山から下りたらこんな店 - 副隊長の自己満足

山から下りて、ひと風呂浴びてから一杯やるのは醍醐味の一つ。しかし、最近はどっちが主なのか、判らなくなってきた・・・。

2015年08月

トムラウシ山を登った翌日は、東大雪荘8:45発のバスに乗って新得駅へ。一昨日の往路はたった乗客5人だったが、今日のバスはなんと満席である。みんな、でかいリュックサック。トムラウシ山を越えてやって来たのだろう。皆さん、きっと長く歩くのが好きなんだろうな。新得駅10:15着。
今日の昼食は、新得駅前でゆっくり蕎麦でも手繰りながら一杯やろうという目論見だったのだが、その蕎麦屋へ行ってみると、まだ時間が早いせいか店が開いていない。おっと、これは計算違い。ならば、1つ前の特急に乗って、早々に新千歳まで戻り、そこでゆっくりしようということになった。上手い具合に10:40発「スーパーおおぞら4号」の座席が確保、再びキハ261系に乗る。一昨日は鉛色の空を見ながらの列車旅だったが、今日は良い天気。瑞々しい森の緑が延々と続く。
12時過ぎに新千歳到着。羽田行フライトのチェックインを済ませたらランチ。いつもながら、新千歳空港内のレストラン街は大層賑わっている。さて今日は何処に入ろうかと、うろうろして結局入ったのがここ「松尾ジンギスカン」だった。道内に店舗展開しているチェーン店だと云う(調べると、赤坂と銀座にも支店があった)。
実は何を隠そう、生まれてこの方、ジンギスカン鍋なるものを食したことが無かった。今回、有名なサッポロビール園でも行ってみようかと思ってはみたのだが、行き帰りに時間を取られるし、時間を気にしながら呑み喰いは忙しいと思い諦めたのだった(実はその後、知ったのだが、千葉の南船橋にも「サッポロビール園」があるそうだ。今度、行ってみるか)。
とりあえずビールでご苦労さん乾杯をした後、ランチセットを注文してみる。テーブルには既にジンギスカン鍋がセットされている。やがて具材がやってくると、ひと通り食べ方の説明がある。しゃぶしゃぶのような薄切り肉が出てくるのかと思ったら、 結構厚みがある。タレが掛かった野菜は、火を通るまで食べないでください、との説明。タレが生ってことですかね。もやしが随分、たっぷりだ。
そこそこ火が通ったところで肉を頂く。思ったより肉は柔らかい。それにしてもタレがなかなか美味いな。ビールに良く合うと思う。この店が東京まで支店を出している理由が何となくわかる。今度、銀座の店にも行ってみるか。
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午後4時半、トムラウシ山から下りて、漸く東大雪荘に戻って来た。今日、持って行った水3Lは、殆ど飲み干したのにも拘らず、宿に戻ると風呂にも行かず、先ずビールをがぶ呑み(兄貴は汗を流す方が先決で、風呂へ直行)。ふー、生き返ったー。こんな美味いアサヒスードライを呑んだことは、とんと記憶に無い。気温はそれ程ではなかったものの、やはり日差しが出ると暑くて喉が渇く。12時間半も歩いていれば、3Lの水を飲んでも不思議はないだろう。
それにしても、12時間以上も行動していると、山そのもののことよりも、歩くこと自体に飽きることが判った。こんなに歩く必要があれば、もう山に登れなくてもいい、と云う気になる。トムラウシは遥かな山だ。でも考えてみると、雲取山だって鴨沢から片道約11km、往復12時間なんてかからないが、それなりにタフなコースだ。電車とバスでは日帰りは難しいので、雲取山日帰りなんて考えたことも無いが、物理的に可能になったとしても、果たしてそういう気持ちになれるかどうか(なにせ、アドレナリンの分泌量少ない故)。
何れにせよ今回、膝が壊れなかったのは、多少自信になった。そう云えば、東京は今日、梅雨が明けたらしい。ここがいくら暑かったとは云え、東京に較べればはるかにましだ。やはり北海道くんだりまで来た甲斐があった訳だ。少々、優越感で気分が良くなった。さて風呂に行くか。
風呂場への途中、山の情報を共有するための掲示板(ホワイトボード)がある。ヒグマには遭遇しなかったとか、ナキウサギを見たとか云うのと並んで、東大雪荘を何時に出て何時に帰って来たのか、という記録が興味深い。曰く、
 ・出発3:45 帰着14:45
 ・出6:13 帰14:16 (28才女、27才男)
 ・短縮登山口4:19 下山11:37 (57才男)
など、結構早い方々がいる一方、
 ・A社2:30出 → 18:00帰
 ・B社3:30出 → 18:30帰
 ・C社3:45出 → 20:30帰
なんて記録もある。「○社」となっているところは、ツアーだろう。有象無象の集団であれば、なかには脚力の弱いヒト、調子が出ないヒトもいるのだろう。それにしても短縮コースであっても、15~17時間も歩いたヒトたちがいる(もはやこれは山登りではない、壮絶すぎてサバイバルそのものだ)訳で、それに較べれば12時間で「飽きた」なんてほざくのは甘っちょろいかも知れない。

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突然ですが、第5位から第1位までの発表の前に(なんだかテレビでよくあるベタなパターンだ・・・)、ランク外とは云え、記憶に残るポテトサラダを少々紹介。人によっては、ここで紹介する方がランクインに相応しい、と思うかも知れない。

★番外その1 神田/野菜居酒屋 玄気(2014年11月25日入店)

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この店のポテトサラダを語らずして、このブログのポテトサラダ遍歴は語れない。その名も「伝説のベーコン、レッドムーン、ひかりレンコンのポテトサラダ」(1,200円)は、惜しくもランク外となったが、一度食べたら、忘れられない味。何度か食べると、病み付きになるかも知れない。とにかく、全ての食材が個性を主張している。特に、レッドムーンと云う品種のじゃがいもが、凸さんに「さつまいもじゃないの?」と云わしめるほど甘みがあって味が濃い。値段もインパクトあるが、さほど高いとは感じない。この店のメニューでは、インパクトの強さは、この料理に限る訳でもない。もっと云えば、ここの店主もこの店の内装も、実にインパクトがある。ここが神田であること、忘れること間違いなし!

★番外その2 秋葉原/殿(しんがり)(2014年12月10日入店)

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玉子入りタイプで、胡瓜、人参も入ったごく標準的なスタイルだが、しっかり固め。マヨネーズを悪戯に多用していないところに好感が持てる。でも、ちゃんと美味い。料理人の技量を感じる、真っ当な一品である。もちろん、他の料理も其々美味い。

★番外その3 立川/青海(2014年6月28日入店)

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この店のウリは日本酒の品揃えなのだが、負けず劣らず料理も種類が多いし美味い。ポテトサラダも、普通のものと、明太子ポテトサラダがある。「普通」と云ったが、実はちょっと普通とは違っていて、具材は人参以外に玉蜀黍がたっぷり入っていた。そのせいか、かなり甘めの印象。それでも日本酒にちゃんと合うから不思議だ。全体的にクリーミーに感じるのは、マヨネーズ以外になにか入っていそうだが、良く判らなかった。という訳で、また行く必要がある。

★番外その4 本厚木/肉の佐藤(2014年3月29日2014年5月25日2015年3月14日2015年3月28日入店)

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この頃、本厚木で途中下車する機会が多い。その際、ここ「肉の佐藤」に行くことも多いため、この1年余で4回も入った。その4回とも、ポテトサラダを味わっているので、店も馴染みだが、ポテトサラダにもとても馴染みだ。ここの特徴は、玉子入りで、じゃがいもが余り潰されずにゴロっと入っていて、かなりスパイシーな味付けというところか。肉屋のポテトサラダは美味いというイメージ通り、ここも美味い。

★番外その5 北千住/じんざえ門(2014年4月11日入店)

(残念ながら写真なし、失礼!イメージは、例えば勝手にリンクさせて貰ったこの方のブログ(酒リーマンのフードライフ)をご覧下さい。これは別館で出すポテトサラダなのだけれど、多分、量的には同じでしょう。)
ここのポテトサラダ(390円)は、味もさることながら、出されると、とにかく、思わず笑ってしまうくらい、量がハンパではない。2人ぐらいだと、頼んだ事を後悔することになるだろう。でも意外に、いつのまにかペロっと食べられるのは、飽きが来ない、食べ易い味付けということだ。腹を空かせて行く価値あり。でもまあ代謝量が少ない方ばかりであれば、最低4人ぐらいで行くのがベターだと思う。

ともかく登頂は果たしたので一応、達成感はあるがもうひとつすっきり出来ない。なにせ、まだ距離12kmあまりの下り(途中、少なくとも2回の登り返しあり)が残っているから。当然、登山は往路だけではない、無事に帰ってこそ完了である。
南沼の分岐まで戻ると、昨日の往路バスで一緒だった単独行氏と行き違う。あれ、何処で抜いたっけ?それとも、何処かでこの御仁が悠々とランチしていたのを、単に気がつかなかったのかな。それにしても、これからヒサゴ沼幕営地まで行けるのだろうか。人ごとながら、まだまだ先が長いので大変だ。彼に較べたら、我々が宿まで戻るなんてちょろいもんだ。そう考えたら、ちょっぴり気が楽になる。
雪田を下り、トムラウシ公園の手前で、チングルマの大群生と雪解け水の流れを眺めながら、少々腹ごしらえ(11時48分)。ここで食べておかないと下りでシャリバテしそうだ。それしてもここは地上の楽園だ。時間が許せばのんびりして行きたい。ここに泊まることが出来たら(勿論、幕営禁止だが)さぞや最高だろう。
トムラウシ公園からの登り返しで扱かれていると、往路バスで一緒だった、若者夫婦と行き違う。まぁ、ずいぶんとごゆっくりだ。あの調子だと、 今日は南沼幕営地までがいいところだろう。別に、山に登ることが目的ではなく、一緒に居ること自体が目的のように見受けられるので、全く問題ないのだろうけど。世界は二人のために、って感じだろうな(古いね)。 
12時38分、前トム平まで戻って来た。特大のトムラウシ山の眺めはここで終わり。もう来ることは無いかも知れないので、とりあえずゆっくり見納め。ここからコマドリ沢へ向かってを一気に下る。沢に入ればまた雪渓。今度はストックを取り出し、雪の上を滑りながら下る。カムイサンケナイ川出合まではすぐだ。ここから沢を離れ、標高差約100mの登り返しが気分的にキツイ。ふうふう云って漸くまた、田圃道に戻る。
あとは頭を空っぽにして、とにかく下る、下る、下る・・・。足を動かすこと自体に、だんだん飽きてきた。山登りが面白いとか辛いとかいう次元より、もうちょっと低いレベルで、退屈だ。なんだか馬鹿馬鹿しい。何をこんなに一生懸命、足を前に出しているのだろうか、と醒めたもう一人の自分がいる。
カムイ天上通過。さらに、下る、下る、下る。分岐だ。短縮コース組は、ここでもう終了の様なもの。羨ましい。また、下る、下る、下る。こんなに歩き続けないと山登りが終わらないのであれば、もう山登りはしなくてもいいか・・・。山登りに飽きたぞ!それでも下る、下る、下る。しゃくなげがあったが、花は未だ蕾だ。これから咲くのか?おっと、まさかの上り。黙々と上ったら、また下る、下る、下る。
あと宿まではもうちょっとだけの処まで来た。かなり気分的余裕が出来たので、ひと息入れようと休んでいると、10数mぐらい先を、キタキツネが普通に横切って行った(16時5分)。我々は、何が草叢から現れたのかとどきっとしたが、キタキツネの方は全く我々が眼中になかったらしい。我々はキタキツネにとって路傍の石か、家の近所のノラ猫でも、もうちょっとこっちを気にするぞ。
しかし、とりあえずそんなことはどーでもいい、下る、下る、下る、・・・おや見覚えがある処、登山口だ(16時30分)。おお、ありがたい、ありがたい。天候に感謝。兄貴に感謝。自分の膝に感謝。そしてトムラウシに感謝。

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朝4時ちょうど、東大雪荘(標高約640m)を出発。辺りはもう明るいので、ヘッドライトは特に不要。雲行きは怪しい。宿を出る時には雨は降っていなかったが、歩き出して程なく落ち始め、忽ち本降りとなったので、合羽を装着。ひょっとして今日一日雨なのかー、ちょっと憂鬱。
始めは結構、急勾配、しかし一頻り登れば緩やかとなり、ほぼ平らな道がしばらく続く。いかにも北海道の山らしい。そう云えば、後志羊蹄山の倶知安登山口も、富士山を浅間神社から歩き始めるときも、暫くこんな感じだった。
往路のバスで一緒だった単独行氏に「お先に」と追い越される。あの荷物でずいぶんと健脚だ。まだ先は長い、じっくり行こう。巨大な葉っぱの水芭蕉があった。湿地だろうか。小さなピークを越えながら登り、短縮ルートとの分岐(標高約1,040m)に到着。5時58分。嬉しいことに、雨は止んだようだ。ここまでで結構、登った感がある。マイカーやツアー客はここから合流してくるはず。1時間40分ほど短縮できるのは羨ましい。往路のバスで一緒だった若者夫婦をここで抜く。この先もゆるゆるとした登りが続く。
6時41分、「カムイ天上」到着(標高約1,300m)。雨はすっかり上がったが、遠望はまだ利かない。木々に囲まれて緩い登り坂の途中の何の変哲もない場所、なぜここを「カムイ天上」と呼ぶのだろうか。この先は暫く田圃のようにぬかるんで足元がやや悪い場所らしいのだが、実際には木道もだいぶ整備されていて、歩き難いということはない。黙々と進めば、やがてガスも切れて来て、遠くの山々も木々の間に見え隠れする。あれがトムラウシだろうか。絶望的に遠い。
7時52分、コマドリ沢への下降点。せっかく登ったのに、ここから沢まで約100m下る。虚しい。降り立ったところが、カムイサンケナイ川の源流。「カムイサンケナイ」とは、アイヌ語で「飲めない水」を意味するそうだ。そもそも火山なので、鉱毒が含まれていても不思議ではない。尤も、エキノコックスが怖くて、何処の沢も生水では飲む気はしないが。
カムイサンケナイ川に沿って暫く登り、8時19分、コマドリ沢入口(標高約1,420m)に到着。ここで、樹林帯から解放される。いつの間にか、かなり良い天気になってきた。何人かが休憩している。下って来た登山者もいるようだ。率直に云って羨ましい。ここから前トム平まで高度差約300m、先ずはコマドリ沢に詰まった雪渓を100m余り登る。結構な勾配だが、雪は程良く腐っていて歩き易い。時折吹く風が涼しく、気持ちが良い。高度が上がるにつれて、周りの雄大な地形も判って来る。雪渓を離れ、ガラガラな岩屑の上をさらに登って行く。この辺りの登りが、我慢のしどころだろう。
9時25分、前トム平(標高約1,730m)到着。ここで森林限界を越えたようだ。数人が屯している。初めて、茫洋としたトムラウシ山の全貌が見えた。ビークそのものは、手前の岩峰が邪魔で見えていないようである。この先は、眺めが利く山道。疲れを忘れさせてくれる。
巨大な岩が累々と重なり合った処を暫し下ると、トムラウシ公園(9時45分)。チングルマ、コマクサ、エゾツツジ、ツガザクラ、イワブクロなどが咲き乱れている。キバナシャクナゲが地べたを這うようにして咲いている。カメラを構えている登山者がちらほら。この先が無ければ、のんびりして行きたい雰囲気。
10時30分、赤沼分岐点。直ぐ傍に幕営地があって、いくつかテントが並んでいる。ここから十勝岳を目指す登山者を目にする。みんな、長い時間歩くの、好きなんだなぁ。
午前11時、山頂到着。天気は回復したが、大雪山や十勝岳など遠くの山は霞んでいて見えない。ここまで休憩入れて7時間ちょうど、まあまあのペースだろう。それにしても同じ距離を歩かないと、宿に戻れないと思うとぞっとする。千里の道も一歩から、焦らずに下ろう。

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JR新得駅からバス(往路1日1便、復路1日2便しか無い)で1時間半のところに、「東大雪荘」という国民宿舎がある。鉄筋コンクリート造りの建物はなかなか立派で、人里離れた原始の森の中にある、一軒家とは思えない。客室数は29あるが、シーズン中は、常に満室という、人気の宿であるらしい。トムラウシ登山とは無関係に、単に温泉に浸かりに来る客もそれなりに居るようだ。
新得駅からのバスには、我々を含めて3パーティ、5人のみが乗車。我々以外は何れもでかいリュックサックなので、単にトムラウシ山往復ではなさそうである。バスは玉蜀黍畑や馬鈴薯畑を抜け、十勝川を延々と遡る。途中、遠くに十勝連山らしき山山が見える。
宿にチェックイン後、明るいうちに登山口を確かめようと行ってみると、他の3人も来ていた。単独行の方の話によれば、トムラウシ、大雪山を越えて層雲峡まで行くとのこと。いったい、何日で行けるのだろうか。何れにせよ、我々はそんな真似はできない。へ~っと感心するばかり。登山口の傍に源泉があり、噴泉塔まである。珍しいシロモノだ。源泉の温度は93℃とのこと。
下見がすんだら風呂へ。ここは日帰り温泉(500円)も受け入れているので、かなり賑わっている。露天風呂で、缶ビールを呑んでいる輩もいる(宿に内緒で呑んでいる?宿は黙認?)。随分とご機嫌のようだ。もう一仕事終わらせてきたのだろう、我々も肖りたいものだ。
さっぱりしたら、食堂である「レストラン・カムイ」で夕餉。テーブルに並んだ料理は、車道が通じているにしても、こんな奥深い山の中としてはまずまずか。通常は、1泊2食付きで8,000円だが、夏のシーズンで+1,000円、休前日だと更に+1,000円ということで、今日は10,000円。8,000円だとお得感がありそうだが、10,000円だとこんなものかな、という料理であった。それでもこれだけ料理があるので、やっぱり生ビールと日本酒をグビグビ呑んだ(あれっ、自重してたんじゃ・・・?)。とりあえず、明日は明日だ!

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東大雪荘のHP: こちら
 

トムラウシ山は東京からは遠い。とは云え、金さえ掛ければ東京から2泊3日で登って来られる。便利な時代だ。考えてみれば、日本アルプスの一部の山を除けば、殆どの日本の山は、2泊すれば往って帰って来られるだろう。利尻山だって、屋久島の宮之浦岳だってそうだ。そうなるとたいていの場合、1日目は基本的にアプローチのみとなる。
今回も、1日目は登山基地となる東大雪荘までは、公共交通機関を乗り継ぐだけで全く歩き無し。呑んだくれても辿り着くことは出来る。羽田から新千歳空港に降り立ち、 快速エアポートで隣りの南千歳駅へ移動、石勝線経由で根室本線へ向かう「特急スーパーとかち」を待つ。待つ間、ホームにある売店で駅弁を購入。
北海道には、これまで仕事で札幌に何度か来たくらいで、あとは昨年の利尻山、一昨年の後方羊蹄山だけ。利尻山は飛行機利用なのでJR北海道のご厄介にはなっていない。従って、これまでJR北海道の路線は、千歳線と函館本線しか乗ったことが無い。ついでに云えば、非電化区間の乗車は小樽と倶知安の間だけ。今回は、南千歳から新得まで、ディーゼルカー・キハ261系による石勝線の旅。新しいこと尽くめである。
「特急スーパーとかち」に乗ってみた印象としては、結構快適、ディーゼルカー特有の振動も少ない。脱線事故や火災で随分、社会的信頼を損なっているようだが、今日は大丈夫そうである。車窓から見る風景は、北海道的と云えば北海道的。ひたすら、森。時々、畑。時々、牧場。人家が見えない。全線が単線区間のせいで、所々、スノーシェルターで覆われた信号所を通過する。これも北海道的な眺めだ。途中、追分、新夕張、占冠、トマムに停車。
車窓からの風景を眺めながら、駅弁をパクつく。仕入れた弁当は、汐彩弁当(1,100円)。右に「ほっきめし」左に「サーモン寿司」、真ん中に「いくら」という豪華版。ホッキ貝が柔らかくて美味い。普通ならば、ここで当然ビールなのだが、明日の本チャンを前に、ちょっぴり自重した。我が身を驚くほど、レアケースである。

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恐らくもう10年以上前のこと、軽井沢バイパスを信濃追分方面へ走っているとき(信濃追分の蕎麦屋に行った時のことだったか)、道の左手に「煙事」(えんじ)と書いてある看板が目に付いた。ちょっとした好奇心で寄ってみると、燻製を売っている店だった。ソーセージやチーズはともかく、オリーブオイルや醤油の燻製を売っているのにはちょっと驚いた。ここは店頭販売だけでなく、レストランもあったのだが、入ることはせず、その後も1、2回ほど寄って、チーズや醤油を買ったことがあった。
今回は、ランチを食べてみようと云うことになり、わざわざ電話予約してやってきたのだが、我々以外に客はおらず。まだシーズンはこれらからで、この夏の営業を始めようかどうか迷っていた処に電話があったので、思い切ってオープンしたらしい。結果的に、今日は我々だけの貸切状態となった。従業員の方が多い。
店の場所は良く知っているが、レストランの中に入るのは初めて。ところが、エアコンが故障しているとのことで、外の方がかえって涼しそうだ。ウッドデッキのテーブル席についた。目の前のケージの中に可愛い犬がいるが、大人しいので番犬の役目は果たしていないようだ。
席に着いたらやっぱりビール。ここにはサッポロ・エーデルピルスがあった。珍しい。料理の注文は、サラダ、燻製盛り合わせ、スパゲティ・カルボナーラにしてみた。テーブルには、燻製オリーブオイル、燻製醤油だけでなく、燻製ごま、燻製塩まで並んでいる。ちょっと手にとってテイスティングしてみると、確かに燻された香り。塩粒まで燻製するとは、なかなか極めている。サラダに振りかけてみると、もうそれだけで煙事風サラダに早変わり。
燻製盛り合わせには、鮭、たらこ、たこ、チーズ、ホヤ、オリーブの実、たくあんが並んでいた。もう、どれもこれもしっかり燻製である。カルボナーラのベーコンもはっきりと主張している。ここは、とにかく燻製好きには堪らない店である。

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煙事のHP: こちら 

うわさの「ハルニレテラス」へ、初めて行ってみた。なかなか車じゃないと行き難い場所(中軽井沢駅から歩けば20分くらい。軽井沢駅からもシャトルバス有)にあるが、随分と人気の様である。
平日、月曜日のせいか、駐車場のゲートは無料解放状態。それでも、まだ10時にしては結構客が来ている。飲食店はまだ開店時間ではなく、従業員達が開店の準備に精を出している。小間物やインテリア、食材を売っている店なのは既に開いていて客(主に若い女性)が入っている。小生の物欲を刺激するようなものは無い。
小川沿いのハルニレ林に、通路であるウッドデッキを連ねていて、それに沿って洒落た店が並んでいる。ウッドデッキは小川のすぐ傍まで伸びていて、ベンチに座っているカップルやら、小川の流れをぼうっと眺めている輩など、思い思いに寛いでいる。
軽井沢の雰囲気を生かして、かつ最大限効果的に演出しようと云う意図が見える。さすが、星野リゾート。
ぶらぶら端から端まで歩き、さて何処かに入ろうかと少々物色して決めたのが「沢村 ベーカリー&レストラン」。この店のウリは天然酵母パンのようだが、この後、昼食は別の場所を決めていたので、ここでは飲み物のみ。キリン・ハートランドビールがあったのでそれを注文。時折風を感じる、外のウッドデッキに設えられたテーブル席で、まったりしながら呑む。
直ぐ傍には、鬼押し出しへとつながる国道146号線、またの名を「日本ロマンチック街道」と云うそうだが(恥ずかしげもなく、良くもこのような名前を付けられるものだ、と思う)、車の通りはそれ程でもない。むしろ、駐車場からやってきて目の前を通り過ぎる、観光客の群れの方が多いくらいだ。今日は月曜日だと云うのに(自分のことは棚に上げて)なんでこんなに人がやってくるのだろうか、と思ってしまうが、良く見れば学生か年金生活者が殆ど。ここ「ハルニレテラス」は、どちらも惹きつけるものを持っていると云えるだろう。 

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ハルニレテラスのHP: こちら
中軽井沢ハルニレテラス - ベーカリー&レストラン『沢村』公式HP: こちら 

お待たせしました。ではカウントダウンスタイルで、先ず第10位から第6位までご紹介。図らずも立川の店が4軒入っているが、なにせ立川で呑む機会が一番多いので、当然と云えば当然・・・。

★第10位 立川北口/やきとりの玉屋(2014年10月4日入店)

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ここはもちろん、やきとりが美味いのだが、単なるやきとり屋ではないところがこの店たる所以。他の料理も結構、手が込んでいる。ここのポテトサラダには、いぶりがっことカシューナッツが入っていた。意欲的で斬新であるが、ちゃんとポテトとマッチしている。いつも同じレシピなのかは、今度行って確かめてみたい。


★第9位 立川北口/菊松屋(2014年8月9日及び2015年4月18日入店)

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この店も全てが拘りの料理。ここは、玉子入りタイプのポテトサラダである。スタンダードと云えないこともないが、しかし在り来たりではない味で美味い。ただし、いつもメニューにあるのかはちょっと定かではない。ここは2回入ったが、1回目は(メニューになかったのか)食べていない。次回、確認しなくてはならない。


★第8位 立川南口/かぶら屋(2014年8月2日入店)

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「かぶら屋」は、云わずと知れた居酒屋チェーン店。でも、ここのポテトサラダは安いだけでなく、かなり美味い。ごく普通の具材なのだが、奇を衒わない直球の美味さである。正直云って、ここのポテトサラダが基準ベンチマーク、真っ当な居酒屋ポテトサラダだと思う。色々食べて、基準が判らなくなったら、ここに戻って来て確かめることをお薦めしたい。(褒めすぎか?)


★第7位 立川南口/立川やきとん(2014年6月14日及び2015年2月21日入店)

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名前の通り、やきとんがウリの店だが、他の料理もなかなかどうして美味い。ポテトサラダは、ひと言で云うと濃厚、酒に良く合うと思う。最初に食べたとき、チーズが入っているのかな、と思ったが、2度目の時はそれほどには感じなかった。こちらの舌が可笑しかったのか、いまひとつ自信が無いので、もう一度確認が必要と思っている。それでも、どちらも美味かったことには変わりは無い。


★第6位 浜松町/玉川屋酒店(2015年2月25日及び2015年4月27日入店)

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えっ、角打ちじゃん、と思うかも知れないが、その通り。従って、件のポテトサラダも、冷蔵ショーケースの中から客が勝手に取り出して、レジで支払いを済ませ、立って喰う類のもの。2回目の訪問では喰い損なった。極めてノーマルなシロモノで、かぶら屋・基準ベンチマークの延長線上にある感じ。何処かの惣菜屋から仕入れているのかどうかも定かではない。何れにせよ、もう1回じっくり食べてみたい。でもほんと、美味かったよ、これ。160円で得られる幸せ。

第5位からはまた次回。暫し、お待ちを。 

ホテルや旅館に泊まる場合、朝食はたいてい付いているのが普通。この頃のビジネスホテルも、あえて素泊まりにしなければ、多くの場合朝食が付いてくる。そして、これもこの頃だが、ビュッフェ(バイキング)形式が標準的になってきている。それは海外のホテルでもほぼ同様。一方、ここ万平ホテルのメインダイニングは、クラシックホテルらしく、昔も今も、アメリカンブレックファーストのスタイルを守り続けている。他のクラシックホテル、例えば箱根の宮ノ下富士屋ホテルや、日光金谷ホテルも同様だったように思う。
選択できるものは、ジュース、ホットドリンク、玉子の調理法、そして肉加工品(シャルキュトリ)の種類である。他に、トースト、サラダがついている。トーストに塗るジャムは、このホテルのオリジナル。全体として、特に味がどうこう云うものでもないが(他の人はどうか判らないが、スクランブルエッグやオムレツの味に感動したことなんて、生まれてこのかた多分無いなあ)、この頑なさは悪くない。クラシックホテルは、時代に媚びない方が宜しい。でも、このメインダイニングでの朝食の、何が一番良いかと云えば、やはりここの庭だと思う。
旧軽井沢をぶらぶらしてみると気が付くことだが、広大な敷地を持つ別荘地は、完璧に草取りが為されているところは殆ど無い。むしろ、なすがままという感じの方が多い。但し、散策するのに邪魔になるほど生い茂っているという例も少なそうに見える。つまり程々に雑草が生えているという感じ。それも、全て雑草と云う訳でもなく、庭木や草花も適度に入り混じって、全体としてバランスしているような印象を与えている。
ここ、万平ホテルの庭も、同じような効果を狙っているように思える。勿論、ちゃんと手入れはされているのだろうが、どれが植え付けた草花なのか、俄かに判じ難い程度に雑草が生い茂っている。これが何とも云えない妙味を醸し出しているように見える。この雰囲気に釣られて、また来年もここの朝食を食べに来そうだ。
ところで今回、万平ホテルにやってきて、玄関の正面にあった幾つかの樹木が無くなって、随分とさっぱりしているのに気が付いた。ホテルマンに聞くと、理由は、大型バスが停車できるレーンを新たに造ったためだと云う。以前は、玄関にバスが横付けされると、他の自家用車やタクシーが入って来れなかった。たしかに妥当な理由だとは思うが、建物が随分と日当たり良くなってしまい、軽井沢らしさが薄らいだようで、少々残念だ。

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「無彩庵 池田」からホテルに戻り、少々呑み足りない感じだったので、ひさしぶりにホテル内のバーに行ってみた。ここは「バー」と云う名のバーである。
クラシックホテルのバーは、何処も大変趣きがあって好きだ。勿論ここ、万平ホテルも例外ではない。街中にあるオーセンティックなバーも好きである。当然ながら、女性が隣りに座るようなバーではない。カウンター席が基本のバーで、バーテンダーが無口だと尚良い。
女性が隣りに座るようなバーは、鬱陶しくってよろしくない。その女性がなにか面白い話をしてくれるならばまだしも、たいていはこっちが話すのを待っている。それで金を取るとは一体どういう料簡なのか。つまらない話を女性に訊かせ(あわよくば女性のうけを狙おうと努力し)、金まで取られて平気でいる輩の気持ちが理解出来ない。
ともあれ静かなバーが好きである。基本的に、バーに音楽はいらない(勿論、異論はあるだろうが)。銀座の「ルパン」などは、客がまだ少ない時間帯は「しーん」という音が聞こえそうなほど静かである。旧交詢社ビルにあった「サンスーシ」も良かったが、残念ながら廃業してしまった。「クライスラー」も悪くないが、バーテンダーがやや饒舌である。こちらからの質問に、簡潔に答えるぐらいで丁度いい。「山の上ホテル」の、とっても狭い「ノンノン」も、なかなか行く機会がないが雰囲気が良い。「東京ステーションホテル」の「オーク」も良かったが、新装後は行ったことがない。「ホテルニューグランド」の「シーガーディアンⅡ」も重厚な装飾、調度品の感じが良い。
閑話休題。万平ホテルのバーには、カウンター席が6つあるのだが、既に5人が座っていたので、我々はソファー席へ。バーテンダーがやってきて「何にしましょうか」と問われ、久しぶりにギムレットを所望する。5人のうち熟年4人(男3、女1)はグループのようで、軽井沢在住あるいは別荘にやって来た輩らしい。なにか楽しいことがあったらしい。残りの中年1名は、ボトルを置いて黙々と呑んでいる。まるで近所のスナックで憂さ晴らしをしているようだ。ここは僅か数名しかいない空間なのだが、色々な人生が渦巻いているのを感じる。 

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今年も、夕食はホテルのメインダイニングではなく、外に出かけることにした。ホテルの夕食に飽きたという訳では勿論ないが、軽井沢にはまだまだ行ってみたい店が色々あるので、暫くはお預けである。
タクシーで10分ほどの、「エルミタージュ・ド・タムラ」から程近い場所に、その「タムラ」で修業したシェフの店があり、そこに行ってみることにした。HPを見てみると、まだ若いシェフ、「タムラ」だけでなく、西国分寺にある蕎麦会席の店「潮」(隊長とタマちゃんと3人で入ったのはいつ頃だっけ)でも修行したという。
中軽井沢に近いこの辺りは、木々が鬱蒼としているが、木洩れ日が程良い雰囲気。かつての「エンボカ」も、この近くにあった(あの跡地は今、どうなっているのだろうか。あの建物が復活することはないのだろうか)。
ここ「無彩庵」も、緑との調和を大切にしているように見受けられる。道からは直接、店の中が見え難いよう、上手に庭木を配置してある。中に入ると、道側全面がガラス窓になっていて、とても開放感がある。反対側の、カウンター席の正面には、鏡面仕上げしたステンレス板が張ってある。何故かまっ平らではなくうねっているので、周りの木々をコラージュして写しとったような、ちょっと不思議な演出効果になっている。
先ずはビールから。その後、赤ワインリストの中から、日本のワインをチョイス。軽井沢町の隣り、東御市にあるというRue de Vin(リュードヴァン)の、ドゥー・ローブ・ヴィオレット2012にしてみた。カベルネソーヴィニョンとメルローのブレンド。かなり濃厚でスパイシー。ボルドーを彷彿させる香りと余韻だ。日本にもこんなワインがあるとは、と感じ入る。実はこのワイン、通販でも5,000円するシロモノで(ハルニレテラスの或る店では6,000円で売っていた)、ハレの日でもないと買う気は起こらない。このレストランではこれを7,100円で提供しているので、リーズナブルと云えばリーズナブル。でも率直に云えば、ここが軽井沢でなければ呑まなかっただろうな。
料理は5,500円のコースを注文。前菜に山芋を使った料理があったが(我が胃が山芋拒否症なので)、別の料理に変えてくれた。料理そのものは全般的に特段のインパクトはないものの、まずまず無難な感じ。ただ、店の雰囲気は、現代的な美術館の一角にいるような錯覚をおぼえるほどで、しかも緑を巧みに取り入れていて、如何にも軽井沢のレストランという佇まいで印象的だった。この雰囲気だけで二重丸である。

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 無彩庵 池田のHP: こちら

旧軽銀座をぶらついているとき、ちょっと喉が渇いたので何処かの店に入ろうということになった。このあたり、勿論それなりに店はあるのだが、喫茶(≒ビールも呑める店)となるとパッとした店が思い当たらない。
外観が真っ黒の「茜屋珈琲店」は、折角軽井沢に居るのに、暗い店内に閉じ籠るのは、何となくいただけない感じがするのでパス。「フランス・ベーカリー」の2階にある「喫茶ダ・ヴィンチ」は、2度ほど入ったことがあって雰囲気は悪くないのだが、残念ながら自然の風を感じられない。「Art Café 江戸屋」という名の喫茶店は、個人のお宅の様な店で、悪くはないが、店のマダムが話し好きなので、やや二の足を踏む。モカソフトで有名な「ミカド珈琲」旧軽店は、窓が大きく開放されているので、風と緑を感じられてなかなか良いのだが、如何せん、混んでいて行列ができることが多いため、やや敬遠気味(但し女性の場合は、行列が出来ているのを見ると、訳もなく自分も並んでみたくなる習性があるらしいから、一概には云えないようだ)。雲場池辺りに点在するCaféだったら雰囲気は良いのだが、旧軽銀座からそこまで歩いて行くのが難儀である。
どうも、どれも「帯に短し襷に長し」な感じ。それ以外の旧軽界隈の店は、チャラチャラしているばかりで、原宿や青山あたりと違いが無い。やっぱり、鬱蒼とした緑との調和がないと軽井沢っぽくないなあ、などと思いながら更にふらふら(その点、「ハルニレテラス」は流石だ。やるなあ、星野リゾート)。
ふと見上げると、郵便局の隣りにある、見慣れた建物の二階に、Caféらしきものがあるのに気が付く。ここにしてみるかと上がって行くと、「Green Star Café KARUIZAWA」とある。ビールぐらい呑めそうだ。入ると、店は奥に長く伸びていて、テラス席になっている。テラスからは、さらに奥の木々を愛でることができて、なかなかである。せめてこうでないと、らしくない。時折、ふわっと風が通るのが気持ちいい。ビールはハイネケンしかなく、ややお高いが、この雰囲気ならば我慢できる。暫しまったりすることができた。
あえて苦言を云うが、オランダを売り物にしない店であれば、ハイネケンだけを置くのはお止めになさった方が宜しいだろう。もし、キリンやアサヒを置きたくないのならば、軽井沢高原ビールだけにしたら如何だろうか。ピザが中心の店で、ビールはハイネケンだけ、というちぐはぐ感は落ち着かせてくれない。いまどき、クアラルンプールだって、そんな店はないだろう。

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軽井沢駅前の、いわゆる中山道を旧碓氷峠方面にちょっと進むと、直ぐ右手に「フレスガッセ」という洋食屋がある。この辺りは人通りや車の往来も少なく、意外に静かな場所で、こんな処に店があるとは気が付かない人も多いだろう。今日は、軽井沢駅の南側に車を置いて、駅を越えてぶらぶらやってきた。涼しいはずの軽井沢だが、今日は随分日差しが強くて暑い。見上げれば、直ぐ近くの離山だけでなく、浅間山もくっきり。
かれこれ足かけ20年、ここ「フレスガッセ」に通っているが、多くて年1回、しかも、いつもテイクアウトでしか入ったことが無かった。しかしここは、デリカテッセンではなく、真っ当な洋食屋である。洋食屋がデリカテッセンもやっている、と云う方が正しいかも知れない。それで今回、ランチに入ってみることにした。
軽井沢には、美味いデリカテッセンがいくつかある。その名も「Karuizawa Delicatessen」は、結構、贔屓にしているが、ベーコンだけはいつも「フレスガッセ」と決めている。店は外観も内装も、山小屋風で、落ち着いた雰囲気。入ってみると、先客は誰もいない。駅の反対側の、プリンス・アウトレット内の各レストランには恐らく行列ができているだろう。ちょっとだけ歩いたここは、別世界である。ここにはエアコンが無いのだが、風さえ入ってくれば、暑いことは無い。
ソーセージ盛り合わせ(単品1,340円)とポトフ(定食1,200円)を注文。加えて、カミさんには申し訳ないと思いつつエビスビールも注文。声に出せないが、美味い。つい図に乗って、赤ワインも注文。出てきたソーセージ盛り合わせは、ソーセージが3本だけだが、とても巨大で食べ応えがある。種類はポリッシュ、フランクフルト、ハードとあるはずだが、どれも粗挽きで、皮も厚いのでがっつり食べる感じ。総じてかなりスパイシーである。
シャルキュトリー料理という呼び方が昨今、聞かれるようになっているが、この「フレスガッセ」はその走りと云えるかも知れない。今、 シャルキュトリーを作っているのは若主人、接客に出てくる(どことなく本上まなみ似の)女性は若女将(奥方)だろうか。厨房では大女将もいらっしゃるようである。また来年、少なくともテイクアウトできっと来るだろう。

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一部のご要望にお応えして、これまで「山から下りたら・・・」で入った店の中から、美味かったと思うポテトサラダのランキングを付けてみることにした。ポテトサラダはそれこそ店によって千差万別、決まったレシピと云うものが、あるのかないのか良く判らない、でも嫌いな人は少ない、という稀有な一品料理と云えるだろう。ちなみに、値段だけを云うとこれまで、下は100円(当ブログをご覧の方は、どこだか、お分かりですね?)から、上は1,200円(これももう、お分かりですね?)まで、同じ「ポテトサラダ」というカテゴリーでも、これ程まで差がある。
個人的に家で作る場合には、どうしても様々な食材を入れ、酸味強め且つスパイシーな仕上がりになることが多いが、うちのかみさんは、酢も油も塩も胡椒も全て控えめで、食材も全てノーマルでシンプルなものを好む傾向にある。ことほど左様に、個人的な価値判断基準がものを云うポテトサラダを対象とした今回のランキングには、小生の個人的嗜好が大きく左右していることを予めご承知おき頂きたい。それでも、ブログをご覧の各位が参考とする際の、一助となれば望外である。
只今、独断と偏見で選定作業中、Coming soon! Don't miss it!

九鬼山の帰り、「ふろっぴぃ」でひと風呂浴びたあと、送迎バスで高尾駅に戻る。今日の目当ては、高尾駅北口の「あさかわ」か、南口にある「たまの里」のつもりだったが、まだ午後3時過ぎで「あさかわ」はやっていない。それでは、と「たまの里」に入店。今年の2月以来(前回はこちら)だが、小生以外は皆さん、初めて。
今日も店内は、高尾山から下りてきた呑んべえ達で大賑わい。この店が、呑んべえハイカーに愛されているのが良く判る。山から下りてきた時間、普通の呑み屋はまだ開いていない。大っぴらに呑めるとなるとやっぱり蕎麦屋、皆、行き着くところは一緒だ。なんとか我々も、入って左手奥の席を確保できた。前回も感じたことだが、この店は、「酒も出す蕎麦屋」と云うより、「蕎麦も出す居酒屋」に限りなく近い。
本来、高尾山から下って来たハイカー達は、小仏方面や陣場山方面からの下山客は別として、たいていの場合、登山口から高尾山口駅までの間に何軒かある蕎麦屋、例えば「高橋家」とか「栄茶屋」などに引っかかりそうなものだ。事実、小生の場合もそうやってその界隈の蕎麦屋には殆ど入った。ちょっとリッチなハイカーだったら、琵琶家(別館だったら入ったこと有)や橋本屋(敷居が高いので覗いたこともない)に寄るかも知れない。何処の蕎麦屋も、昔は蕎麦以外には、漬物かこんにゃくの味噌おでんくらいしか置いていなかったが、この頃は酒やつまみの種類はそこそこある(例えば、高橋家はこんな感じ)。店の雰囲気だって悪くない。
ハイカー達がそのような網を掻い潜って、高尾駅前の「たまの里」まで我慢してやってくるのは何故だろうか。思い至るのは酒の種類の豊富さと料理のCPだろうか。蕎麦だって安い。天ざるそばだって、870円である。でも今回は、ひたすら酒とつまみで終了、蕎麦を喰い損なった。蕎麦屋であることを忘れさせるほど、ここは酒とつまみが充実しているのである。そう考えると、今度来る時も、蕎麦を喰えるかどうかは甚だ怪しい。

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九鬼山の帰り、猿橋駅のホームでひと心地ついたあとは、高尾駅に移動、南口からタクシーでワンメータのところにある「ふろっぴぃ」に寄ってみる。ここはいわゆる健康ランドである。つまり、一日中居て下さい、というところだ。一般的な日帰り温泉施設でも、食事処や休憩室、エステ・マッサージコーナーなどは普通にあるが、それらに加え、ここにはレストルーム(昼寝部屋)やカラオケ大広間(旅芸人の公演なども)、カラオケルーム、ゲーム機コーナー、麻雀部屋まである。食事処も、なんと5ヵ所ある。
そのため、料金も土日は1,800円もするが、2時間だけの限定利用(タオル・館内着ナシ)であれば800円。当然、我々は2時間限定利用で入館した。 
ここの風呂は、露天風呂、薬仁湯、ジェットバス、スチームバス、バイブラバス、水風呂、子供風呂、サウナ、檜風呂と、極めて多彩である。浴室滞在時間がおよそ15分くらい(うち、洗い場が14分くらい)の小生には、まったく以って猫に小判、無用の長物であるが、さぞや風呂好きには堪らないだろう。実際、サウナ好きの隊長は、風呂上がりのビールを我慢して、バス送迎時間ぎりぎりまで風呂から上がって来なかった。
さて、風呂上がりに何処でビールを飲むかと施設内をうろうろ。「大広間」は、旅芸人公演の真っ最中。仕切りの垂れ幕の奥、から大音声が聞こえて来て甚だ煩い。「海王亭」を覗いてみたが、客はだれもおらず、従業員数人が遅い昼食(早い夕食?)中で入り辛い。「炭火焼肉 ジュージュー」は、ビールを飲むだけに焼肉屋には入り難いのでパス。「リラックスゾーン オアシス」は、何処にあるのは判らず仕舞。結局、消去法で「スナック&ドリンク ちょう庵」に入店。特段、可もなく不可もないが、ビールを呑むには、できればもうちょっと開放感が欲しい。例えば、テラス席とか。そうなると、ビールを呑みたい客が増えること、間違いないだろう。何とか、「ふろっぴぃ」経営者には一考願いたい。

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九鬼山に登った帰り、朝日小沢のバス停前でタクシーを呼ぶ。今日は、もう梅雨が明けたのでは?と思う程、尋常ではない暑さなので、脳みそは停止状態。先ずビールを呑まないことには何も考えられない、何も始まらない。朝日小沢のバス停に酒屋かコンビニがあれば申し分なかったのだが、残念ながら世の中そう都合良くはできていない。そうなると、次善策は甲州街道沿いのセブンイレブンだ。やって来たタクシーに乗った後、駅ではなくコンビニに直行してもらう。
首尾良く仕入れたビールを携えて、200m程離れた猿橋駅に向かい、ホームのベンチで乾杯。キンキンに冷えてはいないが、汗が引かないうちのビールはやっぱり美味い。キンキンが好きな隊長は、ビールに氷を入れてごくごくやっている。ここは、下手な居酒屋よりはずっと良い。勿論、屋根で日影になっているとは云え、気温は高く、エアコンはないけれど、自然の風が心地よく通り抜けて行く。何とも云えない開放感、ビールを呑むには良いシチュエーションである。
目の前には扇山(1,137.8m)、百蔵山(1,003.4m)、雁ヶ腹摺山(1,874m)、白谷ノ丸(1,920m)、岩殿山(634m)などが並んでいて、なかなか景色も良い。今日の陽気では、雁ヶ腹摺山ぐらいまで登らないと、何処も暑くて堪らないだろう。猿橋駅を起点にして行く山だったら、上和田までバスに乗り、せめて大峰(1,403m)ぐらいは必要だ、などと思いを巡らせながら呑む。
ホーム呑みするのに相応しい駅は、他に甲斐大和駅あたりか。眺めは無いのだが、トンネルとトンネルの間に挟まれた駅で、乗客も少ないのでひっそりと呑むにはなかなか良い。コンビニ(セブンイレブン)が駅前にあるのもグッド。眺めだけだったら、勝沼ぶどう郷駅のホームに敵うところはないが、観光客がそれなりに多いので、落ち着いて呑むことが難しいし、近くにコンビニが無いので、駅の売店で土産用のワインを買うぐらいしかできないのが難点。大月駅も人目を憚る必要があるので、ホームの端っこでせいぜい缶ビールをちびっと立ち呑みをやるぐらいだ。
その点、猿橋駅のホームは程良くバランスが取れた場所と云える。勿論、寒空の下、木枯らしに凍えながら呑む訳にもいかないので、やはり日差しが強くなる5月頃から、秋の彼岸迄がベストシーズンだろうか。また次回が楽しみである。

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会社帰りに北千住で途中下車(と云ってもだいぶ寄り道)。手近なところで、試しに「Bistro 2538」を覗いてみると、運良く空いていた。相変わらずの人気店ながら、偶々、先客が帰ったばかりのようだった。およそ半年ぶりの訪問(前回はこちら)。今日の客層も比較的女性が多く、かつ年齢も低い感じ。でも以前の店から数えれば、かれこれ5~6回は来ているので気後れすることは無い。
まずはさっと、ビールで喉を潤す。これで完全スイッチオフ。金曜日に会社帰りの一杯は本当に久しぶりだが、明日も山であることは変わりない、程々で帰らなきゃ。とりあえず一息ついたところで、メニューを確認。ここに来たらやっぱり、牛ホホ肉のワイン煮とパテ・ド・カンパーニュは外せない。どちらも税込みで500円ちょっと。育ち盛りじゃなければ量的にも申し分ない。それに加えて今日は、ラタトゥイユ、スモーク3種盛り合わせも頼んでみる。前回に較べると、ちょっと豪勢。でもまあ、今日は金曜日だから。
料理が決まったら、やっぱり赤ワインということで、ワインリストをじっと睨む。う~む、今日はこれにしてみようと、決まったのは「ヴィニウス リザーヴ メルロー 2013」。フランスは、ラングドック産のもの。フランスワインは久しぶり。味わってみると、廉価(2,800円+外税)ながら、ちゃんとフルボディで、メルロー単一の割にはベリー系のやや甘い香りがする。フランスワインでも、CPが良いものもあるな~、と少々感心。造り手は、d.A.ワイナリー (ジャン・クロード・マス)とのこと、覚えておかなきゃ。後でネットで調べると、このワインは店頭価格も1,300円~1,400円ぐらいなので、かなりお得感がある。これならば、チリワインと勝負できる。
ワインを味わいながら摘まむ、牛ホホ肉のワイン煮とパテ・ド・カンパーニュは、どちらも期待通りの味。ラタトゥイユには松の実が入っていてイタリアン的。スモークはあっさりめ、鶏が美味い。何れもフルボディには程良くマッチしている。この店のメニューはいつも安心して頼める。今度来るときには、どんなワインが入っているか楽しみだ。

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