山から下りたらこんな店 - 副隊長の自己満足

山から下りて、ひと風呂浴びてから一杯やるのは醍醐味の一つ。しかし、最近はどっちが主なのか、判らなくなってきた・・・。

2015年07月

塩原の山を登り、「山の駅たかはら」でひと息ついた後、タクシーの運転手が勧める「まことの湯」に行ってみる。見掛けは普通の日帰り温泉施設なのだが、中に入るとなんとなく素朴な造りで、のんびりした空気。湯治場の雰囲気が漂う。
ここの湯はまったくの天然かけ流しで、源泉は75℃もあるそうである。流石は那須火山帯にある温泉である。塩化物硫酸塩温泉でpHは8.9と、これはノーマル。
玄関を入り、券売機で500円を投入し、右手のカウンターで券を渡したら風呂場へ。時間が早いせいか(14時過ぎ)、脱衣所に客は殆どおらず広々している。洗い場も湯船もゆったり使えて申し分ない。特に露天風呂はかなり大きな造りとなっていて開放感がある。これで500円はお得。かと云って長湯することもなく、さっと入ってさっと出る。
さっぱりしたら、いつものように休憩室(食事処)へ。ここも券売機で選んでカウンターで受け渡しするシステム。焼き餃子が目に入ったので生ビールと共に注文。直ぐに呑みたいのを我慢して「ビールは餃子といっしょでお願いします」と店員に伝える。
辺りを見渡すと、近所のおかあさん達が、陸に上がったトドのようにゴロンと横になっている、何処の日帰り温泉でも目にするいつもの光景。我々も、今日、帰らずに済むのであれば、見習ってゴロンとなってみたいものだと羨ましく思う。将棋を指している熟年グループもいる。ここにはまだ縁台将棋が生きていた。
そうこうしているうちに他のメンバーもやってきて、餃子付き生ビールも出来上がり、乾杯。さっき「山の駅たかはら」で「汗が引かないうちのビール」を呑んだばっかりだが、やっぱり「風呂上がりのビール」も必要。悩ましいことながら、山から下りた直ぐの処に日帰り温泉があれば、先ず汗を流すことになるだろう。もし直ぐの場所にビールだけがあり、日帰り温泉が離れた場所にあれば、移動は多少面倒乍らも、今回のように両方楽しめる訳だ。どちらも甲乙付け難い。まこと嬉しい悩みである。

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塩原・高原山の大入道から学校平へ下りてくると(山の記録はこちら)、「山の駅たかはら」はすぐ目の前にある。「道」の駅ではなく、「山」の駅だと云う。道の「駅」の場合は、「道」という1次元空間の、文字通り「点」だが、山の「駅」は「山」という3次元の世界の「点」と云うことになり、だいぶ性格が異なるもののように思える。それが狙いだとすれば、なかなか味なことをやる。ちょっとうがった解釈をすれば、聖界(山)と俗界(里)との接点の様な場所にあるということか。
試しにググってみると、近くでは、桧枝岐村の御池ロッジがいつの間にか「山の駅 御池」になっているし、他にも伯耆大山(だいせん)や岡山の那岐山、奈良・吉野山、阿蘇山など、意外に多くの処で「山の駅」を標榜している。しかしここ、たかはらと御池ロッジを除けば、どれも少々俗世間に近すぎる感じがするので、小生のイメージには合わない。
「山の駅たかはら」の建物の中には、レストラン、特産品販売コーナー、展示コーナー、休憩コーナーなどがあって、これは普通の「道の駅」とほぼ同じ。ここが「俗界」の入口である証拠は、山から下りて汗も引かないうちに生ビール(500円)が呑める(地酒だって呑める)こと。これが「山の駅」と呼ぶに相応しい所以と、個人的に解釈したい。このような「山の駅」は日本中の山にどしどし作って欲しい。少なくとも路線バスの終点には必ずひとつ、お願いしたい。
奥多摩だったら終点は、「清東橋」、「東日原」、「峰谷」、「鴨沢西」、「檜原都民の森」、「藤倉」、「上養沢」、「つるつる温泉」と云うことになる。そうなると、「つるつる温泉」は既に日帰り温泉があるので、それ以外にお願いします(でも、「都民の森」以外は忽ち潰れそうだな・・・)。
そうだ、ついでに云えば、ここ「山の駅たかはら」に、立ち寄り湯があったらもう完ぺきである。
それにしても今年のツツジは、例年に較べて少なくとも3週間、もしかすると1ヶ月遅かった(開花が早かった)ようである。普通ならば、シロヤシオ、ヤマツツジ、レンゲツツジ、トウゴクミツバツツジの何れかの満開に出会うことができ、上手くすればその全てを愛でることが出来ると期待していたが、見事に外された。
大入道辺りはシロヤシオの木ばかりなので、上手く満開に当たればさぞや素晴らしい眺めだろう。また来年あたり、ここ「山の駅たかはら」に寄ることになりそうだ。 

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ビールを立ち呑みしただけではやはり物足りないので、もう一軒行こうとふらふら烏森口へ繰り出す。烏森神社近くにある「浅草弥太郎・新橋店」はどうだろう、と云う提案があったからなのだが、行ってみると、若者数人が外のテーブルまで溢れて、呑んで喰っている。この混みようでは、ちょっと入れそうにない。それならばと、当てもなくぶらぶら店探し。
程なくして、やけに気になる店を発見。見上げると看板には「もつ焼 くら島」とある。看板自体は比較的新しいようだが、建物は思わず呻き声を漏らしそうになるほど渋い。こりゃ新橋でも珍しい。入ってみると、中も外観と同程度に渋い。テーブル席が空いていたので4人で座る。昭和レトロそのままの店。
奥には古びた段ボール箱が積まれていて、入りきらないCDが崩れ落ちそうな状態のまま、薄らと埃が溜まっている。店内の一角の、この雑然とした状態は、きっとここ20~30年、何も変わっていないはず、と断言する蕎麦好きおやじ。たしかに、なるべく余計なことはしないのが、この店のポリシーのようである。
とりあえず日本酒を頼むと、ヒヤか燗か訊かれ、「ヒヤ」と答えるとコップ酒が出てくる。突き出しは柿の種。ふーむ、今どき古びた中華料理か定食屋のノリだな。忙しそうにモツを焼いている店主はともかく、女将さん(店の主の母親かな?)は愛想が全くない。ちょっとでも笑顔を見せたら親の遺言に背くか、罰でも当たると思っているようだが、これもこの店の味と云えなくもない。
看板メニューになっているので、もつ焼きを注文。特段、可もなく不可もないが、1本100円なので全く文句は無い。結果、コップ酒3杯飲んで、もつ焼きとエイヒレを喰ってひとり1,500円。日本酒ともつ焼きの味のみを追求する客にはともかく、この店の雰囲気を味わえるだけで、この料金は概ね納得できる気がする。将来、この店の常連になるかどうかは、ややビミョウであるが、今後、多少儲かっても店を奇麗に建て替えるなどという事は考えず、是非このままの雰囲気を保ち続けて欲しい。女将さんも今後とも客に媚びることがないよう願いたい。

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