山から下りたらこんな店 - 副隊長の自己満足

山から下りて、ひと風呂浴びてから一杯やるのは醍醐味の一つ。しかし、最近はどっちが主なのか、判らなくなってきた・・・。

2016年03月

名古屋駅17時22分発「のぞみ176号」のN700系に乗車。常々、E5系に次いで不細工だと感じている車両。いくら空力特性に優れているからといって、あのカモノハシ顔(カモノハシが嫌い、と云っている訳ではない)は如何なものか。300km/hで走る(泳ぐ)カモノハシは、あまりカッコいいとは云えない。E5系だってダックスフンド顔では、どうにも速さとは結びつかない。新幹線が海外で売れない原因の一つではないかと、個人的には密かに感じている。少なくとも新幹線車両では、500系が一番カッコ良かった。E7系も、まともだと思う。
多少、日が長くなったとは云え、名古屋を出れば間もなく外は暗くなる。そうなったら、旅の楽しみは車内での呑み喰い。今日は普通の月曜日なので、仕事帰りが多いせいか、周りは静か。酔っ払いがいないどころか、話し声も疎ら。出張の帰りに、キオスクでビールやらカップ酒やら買い込んで、車内で他人の迷惑顧みず、仕事の憂さを晴らすなんて輩は昨今流行らないようである。
以前、仕事で同僚と東京~岡山間を「ひかり」で往復すると云うパターンが多かったが、4時間飲み続けていると流石にかなり酔っ払う。東京駅(又は岡山駅)に着いても、またそれから何処かの店でも入ろうか、などと云う気はあまり起きなかった(偶には起きた)。時々、どちらから乗っても名古屋辺りで買い込んだ酒が無くなる場合があり、そうすると僅かな停車時間の間に、ホームのキオスクへ走り、酒を抱えて、ドアが閉まるぎりぎりに飛び乗るなんてこともあった。名古屋駅にはそんな思い出がある。
今回、余裕を持って名古屋駅で仕入れた弁当は、 味噌カツとひつまぶしを両方味わえると云う、贅沢弁当の「味噌カツうなぎ重」。カミさんは名古屋コーチンのとりめし。昨今、駅弁は特徴がないと売れないのか、ご当地料理に特化したものが目に付く。幕の内弁当なんて、絶滅したのではないかと感じる昨今である。

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本降りの雨。高山駅に戻り、キオスクで缶ビールとカップ地酒(蓬莱小町桜)と、そのついでに「じゃがですよ!飛騨牛」を仕入れたら、14時39分発の「ワイドビューひだ14号」を待つ。仮設の待合室には、国内外からの観光客が溢れている。この列車は富山からやってくる3両編成に、高山で3両増結するため、プラットホームにはその連結風景を写真or動画に撮ろうという輩が群がっている。ipadを構えている外国人もいたりして、これはこれで一つの観光資源、エンターテイメントと云えるのかも知れない。
連結パフォーマンスも終了し、どやどやと乗車。落ち着いたら徐に缶ビールを開け、雨に煙る景色を眺めながらちびちびやる。「じゃがですよ!飛騨牛」はビールと良く合う。その後、カップ酒に移行。蓬莱は、純米吟醸を白川郷で呑んだが、カップ酒の小町桜は本醸造。いわゆる呑み飽きない酒。
たった1泊だったが結構、白川郷と高山の街を堪能した。観光客を惹きつける魅力は大いに感じた。惜しむらくは、夜の高山で居酒屋には1軒しか入れなかったことか。日曜日の晩は、観光地と云えどもやや寂しげで残念。
今度来るときには、出来れば日曜日ではない1泊朝食付きの片泊まり宿にして、居酒屋を2、3軒はしごしてみたい。 
今回の旅でやや気になったことだが、白川郷で入った店は少々観光客ずれしたというか、客あしらいが通り一遍で、そっけない印象。その点、高山で入ったどの店も、扱いはとても丁寧と感じた。歴史の問題だろうか。偶々かも知れないが、第一印象はとても大事。海外からやってくる大方の観光客は、リピーターにはなり難いかも知れないが、様々なSNSサイトに口コミ情報を書き込むので、店の評判を下げるのは簡単だ。白川郷の店も、早いとこ従業員の教育に力を入れた方が宜しかろう。

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「京や」を出た後、腹ごなしにまた古い街並をぶらぶら。旧市街もさることながら、宮川を東へ渡った新市街でも味わいがある店がある。リストランテ・ル・ミディアイは道の両側にあって結構目立つリストランテ。高山でイタリアンが喰いたくなったら良さそうだ。
もうすっかり高山市街の地理は理解した。理解する上で一番大事なのは参照する地図の正確さ。高山市が無料配布している地図は全く申し分ないのだが、場所によっては東西南北を曖昧にした地図やスケールがいい加減な地図があったり、酷いのは東西又は南北を反転したような地図があるのでとても難儀する。
まだ電車の時間まで少々あるので、喫茶店でひと休み。偶々目に付いたのが、宮川に架かる橋(筏橋。通称「味噌買い橋」)の袂にある「バグパイプ」。もちろん、珈琲しか出さないのであれば少々躊躇するが、「飛騨高山麦酒」の垂れ幕が見えたので入ることにした。あとで調べてみると、この店は「氷菓」という名のTVアニメの「聖地」になっているそうだ。この頃、「ヤマノススメ」の如く、実在の町や店を忠実に再現したアニメが流行っているようである。作為的なプロパガンダの臭いがしないでもないが、このようなアニメを見て、実際の店にやって来て満足する人々がいるのは間違いない訳で、それはそれでいいのかも知れない。
「バグパイプ」の外観はヨーロッパ調(スコットランド調?)だが、すっかり高山の街並みに溶け込んでいる。店内もアンティーク調。しかしスコットランドのパブ、というよりは、やはり日本の珈琲専門店の雰囲気。先客は二組だけ。ビールを呑んでいる客はいない。全く静か。
「飛騨高山麦酒ダークエール」(700円)を注文。「飛騨高原ロースハム」(800円)なるメニューもあったのでこれも頼んでみた。ビールは、苦味は少ないもののコクはなかなか。この頃の地ビールらしい味わい。ハムはサラダ仕立てで出てきた。静かに呑んで、静かに食べる、そんな雰囲気の店だった。

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昼飯は、どの店にするかあれこれ迷ったが、「京や」に行ってみることにした。これもガイドブックに載っていた店。丁度昼時、混んでないかと少々懸念したが全くの杞憂に終わった。やや、中心街から外れているせいかも知れない。
店の外観も内装も旧家そのものの雰囲気。先客は数組いるが、店内が広いので全く静か。座敷とテーブル席がある。小上がりのテーブルには囲炉裏が切ってあって、自分好みに炭火焼きができるようだ。我々は入り口に近いテーブル席へ。テーブル席は我々だけ。とても元気が良い女将さん(大女将?)が、注文をとりにやって来る。
この店は郷土料理店ということだが、様々な料理が食べられる。もちろん、飛騨牛の炭火焼きだって、朴葉焼きだって何でもある。それが証拠に、ここのメニューはやたらと分厚い。色々あって迷うが、多種多様な料理がついた「在郷定食」(2,500円)と、漬物ステーキ(500円)を頼んでみた。
先ずはビールで喉を潤した後、やっぱり日本酒。もちろん多くが地酒だが、今まで呑んだ事がなかった「裏天領吟醸純米生貯原酒」を注文。これは高山ではなく、下呂の酒。果実のような甘い香りがするが、酸味もコクもほどほどのバランスが良い酒だ。このような酒を、このような店で呑むと、味わいもひとしお。
漬物ステーキは、白菜や大根の漬物を炒めて卵でとじた一品。有りそうで無い、至ってシンプルな料理だが、これも高山の名物料理の一つらしい。これが実に酒に良く合う。
我々の後からも客がぽつぽつとやって来る。中には如何にも外国人もいる。彼らの目当てはやはり飛騨牛の炭火焼きのようである。
高山は酒佳し料理佳しのとても良いところだが、我が家からわざわざ片道5時間をかけていくのはやはり大変。できればこんな店が、我が家のすぐ傍にあったら嬉しい。

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「京や」のHP: こちら

高山旧市街をそぞろ歩き。次に目についた店には「ろうそく立て」という看板があった。「藤田鉄工工芸店」と、名前は少々地味だが、ろうそく立てと、どちらかと云えばそのついでに和ろうそくを売っている店。ろうそく立てをメイン商品にしている店が、ちゃんと成り立っているなんてところが、歴史ある街の証しか。
ふと眼をやると、「ろうそく立て」屋の先に、煉瓦造りの煙突が印象的な、造り酒屋があるのを発見。どうしてもそちらの方が気になる。カミさんが「ろうそく立て」を物色している隙に、行ってみると「二木酒造」とあった。「玉の井」という酒がブランド。創業は元禄八年(西暦1695年)とあるから相当な老舗。残念ながら、店頭での利き酒はやっていない様子。
再びメインストリートに戻り、更に北へ。今度目に入ったのは、またまた造り酒屋の「老田酒造店」。ここの外観も渋いが、ふらっと中に入ってみると、舩坂酒造店と同様、土産物屋や小物屋などもやっていて、うなぎの寝床の如く奥へ奥へと旅人を誘う。ここのブランドは有名な「鬼ころし」だ。
入口にも利き酒コーナーがあったのだが、ちょっと腰を下ろしたい気分。すると奥に「Café青」という看板を発見、靴を脱いで座敷に上がることにした。暖簾を潜ると、旧家にお邪魔した雰囲気だが、家具が洋風だったりと、一寸した異空間。客には外国人観光客もいる様子。
カミさんは、新幹線+宿泊パックにおまけで付いていた特典で、ロールケーキと飲み物のセットを注文(もちろん無料)。小生はやっぱりビールかなと思いつつメニューを探しても見あたらない。載っていたのは、「鬼ころしのみぞれ酒」か「鬼ころしの熱燗」。そう来たか。さすがは、造り酒屋。自家ブランドじゃないビールで、お茶お濁すようなことはしたくないようだ。 
そこで「鬼ころしのみぞれ酒」を注文。すると、かき氷が入ったグラスと、「鬼ころし」が入った猪口と共に、「コアントロー」が入った猪口が出てきた。先ずは「鬼ころし」だけでみぞれ酒を嗜む。そして「コアントロー」を少々垂らしてからまたひと口。ふーむ、これはこれで一興。まさか日本酒とフランス酒のコラボレーションを高山で体験するとは思わなかった。

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 藤田鉄工工芸店のHP: こちら

Café青のHP: こちら

飛騨と云えば飛騨牛。それをにぎり寿司にして、店頭販売している店があった。カミさんが、ガイドブックを読んで狙いを定めていたようである。この店、「坂口屋」は寿司屋ではなく、いわゆる食堂。どんぶり物や定食物、カレー、ラーメンなど、様々なメニューがある。定食には飛騨牛ステーキ定食や朴葉焼き定食。ラーメンはもちろん、高山ラーメン。つまり、この店に来れば、飛騨高山の名物は全部食えるわけだ。
我々は、昼食には別の店を考えていたので、ここでは飛騨牛にぎり寿司を1カンだけ立ち喰いすることにした。にぎりは、皿代わりのえびせんべいの上に乗って渡される。これはなかなかのアイデアだ。牛肉(A5等牛とのこと)は全くのレアではなく、表面を軽く炙ってあるようだ。これにツメが懸かっている。頬張ると牛肉は溶けて無くなった。これで2カンで600円。コスパも良い。少なくとも、個人的にはマグロのトロよりこちらの方が美味いと思う。
この三町筋には他にも、飛騨牛にぎりずしを店頭販売している店があった。次回は食べ比べしてみるか。

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坂口屋のHP: こちら 

もちろん舩坂酒造店へ入る前に気が付いていたのだが、舩坂酒造店の真向かいにももう一軒の造り酒屋、「原田酒造場」があった。まこと日本酒好きだったら泣いて喜ぶシチュエーション、高山の旧市街は日本酒のテーマパークのようである。
外観は、舩坂酒造店と同様、黒塗りの板壁で渋い。中に入ると、これぞ造り酒屋の雰囲気。舩坂酒造店以上に雰囲気を感じさせるのは、照明のトーンが抑えめのせいもあるだろう。さらに云えば、この店頭に並んでいる商品はすべて酒。造り酒屋なので当然なのだが、様々な土産物、小物が並んでいた舩坂酒造店とは一線を画しているので、新鮮な一途さを感じてしまう。
こちら「原田酒造場」のブランドは「山車」という。山車は高山祭で有名なのだから「だし」と読むのかと思ったら「さんしゃ」だった。確かに日本酒を「だし」よりも「さんしゃ」と呼ぶ方が語呂が良さそうだ。創業は安政二年(1855年)とのこと。
早速、利き酒をさせてもらおう。ここでは150円払って猪口を買えば、後は何杯でもどうぞ、という太っ腹な店。しかも試飲コーナーには10種類くらい置いてあるので、とても全部は呑み切れそうにない。猪口に注いだら、囲炉裏の傍でちびちびやる。まだ時間が早いせいか、利き酒をやっているのは他にいない。この雰囲気を独り占めである。
小生よりも若干年下と思しき何処かのご婦人が、通り過ぎながら「あら、羨ましい~」と宣う。今日は車の運転手でやってきているのかも知れない。
ところで、利き酒の結果、気に入ったのは「純米吟醸 花酵母造り」。この造り酒屋は酵母に凝っているようで、この酒も「アベリア」という花から獲ったとのこと。特定の花の蜜には特定の酵母が存在するようで、それをコメの発酵にも使ってみたら、意外にイケる、ということらしい。結構、香りが甘いのでびっくり。他にも、ベゴニアとかナデシコとか、色々あるらしい。日本酒の世界はまだ進化を続けているようだ。

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原田酒造場のHP: こちら 

飛騨高山には、7軒も造り酒屋があるらしい。特段、米どころとは思えない一つの街で、これだけかたまってあるのは珍しいのではないか。もちろん水は良いかも知れないが、こんなに山深い土地だ。高山にいくら呑ん兵衛が多くったって、そんなに7軒も酒を造って、捌き切れるとも思えない。江戸の頃から尾張や加賀、越中方面へ出荷していたのだろうか。ちょっと気になる。
そのなかでもここ、舩坂酒造は古い街並み(三町筋)にも溶け込んだ造り酒屋。創業200年とのこと。酒の店頭販売だけでなく、土産物屋、レストラン、カフェ、試飲コーナーもあって、かなり手広くやっている。もはやこの店だけでも立派な観光地と云っていいだろう。
店は、昔の蔵を改装した感じで落ち着いた佇まい。中に入ると先ずは日本酒販売コーナーと土産物コーナーがある。土産物屋には、酒とは全く無関係な、飛騨高山らしい土産物や、和風小物まで様々。普通の土産物屋以上の品揃えである。おや、左手には試飲コーナーだ。あとでここに戻るとしよう。
奥へ進むと中庭があり、その先がカフェテラスとレストラン「与平」、その建物の奥は、また別の通りに面している。カフェテラスもなかなか良い感じ。中庭の右手の方が、いわゆる酒蔵や作業場があるようだ。街中にしてはずいぶんと広い。
この造り酒屋では、「深山菊」というブランドが主要銘柄だが、他にも「四ツ星」、「甚五郎」、「白無垢」、「夕映え」などの酒も醸している。どれもいままで聞いたことが無かった。さて、販売カウンターに行って銘柄を物色。いろいろあるが、やはり「深山菊」にしてみるか。「深山菊純米吟醸しぼりたて無濾過生原酒」をチョイス。カミさんは「深山菊」ゼリー。升を持って試飲コーナーへ。
外観は蔵だが、中身はカウンター席と酒樽をテーブルにした立ち飲みがあり、いい雰囲気。「深山菊純米吟醸しぼりたて無濾過生原酒」は吟醸らしさはあまり感じられない、どちらかと云うと米の旨みを感じさせる酒。酒も美味いが、これ程雰囲気が良い試飲コーナーも少ないと思う。こんな造り酒屋が、我が家の近くにあったらいいなぁ、とつくづく感じる。

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舩坂酒造店のHP: こちら 

高山の市街は、古民家が立ち並ぶ町屋街をぐるっと巡るのに、小1時間あれば済むくらい、程良い大きさの街。もちろん、高山市自体は、人口が10万にも満たないのにも拘らず、平成の大合併で日本一面積が広い市になったそうだから、市内を端から端まで巡るのは並大抵ではない。東は長野県松本市、西は福井県大野市に接しているのだから、その大きさが判ると云うもの。
夕食後、せっかくだからと、腹ごなしに夜の街に繰り出してみることにした。出来れば居酒屋にも寄ってみようという寸法。今日は日曜日なので、観光地と云えども、夜に空いている店は限られている。持参したガイドブックを見た限り、休みになっていない店は「あ蔵」一軒のみ。先ずはそこへ向かってみる。
「高山桜庵」の前から東西に延びる通り(白川街道)を東へ進み、左に曲がるとすぐ「高山陣屋」がある。高山の観光名所の一つ。通り過ぎると赤い欄干の橋。ここを渡るといわゆる旧市街のようだ。「高山市政記念館」がある角を右に曲がり、まっすぐ進むと「あ蔵」の筈だが、通りには、灯りは街路灯のみでどの建物も真っ暗。人っ子一人歩いていないのでやや物騒である。
残念ながら「あ蔵」は」休業だった。日曜日は営業となっていたが、ガイドブックの情報が間違っていたのか、店が臨時休業したのか定かではない。目当ての店がダメだったので代わりに、昼間、白川郷行のバス車内から目を付けていた店に行ってみることにした。
観光地である旧市街の三町筋も真っ暗。途中、「洲さき」と云う名の料亭だけが暖簾を出していたが、流石に料亭で酒だけ、という訳にもいかないので素通り。やがて目星をつけていた「八角亭」に到着。昼間の感じも良かったが、夜は一段と風情がある。暖簾を潜ると、L字形のカウンター席に10数席。上手い具合に丁度、一番奥が二人分空いていた。
席に座って暫く経って気が付いたのだが、カウンター席の部分だけが、靴を脱いで上がるスタイルだった。これじゃ、「高山桜庵」で靴を履いたまま廊下(通常は素足)を歩いていた、中国系観光客を笑えないなと苦笑。
さて腹一杯なので、ビールではなく日本酒。「久寿玉」をいただく。これも高山の平瀬酒造店が醸す酒。やや甘口で米の旨さを感じさせる酒。つまみは突き出しだけでも充分だったが、茹でシャコもいただく。ここはろばた焼きと云いながら、地(山)のものや海のものも出す、色々楽しめる居酒屋である。駅のすぐ傍なのだが、観光客ではなく地元の客ばかりのようだ。今度来る時は、もうちょっと腹を空かせて来なくては。

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八角亭紹介のHP: こちら 

白川郷から高山駅に戻ったら、今宵の宿へ。徒歩数分のところに「高山桜庵」(たかやまおうあん)がある。13階建てのビルで、この市街では一番高いのかも知れない。13階には展望風呂があるらしい、楽しみだ。ここ、「高山桜庵」は駅から近いし、街へ散歩するにも便利。Google Mapのクチコミを見ると、投稿者は殆どが外国人。皆さん、絶賛している。
チェックインの際、1階のロビーにある観光マップを何の気無しに眺めてみると、日本語も含めなんと11言語。ヘブライ語まであるのには驚いた。高山が如何に観光に力を入れているかが判る。ロビーには外国人観光客が多い。ここは、ロビーから靴を脱いで上がる和風旅館スタイルなのだが、それに気が付かない外国人が土足で歩きまわっていた。パッと見は全くのホテルなので気が付かないのかも知れない。宿の接客係もなかなか説明するのは難しいのだろう。
我々の部屋は12階。眺めは申し分ない。ひと息ついたら夕餉のレストランへ。すでにかなりの客がいる。ここの夕食は、料理の一部(八寸と焼きもの)が決まっているほかは、好みに合わせてビュッフェという、まさに折衷スタイル。飲み物は「飛騨ビール」を呑んでみた。
焼きものは、飛騨牛と野菜の鉄板焼き。これを予め温めておいた朴葉味噌に付けて召し上がれ、とのこと。「飛騨牛」と「朴葉味噌」という二つのブランドをまとめていただくと云う、贅沢なもの。やはりブランドがあると云うのは大きな強みだろう。
翌朝は、完全なビュッフェスタイル。宿の朝飯はついつい喰い過ぎる傾向があるが、ここでも同様。様々バリエーションがあるが、なかにはここ、高山でしかお目に掛かれないかも知れないシロモノもあった。ちょっと別の店で確認してみたい。
ところで、展望風呂には朝、行ってみた。生憎の小雨模様だったが、開放感は充分、気分は壮快。これがこの宿のウリであることは明白である。

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どれほど合掌造りの建物が珍しかろうとも、そればかり見ていると、段々そのうちに飽きてくる。もう暫くは見なくても済みそうな気持ち。興味は、店で売っているものや周りに移る。途中、「乃むら」と云う蕎麦屋があったが随分、長い行列が出来ていた。人気なりに美味そうな雰囲気だが、こっちも蕎麦を手繰ってから未だ腹がこなれていないので、「喰い」はとりあえずいい。
そのうち目線はもっと上の方に行くようになる。白川郷はもちろん周囲が雪山で囲まれているが、西の方にはひときわ白い山が見える。全く土地勘が無いので、スマホで探してみると、どうやら野谷荘司山(標高1,797m)という山の様だ。加賀との国境にある山で、尾根をそのまま南下すれば白山へと連なる。そう訊けば、登っても見たくなる。あの山に登れば白山を望めるのだろうか。もし、白川郷に泊まる機会があれば、登ってみたいと思わせる、気高さがある。
ひと通り巡った感じだが、高山へ戻るバスの時間まで、まだ少々時間があるので、再び喉を潤しに店へ。バスの発着所に近い「古太神」という食堂に入ってみた。ここも、外観は合掌造り風だが、中は小奇麗に民芸風。古い民家を利用した居酒屋、というのがこの頃では流行りだが、この店はその先駆けか。そのせいか、注文は食券を買うアーバンスタイル。とたんに、田舎食堂の雰囲気ではなく、何処かのテーマパーク内にあるようなファミリーレストランに入った錯覚。店員も皆、若者。店員がおばちゃんでないと、何となく田舎感が感じられない。不思議なものである。
ビールは頼むとして、そのつまみには何にするか。「飛騨牛コロッケと」とどちらにしようか迷った挙句、「鶏肉のキャベツメンチカツ」(200円)を食べることにしてみた。鶏肉のメンチカツは、有りそうでなかなか見掛けない。しかもキャベツが入っているとは面白い。ジューシーさにはやや欠けるが、割とあっさり美味い。しかし、白川郷の名物にするには、使用する鶏肉は単なる「国産」ではなく、「白川郷産」のブランド鶏を開発すべきと思うが如何だろうか。

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飛騨高山からバスで1時間余で、白川郷に13時頃到着。途中、飛騨高山で昼食をとったにしろ、家を出てから約7時間。飛行機に乗ったら、バンコクぐらいだったら着いてしまう。随分と遠いところだ。バスを下りると、とたんに大勢の観光客の渦の中に取り込まれる。半分ぐらいは海外からの旅行客、そしてその大半は中国系だろうか。有名観光地は中国系観光客に占領されている話は聞いていたが、ここ白川郷はまさしくそういう場所だ。
日本人にとっても外国人にとっても、白川郷の魅力はやはり合掌造りの建築群。それにしても何故ここだけ、スポット的に白川郷(と五箇山)に合掌造りの建物が生まれ、そして残ったのだろうか。雪の多い土地で養蚕農家は何もここだけに限った訳でもなかろうに。
白川郷のメインスポットは、バスターミナル側から庄川を渡ったところにある。ところがそのための吊り橋、「であい」橋と云うらしいが、素人目には奇妙に映る。強度的に大丈夫なのかと不安になるが、中国系観光客はへっちゃら。カメラ撮影をしながらはしゃいでいる。吊り橋と云えば普通、放物線状に張ったワイヤーに橋床がぶら下がった状態になっているが、この橋にはそのワイヤーがない。調べてみると、「吊床版橋」というタイプの橋で、ワイヤーは床板の中に埋め込まれているらしい。そう聞けばやや安心。
合掌造りの建物が並ぶ路地をそぞろ歩き。最も古いと云われている建物に入って見学。2階に上がると屋根裏が剥き出しになっているので構造が良く判る。基本的に、屋根は骨組みと藁縄で縛って固定している。逆に云えば、縄を解けば屋根はすっかり取り外せる。人手はかかるにしても、実にシンプルな構造だ。
少々歩き疲れたので休もうと、来る途中で見つけた立呑み屋へ戻る。立呑み屋と云っても、土産物屋で酒も売っていて、その酒を試飲させる一角がある、という程度のスペース。それでもちゃんとお品書きがあって、選ぶのに迷う程の品揃え。何れも飛騨の酒の様だ。その中から「蓬莱 純米吟醸」をいただくことにした。飛騨古川の酒。純米吟醸と云っても昨今、流行りのフルーティなタイプではなく、しっかり米の旨みを感じさせる骨太系。つまみには、これも地元の赤カブ漬けを頼んだ。パッと見、スモークサーモンの様な色艶。日本酒と良く合う。地酒と地の漬物を堪能できて満足。窓の外、行きかう人は多いが、ここで立呑む人は少ない。我々が地酒を味わっている時に来た客は、ラテン系女の子の3人連れだけだった。日本酒の味わいは如何?

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10時55分JR高山駅到着。駅舎は改築工事中のようで、ややざわついている。駅前に出れば、明らかに外国人観光客が目立つ。約1時間の接続で白川郷行のバスが出るので、それまでに昼食を取ろうと、バスターミナルに最寄りの店を物色。路地を入って直ぐの処に「栄屋」と「飛騨」が並んで建っていた。それぞれの看板には「らーめん、そば、うどん、栄屋」、「手打ちうどん、そば、飛騨」とある。どちらもなかなか渋い外観。情報がこれだけで、目的がラーメンならば「栄屋」、蕎麦又はうどんならば「飛騨」であると解釈できる。小生は蕎麦、カミさんはうどんを所望。而して、「飛騨」に入った。
少々薄暗い店内だが小奇麗。左手が小上がり、右手がテーブル席。割烹着に三角巾の、古式ゆかしいスタイルの女性店員がやってくる。ようく見ると、奥のテーブルに先客が一組。外観も渋いが、内装も民芸調で落ち着いた雰囲気。お品書きは壁に貼った短冊。十割そばは限定とのこと。訊けば「あります」とのことなので、それでは、と「十割旨豚ざるそば」(2,000円)にしてみる。カミさんは「飛騨牛朴葉みそ煮込みうどん」(2,000円)を注文。考えてみれば、飛騨牛がウリの土地に来て豚肉を喰うのもなんだな、と思ったがまあいいだろう。
料理の前に先ずはビール。突き出しには、葉わさびのおひたし。
やがて出て来たのは、十割そばと、別の皿に肉(旨豚)と天麩羅盛り合わせが載ったセット。肉の中には野菜の炒め物が巻かれている。あまり蕎麦屋ではお目に掛かれないシロモノだがなかなか美味い。天麩羅は蕗のとう、椎茸、舞茸など。からっとしていてボリュームも充分。十割そばは、「うどん一尺、そば八寸」の基準からすれば、まさしく「寸足らず」で、少々ぼそぼそな感じ・・・。それでも喉越しは悪くなく、蕎麦の香りは高いので十分満足できた。あとは、一品料理をもうちょっと揃えてくれれば申し分ない。

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カミさんが合掌造りを見たいというので白川郷に行くことになった。小生も初めて。白川郷だけを考えれば、北陸新幹線で行く手もあるが、高山で1泊しバス往復するとなると、やはり東海道新幹線ということになるようだ。東海道新幹線も、この頃はせいぜい三島くらいまでしか乗ることが無い。名古屋駅で降りるなんて、ここ20年くらい無かった。
今回、高山本線に乗るのも初めて。岐阜駅でスイッチバックすることも知らなかったので、名古屋駅で座席の向きが逆のまま発車して少々驚く。それにしても名古屋から高山までは約2時間。東京から足掛け4時間かかる。高山はかなり遠い処だ。名古屋までの「のぞみ」はほぼ爆睡状態で、ビール1缶呑むのが精一杯。安上がりに済んだ。
「ワイドビューひだ」車内はほぼ満席。海外からの旅行客もそれなりに乗っているようである。このJR東海キハ85系に乗るのだって初めて。シートピッチは1,000mmと、JR系にしてはかなり意欲的である。座席スペースが通路より200mmほど高くなっていてかつ、窓も天井付近まで高くなっているのは、窓からの眺めに配慮したものだろう。
東京駅で買って、ぬるくなったハイボール(リザーブ&ウォーター)を開ける。岐阜駅から前向きに進むようになる。ここから先は全線単線区間。岐阜から高山まで136.4kmもある割に、「ワイドビューひだ」がほぼ2時間で結んでいるのは、まあ頑張って走っている感じはある。その分、緩行列車にしわ寄せがいっているのかも知れない。
途中、なかなかの渓谷美のところがあるな、とか、ちっとも雪があらわれないな、とか思いながらもいつの間にかまた熟睡。気が付けばまもなく高山、結局、ハイボール1缶で着いてしまった。毎度こんなに、安上がりにはいけばいいのだが。
それにしても、辺鄙な山の中に忽然と高山の街が現れた。こんな場所に街が発達した歴史に、少々興味が湧いてきた。

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このところ、とんとご無沙汰だった「弁慶」だが、ひと月も経たないうちにまた「弁慶」訪問となった(前回はこちら)。今回は山の参加者が10名、アユラシが夜の部のみ参加OKとのことで総勢11名。明けても暮れても隊長とタマちゃんと3人だけで(時々誰かが欠けて2人だけで、たまに凸さんも入って4人で)、立川をうろついていた頃が妙に懐かしい。
さて、これだけの人数がさっと入れる店は、立川でもそうそう無い。試しに「酒亭 玉河」(本店)に電話してみたが、けんもほろろだった。これまで「玉河」の小上がりに入れた試しが無い。どうにもハードルが高い。こんな時はやっぱり、好むと好まざるに拘らず(「弁慶」を好まない、と云っている訳では決してない)、キャパの点から「弁慶」が妥当。それでも飛び込みで入れるかは怪しいので、念のため、やっぱり電話で予約。「弁慶」へ電話を入れること自体、初めてかも知れない。
立川駅のコンコースは相変わらずの混雑。なんで何時もこんなに人が多いのだろうか、と改札口を通る度に何時も思う。今日は、山(入笠山)にも、スキー場(富士見パノラマリゾート)にも、日帰り温泉(ゆ~とろん水雲の湯)にも、それなりに人がいたので、それほどのギャップは感じないが、山で誰とも会わなかった日には、つい、何故こんなに人は人ごみを好むのだろうなどと感じてしまう。
都市人口率という指標がある。国民全体の何パーセントが都市に住んでいるのかというもの。シンガポールや香港、モナコと云った都市国家が100%であるのは当然だが、日本も92.49%とかなり上位。世界平均は58.51%、イギリスやフランス、ドイツでも75~80%前後だから、日本は際立っている。全体的に山地が多いせいだろうが、群れるのが好きとも云えるかも知れない。ちなみに最低はトリニダードトバゴの8.67%。第1次産業の比率がめちゃ高いせいだが、これはもうはっきり云って「人が嫌い」と云えるだろう(出典: 世界ランキング)。閑話休題。
18時前の入店、団体の我々は、2階へ通される。こちらは全て座敷。弁慶ならではの雰囲気。我々が最初の客だった。リュックサックを部屋の端に並べ、居場所を定めたら先ずビール。それも生ではなく瓶で。もう呼び水は電車の中で済んでいるので、ビールはひと口だけで、あとは燗酒へ移行。
つまみは偶には違ったものにしようと云いつつ、ポテトサラダ、ハムカツ、ジャンボコロッケ、ジャーマンポテト、ナンピザ、蕗のとうの天麩羅、アジフライなどを注文。せっかくだから鍋も、ということで頼んだのは鴨鍋。たぶん合鴨だろうけど意外に(失礼)ちゃんと入っていて、楽しめる。ここにはまだ色々な種類の鍋がある。今度、鍋シーズンが終わるまでに来られればピリ辛餃子鍋にしてみよう。

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富士見駅からの帰りは、既に座席指定券を購入済みのあずさ。「ゆ~とろん」からタクシーで駅に着いたのがやや早かったので、車内用の飲み物(≒酒)を買おうと思うのだが、駅前にはコンビニも酒屋も無い。観光案内所に訊いてみれば、5分ほどの距離に酒屋があるとのこと。
さっそくのんちゃん、和尚と共に行ってみるが、なかなか見つからない。諦めかけてた頃、漸く「福寿屋」の看板を発見。入ってみると、焼酎や日本酒等、結構品揃えが多い。旅先で、地元の酒屋に行ってみるのは楽しみの一つ。あまり出回っていない、少量生産の地酒を見つけることができれば嬉しい。
隣の長野県茅野市には「ダイヤ菊」、手前の山梨県北杜市には「谷桜」があるのは知っていたが、残念ながら富士見町には造り酒屋は無いようだ。やや残念。代わりに、目に付いた「長者盛吟醸生原酒」をゲット。新潟県小千谷市の酒だった。
駅に戻ってもまだ電車の時間まで少々あるので、静かな駅前でぼーっとする。スキー場へ行く客がやってきて、シャトルバスで移動する僅かな時間だけ人の往来があるが、それ以外は全く静か。駅の待合室で、列車を待っている人たちがじっとしているだけだ。駅前には食堂が2軒(中村屋食堂と多い市食堂)あるのだが、残念ながらどちらも中休み中。個人的には駅の待合室でじっとしているよりも、駅前食堂でビールを呑む方がずっと嬉しい。そう思う客は少ないのですかね。
やがて15時59分発の「特急あずさ24号」がやってくる。ぞろぞろと乗車。立川駅到着時刻は17時40分。1時間41分の移動居酒屋(中休みの人もいる)。我々は、進行方向右側のシートに2人ずつ5列の指定席。真ん中に座っていると、つまみ類が頭上を行ったり来たりする。
この「あずさ」は、甲府を出ると八王子まで止まらないせいで、随分速く感じる。それでも塩山辺りを通過すると、我々の馴染みの山域に入るので、窓の外に目をやれば、あの山はこの頃ご無沙汰だ、とか、今度あの山に登るときには、あの尾根から登ろうなどと、思いは尽きない。

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入笠山から下りて、ゴンドラ山頂駅のレストランでビールを呷った後、再びゴンドラで下り、山麓駅からは徒歩。基本的に下りなので問題ない。ビールを飲んだらちょっとでも登りがあると辛い。
10分ほどで「ゆ~とろん」到着。手前に福祉施設(ふれあいセンターふじみ)があり、そこでも風呂は有るらしいが(町外者600円)、どうやらビールは置いて無さそうなので素通り。
聞けば、このちゃん達は以前、マンマミーア企画による入笠山ツアーの後、ここ「ゆ~とろん」へ来たことを思い出したようだ(記録はこちら)。今回は男性も含め10名の大所帯。わっさわっさと入場。男性風呂は1階、女性風呂は2階のようだ。750円(割引券で50円引)を支払って風呂場へ。
「源泉100%かけ流し」が謳い文句の様だが、泉温は33℃とのこと、わざわざ加温した湯を「かけ流し」しては勿体ないような気がしてしまう。
脱衣所も、洗い場も、湯船も全体的にこじんまりした印象。脱衣所の窓の外は露天風呂で、マル見え状態。当然、露天風呂側からも着替えている人たちが良く見える。洗い場には、カランは全部で7つしかない。でも客はそれに見合った程度なので、まったく問題は生じない。
風呂は、内湯が1つと露天風呂が4つ。熱め、温めと分かれている。冷泉となっているのは多分、源泉のままということだろう。露天風呂は山が見えて開放感はあるが、眺めが良いと云うことではない。
さっとあがり、食事処へ。「く~とろん」は4人掛け、6人掛けのテーブル席が並んでいるものの、我々10人には少々手狭だったので、畳敷きの休憩室へ。数人が屯していたが、我々のスペースもなんとか確保。こちらにも飲食メニューが置いてある。注文は「く~とろん」入口の券売機で食券を買って、「く~とろん」に居るお姐さんへ渡さねばならないが、出来上がればお姐さん方が、ビールなりつまみなり、持ってきてくれる。
生ビールと共に、それぞれ、焼き餃子、こんにゃくのみそ田楽、枝豆、舞茸てんぷら、もろきゅうなどを注文。どれもまあ普通だが、もろきゅうは、いわゆる「もろみ味噌」ではなく、「蕗味噌」だった。あれもう蕗のとうは出ているのか、と春に気が付いた。

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今回は参加者10名の大パーティ。「入笠山でスノーシュー」が謳い文句のつもりだったのだが、どうもこのところ雪が降った形跡が無く、むしろ先日の春の嵐で積雪が融けてしまったようだ。なので、スノーシューを持参することは諦め、参加者にもそのつもりでお出で下さいと周知する。今シーズンはスノーシューを使わず仕舞のようである。
実際、ゴンドラを降りて歩き出すと、遊歩道はカチカチ氷に覆われていて、アイゼン(又はチェーンスパイク)が必携。雪は日影に少々残っている程度。一組だけ、無理矢理スノーシューで歩いている2人パーティ(夫婦?)がいた。せっかく持ってきたから、と意地になって履いているように見受けられた。山頂は全く雪も氷も無い。スキー場(富士見パノラマリゾート)は人工降雪機を持っているので問題なし。ゲレンデに目をやれば意外にスキーヤーが多い。
コンドラ駅まで戻ってくれば、否が応でもレストラン「スピカ」の文字が目に入る。アイゼンを外したらさっそく2階へ。230席あるという店内は、かなりの混雑ぶり。さすがに10人では纏まった席が取り難い状況。やむをえず二班に分かれてテーブルを確保したら、ビールを買いに行く。
ここは学生食堂形式。缶ビールがあったのでそれを持ってレジに向かうと、生ビールコーナーがあるのに気付く。缶ビールは360円に対して生ビールは570円と、随分差があるが、ここはやっぱり生でしょ、と缶ビールを元の場所へ戻し、生ビールを注文。グラスジョッキではないのがやや難。
ともかく乾杯し、ぐびぐびと呑んでしばしまったり。晴れていれば八ヶ岳も見えそうなレストランなのだが、もうだいぶ雲が出て来て見えなくなった。山頂に居た頃迄が今日の限界か。今日のアルバイトによるカロリー消費は、このビール一杯程度だったかも知れない。でも、これからまだ風呂上がりの一杯も残っているし、立川での打ち上げもある。この頃、消費カロリーが少ない山行が多い。これからは少々、ガチな山も増やすべきだろう。

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アユラシが「新宿まで来ない?」と云うので、奥多摩駅からそのまま中央線で新宿へ移動。雨はすっかり本降りになっている。店はアユラシにお任せ。入った店は「てけてけ」と云う、博多テイストの居酒屋。以前、茅場町の店に入ったことがある(そのときの投稿はこちら)。「てけてけ」は新宿西口だけでも3店舗あり、今回の店は新宿総本店であった。
靴を脱いで店に入る。茅場町の店はさすがにほぼ100%さらりーまんだったが、こちら新宿店はやはり学生が多い感じ。鶏肉がウリの店。焼き鶏を突きながらちびちび呑む、と云うよりはぱくぱく食べてぐびぐび呑む感じの店。従って、飲み物はやはり炭酸系。ホッピー黒セット(422円/税込、以下同様)を頼む。ナカは216円とまずまず値段。その後はバーボンハイボール。
料理は、自家製鶏ハム(378円)、自家製ポテトサラダ(422円)、名物鉄板鶏餃子(519円)、秘伝の手羽揚げ白こしょう(368円/3個)、秘伝のにんにく醤油ダレ焼き鶏(86円/本)と鶏尽くし。鶏ハムとは珍しいが、味自体は特別ではない。ポテトサラダもごく普通。
ここはやっぱり焼き鶏か鶏餃子が美味いと感じた。特に、秘伝のにんにく醤油ダレがなかなかである。昨今の新興居酒屋チェーンは何かしらの特色を前面に打ち出したものが多いが、ここは鶏肉に特化した店ということだろうか。確かにバリエーションが豊富である。それにしても、どの辺りが博多風なのかはいまいち判らない。次回来る時は、やはり水炊きを試さねばなるまい。

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今日の山行は、「山から下りたら」に重きを置いていたのだが、その理由の一つは奥多摩駅前に開業したビアカフェ「バテレ」に寄ってみること。ところが、残念なことに偶々今日は出資者向け貸切とのことで、一般の入店はできない。ならば次善の策として近所の店に入ろうかと思っていたのだが、なんと目当てだった「寿々喜家」も、「天益」も休業。ちょっと想定外の事態だ。
こんな天気だから仕方が無いのかも知れないが、こんな天気でもやってくる祝勝な我々のために、手を差し伸べてくれる店が無いものかと、そぼ降る冷たい雨の中、柳小路をうろうろ。「そば処おく」もやっていない。
すると、「きみちゃん」と「しんちゃん」が開いていた。どちらもこれまで入ったことは無い。ままよと「しんちゃん」へぞろぞろと入ってみる。L字形のカウンター席のみの小じんまりした店。先客はお一人だけ。山帰りではなく、仕事帰りの地元の方の様だ。カウンター内には女将さんお一人。いかにもここは昭和酒場の雰囲気。阿佐ヶ谷や高円寺の裏路地あたりにありそうな感じ(行ったこと無いけど)。店に入ってしまうと、駅前とは云え、ここがまだ山の中であることを忘れさせてくれる。
我々が入ると、カウンターはほぼ満席状態。やや冷えるので燗酒(最初に出てきたのは人肌程度)で乾杯。つまみにはホッケとなす焼きを頼んだ。やがて独り連れの客が帰ったかと思うと、べつの独り客がやってきて、その知り合いの方も後からやってきた。こんな寒空でも、それなりに客はやってくるようだ。
この店の女将さん(いただいた名刺によれば「増田フジ子」さん)曰く、店を開いてからもう28年経ったとのこと。小生は勿論、それよりも前から奥多摩の山には来ているが、この店のことは知らなかった。まだまだ奥多摩は奥が深い。後で奥多摩町観光協会のHPをみると、この店は「いかのポッポ焼き」がウリのようだ。次回はそれを試してみたい。

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