、という訳。考えてみれば、何故、ホッピーだけがそのスタイルだったのか、何故、他は店員任せだったのか。この店、なかなか合理的だ。
結構呑んで喰って、ひとり2,600円は、蕎麦好きおやじさんならずとも、合格点をあげていいと思う。

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木戸泉酒造を出た後、駅方向に向かってふらふら。民芸品や小間物を売っている店で物色。さらに駅寄りに、魚屋があり、その2階が食堂になっていた。腹を空かせていれば間違いなく入っただろうが、残念ながらまだ満腹状態。
駅前通りとの角に、昭和堂というケーキ屋があった。勿論、たとえ空腹であったとしてもケーキに食指は動かないが、「伊勢えびロール」という貼紙に目が止まった。ロールケーキに伊勢エビを入れてしまう発想は、小生には理解出来ないが、堂々と売っているのでこれが目当ての客もいるのだろう。そのパウンドケーキ版で「伊勢エビ物語」というのもあった。その隣に「酒粕タルト」というのもあるが、この酒粕は木戸泉酒造で仕入れたモノの様である。これならばぎりぎりOKであるが、とりあえず今日は要らない。冷やかしは此の辺で止めて、駅前通りへ。
喉が渇いたので、喫茶店にでも入ろうか。と、良く見たら「レストラン・エンゼル」とあった。さっそく入ってメニューを見ると、残念ながら、ビールは見当たらない。レストランでビールを置いていないなんて理解出来ないが、仕方が無い。アイスコーヒーを注文。すると巨大なグラスで出てきた。半分も飲めずにギブアップ。アイスコーヒー好きにはお薦めの店である。
大原からの帰りは、特急「わかしお」に乗る。勿論、駅の売店(いすみ鉄道直営)で酒と肴を仕入れるのを忘れない。カップ酒は、木戸泉酒造の「大原裸まつり本醸造」。本醸造と云っても、添加アルコール以外は高温山廃仕込み。従って、独特の酸味が利いている。
酒を舐めながら、外房の海でも眺められたら良かったのだが、外房線と云っても、この辺りは海までは結構離れているので見えない。それでも特急の乗り心地は快適。「レストラン・キハ」との違いを楽しんだ。

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キハ・レストランでイタリアンを堪能したあと、せっかくの機会なので、大原駅で少々散策。先ずは「木戸泉酒造」へ行ってみる。実は全く偶々なのだが、つい先日、六角精児の「呑み鉄本線・日本旅」(NHK-BS)で、いすみ鉄道編を視たばかりだった。とにかく、六角精児が朝からひたすら呑み続ける番組である。NHKも随分と大胆なことをやるもんだ。その番組の中で、この木戸泉酒造が出て来たので、是非訪れてみようと思っていた。
木戸泉酒造は、他の造り酒屋とはちょっと違ったことをやっている。そのひとつは高温山廃。普通、山廃仕込みは8℃くらいなんだそうだが、こちらはあえて目一杯高くして55℃。麹菌がこんな温度で生きていられるのかと不思議に思ってしまうが、たしかに殺菌効果は有りそうである。これによって、酸味が強めの酒が出来ると云う訳。
ふたつめは、一段仕込みによる濃厚多酸酒。乳酸発酵と酵母によるアルコール発酵を同時に行うことで、アルコール度数17~18%、日本酒度-30、酸度5~7の、超飛び切り濃厚多酸を実現。この造り酒屋では、「アフス」というブランドで販売している。もう一つは古酒。一般に日本酒は年を越して保存することはしないが、ここでは20年以上寝かせた日本酒もあるそうである。どちらも利き酒が楽しみだ。
場所は、駅からほんの数分のところ。判り易い。木戸泉酒造に近付くと、赤レンガ造りの煙突も目立つが、門に吊るされている巨大な杉玉が眼を惹く。こんな大きさは見たことが無い。門は開いているし、人影が無いのでずんずん入る。何処が売店なのか判らないまま奥へと進むと、建物の入口があった。
中に入って声をかけてみるが、だれも出て来ない。しばらくすると、外からひとり現れた。先日のテレビでは若旦那が六角精児を応対していたので、さしずめこの方は先代のご主人であろう。早速、利き酒させて欲しいと申し出る。どれでもどうぞ、とのことなので、お言葉に甘えて、狙い通り古酒の10年物と20年物、それに「アフス」をいただくことにした。
古酒は以前、伏見の月桂冠・大倉記念館で味わったことがあったので、風味に覚えはあった。20年物をいただくと、もう全く、これは日本酒ではない。香りも酸味も色も、もはや紹興酒に近い。唯一の違いは、日本酒のコクが残っていることか。今度は、「アフス」。口に含むと、やはりこれも日本酒ではない。まるでドライシェリーのようだ。製法を変えるだけで、こんなにも日本酒は変わるのか、と只、驚くばかり。勿論、どちらも買うことにした。

(利き酒に夢中となってしまい、酒の写真を撮り忘れた、残念!)

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木戸泉酒造のHP: こちら 

何故かこの頃、レストラン列車が流行りである。昔、長距離特急列車や新幹線には食堂車が付いていたが、いつのまにか無くなってしまった。それなのに別の形で復活したのは何故か。鉄道会社はそれなりに色々分析しているのだろうが、少なくとも昨今、形は変わったものの復活したのは、間違いなくニーズはあると云うことだ。それが多少割高であっても、鉄道好きであればさほど気にならない。
小生も、基本的には鉄道好きなので、車内で呑み喰い出来るのは大歓迎である。土日に走らせる列車は、全てそうして欲しいくらいだ。
今回、5月連休の最終日に乗りに行ったのは、いすみ鉄道の「レストラン・キハ」である。食堂車に改造した気動車の車内で、「伊勢海老特急お箸DEイタリアン」を喰うと云うもの。勿論、だいぶ以前より予約済みである。
集合は大多喜駅。この「レストラン・キハ」は大多喜駅を発車した後、一旦、小湊鉄道と接続している上総中野駅まで向かい、そこで折り返して大多喜駅を通過、外房線と接続している大原駅まで向かう運行となっている。そのくらいでないと、食事時間を確保できないくらい、この線は短いと云うわけ。「特急」と謳っているが、「特に急がない」という意味らしい。
食堂車は、クロスシート席の半分にテーブルを設置したスタイル。食堂車の約1/3が厨房となっているが、実際には調理済みの料理を準備し、皿に盛るぐらいしかしていない。従って火を使わないので、正確には食堂車という定義にはならないようである。シェフ以外に、給仕係の女性が3人乗車。
発車と共に、食事スタート。先ずはシャンパンがグラスへ注がれる。グラスが転倒しないよう、テーブルには工夫がなされている。しかしそれにしても、ローカル線らしく、かなり揺れる。ゆっくり走ってもこの状態。給仕するのもなかなか大変だろう。
料理は前菜から始まり、フルコース。お通し:自家製ピクルスとオリーブ、お造り:房総のお刺身、向付:鮑の柔らか煮・柚子味噌ソース、吸物:地魚と魚介の和風スープ、焼物:大原産伊勢海老の香草焼ワサビクリームソース、
デザート:抹茶のティラミスジェラート添え、コーヒーという内容。飲み物(赤・白ワイン、オレンジジュース、ウーロン茶、炭酸水)は基本フリー(但し、ビールは有料)だった。
途中、再び大多喜駅に戻って、発車する際は、いすみ鉄道社長の見送りもある。
とにかく、あっという間の2時間だった。 

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このところ、東武線利用による山旅が続いているせいで、打ち上げが北千住と云うパターンが多い。もちろん、浅草でも構わないのだが、交通の利便性からいくとどうしても北千住の方になりがちである。北千住は、働くオヤジの街、という雰囲気が色濃いが、この頃はだいぶイメージチェンジしているようである。
今日も、東武北千住駅を出たら右手(東口)へ出る。一つ目の角を左へ折れ、いつも通らない路に入る。曲がると直ぐ左手に「かほりや」という、ちょっと北千住らしくないカジュアルな店がある。以前、東口の居酒屋で呑んだ後、ふらふらと来たことがある。二軒目だったので店の印象はよく覚えていない。店内は明るく、扉や硝子戸は開け放たれ、かなりオープンエアな感じ。この店は女性店主、従業員も女性である。
どちらかと云えば、オヤジが入るにはだいぶ抵抗感がある。それが証拠に、気が付くと、客の大半は女性である。それに釣られて男も入る、という寸法の店だ。従って、居酒屋と呼ぶほどの庶民性は無い。しかし、カフェと呼ぶほど、お高く留っている訳でもない。あくまでもカジュアルである。 
我々が入った時には、先客は二組ほど。カウンター席の奥に陣取る。さて、とメニューを開くと、どれも手作り感満載である。このあたりが、店を切り盛りしているのが女将らしいところか。店はカジュアルだが、料理はおばんざい的。先ず飲み物は、喉が渇き気味なのでハイボールにする。お通しは、さつま揚げと大根の煮物。料理は、自家製キッシュ(500円税別、以下同様)、茄子のきんぴら(500円)、春雨とひき肉野菜の炒め物(500円)、自家製しゅうまい(500円)、いわしみりん干し(500円)を頼んだ。おや、皆、500円だった。
どれも、酒の肴というよりは、一品料理。味付けはおふくろの味である。料理の写真を撮っていると、女将さんが、写真を撮られるなんて恥ずかしい、なんて仰る。女将さんの人柄である。ここは飲みものも色々あるが、焼酎系が充実しているようである。
とにかく居心地は良い。またそのうち来てみたいと思わせる店である。しかしその前に、偶には今度、終点の浅草まで行ってみるか。

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「出会いの森福祉センター」で、風呂上がりのビールを飲み損なったので、悶々としながら新鹿沼駅までタクシー移動。ビールが呑めるまで世界は灰色である。スペーシアの指定券を購入したら、取るもの取り敢えず売店へ行き、缶ビールとつまみをゲット。ホームに入ったら、直ちに呑みたいところだが、ベンチは無い。ホームで立呑みは少々端ないので、スペーシアがやってくるまで、さらに暫し我慢。
ふと、辺りを見回して気が付いたのだが、この駅からスペーシアに乗り込む客は、ゴルフ客の方が遥かに多い。この近所にはゴルフ場が多いのだろう。試しにググってみると、あるわあるわ、忽ち十数ヶ所も見つかる。バブルと共にゴルフ場もだいぶ減ったはずだが、この界隈のゴルフ場経営者は、意外に健闘しているのかも知れない。
やがてスペーシア「きぬ134号」到着。話題の金色スペーシアだった。これに乗るのは初めて。昨年の、日光東照宮四百年式年大祭を記念して塗装したもの。東照宮の荘厳さをアピールしているらしいが、まあまあかな。少なくとも撮り鉄ではないので、さしてわくわくすることは無い。内装は、これまでと全くそのまま。いつも通りの大型テーブルが我々を待っていた。
席に着いたら、おあずけを喰らっていたビールを漸くいただく。甚だタイミングを逸しているので、絶好のタイミングではないが、とりあえず待ちに待っていた瞬間。これで落ち着ける。周りの景色も天然色に戻る。我々が乗った、新鹿沼17時21分発の「きぬ134号」は、この先、栃木と春日部に停車した後、北千住には18時32分到着。1時間余の列車旅は、長からず短からず。
車窓の外は、田植えが終わったばかりの稲と、収穫間近な麦。栃木は二条大麦の生産が日本一だそうである。二条大麦と云えばビールの原料。と云うことは、今呑んでいるビールは昨年、目の前の畑で穫れたものかもしれないし、今眺めている畑の麦は、やがてビールとなって呑むことになるかも知れない。随分と栃木県の経済に貢献しているようだし、この辺りの畑の世話になっている訳だ。そう思うと、少々栃木に親しみが湧いてきた。

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古峯神社入口で待っていてくれたタクシーの運転手に、どこかお勧めの立ち寄り湯がないか訊くと、新鹿沼駅の近くにあると云う。何処かと訊けば「出会いの森福祉センター」とのこと。
そもそも今回の山行計画を立てた時に、立ち寄り湯はひと通りリサーチしていたが、どうやら近所には「出会いの森福祉センター」という高齢者福祉施設以外になく、しかもその「出会いの森福祉センター」には、ビールを置いて無さそう(これって、立ち寄り湯としてかなり致命的!)ということが判っていたので、ほぼ機械的に対象外にしていた。風呂上がりのビールが楽しみな高齢者はいないのだろう。そのようなことから、汗を流すのは北千住まで我慢するつもりでいた。
もうひとつ、「前日光ツツジの湯」という施設が、古峯神社から山を越えたところにあるが、やや寄り道気味だし、駅からもだいぶ遠い。逆に古峯神社からは比較的近いため、メーターを稼ぎたい運転手にしてみれば、積極的に推薦し難い面もあったのだろう。
でもそうは云っても、やはり早く汗を流したいのは人情。運転手の話を聞いているうちに、やっぱり行こうか、ということになった。なんとか、実はビールは置いてあるのに何故かHPには書かれていない、という情報ミスがあることを祈りつつ向かう。
「出会いの森福祉センター」は田圃に囲まれた長閑な場所にあった。確かに高齢者が多いが、地元の人間に愛されている温泉施設の様だ。さっぱりしたあと、休憩スペースへ。くまなく探したが、ビールの自動販売機は無い。売店があったが、売っているものはせいぜいソフトドリンク。ならば代用品が無いかと見渡した結果、目に止まったのはアイスクリームの自動販売機だった。
「手作り風ソフトアイス」を購入。黙って暫し齧る。「手作り風」らしさは、あまり伝わって来ない・・・。うーん、残念ながらやっぱりビールには敵わない。それにしてもソフトクリームを喰ったのは、みくりが池以来だ。これからは、このような事態が生じる可能性があれば、予めビール缶保冷ホルダー(例えばこれ)を持参し、途中で酒屋に寄って缶ビールを調達するしか無いか。

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細尾峠から薬師岳を経て、夕日岳、地蔵岳でアカヤシオを堪能した(≒見飽きるくらい見た)後、ハガタテ平から一気に下ると、古峯(こほう)園という、古峯(ふるみね)神社の境内にある庭園に辿り着く(山の記録はこちら)。ここは随分と立派な庭園で、いわゆる池泉廻遊式である。こんな山深い処にある神社に、これほどの庭園があるとは、正直云って驚いた。園内には茶室、茶店、休憩所などが4つもある。
少々興味が湧いたので、古峯神社について調べて見ると、創建はおよそ1,300年前とのことらしいが、具体的な創祀年代は不詳のようである。祭神は日本武尊。藤原隼人という人が京都からこちらに移って来て創祀したらしく、この人物は何と日本武尊の臣下(!)だった、との話まである。何やら年代が合わないような気もするが、とにかく古くて由緒正しいことは間違いなさそうだ。しかし、これほどまでに広大な庭園を誰がいつ頃整備したのかまでは判らない。古峯神社に参拝する講社はなんと一万を数えるそうだから、それなりに整備資金も集まると云うものだ。それにしても、山に登っていると、日本武尊の伝説や、祭神となっている神社に時々出くわす。馴染みがある処で云えば、秩父の三峯神社や、奥多摩の武蔵御嶽神社がそれだ。
我々は、庭園を見渡すことが出来る、茶店(峯の茶屋)に入ることにした。もちろん、抹茶なんぞを飲むのが目的ではなく、ビールを期待してのこと。今日は結構、気温が高かったせいか、喉がすっかり乾いた。果たして、期待通りにビールがあった。外観は全く普通の茶店のようでも、ちゃんとビールを置いてあるところはエライ。いっぺんに気に入った。
やってきたビールは、直ぐに呑み干してしまう。やはり、山から下りてその場でビールを呑めるのは全く最高である。この茶屋をもっと贔屓にしたいところだが、登る山が限られているのがやや残念。そのうち、古峰ヶ原の紅葉でも眺めに来るか。

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このちゃんが約1時間後に東武日光駅にやってくることになったので、それまで何処かの店でお茶でもしようか(まだ山に登っていないので、ビールというわけにいかないのが残念)、ということにはなったのだが、いざとなるとなかなか開いている店が見つからない。流石に観光地の午前8時台はそんなものか。マクドナルドでもあればいいのだが、そういう店はこの辺りにはない。
そうこうしているうちに、JR日光駅方面に向かってとぼとぼ歩いて行くと、パン屋の看板が目に入る。パン屋ならば早起きだろうから、開いているだろうと期待して近づいてみると、果たして店はやっていて、1階の奥が喫茶スペース(いわゆるイートインができる)となっていた。これでひと安心と入店。2階の喫茶は9時開店のようだ。 
せっかくのパン屋なので、珈琲だけでなくパンもいただく。
この店は様々な種類のパンを扱っていて、なかなか意欲的である。色々ある調理パンの中からコロッケパンを選ぶ。130円。観光地価格ではなく、地元価格がうれしい。近所には日光金谷ホテルのベーカリーがあるが、そちらはたぶん、地元の方々は買わないだろう。ここの店内では、よくみると菓子・スナック類も売っている。実に庶民的な店である。
イートインコーナーで、パンを齧りながら珈琲を飲む。この頃は、登山当日の朝にこうやってのんびり珈琲を飲むことが少なくなった。段々、集合時間が早くなってきていて、始発電車に乗っても、待ち合わせ駅で珈琲を飲む余裕が無くなって来ているせいかも知れない。集合時間が早くなってきているのは、目的地が次第に遠くなってきていることと無縁ではないような気がする。
山から下りたら、汗を流して一杯やろうということになると、自ずから下山時刻はだいたい決まってくる。そのような観点からすれば、ここ日光も公共交通機関利用での日帰りはほぼ限界。この頃は、いっぱいいっぱいの処に通うことが増えた。この傾向は、手近な山で済ませられる、冬季以外は続くような気がする。

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「肉の大山」で少々腹を満たした後は、やっぱり蕎麦で締めくくることにして、さて何処にしようか。「上野藪」は目の前だが、できれば入ったことが無い店にしてみたい。そこで、予てより気になっていた「蓮玉庵」へ行ってみることにした。
安政六年創業。桜田門外の変が安政七年だそうだから、それよりも古いことになる。日本刀を手挟んだ武士が跋扈していた時代からやっていた、と聞くだけでなにやら畏れ多い。逆に、武家の時代が、そんなに昔ではないような気もして来る。明治の文豪、森鴎外や斉藤茂吉も贔屓にしていたとのこと。斉藤茂吉は「蓮玉庵」の実名を入れて詠んだ短歌もあるそうだから、相当な入れ込みである。福山雅治がロハで「蓮玉庵」のテーマソングを作ったようなものである(ちょっと違うか)。坪内逍遥や樋口一葉も、作品の中で描写しているそうだが、どちらも確認できそうに無い(旧かな遣いの文章は、かなり抵抗があるし・・・)。
外観はなかなか渋いが、なかに入ると意外にモダン。丁度、テーブル席が埋まったところのようで、少々お待ち下さいと、姉御肌の女性店員が仰る。すると偶々、もう帰ると立ち上がった客が居て、すんなりと座れた。客はほぼ全て、夫婦かカップルである。たしかに場末居酒屋大好きオヤジ連や、姦しおばさん同志では何だかしっくりこない。みなさん殆ど酒なんか呑まずに、蕎麦を手繰っているだけだ。
こっちはそんな気、毛頭にない。メニューを見ると、板わさや焼き海苔、つくね、玉子焼きなど、ほぼ蕎麦屋定番の一品料理が並んでいる。でも、そのうち、つくねと玉子焼は5時からとなっていて、ランチ時には頼めない。ふーむ、他に無いものかとあたりを見回すと、「鴨の薫製」の貼り紙。では、それを頂こう。さっき、「肉の大山」で揚げものを喰ったので、これ以上頼むと蕎麦が喰えなくなる。ビールもやめて、最初から冷酒。「菊水の辛口」をちびちび呑む。
そうこうしているうちに、せいろそばがやってくる。手繰ってみると、コシと云うよりも弾力を感じる。つるつるっと直ぐに無くなってしまった。蕎麦湯は、やかんに入って出てきた。やけに年季が入っている。モダンな店内で、そこだけがこの店の歴史を語っているような気がした。

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なんと・・・、池之端藪蕎麦が閉店してしまった・・・。大ショック。

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東京都美術館を出たら、真っ直ぐ蕎麦屋に行こうかと思ったが、時計を見るとまだ開店時間には早い。なので、その前にちょっと寄り道していこうかと、上野ガード下へ行ってみる。午前中から大賑わいのアメ横を抜ければ、ガード下の呑み屋街も相変わらず呑んべえだらけ。GW真っ只中だというのに、旅行に行かず呑み歩きか。それとも地方や海外から観光で、呑み屋街に来たのか。
どこも満席状態のようで、なかなか入り難い。「肉の大山」だったら、入れるかもしれないと覗いてみると、外で立喰い立呑みは既にOKだが、店内は11時開店がもうすぐ。10人余が行列を作っているが、その後ろに並ぶことにした。今日は、並ぶことが運命付けられている日かも知れない。我々は10組目。
程なく開店したが、何故か、8組だけ入れたら、後はお待ち下さい、と。以前、開店時に来たことが無かったので少々びっくり、マゴマゴする。店員が少なくて捌ききれないのだろうか。暫し待った後、2回目で目出度く入店となる。店内はまだまだ空いているテーブルがある。先発組は、呑み喰いが始まっている状態。我々の後、3回目の入場組が入ったところで、テーブルはほぼ埋まった。
ここのウリはメンチカツであるが、一番安価な「やみつきメンチ」(130円税別、以下同様)から「特製メンチ」(200円)、「匠の和牛メンチ」(400円)までと、和牛肉の添加量に応じて3種類もある。我々は特製メンチを、ビールと共に注文。併せて、盛り合わせランチプレート(900円)も注文した。
二人で、これだけ頼めばほぼ十分。ライスはいらないと店員に云う。程なく出てきた特製メンチはジューシー。これで200円はお得だと思う。続いて盛り合わせランチプレートも出てきた。これもボリュームは申し分ない。味も、さすがに肉屋がやっているだけあって文句無し。できればワインも頼みたいところだったが、このままだと蕎麦まで辿り着けそうにない。程々にして切り上げる。
ところでこの店、ランチ時に、何が頼めて、何が頼めないのかが、いまいち判り辛い。常連と思しき連中は、ランチメニューには無い料理を注文しているようだ。それに、偶々かも知れないが、隣りのテーブルでは、頼んだビールがぬるい、とクレームしている。この店のホスピタリティはもう一つのようである。

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肉の大山のHP: こちら

また上野公園にやってきた。今日の目当ては、泣く子も黙る「若冲展」である。午前9時30分開場なのだが、いちおう念のためと云うか、混雑を予想して、8時30分にやってきた。上野駅から西洋美術館の前を通り過ぎる。こちらでは「カラバッジオ展」をやっている筈なのだが、誰も並んでいない。カラバッジオって、その程度? 「法悦のマグダラのマリア」だけでも、若冲なんか、ぶっ飛ぶくらいじゃないの? 思わず、こっちにしようか、とよろめきそうだったが、既に「若冲展」のチケットは購入済み。初心貫徹である。
東京都美術館に近付くにつれ、群衆が見えてくる。先日の「ボッティチェリ展」よりも明らかに多い。ボッティチェリも形無しである。ともあれ、覚悟するしかない。さっそく並んでいると、我々のうしろに列がみるみる延びていく。早く来て正解だ。チケットを買う人の列もできているが、買った後にまたこちらの列に並ばなくてはならないかと思うと、気絶しそうである。
1時間は我慢、と覚悟していたが、9時15分くらいから列が動き始めた。扉が開いたようだ。美術館側の配慮によるものだろう。目出度く入場し、ひと通り見終わった後、前回同様、2階のM Caféに入る。既に開店しているが、先客は誰もいない。店員が手持無沙汰にしていた。テーブル席につき、さっそくビールを注文。窓の外を眺めると、入場を待つ人の列は益々延びているようである。列が動いていないところをみると、入場を制限しているのかも知れない。たしかに、展示スペースでは皆、絵に齧りついてなかなか動こうとしない。滞在時間が自然と延びているのだろう。
それにしても、こんなに並んだのは、2005年の北斎展(於:国立博物館)以来だと思う。でも後日、聞くところによれば、我々はまだまだ幸運の部類。会期末に近付くにつれ、入場待ちの行列はどんどん延び続け、最大でなんと320分待ちになったそうな。クレイジーな「若冲」人気というか、流行りに敏感な日本人気質というか、全く凄まじい。この狂乱に関する分析はこちらに詳しい(勝手にリンクさせて頂いたが、とても多角的な分析である)。ちなみに、最終日は意外に空いていたそうである(それでも120分待ち)。あまりのメディア報道に皆、恐れをなしたのだろう。
日本人は統計的に見ても、世界一展覧会好き、だそうである。云うなれば、我慢強く並ぶことに長けているということだ。そんな日本においても、この若冲狂騒劇は暫く、語り草になるだろう。

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