山から下りたらこんな店 - 副隊長の自己満足

山から下りて、ひと風呂浴びてから一杯やるのは醍醐味の一つ。しかし、最近はどっちが主なのか、判らなくなってきた・・・。

2015年02月

本仁田山を登り、「もえぎの湯」で汗を流した後、待ちに待った「天益」へやってきた。目当ては鹿肉竜田揚げ(700円)を賞味してみること。鹿肉とはもちろん、地元奥多摩産のジビエである。昨今のニホンジカによる食害はまこと惨憺たる状況であるが、この頃、奥多摩にも鹿肉処理場が出来たおかげで、僅かながら流通するようになった。奥多摩ではここ「天益」と、「丹下堂」で提供されている。これで、食害が減ると云う訳ではないが、小生も、ささやかながら奥多摩の環境保全と鹿肉産業(?)の発展に寄与したい(というのは表向きで、実態は単に鹿肉喰って酒を呑みたい)ので、機会があれば寄ってみたいと思っていた次第。
調べてみると、「とうきょう特産食材使用店」という都の登録制度があり、この店も東京産の鹿肉などで登録されている(「丹下堂」でも鹿肉が登録済み)。これに登録されると、東京都のHP等で、その店名を公表する仕組み。ただ、それだけではちょっと有難味というか、インパクトが薄いよね。地産地消をもっと大々的にアピールするためのひとひねりが欲しいね。
前回、昨年10月(レポはこちら)に来た際は、運悪く、鹿肉が品切れていたので、今回は予め、なおちゃんに鹿肉の在庫確保と、店の座敷の予約をお願いし、準備万端整えての入店となった。この店の女将さんは、いつも登山客を相手にしているせいか、顔を合わせて開口一番、今日は何処の山に登ったのか、雪の状態はどうだったか、まで訊いて、ちゃんと情報収集に余念がない。この店が、山やの情報交換の場になっている所以である。
いつもカウンター席なので、奥の座敷は初めて。10人は余裕で座れる大きさ。「もえぎの湯」に浸かったメンバーが三々五々集まり、ビールでスタート。さっそく目当ての鹿肉竜田揚げをいただく。初めて食べたが、「揚げ」というよりは、「ソテー」に近い感じ。でも下味がしっかり付いて、かつ肉も柔らかくジューシー。いけるね~。我々はつい鹿肉のことに話が偏りがちだが、実はこの店の看板料理は、昔から餃子である。ここの餃子は薄皮で美味い。ビールがすすむ。
ビールの後は、澤乃井純米吟醸生原酒立春朝絞り。これは、日本名門酒会に参加する全国の蔵元が、立春の日に合わせて上槽し壜詰するというもの(詳しくはこちら)。いわゆる日本酒版ボジョレーヌーボーのようなものか。これを目当てにする人も居そうだが、こちらは勉強不足で知らなかった。呑んでみた印象は、まことに爽やかで春を感じさせる。
美味い酒を呑んで美味い鹿肉と餃子を喰って1時間強、これで一人約2,000円だった。これは病みつきになりそうだ。そうなると、奥多摩に来たらなるべく簡単な山に登って早いところ「天益」に入ろうなどと、邪まなことを考えてしまいそう。今後の山行プラン立案に、少なからぬ影響が出そうな予感がする。

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本仁田山に登ったあと(山の記録はこちら)、「もえぎの湯」に入湯。ゴンザス尾根を下れば、汗も引かないまま「もえぎの湯」(780円。あれ、いつ値上げしたんだっけ?)に辿り着く。相変わらず賑わっているかと思いきや、それほどでもない。やはり冬季は人の動きが不活発ということか、むしろ我々にはありがたいが。思えばここは、昨年3月に御前山から下りた際に寄って以来。その時は、例の歴史的大雪の後、ようやく路線バスの運行が再開したころだったので、今回よりももっと空いていた。
この湯の繁忙期がいつか判らないが(たぶん冬以外全部)、夏とか紅葉の頃等は間違いなくイモ洗い状態になるので(整理券による入場制限をしてもそうなる)、ちょっと腰が引けてしまう。ロケーションの良さで人気が高いのだろうが、基本的に風呂場が狭く、特に洗い場は順番待ちになるのが常である。だいたいカラン&シャワーが7つしかないのは如何にも少ないよね~。
従って我々の場合、シーズン中は「もえぎの湯」を敬遠し、近くの「玉翠荘」(ただし、温泉でない)か、いっそのこと立川まで我慢して「高砂湯」か「梅の湯」に入ることが多くなる。「もえぎの湯」の経営者には、あまり評判を落とさないうちに拡張改装を検討した方が宜しいのでは、と強く提案したい。
ともあれ空いてさえいれば、ここはなかなか居心地が良い。お湯もアルカリ性でつるつるすべすべ。休憩室は早春の日差しが射し込んで気持ちが良い。ビールは「天益」まで我慢しようかと思っていたが、少々時間もあったし、やっぱり耐えきれず生ビール(600円)を注文、ぐびっとやった。山から下りたら、湯上りのビールに勝るもの無し。すべて世は事も無し。ありがたい、ありがたい。

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もえぎの湯のHP: こちら 
 

昔から、神田駅の北口と西口とのあいだ辺りに、古びた洋風居酒屋があるのは気が付いていた。外観はぱっとせず、かなり入り難い雰囲気なので素通りばかりしていて、いつの間にかもう30年以上経ってしまった。今回は、「かんだ光寿」のあと、カミさんと、えいっと扉を開けて入ってみた。先客はテーブル席に2組(中高年男4人グループと、ヤング女2人グループ)と、カウンター席に青年男性2人連れ。店の人はマスターひとりのみ。
ここで洋風居酒屋と書いたが、何と表現して良いか少々迷う。外観と店内の配置はバーだが、メニューは全くバーらしからぬ。メインはやきとりである。従って、ここはバーというよりも、店のタイトルどおり、「洋酒の居酒屋」風の「酒場」と云うべきだろうか。店のネーミングは、直ちにホイジンガの著書を連想させる。ただ、カウンター席は歴史論の思索には向いているかも知れぬが、この店が「遊び」とどう結びついているのかは判らない(マスターに店名の由来を訊き損なった)。
カウンター席に座り、山崎ハイボールを注文。「鶉の玉子おろし」と「生キャベツ」という突き出しは、洋風居酒屋で出てくるものとしてはかなり変わっているが、ここがやきとり屋だと思えば全く違和感はない。
この店はだいぶ古そうなのだが、マスターにいつできたのか訊くと、「さー、私が来てから30年になりますが・・・」と仰る。でも、30年前だったら小生も存在だけは知っている。おそらくは、トリスウィスキーが流行ったという1960年代頃には、もうこの店はあったのではなかろうか。
やきとり(ねぎまのこと)とてばさき、つくね、そして串焼きソーセージを頼んでみる。ほんとは、ぼんじりを食べたかったが切らしているとのこと。突き出しの「鶉の玉子おろし」に付けて食べる。いける。これって、何処かで食べたことがある。国分寺南口のやきとり屋だったか。急に30ん年前を思い出した。
はっきり云って、依然として入り難い雰囲気ではあるものの、マスターも特に話し好きではなさそうだが気さくな人で、意外にリラックスできる店だと思う。ひとりでぼ~っとしてみたい時にも良いかも知れない。そのうち、ふと目に付いたときがあれば、こんどはもうちょっと軽く扉を開けられそうだ。

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予約が取り難い居酒屋の代表格だそうである。それくらい人気があると云うことだが、実際、数日前予約くらいでは箸にも棒にもかからない。今回は念には念を入れてひと月前から予約を入れ、満を持しての入店。入ってみて気が付くが、思いの外、こじんまりした店内。これも予約が取り難い理由のひとつだろう。ミシュラン東京2015では、ビブグルマンに選ばれているとのこと。ミシュラン★付き店なんてまったく縁が無いが、ビブグルマンだったら我々庶民にもなんとか親しめそうな感じがする。
外観も内観も、小奇麗な居酒屋然としていて、照明もやや抑えめ。我々はふたりなのでカウンター席に案内される。その椅子は、座っていないと(つまり席を離れると)背もたれが右90度回転する。ちょっとした気遣いだが、その方が座るときに邪魔にならないということなのだろう。コートを預かってもらい、バッグは足元の籠に入れ、席に着いて、さて、メニューを一通り眺める。酒の種類が豊富で、呑んだことが無い日本酒ばかり。何よりうれしい。どれにするか迷うが、とりあえずエビス生ビール(600円)でスタート。
間もなくお通し(1,280円)が出てくるが、なんと7種類の料理が小鉢で出てくる。これだけで肴は十分、と云う人も多いのではないだろうか。そして店員による料理の説明。きびなごに合わせるジュレが失敗して固まってしまったなんて、云われないと気が付かない説明も真面目に付け加える。必ずしも和食ばかりではない、和洋折衷のお通しである。
ビールを飲み干した後は日本酒。先ずは東一(あずまいち)(640円)と磯自慢純米吟醸(460円)。グラスに注いだ後、ボトルを置いていって呉れる。こりゃ取材に優しい(^^ゞ。そして、何も云わなくてもチェイサー(水)を出して呉れる。このあたりのちょっとした心遣いも憎い。東一は純米吟醸甲州ワイン樽貯蔵との表示通り、ボトルがワインそのもので面白い。ボトルに惑わされているのかも知れないが、たしかに白ワインの様な風味を感じる。磯自慢も、芳香が強い。
その後、店員が、サービスと称してクリームチーズの味噌漬けを持ってきて、感想を聞かせてほしいと仰る。もうちょっと漬ける期間が長い方が良いか、短い方が良いかと云う、客の嗜好を調べることも兼ねた、なかなか考えた演出だと思う。
続いて、風の森笊籬(いかき)採り純米大吟醸(640円)と義侠純米原酒(360円)を頼む。どちらも初めて。風の森はフレッシュで繊細だが、義侠はかなり武骨。続いて、東洋美人純米大吟醸(330円)と松の寿純米吟醸雄町(530円)。今日は吟醸系ばかり呑んでいる。お通しが無くなってきたので、料理を追加。ポテトサラダ(480円)とブリの西京焼(880円)にしてみた。ポテトサラダはいかの塩辛入りとのことだが、スモーク香がしっかり利いたベーコンの存在が強い。西京焼きは日本酒との相性抜群だった。
これでおひとり様4,000円強。値段は総じてやや高めだが、この店のなにが人気の理由なのか。思うに、料理が美味いこと、美味い酒をおいてあることもさることながら、呑んべえに対するホスピタリティーが高いことだろう。また、突き出し料理が入れ変わった頃を見計らってまた来てみたい。

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店主のブログ: こちら 

トヤド浅間から下りた後、藤野駅前の「風里」でしっかり呑んだのだが、とは云えせっかく中央線に乗って、立川をスルーするのも何なので、なおちゃんに取材協力を願って(^^ゞ、途中下車。南口のJRAウィンズ辺りをうろうろ。この辺り、入った店ばかりになってきたなと思いつつ、ここはどうだろうと入ったのがこの店だ(だいぶきこしめしていたのか、店の入口の写真を撮り忘れている。残念!)。お洒落な店構えで、JRA好きの方々は入り難そう(^^ゞ。山やの格好でも一寸憚る感じがしないでもないが、こっちはもう良い調子なのでへっちゃら。でも当然ながら、「とらっとりあ」なんて一人ではまず入ることはないな。
入って右手がオープンキッチンになっている。もう9時なので客は少ない。席に着いたら、先ず飲み物。メニューリストを見るとズラリ様々な種類が並んでいる。ワインに限らずカクテルや日本酒だってある。でもせっかくなのでイタリアンワインにしよう。もうボトルでは飲めないので、グラスワイン赤(ハウスワイン;480円)を注文。お腹も結構、いっぱいになっているので、料理は牡蠣のオイル漬け、蛸のコルク煮だけにしてみた。フォカッチャもついてきた。どれもワインに良く合う。メニューはコース料理はもちろん、単品でも他に色々あって楽しめそうだ。
場外馬券売り場がある南口でも、この頃、カジュアルで且つこじゃれた店が増えてきたように思う。それだけに店同士の競争は激しくなっていることだろう。でもきっとこの店は長く続きそうな感じがする。この次に来るときには、1軒目から入ることにして、いろいろな料理とワインを楽しんでみたい。

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ドンシェ~のHP: こちら

「東尾垂の湯」で暫しゆったりした後、送迎バスで藤野駅まで移動し、予ねてより気になっていた「風里」に入店(家で愛犬が待っているのんちゃんとは駅前でオサラバ)。ネットでググってみると、藤野界隈の山を登るハイカー達に愛されている店のようである。営業時間も、昼から夜まで切れ目無しらしい。ということは、まさしく「山から下りたら」のコンセプトにぴったり合っている店のはず。これは取材せずばなるまい。こういう店をさしおいて、番外編で都心の居酒屋ばかり行ってちゃ、いけないいけない。
藤野駅前と云えば、かつて「十番」という居酒屋があって、結構美味しかったので何度か訪れたことがあったが、その後、何故か「いちばん」という名の焼肉屋に鞍替えしてしまって、それ以来、藤野には居酒屋が無くなったとばかり思い込んでいた。
「風里」は、入口が表の通りからやや、奥まっているのでちょっと判り難いが、入ってみると中は意外に広い、というか長い。入って左手がカウンター席と厨房、右手は靴箱、正面から靴を脱いで上がり、奥に長い廊下がはるか左手に続いている。突当たりがトイレの様子。その手前に座敷の間とテーブル席の間がある。我々は、座敷に通される。間仕切りを挟んだ隣の部屋(テーブル席)では将に宴会の真っ最中、大変な盛り上がりで少々喧しい。
メニューを見ると、食堂的な定食料理もかなりある一方、居酒屋メニューも充実していて、なかなか守備範囲が広い店である。
もうビールは「東尾垂の湯」でしっかり呑んできたので、日本酒を注文。久しぶりに「笹一」本醸造・生酒にしてみた。つまみには、和風サラダ、ごぼうチップ、もつ煮込み、ビッグハンバーグ、じゃこ天、そしてトウフのメンタイ焼を注文してみる。
和風サラダは大根の千切りに豆腐と山菜(わらび、ぜんまい等)が乗っていて、梅しそ味のドレッシングにかつお削り節のトッピングという完全和風スタイル、意外と云っては失礼だが美味い。トウフのメンタイ焼もありそうでない料理、B級グルメ的だが美味い。ごぼうチップは、カリカリサクサクで止まらなくなる。(ひろちゃんが呑んでいる)ハイボールに良く合いそうだ。煮込みは味噌味だがあっさり系。手造りビッグハンバーグは300gあるというが、3人ではペロリ平らげた。デミグラソースも良い味。噂だけのことはある。
山から下りた処にあるどの駅にも、立ち寄り湯と共にこのような店があると我々呑んべえ山やには有難い。ここはカレーも美味いらしい。下戸の方はどうぞお試しを。

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東京都檜原村の京岳BSから「トヤド浅間」に登って生藤山まで歩き、山梨県上野原市の井戸BSまで歩いたが、思いの外、時間がかかった(山の記録はこちら)。やや積雪があったせいだろうと思う。北面に限らず、南側の植林帯にも結構、雪が残っていたし、林道に出ても轍は凍結状態(のんちゃん、滑って転んで、手に持っていたアイゼンのバンドを破損!)、なかなかアイゼンを外すタイミングが難しかった。
当初計画では神奈川県相模原市の鎌沢入口BSへ下る予定だったが、時間短縮のためには井戸BS側に下り、タクシーを呼んだ方がいいと判断し、軍刀利神社を過ぎたあたりで藤野タクシーに電話すると、受付の女性は、軍刀利神社も井戸BSも判らないと云う。マジですか。上野原のタクシー会社に電話した方が良いとか、挙句には車が出払っているとか云い出すので、はいはいと電話を切った。それではということで、電話番号を登録してあった富士急山梨ハイヤーに電話すると、最寄りの営業所は大月なので、上野原にあるタクシー会社さんへ電話した方が良いと云う。仕方ないのでネット検索してから、上野原タクシーに電話、漸く井戸BSが判るヒトと話が出来た。
それにしても、藤野駅と上野原駅とは隣り駅で、井戸BSからもほぼ同距離だし、東尾垂の湯からも似たり寄ったり。何故、藤野タクシーがそれほどまでに井戸BSに対して消極的なのか判らぬ。逆に、東尾垂の湯からタクシーに乗って、井戸BSへ行く場合には、上野原タクシーだったら遠まわしに断られるのかも知れない。山梨県と神奈川県との行政区の違いがそうさせているのか。ともかくも、県境の近傍を往ったり来たりするには、予め地図での場所確認が必要なようだ。
とにかくタクシーによるリカバリーは不発に終わり、東尾垂の湯にはほぼ1時間遅れで到着。結局、なおちゃんを2時間も待ちぼうけさせてしまった。辺鄙な場所だが、意外に客が多い。その大多数は車利用の客である。
ここは初入湯。源泉かけ流しで、源泉の湯温も45.8℃あり、正真正銘の高温泉。4時間で880円(貸タオル付き)。こういう料金体系を見ていつも思うが、その半分の時間でいいからもうちょっと安いプランもお願いしますよ。「酒類・弁当類の持ち込みは出来ません」とのこと、そのぶんメニューも豊富で、食堂にチカラを入れている様子が窺える。今回はビールの友に、餃子と冷奴、枝豆、げそ揚げを賞味。餃子は皮も具もちょっと変わっていて美味かった(但し、具体的に何故どう違うのかがよく判らなかった)。
藤野駅への送迎バスが、16時15分の次が17時40分までないので(何故きっかり1時間おきじゃないのかな)、その分、ビールを余計に呑んだのは云うまでもない。

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東尾垂の湯のHP: こちら 

加入道山からの帰り、新松田から小田急に乗り新宿へ移動し、(怪我療養中なので)夜の部のみ参加のなおちゃんと合流。久しぶりに西口の思い出横丁にやってきた。「あがっしゃい」はたぶん、皆にとっても初めての入店だと思う。我々は7名の大人数なので、2階へ通される。先客は1階のみ、2階には殆どいない。
ここのやきとりは、「大山鶏」というブランド地鶏がウリの店のようだ。実は個人的に、前日に宴会(会社の送別会)があり、その席でも大山鶏を喰ったばかり(その時はとり鍋)。奇遇だ。というよりも結構ポピュラーになっているということなのか。大山と云っても、丹沢の大山(おおやま)ではなく、鳥取の大山(だいせん)のことである。ちなみにこの店の名前「あがっしゃい」は山形弁で「召し上がれ」の意味らしい。鳥取と山形との関係はいまいち判らないが、山形出身の店主が「やまがた地鶏」よりも「大山鶏」の方を贔屓にしているということだろうか。
初めての店なので、やきとり鑑定士(非公式)の、隊長による厳正かつ慎重な鑑定が行われた。結果はマル。やきとり各種、もつ煮込み、ポテトサラダ、肉どうふ、オムソバ等を注文。やきとりは、肉の歯応えがあるというよりも、ぷりぷり感が強い。ポテトサラダはスパイシー。B級グルメ的オムソバは普通に美味い。この思い出横丁にはディープな(アブノーマルという意味ではない)店が結構あるが、この店は極めてノーマルだし、誰でも安心して入れる店だと云える。
ところで先日、NHKの「クローズアップ現代」で、昨今、若者の間で大衆居酒屋がブームになっているとのレポートがあった。有名居酒屋目当てに、地方からわざわざ飛行機でやってくるつわものもいた。ここで云う大衆居酒屋とは、全国規模の居酒屋チェーン店とは一線を画した、地域に根差した家族経営的な居酒屋のこと。これまでは地元の旦那衆やブルーカラー労働者、年金生活者達のテリトリーだった場所。その番組のなかで、若者たちは大衆居酒屋の居心地の良さに、漸く気付き始めたのではないかと、かの吉田類も橋本健二も云っていた。その背景として、家庭でも無い、仕事場でも無い、第3の場所が息抜きのために必要なのだ、と橋本健二が解説していたが、そのような構図は別に今に始まった訳でもないし、女性にはそもそも既に「どこでも井戸端トーク」があるので、少々その分析が甘いような印象。ただ、何れにしても今は、そのような情報は直ぐに手に入る時代だし、誰でも情報発信できる(かく云うこのブログも末席をけがしております)ようになっているのは事実だろう。
でもたぶん、そのようなトレンド又はファッションを動かす原動力は若い女性だと思うし、青年男子はその女の尻を追いかけているのに過ぎないような気がする。これは昔も、そして未来も変わらないだろう。

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「さくらの湯」に浸かった後はお約束通りビールなので、昨年の3月以来の「ポッポ駅前屋」入店。今日は8人と大人数、手前の囲炉裏を囲むことにした。先客は小上がりに家族連れ四名と、囲炉裏端に男性一人連れ客(我々の後に、お連れさんが到来)。男性客は腰を据えて焼酎(JINRO)を呑んでいる。まだ午後4時過ぎ。いいね。
前回は女将さん一人で営業中だったが、今日は新顔の女性店員が注文取りにくる。今日は電車の時間の関係で、ちょっとだけの滞在なので、生ビールともう一品だけ、餃子を注文しようとしたのだが、今はできないとのこと。実は隣の中華料理店のメニューが、この店のメニューにも載っているのだった。良いシステムだと思う(逆に、中華料理店で、たらの芽の天麩羅なんか注文できるのだろうか)。午後4時半になると、隣に調理人がやってくるので注文を受けられるそうだ。それではと、直ぐにできるというつまみの中から叉焼を注文。そう云えば前回は、叉焼が無くて煮豚だった。
「さくらの湯」から上がった我々のメンバーがポツリポツリとやってきて、徐々に囲炉裏端を占領する勢い。男性二人連れは、有難いことにカウンター席の方へ移動してくれた(というよりも、重圧に耐えかねて弾き出された?)。
さて、この先は新宿へ移動して打ち上げと云うことになるのだが、御殿場線はこの時間帯、一時間に二本程度の運行頻度なので、その意味でもこのような店で時間調整できることは有難い。そして勿論、「さくらの湯」ではビールを出してくれないので、その代わりにこの店が存在していることは(呑んべえにとって)とても貴重。それに、この店がランチタイムから切れ目なく、居酒屋タイムまで営業してくれていることも有難い。更に云えば、ランチタイム時はアルコールはビールしか無いだの、つまみは出せないだの堅いことを云う店が時々あるが、この店はつまみの種類は限定されるものの、基本的には酒呑みに優しい。つまり「ポッポ駅前屋」は、我々(と云うより小生だけか?)にとって四重に嬉しい店なのである。誠に有難い、有難い。

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雪の加入道山に登った後(山の記録はこちら)、ほぼ1年ぶりの入湯。
ここはいわゆる天然温泉ではないが、安価で、駅前の便利な場所にあるので割と気に入っている。玉に(大きな)キズは、ビールを売っていないこと、である(まあそのおかげで「ポッポ駅前屋」が繁盛する訳だけど)。ここ「さくらの湯」は、山北町健康福祉センターの一部。健康福祉の場で酔っ払って管を巻いちゃいかん、というのは分からないでもない。しかし、持ち込みは自由と云うことになっている。だったら自動販売機ぐらい置いてくれないものか。なにしろ呑みたいのは「キンキンに冷えた」ビールなのですよ。せっかく駅前の酒屋でビールを買ってきても、風呂に浸かっている間にぬるくなってしまう。自動販売機を置けないのであれば、せめて冷蔵庫にビールを置かせてもらえないだろうか。
山北は、かつて御殿場線にSLが走っていた頃、その勾配のキツさ故の、補助機関車(主にD52)の基地(機関区)があったことぐらいしかイメージが無かった(旧信越本線碓氷峠越えの、横川機関区のEF63みたいなものですな)。神奈川県全体の人口は増え続けているが、ここ山北町は戦後から減少の一途らしい。減少に転じたのは、SL機関区が無くなった時期とほぼ重なる。やはり雇用があるかどうかがカギということか。
山北駅をググってみて気が付いたことがあるが、3年前から「情緒豊かな町づくり」なるNPO法人に切符販売を委託しているようだ。10年前に設立されたこのNPO、設立目的は「SLの復活運転、山北町所在の文化財、歴史遺産、伝統芸能の普及および地域住民の生活支援事業を通して、情緒豊かな町づくりに寄与することを目的とする。」となっている。SLの復活とは、今は駅の直ぐ傍にある鉄道公園に、静態保存されている「D52 70」のこと。是非とも実現させて欲しいものである。
改めて地図を広げてみると(って云い方はそのうち無くなるだろうな、Google Mapを開いてみると、とか)、山北町はけっこう広い。北は加入道山、東は塔ノ岳、西は三国山、つまり西丹沢のすべてが山北町である。そう考えてみれば、随分、山北町にはお世話になっていることに気が付く。山北町には日帰り温泉が二つあるが、もう一つは中川温泉にある「ぶなの湯」(こちらは日帰り温泉施設そのものなので、当然、ビールは販売している)。こちらも何度かお世話になっている。つまりは観光客(登山客)はそれなりにやってくるのだが、ここに住もうと思う人が少ないという訳か。やっぱり雇用を増やすための起爆剤は、D52の運転なのかもしれない。D52は、京都にあるSLのメッカ、梅小路蒸気機関車館でも静態保存しかしていない。御殿場線にSLを走らせたら海外からだって客を呼べるだろう。JR東海さん、便利さだけが売り物では無い筈ですよ。ご高配を宜しく。

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さくらの湯(山北町健康福祉センター)のHP: こちら

ありゃ、今週は全部、番外編だった。平にお許しを。
有楽町の日劇で映画「エクソダス」を見た後、小川町へ移動。まだ時間がありそうだ、と、ちょっと路地裏を探索。けっこう小洒落た、小さな立ち飲み屋がある。もう一杯だけ呑み足りない時があったら重宝しそうだ。でもひとりで入れるかはやや微妙。再び靖国通りに出て、スポーツ店を眺めつつ神保町交差点に向かう。ICI石井スポーツで山用品をチェックした後、店の脇の細い通りを北へ入りこむと「ビストロ・アリゴ」がある。
ちなみに「アリゴ(Aligot)」とは、マッシュポテトにチーズやニンニク、バター、生クリーム等を混ぜた素朴な料理で、肉料理の添え物か、パン等にのせて食すもの、とのこと。料理メニューにも載っていたので注文してみた。単なるマッシュポテトより断然こちらの方が良い。
今夜は「カギロイ」以来の古民家飲み会シリーズ。店に予約を入れてくれ、そもそも一番行きたかった筈のなおちゃんは無念の負傷欠席。多忙の隊長も出席叶わず。結果、6人が集まった。ここ「ビストロ・アリゴ」も「カギロイ」と同じ夢屋系列店。「酔の助」はすぐ近所。隣には「BILBI」という、これまたお洒落なCaféがある。
「ビストロ・アリゴ」の外観は全くビストロの雰囲気は無く、かつて氷店だったという商家の殺風景さがそのまま残っていて、果たして何処から入っていいのか一瞬悩む。でもよく見ると、右手の勝手口から入れ、勝手口まであと五歩、などと控えめに書いてあるのに気が付く。この謎解きのような店の外観も中々面白い。同じように店の表で戸惑っている客が2名ばかり。何となくみんなで連れ添って勝手口だけどもオフィシャルな入口から入る。
みんな、2階へ通される。靴を脱いで急な階段を上がってみると、3つの和室の仕切り襖を取っ払ったような空間になっていて、卓袱台が点々とある。左手奥に廊下らしき細く歪な板の間があって、そこだけ二人掛けテーブルと椅子がある。なにやら懐かしいような新鮮の様な変わった空間である。次第に客が増えて、満杯になっても卓袱台毎の車座ができるだけで、田舎の家に上がり込んで、其々グループワークをやっているようにも見える。
食事はもちろん、ビストロらしくフレンチテイストの料理が出てきて、合わせるアルコールも当然ワインなのだが、卓袱台に乗った皿をみんなで突いていると、フレンチらしさは全く感じられない、不思議な感覚。特筆すべき料理はエゾシカのロースト。ハンターから直接仕入れているとのことで、いわゆるジビエ料理。堅いとか味や臭いに癖があるとかのイメージが先行してしまうが、全くそんなことはない。大変美味しく頂いた。ポテトサラダはひとひねりしてあり、マヨネーズは使っておらず、オリーブの実のペーストが入っている。
それにしてもこの神保町界隈には意外と古民家が多い。それをできるだけ生かして居酒屋やレストランにしてしまうのは、なかなか良いアイデアだと思う。この次が楽しみである。

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ビストロアリゴのHP: こちら
 

今日も番外編で御免被りたい。
仕事を午前中で切り上げて(≒サボって=午後年休をとって)銀座に出た。午後1時過ぎ、まだ昼食を喰っていないので何処かの蕎麦屋に入ろうかと考えつつ、いくつかあった候補の中から六丁目のソニー通り沿いにある「明月庵 ぎんざ田中屋」にしてみた。平日の昼下がりなので、人通りは殆ど無い。でも実はこの時間でも、銀座通りは外国人(概ね中国系)観光客が徒党を組んで、スーツケースをゴロゴロ転がしながら徘徊している。少し裏道に入ると静かで良い。
店の引き戸を開けて入ると、右手は厨房、左手前にテーブル席が並んでいる。奥は個室かも知れない。手前の席に着き、メニューを見る。かなり一品料理(酒の肴)が多い。見ているだけで嬉しくなってくる。まだ多くが仕事中の皆さんに申し訳ない、と思いつつやっぱり我慢できなくて熱燗(菊正宗)を注文。ひとり呑みの訓練だから、と言い訳しておこう。肴は何にしようかと迷った挙句、真いかのルイベ(860円)にしてみた。かなり薄くスライスしてあり、それが半シャリの状態で出てくる。これを口に放り込み、熱燗で流し込む。空き腹に利く~。そこはかとなく罪悪感が漂ってくる美味さである。
こういう蕎麦屋でのひとり呑みには意外と抵抗感は無い。このまま蕎麦を喰わなくたって大丈夫である。それが居酒屋となると話が違ってくるのは何故か。居酒屋でも皆、ひとり呑みの客ばかりで静かに呑んでいるのであれば入れそうな気もする。要は静かかどうか、ということなのかも知れないが、余り静か過ぎてしわぶきもできない、というのでもちょっと困る。カウンターだけの店で、話し好きの親爺とか女将さんがいるのも困る。
ともあれ、ゆったりと呑みたいところだったが、根が意地汚いせいか、つい酒が進んであっという間にお銚子が空になった。酒も肴もすっかり無くなったのを見計らって、すっと蕎麦せいろ(820円)が出てくる。良い具合の細打ち麺で、表面が艶々している。手繰ってみると腰が結構強く、喉越しも良い。つゆも辛口で、これぞ江戸前蕎麦というところだろう。蕎麦屋がこの世にある限り、ひとり呑みもなんとかなるかも知れない。

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明月庵 ぎんざ田中屋のHP: こちら

蔵前から浅草に出て、またぶらぶらする。浅草は今日も相変わらず外国人観光客でたいへん賑わっている。それを目当てに雷門前には車夫ばかり、五月蠅いほどいる。これだけの車夫が喰っていけるのであれば、車屋は浅草では一大産業になってきていると見える。人力車には一度も乗ったことは無いが、浅草の景色も違って見えるのだろうか。
景色の中で、つい目が行くのはやはり飲食店。浅草には日本料理屋、居酒屋が多いが、大衆食堂も多い。もちろん個人的には、いくら酒があっても酒の肴が充実していないと、大衆食堂には入りたくない気分だが、浅草の大衆食堂は呑ベエに優しい店が多い。浅草寺から浅草六区方面に抜ける「奥山おまいりまち」にもそんな店で気になっていた「君塚食堂」がある。
ぱっと見は、何処にでもありそうな店構え。でも創業は明治初期とのこと、見かけによらず超老舗なのである。「競馬中継」の看板があるのもこの辺りの店らしい。冷たい風が通り抜ける店先で、せっせとおでんを作っているおばあちゃんがいる。さしずめかつては看板娘だったのだろうと思われる。外は寒いので、店に入ったら熱燗でおでんかなと思っていても、店の中はポカポカなので、冷たいものでも呑もうかと云う気になる。そこでホッピー黒を注文。肴は(甘くない)玉子焼きと鯖塩焼き、そしておでんにした。どれも素朴な味だが、奇を衒わない安心して喰える味とも云える。おでんはどの具もしっかり味が染みていて美味い。おばあちゃんお奨めのウィンナー巻きは、驚くほど柔らかく煮込んである。たまにはホッピーでおでんも悪くない。
店内を見渡すと、常連らしい客が多いようだ。我々の後から来る客も、店員と丁寧な挨拶を交わす。皆、地元の人間なのだろうか。店の人とも長い付き合いなのかも知れない。もちろん、テレビ中継に熱中している競馬好きもいる。でも、歓声を上げたり溜息を洩らしたるりせず、静かに熱く見入っている。この店にも小さな人間模様が詰まっている。ほろ酔い加減ですっかり温まってから店を出た。表では、おばあちゃんが寒空にもへこたれず、くるくる動き回っていた。

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君塚食堂のHP: こちら 

ちゃんこを喰った後、両国から総武線に乗り、浅草橋駅で降りて柳橋方面へぶらぶら。アンティーク好きなカミさんが狙いを付けていた「ルーサイト・ギャラリー」という骨董屋に行ってみたのだが、生憎お休みだった。調べてみるとこの建物、美人芸者歌手として一世を風靡した(らしい)市丸姐さんの屋敷だった(ルーサイト・ギャラリーのHPはこちら)。1907年生まれと云うから(我々の祖父の世代だったらリアルに追っかけしてたかな)、もう今となっては近代史研究家の世界だろうか。かつての花街、柳橋は、普通の商業ビルが立ち並ぶだけの無粋な街になっていたが、このギャラリー(旧家)だけがポツンと、一輪の花のように残っている。
裏通りを歩いていると人通りは少ないが、こんな処にこんな店が、と目に留まったのが「High Tea」という名の紅茶専門店。ビールは置いてないようだったが入ってみた。女性一人でやっている様子。店の名前の由来は、こうゆうことらしい。

-以下、Wikipediaからの無断抜粋-
・・・・・・アフタヌーン・ティーに類する習慣には、さらに遅い時間のハイ・ティー(High tea)がある。ハイ・ティーは本来食事としての意味合いが強く、一般的に夕方5時から6時の、・・・ ・・・遅い時間の夕食の前に、食事とともに茶など飲み物が提供されたもの。アフタヌーン・ティーが小さなラウンジ・テーブルや客間の低いテーブルで提供されるのに対し、ハイ・ティーは食事用の高いテーブルで供されることからその名が来ている。本来夕方の喫茶であると同時に、事実上の夕食でもあるため、紅茶や、サンドイッチなど簡素な軽食や菓子類のみならず、むしろ肉料理・魚料理の方が供される献立では、食事が主体である。このため、ミート・ティー(Meat tea)の別名もある。・・・・・・
-無断抜粋終了-

我々は食後なので、アフタヌーン・ティー又はロー・ティーということか。注文時に、紅茶の葉が入った小瓶を20本、テーブルに持ってきて利き酒ならぬ利き葉ができるようになっている。しかし悲しい哉、熱湯で蒸されていない、乾燥状態の葉っぱの匂いはあまりに微か過ぎて、フレーバーティー等を除けば、素人には違いが良く判らない(T_T)。小生はスリランカのヌワラエリア(720円、税込)を注文。カミさんは、ディンブラとチーズタルト。久しぶりに飲むヌワラエリアは、発酵が浅いのか、そういう葉の種類なのか定かではないが、紅茶でありながら日本茶のような抑えめの渋みと旨みを感じる。色も紅茶にしてはかなり薄め、烏龍茶に近い。
久しぶりにストレートティーを味わった後、蔵前に移動し、またぶらぶら。タイガービルという名のレトロでシックなビルの1階に、「ノーチェ(NOCE)」なる家具屋があった、少々物色。全然飾らない、シンプルな家具。これでも新品?と思うような見た目。値段も安い。IKEAやニトリとは路線が違う、なかなかありそうでないコンセプトである。同じ通り沿い、「カキモリ」という名の文房具屋にも入ってみる。ここもシックな店構え。ここはオリジナルのノートブックを作れると云う。便せん類、ペン類の品揃えも個性的に見える。つい、本体が木製のボールペンを衝動買い(まったくアウトドアには不向き)。
この江戸通りから国際通りにかけては、賑やかさや華やかさは全くないものの、シックな雰囲気をもっている店がポツポツある。今度また来たら、ウィンドショッピングだけでなくカフェかビストロにでも入ってみたい。

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冷たい西風が強い日曜日。カミさんの用事にからめて、3ヶ月ぶりにまた両国へ。昼飯は、この季節、やっぱり鍋でしょ、ということでちゃんこ鍋の店に入ることにした。実は、両国でちゃんこ鍋を喰うのは初めてである。
両国駅前には数多くのちゃんこ鍋店が並んでいる。そんな中から、伊勢ヶ濱部屋直伝の味と宣伝していた「安美」に入った。ビルの2階だが、エレベータホールまでの1階のエントランスが随分と長い。エレベータの扉には、安美錦の手形(余りに大きいので実寸大ではないだろう)がどーんとプリントされている。まだ11時半、先客は一組だけ。4人掛けテーブルが掘りごたつ形式でずらりと並んでおり、各々暖簾で仕切ってあって個室感がある。他にも色々席がありそうだ。店内には「は~どすこい、どすこい」と合の手が入る相撲甚句が延々と流れている。これだけで、ちゃんこ鍋屋の雰囲気が出せる、便利なBGMである。
ランチタイムなので「ちゃんこ定食」なるものもあるが、ここは普通にちゃんこ鍋を注文してみたい。ちゃんこは、「安美特製横綱ちゃんこ」や「伊勢ヶ濱部屋ちゃんこ」、「元祖ソップ炊きちゃんこ」、「三色つみれちゃんこ」など多彩。「坦々ちゃんこ」とか「カレーちゃんこ」、「豚のキムチちゃんこ」なんて変わり種もある。我々は「横綱ちゃんこ」(2,700円)を1人前と、半生ホタテとしそ海老天(800円)を注文。生ホタテの天麩羅なんて、変わっているなと思っていたら、食べた感じは、やや湿気た衣の中に海苔で巻いたホタテ刺身が単に入っているだけで、意外性は感じられなかった。
鍋の具は、つみれ2種類と鳥肉、あとはこんにゃく、豆腐、油揚げ、野菜(牛蒡、白菜、キャベツ、もやし、椎茸、ニラ等)といったところ。つみれは鶏と魚(いわし?)だが、量が半端ではない。これでほんとに一人前かと疑ってしまう。野菜の量も、ぱっと見、とても食べきれそうにない(と云いつつなんとか全部食べた)。汁は鶏ガラ+醤油系のようだ。塩味は控えめだが、しっかり出汁が利いていて、なかなかに優しい味で美味い。
酒は店の名前を冠した「安美」冷酒を注文。そういう銘柄がある訳でなく、酒蔵にオリジナルラベルを依頼したものと思われる。この頃余り呑んでいなかった、すっきり淡麗辛口。鍋にはこれでも良い。
もう腹一杯で、仕上げの雑炊とかラーメンは注文せず。1人前にしといて良かった。次回、両国でちゃんこ鍋を食べるときがあれば、別の店で味の違いを確かめてみたい。

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安美・両国総本店のHP:  こちら

「だるま料理店」を出て、駅近くの干物屋でアジの干物を買った後、小田原からは小田急線急行電車で移動。その時点では、最後は新宿で打ち上げと思っていたのだが、京王線女子3人組は登戸で途中下車、頭痛の予兆ありの中央線組お1人様は新宿経由でそのままお帰りとのこと。ならば、つくばエクスプレス組の小生はひとりで新宿途中下車するか、と云う気にはならず、千代田線に乗るべく代々木上原で乗り換え。呑みは諦めるとしても夕食は食べねばならぬ。さて何処へ行くか。
車中、スマホで色々検索。生憎、小生のデータベースにはひとり呑みの店も、孤独のグルメも登録されていない。そもそもそういうシチュエーションを想定していない。車内の行先案内で次に停まる駅の表示を眺めつつ、街と店をイメージしてみる。代々木上原、明治神宮前、表参道、乃木坂、赤坂あたりはひとりでは少々寂しい感じだなあ。隣の席でギャル達が馬鹿騒ぎしていたらやだよなあ。国会議事堂前、霞が関、日比谷、二重橋前、大手町辺りは土曜日にやっている店は無さそうだ。新お茶の水、湯島辺りも思い浮かぶ店が無いなあ。
そうやってぐずぐずしているうちに、再び乗り換え駅の北千住に着いた。とりあえず下車し、当てもなく、しかし通い慣れた西口へ向かってみる。目に入るどの居酒屋も大層盛り上がっているようだが、居酒屋にはひとりで入る習慣が無い。いっそ習慣を変えてみようかとも思ってみたが、やはり気が乗らない。じゃあ蕎麦屋があったら入ってみるか、と思い付いてみても、そういうときには概して見つからないもの。だったら中華料理でもいいか、と思って探してみると、銀座アスターか日高屋(って中華だっけ?)、バーミヤンしか見あたらない。銀座アスターにお一人様は入れそうにないし、ありきたりの日高屋、バーミヤンはちと寂しい、などと思っているうちに東口へ。うらびれた中華料理屋でいいんだけど、と思いながらも意外にそんな店が見あたらない。
いつのまにかもう午後8時を回り、だいぶ草臥れて腹も減ってきたので、諦めてコンビニ弁当でも買って家で喰うかとも思ったが、せっかくの山の帰りに取材しないのも業腹だと思い至り、北千住駅周辺の手近な処を再調査。その結果、北千住マルイの赤坂四川飯店か、北千住ルミネの紅虎餃子房か、という処まで絞られた。じゃ、四川にするかとマルイ9階へ行ってみると、満員待ち行列状態。陳健一のネームバリューは絶大だ。左様ならばさようならと、今度はルミネ8階へ。こちらは全くスカスカ。ようやく夕食にありつくことができたようだ。
このチェーン店は池袋サンシャインシティにあった店に入って以来、約10年ぶりだと思う。「紅虎餃子房」と云えば鉄鍋棒餃子だが、今回の料理は入口の看板で気になっていた「カキ味噌煮込み麺」をセット(やみつき餃子付き)で注文。でもその前にやっぱりビール。さすがに喉がカラカラ。正真正銘のひとりビールだったが、だいぶお預けをくっていたので美味かった。肝心の「カキ味噌煮込み麺」は、麺は太打ち、思っていた以上に大ぶりでしかも大量の牡蠣が入っていて、どれもぷりぷり。ちょっぴり甘めの白味噌との相性も良い。セットで付いてくる餃子も、病みつきになるかどうかは別として普通に美味い。これで1,380円は悪くないと云えるだろう。
これからは孤独のグルメもデータベース化しておかねばなるまい。

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金時山から下りて仙石原の「マウントビュー箱根」でさっぱりしたあとは、バスで小田原へ移動、駅前までは行かずに市民会館前BSで下車する。小田原にはいろいろ行ってみたい店があるが、今回はその中から、この時間(午後3時過ぎ)でもやっている「だるま料理店」にしてみた。明治26年創業と云う老舗料理店。現在の店構えは創業時の建物ではないが、それでも大正15年竣工という、ぱっと見はまさに楼閣だ。もちろん国の登録有形文化財である(文化庁データベース)。
唐破風造りの玄関を入ると、目の前の衝立が巨大。ふと上を見上げると天井が高い。富士屋ホテルや万平ホテルと同じ、格天井になっている。それとゴマ油の匂い。天麩羅はこの店のウリなのかも知れない。尤も単に厨房の換気が悪いせいかも知れぬ。1階には入れ込みのテーブル席と小上がり、2階が予約の個室になっているようだ。我々は大きなリュックサックを背負っているということで、奥の6人掛けテーブルに通される。
メニューを見ると、定食も数多くあるが、つまみも比較的豊富。やはり魚が中心か。仲居さんが、もう鯵すしは終わりました、と云う。なるほど20食限定と書いてある。さて我々の料理としては、刺身五点盛り(マダイ、ホウボウ、マトウダイ、キンメダイ、ヒラメ)、相模すし、金目鯛の煮付け、玉子焼き、板わさ、野菜天麩羅を頼んだ。すると天つゆ以外に、醤油の小皿が一人当たり3つも出てきた。醤油の種類はどれも同じだが、刺身用と寿司用と板わさ用ということだった。やっぱり場末の居酒屋とは訳が違う。やがて出てきた白身の刺身、寿司はどれも上品(っていうか、魚の違いを明確に表現できないのが少々残念(T_T))。かまぼこもプリプリである。玉子焼は甘め。玉子焼は甘くない方が良いでしょ、と云う小生の主張は皆に「やっぱり酒呑みは違うわね」と一蹴された。酒は当然、熱燗(銘柄は沢の鶴)になる。
ふと眼をやると、和服姿の熟年夫婦がちょっとやってきて、ビールと酢の物(もしかすると煮物)だけを食べて、すっと出て行った。二人とも着こなしが素晴らしく(旦那の方はまるで噺家のようだ)、この店の雰囲気に実にマッチしていて、しかも粋だ。肖りたいものである。雰囲気に酔い、料理と酒に酔って大満足。今度来る時は、2階の個室で食事をしてみたい。尤も、その前に他の店も行ってみたい。小田原にはまだまだ雰囲気の良さそうな店がありそう。さすが歴史のある街だけのことはある。ただ小田原の場合、山の数よりも店数の方が多いのが悩みの種である。

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だるま料理店のHP: こちら 

元々の計画だった「矢倉岳」の代わりに「金時山」に登ったため(山の記録はこちら)、下山は仙石原。まだ午後1時。さて何処で汗を流そうか。仙石原には温泉付きの旅館やホテルは数多くあるが、日帰り温泉専用施設は無いように思う。そのため、多くの場合、(宿泊客優先のため)時間制限があり、例えば15時までならば入れる、と云うところが多い。以前、「福島館」には入ったことがある。そこで今回は、仙石バス停からもほど近くて、時間制限が無い温泉旅館「万寿屋」にいってみようかと思っていた。ところが、仙石バス停の近くでふと「マウントビュー箱根」の看板が目に入った。曰く「にごり湯露天風呂あります」というセリフと写真。ではこちらに行ってみよう、と気が変わる。ちょっとした看板につい釣られてしまう。
この辺り、近くには「ラリック美術館」や「星の王子様ミュージアム」、ちょっと離れたところには「ガラスの森美術館」、女子の心をくすぐる施設ばかりある(ありゃ、全部入ったことがあるぞ)。でもそんなのには気を取られず風呂へまっしぐら。予め、1,000円以上だったら止めようか、と云っていたのだが、フロントで聞くと1,100円と微妙。う~ん、ここまで来たので100円オーバーでも良しとするか、とやっぱり入湯することに。にごり湯露天風呂の威力に降参した感じである。
その風呂だが、内湯と露天風呂の泉質が明らかに違う。内湯は無臭無色透明だが、露天風呂はやや褐色掛かった乳白色で微かな硫化水素臭。露天風呂の源泉は大涌谷らしいが、内湯は温泉かどうかも定かではない。それでも肌触り、湯加減は悪くない。何故2種類の湯を使うのかで皆の感想は異なる。2つの湯船を満たすほどのにごり湯量を引いていないと云う経済的理由か、2種類の温泉を味わってもらおうと云うサービス優先か。個人的には、前者ではないかと勘繰っている。
さっぱりした後は、フロントの右手奥にある休憩室へ。かなり広いスペースに飲み物の自動販売機(もちろんビールあり)と共に、ソファーセットと籐製の椅子が並んでいるが、ど~んと卓球台もある。この建物の感じからすれば温泉卓球という雰囲気では無いが、日頃の憂さ、鬱憤を晴らすにはとにかく卓球に興じたい、という輩もいるのかも知れない。まあ、もしここに泊りで来ることがあれば、気分次第でやってみても良いか。

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マウントビュー箱根のHP: こちら 

西武池袋線秋津駅からJR新秋津駅(又はその逆)への乗り換えを利用する人には周知のことであるが、東村山市の端っこの街にしてはこの界隈、けっこう居酒屋がある。乗り換えに数分歩く必要があるため、その間の誘惑に負けるヒトがそれなりにいると云うことだろう。以前、隊長、たまちゃんとこの辺りの店に2、3回入ったことがある。今回は秩父からの帰り、このちゃんも秋津駅乗り換えということだったので、だいぶ久しぶりだが寄り道することにして、「立ち飲みスタジアムなべちゃん」に寄ってみた。立ち飲みなので、長居はできない。せいぜい2杯がいいところ。何処かでそこそこ呑んだあとの仕上げか、暫く移動して、少々乾いた喉を潤す程度が丁度良い。
この店の「スタジアム」というタイトルの意味は、入ってみると一目瞭然。誰かのバットやグラブ、ユニフォーム等が、壁じゅう所狭しと飾ってある。西武ライオンズの選手グッズが多いようだが、中にはイチローのバットもあった。いわゆるここは、スポーツバーの立ち飲み版という感じ。カウンターが2つ並んでいて、10数人は普通に入れる。メニューを見ると、けっこう料理の種類が豊富。居酒屋らしからぬ、ミートローフチーズ焼きなんてものもある。今回は、ハイボール(450円)とポテトサラダ(250円)を注文。意外と云っては失礼だが、ポテトサラダはクリーミーで美味かった。
この店にはもちろんテレビもあるので、さぞやプロ野球のシーズン中は、ファンで盛り上がるだろうと思われる。テレビ中継中は、ずっと立ちっ放しで観戦&飲食というつわものもいるかも知れない。ライオンズファンには勿論お薦めだが、ライオンズファンでないとアウェー感を味わってしまいそうなので、他球団ファンの方はシーズンオフに来た方が宜しいだろう。今回は常連の客が二人(どちらも一人連れ)いただけだったが、シーズンオフで立ち飲みのせいか、このちゃんキャラのせいか、自然と話が弾んだ。
この店の直ぐ隣には、いつのまにか「かぶら屋」という強力居酒屋ができていた。普通に呑みたい気分のとき、どちらも空いていたら、たぶん、椅子がある「かぶら屋」に入ってしまうだろうが、「なべちゃん」はチョイ呑みには悪くない。今度来るときもきっと秩父か所沢界隈で一杯やった後だろうし、その時にはポテトサラダ以外の料理も味わってみたい。

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せっかく秩父に繰り出したのだが「パリー食堂」だけでなく「駅前」にもふられたので、やむをえず「駅前」の下にある「そば膳」に入った。もちろん「やむをえず」と云ったのは、当初の目論見に入っていなかったというだけで、この店が不味いという意味ではない。くるみそばが名物と云うことになっていて、だいぶ前に一度食したことがあった。その頃は、蕎麦以外の一品料理があまり無かったように記憶していたが、入口や壁に張られたお品書きを見ても、だいぶ変わってきたようだ。
秩父名物と云えば、味噌ポテトや豚味噌漬け、ホルモン焼き等が思い浮かぶが、ここにはそれは勿論のこと、鍋物や、それ以外、普通の蕎麦屋には置いていない一品料理もかなりあって、我々酒呑みには嬉しい限りである。やけに蕎麦に自信がある店だと、蕎麦か天麩羅ぐらいしかつまみになるものがないが、いくら蕎麦が美味かったとしても、酒呑みにはちょっと寂しい。
店には、我々の後から来たグループも含め、山帰りが3グループ7名(我々も含めると4グループ9名)、登山姿以外のお客もいて、それなりに繁盛している様子。場所柄、やはり西武秩父線で帰る客が、電車の時間を見計らってやって来るのだろう。その意味で、この店は実に良い場所にある。
こちらは小上がりに腰を落ち着けて、日本酒(秩父錦)と焼酎蕎麦湯割りでスタート。つまみは牛筋だいこん、豚肉豆腐鍋、きつね焼き、そして蕎麦味噌。牛筋だいこんの大根は、しっかり味が染み込んでいる。豚肉豆腐鍋は固形燃料で温めるスタイル、これも味加減が丁度良い。こりゃ酒がすすむ。
締めはもり蕎麦。平打ち麺で、つなぎにこんにゃくでも使っているのでは、と思わせるほど、しこしこ、ぷりぷりでつるつる。記憶以上に満足度が高い蕎麦であった。

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