明星ヶ岳から下り、長興山紹太寺で老木枝垂れ桜を愛でた後(見頃は過ぎていた、残念! 山の記録はこちら)、入生田駅から風祭駅まで電車移動し、「小田原温泉八里」に入湯。直ぐ手前の、立派な鈴廣蒲鉾の建物を見た直後のせいか、箱根の玄関口にしては、かなり地味な日帰り温泉である。ぱっと見は、入浴、そば、休憩と書いてある看板が無ければ、寒村の公民館か、建設工事現場の仮設事務所と云われても可笑しくない。
もちろん、我々はこれまで鄙びた立ち寄り湯にさんざん入ってきたので、たじろぐことはない。入ってみると、正面が靴箱、右手に廊下が延びていて、手前右側が受付(というよりも事務室って感じ)、左側が襖で仕切られた休憩室という配置。廊下の奥(左手)が浴室の様である。受付にいた女将さん(というよりも古参事務員って感じ)から、さっき団体が帰ったところなので丁度良かった、と云われる。
その後、料金(500円)を払ってさあ入ろうか、と廊下を行こうとすると、女将さんから色々注意事項の説明がある。曰く、張り紙の注意事項を良く読んでくれ、浴室の窓は開けないように、料金500円は1時間1回限りだ、浴室に入るときスリッパは外へ出すよう、云々。なかなか離して呉れない。しかも同じ言葉を繰り返す。後に、我々の女子連から「あのような姑がいると嫁は大変だ」という呟きが聞こえてきたが、同感である。
男湯に入ると、先客は若者ひとりだけ。湯船は3人ぐらいがちょうどいい大きさ。たしかに団体がいたら外で待っていた方が良さそうだ。張り紙をふと見ると、ドライヤーの使用は100円とある。ここにドライヤーがある訳ではない。つまり電気使用料が100円ということ。何時間使うことを想定しているか目を疑うが、そもそも、わざわざここにドライヤーを持ってくる人がいるだろうか。
もう一つ気になったことだが、休憩室の使用料は1,500円とのこと。ここに限らず、時々このような有料システムの日帰り温泉に出くわすことがあるが、果たして利用者が居るのか疑問である。ここは地元に愛されている湯だと思われる。でも休憩室が有料では地元の社交場にはならない。じゃあ、そのために、いっそ休憩室を無料開放すればと思うが、すると客がいっぱい来るようになって、今度は湯船の狭さが問題化するのだろう。上手い手だてがなさそうだ。
それはともかく、温泉の湯自体はやわらかく、質はたいへん宜しい。これで500円ならば、女将さんの話が長かろうが、お湯の出が悪かろうが、張り紙の注意事項がどうのこうの、何の文句があろうか。これまで通りで全く問題ない。みんなさっと入ってさっと帰ればいいのだ。

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