山から下りたらこんな店 - 副隊長の自己満足

山から下りて、ひと風呂浴びてから一杯やるのは醍醐味の一つ。しかし、最近はどっちが主なのか、判らなくなってきた・・・。

2014年11月

せっかく広尾まで来たので、ついでにエビス・ガーデン・プレイスに来て、ビヤステーションに入ってみた。20周年アニバーサリーとのこと。おそらくは開業直後、会社の同僚と来て以来ということになる。
全体的に客は疎らな印象だが、ビヤステーションは意外に人が多い。昼間から人目を憚ることなく(ってあまり憚るつもりも無いけど)、堂々と呑みたいという人々の気持ちで繋がっている感じ。そのせいかどうか、店内は女性が結構目立つ。日本酒は裏通りの店で憂さ晴らしにちびちび呑むイメージが付き纏うのに対して、ビールは明るい日差しの下で爽やかに賑やかに飲む感じがするせいか(あくまでも個人的イメージです)。
外観は重厚な煉瓦造り風、中もニュートーキョーのビアホールらしく落ち着いた雰囲気だが、ウェイトレスに通されたのは、更に奥のテラス席。吹き抜け部分を見下ろすように大きな窓に面しているので明るく開放的。如何にも女性がビールを飲むに相応しい場所である(あくまでも個人的イメージです)。
先ずはエビス・ザ・ブラック(580円)を注文。その後は琥珀ヴァイツェン(630円)に切り替え。腹具合はまだかなりいい状態なのだが、バイエルンプレート(前菜盛り合わせ;650円)と若鶏唐揚げガーリック風味(780円)を頼む。どれもニュートーキョー定番の料理。そういう意味では何処のニュートーキョーでも同じでは、ということになるが、そこはやっぱりこのテラス席で食べるのでは、きっと一味違うのだ。

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初めて山種美術館へ行き、東山魁夷展を鑑賞した後、まず来ることがない広尾まで折角来たので、この辺りで昼食をとろうと、蕎麦屋「松玄」に入店。蕎麦屋らしからぬ、かといって居酒屋でもない雰囲気。強いて云えばダイニングバーの趣きだが、メニューを見れば明らかに和。蕎麦屋にしては一品料理がかなり豊富、申し分ない。
ビールで喉を潤したあと、酒は日高見・超辛口純米(750円)を注文。「超辛口」という割にはちっとも辛くなく、呑み飽きないが、むしろ米の旨みが生きていて自分好みと云える。宮城は石巻の造り手らしい。肴には、汲み上げ湯葉(700円)、焼き味噌(390円)、マコモ茸の炭焼き(580円)、自家製つくね(370円)、手作りポテトサラダ(550円)、丸干しゴロイカ(680円)を注文してみた。湯葉には、紫蘇の花が散らしてあってなかなか洒落ている。焼き味噌は、かなり寝かせた八丁味噌を使っている様子で、ほとんど真っ黒、味も濃厚。個人的に好きなマコモ茸を置いている店は、結構珍しい。もう旬の終わりか。ここのポテトサラダはかなり斬新、生クリームベースのホワイトソースが掛けてある。ちょっとぐっと来た。丸干しゴロイカは、わたも一緒に干したもので、酒が何杯も呑めてしまう。
締めの蕎麦は、もり(700円)と凛(いわゆる更科系そば;930円)。挽きは細かく切りの太さも均一なので、手打ちではなさそうだが、しっかり腰がある割に、つるんと喉越しは滑らか。この店は、全体的に、卒なく客が好みそうな壺を抑えていて、とても洗練されているように感じられるが、その一方で、不器用で頑なな蕎麦打ち職人が地道にやっているという雰囲気が無いせいか、ドライというか、やや上滑りな印象を受けてしまうのは、少々気にし過ぎだろうか。

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松玄のHP: こちら 

篠井山と思親山に登った後、この季節としては、ほんとは内船駅辺りで「新そば」でも手繰りたいところだったのだが、(このちゃんリサーチの結果)近所に蕎麦屋が無いことが判り断念。代わりに沼津へ移動して、新鮮な魚を喰おうということになった。JR沼津駅からタクシーで行ってみて初めて知ったのだが、この沼津港界隈は多くの飲食店が軒を連ね、それを目当てにやって来る観光客が引きも切らない状態だった。午後3時と云う中途半端な時間ですらこうなのだから、昼時はさぞや大混雑なのだろう。
タクシー運転手が推奨した、何れの店も行列ができているか、満席なのでやむなく素通り、次第に港から遠ざかる。ふと目に入ってきたのが、やや外れにある「海賊亭」という店。偶々、予めネットで見つけた店で、余り待たずに入ることができた。
また生ビールで乾杯した後、カリアゲ(300円/2尾だっけ?)、カサゴ唐揚げ(1,050円)、刺身盛り合わせ(4,000円)、金目鯛煮付け(2,100円)、マグロ赤身にぎり(700円/5貫だっけ?)を注文する。アジの干物を素揚げする食べ方を初めて知った。これを、ここ沼津では「カリアゲ」と云うのだそうだ。「カリアゲ」という言葉も耳慣れないが、アジの干物を素揚げにするという調理方法が新鮮で面白い。ご当地グルメになっているようだ。頭もヒレも尻尾も、香ばしくて全部パリパリ食べられるのが魅力。
刺身盛り合わせには、駿河湾の特産、生桜エビと生しらすを入れてもらった。どちらも甘くて美味。特に生桜エビは(山梨辺りの山ばかり漁っている我が身には尚更)なかなかお目にかかれない。他に、ヤガラの刺身などもあって、流石、港町の料理屋は違うと感じ入る。圧巻は、金目鯛の煮付け。身が柔らかく脂が程良くのっていて実に美味しい。ボリュームも文句なし。店員は、伊豆半島で獲れたものですと云っていた。わざわざ沼津で途中下車してやってきた甲斐があったというもの。たまには、山から下りたら、海に寄って帰るのも悪くない。

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思親山からJR寄畑駅へ下るつもりが、二万五千分の一地形図に記載の破線は、実際にはまったく廃道となっていて想定外のバリエーション、道無き斜面を適当に下り、なんとかバスが通る舗装道に出ることができた。あとは、この2日間ですっかり馴染みとなった南部タクシーを呼んで「なんぶの湯」(大人800円)に直行。JR身延線内船駅からほんの2、3分の便利なところにある。東を振り仰ぐと、さっきまでいた思親山の山頂が良く見える。
駐車場には多くの車が止まっているので混雑が予想されたが、豈図らんや、大きな風呂場は湯船も洗い場も全くスカスカで、ゆったり、まったりできた(でもカラスの行水であることは変わらない)。湯は、「やまと天目山温泉」や「天空の湯」のようにアルカリ性が強い。
湯上りに、休憩室(大広間)へ行ってみると、殆どのテーブルが埋まるほど、多くの人が屯している。ざっと100人ぐらいは居るだろうか。半分ぐらいは、浜に上がったトドのように転がっている。起きているのは、きんさん、ぎんさんみたいなおばあちゃん達で、四方山話で盛り上がっている。地元のお年寄りの社交場がここらしい。風呂に入ることもさることながら、ここで日がな一日過ごす人も多いようだ。余所者がふらりとやってきて、ひとり生ビール(500円)を飲んでいるのはちょっと場違いに見えるようで、なんとなく落ち着かない。焼き餃子(350円)を注文する。
やがて皆もやってきて、無事下山を祝して乾杯。焼き餃子以外に、牛すじ煮込み(550円)、とりモツ煮込み(550円)、フライドポテト(300円)、枝豆(300円)なども注文し、皆でつつく。メニューには他にもピリ辛大根煮物、うな胆、おつまみメンマ、厚揚げ、イカげそフライなどもあり、居酒屋顔負けである。面白いのは、鯨大和煮、サバの味噌煮、いわしなどの缶詰もそのまま売っているところ。さながら酒屋の角打ちメニューのようで、センベロ呑べえには嬉しい。もちろん、酒や肴だけでなく、麺類や定食ものも豊富。まこと、日帰り温泉のおまけにしておくのは惜しい程の食事処である。

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なんぶの湯のHP: こちら 

第1日目の篠井山と第2日目の思親山をはしごするため、南部町にある佐野川温泉に泊まった。温泉の名前は学生の頃から知っていたのだが、泊まったのは今回初めてである。個人的にはひそかに期待していた。富士川の支流である佐野川を少々溯った川畔にある、ひっそりと少々鄙びた感じの宿であるが、部屋に入ってみると意外に内装は新しい。
風呂は玄関のすぐ左手にあって、正面に喫茶スペースがある。日帰り温泉(650円)としても十分な機能を持っていると云える。部屋に通じる廊下に、ずらりとタオルを掛けて置けるようになっているのは、なにやら湯治場の雰囲気を感じさせる。湯は、微かな硫化水素臭がして、とても柔らか、湯温も丁度良くしてくれている(源泉は31℃と、ちょっと冷たい)。今日の宿泊客は、我々以外に4組、全員合わせても20人ぐらいか。夕食の前に、部屋で酒と肴と共に今日の余韻を暫し楽しむ。
夕食は部屋まで持ってきてくれる。鍋も、焼きものも、揚げものもなかなか豪華で申し分ない。ご飯を食べたかったとしても、辿りつくのは容易ではない程の量である。朝食は小さな食堂に集まって頂くのだけれど、こちらも様々なご飯のお供があって食べ応え十分。これで1泊2食で9,500円(税別)とは、お値打ちである。周りに何もなく長逗留するにはちょっと寂しいところだが、山旅の中継地としては申し分ないと云える。このまったく飾らない素朴宿がこのまま続いてくれることを願いたい。

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_DSC5014食事の前のおつまみ

_DSC5015豪華な夕食

_DSC5016朝食もボリュームたっぷり

_DSC5017立派な卓球部屋

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佐野川温泉のFB: こちら 
佐野川温泉のHP: こちら

篠井山を登った後、奥山温泉に立ち寄る。その名の通り、富士川の本流から随分、谷を分け入ったどん詰まりの山奥にある。このあたり住所は山梨県だが、タクシーの運転手も云っていたように、文化圏は完全に静岡県のようだ。駐車場には結構、車が止まっていたようにみえたが、風呂場は思いの外閑散としていて利用者にとってはのびのびゆったり。休憩室も同様で、風呂だけの利用では500円、休憩室も使うと800円との料金体系にもかかわらず、500円払っただけでも、空いているので休憩室を使っても良いですよ、と大らかな扱い。東京近郊の日帰り温泉とはやや様相が異なる。
建物は檜をふんだんに使ったりっぱな造りで気持ちが良い。風呂場も天井が高く開放感たっぷり。湯はアルカリ性が結構強いが、温めで肌触りは柔らかな感じ。休憩室では、多少、食事もできるようであるが、我々はこれから佐野川温泉に向かう都合上、ビールだけにした。それでも、篠井山に登らない限り、絶対来ることがないであろう温泉に入ることができたのは貴重だった。

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笹一酒造で新酒をテイスティングした後、先月に続いて再び立川北口の「Tempranillo」入店(先月は雁ヶ腹摺山の帰り、今回は笹子雁ヶ腹摺山の帰りということで、奇しくも雁つながり。次回は牛奥ノ雁ヶ腹摺山、あるいは日影雁ヶ腹摺山の帰りか?)。なおちゃんリサーチによれば、この店のシェフ(兼共同オーナー)であるホセさんは、「サンデージャポン」にも出演済。ということは、もう有名人なのである。HPもできたようだ。わんさか客がやってきても可笑しくない。ところが・・・
6名で店に入ろうとすると、入口に「OPEN」の看板があり、メニューが広げてあるものの、何故か照明は点いておらず、本当にやっているのか不安にさせる。恐る恐る階段を下りていくと、ウェイトレスに迎えられほっとする。どの席でもどうぞとの勧めに従い、前回と同じテーブルに着陸。女性二人の先客あり。開店時間は17時とのこと、我々の入店は18時15分、それでもどうやら我々は二番目の客だったようだ(我々のすぐ後ろから女性二人連れが入ってきた)。まだ人気はこれからの様子。裏を返せば、もう少しこのゆったり感を味わえそうだ。ウェイトレスは3人に増えている(前回居たウェイターは見掛けなかった)。うち、ひとりは未だ修行の身の様子、メニューの説明に四苦八苦していた。頑張ってほしい。
ビールで乾杯した後は、メニューにある定番スペイン料理をどんどん注文。ワインは先ずTempranillo100%のアジョッソ・クリアンサ2009 (4,500円)。コクと酸味がバランス良いミディアムボディ。料理はどれも美味いが、特にアーティーチョークのオイル漬け(650円、但しオーダーミスとのことで、サービスしてくれた)とイベリコ豚生ハム(1,500円)との組み合わせは、かなり良いコラボレーション。白ワインはトレジョ・ブランク・トランキジェ2013 (4,000円)をオーダー。かなりすっきり、酸味もしっかり。こりゃ白身魚の刺身系かな。締めはやっぱりパエジャ(1,800円/人)。魚介の旨みがしっかり米に染み込んでいて美味。
次回来る時は予約が必要なほど人気店に様変わり、なんてことになるのを半分願い、半分ならないことを願っている。

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TempranilloのHP: こちら 

笹子雁ヶ腹摺山の帰り、新酒まつりに合わせて、久しぶりに笹一酒造に行ってみた(というか、新酒まつりのタイミングに合わせて、近くの笹子雁ヶ腹摺山に登った、と云った方が正しい)。山頂付近はすっかり冬枯れ状態だったが、標高1,000m付近から下は、良い具合に紅葉していた。一日中天気は良かったが、笹子川沿いの甲州街道は日暮れが早く、じっとしているとジンジン冷えてくる。笹一酒造の店舗に入るとほっかり暖かい。
創業は大正8年(西暦1919年)と、造り酒屋にしては比較的新しい。笹一は昔から切れがあって辛口のイメージが強いが、先日、立川の菊松屋で呑んだ「ささ一 純米吟醸無濾過」に、あれっ、と思うほどの濃醇さを感じたので、今回はちょっと期待していた次第。
ところが利き酒試飲コーナーの方に聞いて初めて知ったのだが、主要銘柄以外は3カ月ぐらいでくるくる代わっていくらしい。「ささ一 純米吟醸無濾過」についても、「以前、そんなのも造っていました」というさっぱりした回答。当然のごとく、今回は巡り会えず。それでも今年の新酒を含め、いくつか飲んで、その結果「笹一 純米・夢山水」(720ml、1,600円)を購入。夢山水とは酒米のひとつで、この酒は大月市内で穫れた夢山水を使っているという。辛口ではあるものの、旨みもそこそこ生きていて、余韻が楽しめる感じがした。
タダとは云え、日本酒ばかり飲んでいるとさすがに喉が渇いてくる。やっぱり、山から下りてきてビールを飲まない手はない。利き酒は終わりにして飲食コーナーに行き、冷蔵庫の中から勝手に富士桜高原麦酒を取り出して、レジで550円を支払う。キレはあまり無いがなかなか香りがあってイケる。この頃、笹一酒造はワインも造っているらしく、結構好評とのこと。そのうち、クラフトビールも造り出すかも知れないな、と思いつつ笹一酒造を後にした。さて、立川へ。

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笹一酒造公式HP: こちら 

「ふくべ」で一杯やりながら、だいぶ良い調子になっていた時のこと、店内の壁に懸っている、額に入った「日本橋のれん会」という古びた紙に目が止まった。「ふくべ」と並んで書かれている何れの店も古そうだ。店のお姉さん(女将?)に、このなかで今もやっている店はありますかと訊くと、紙を暫くじっと見て「・・・やぶ久さんですかね~」と仰る。早速Webで調べると、なんだ、目と鼻の先だ。で、はしごしてみた。(Webで調べた限り、蒲焼「はし本」も営業しているようだった。ここも直ぐそば。)
建物は、薄く切った羊羹のような鉄筋コンクリート造5階建てのビルだが、小粋な看板と黄緑色の暖簾が直ぐ蕎麦屋のそれとわかる。創業明治35年(西暦1902年)というから、優に100年を越えているが、結構モダン。中に入ると1階はテーブル席で、2階から上は座敷なのだろう。メニューを見ると流石、老舗だけあって一品料理が豊富だ。色々試してみたいが、時間が時間なので、焼き味噌と板わさ、そばがき、せいろをさっと注文。焼き味噌、最高。これさえあればいくらでも酒が飲める。板わさはぷりっぷり。そばがきは、更科風のように、色白でぷるんとした食感。これで酒が飲めるようになれば一人前と云えるが、もうちょっと修行が必要なようだ。
締めは、もちろんせいろ。ただし、この店のウリはカレー南蛮らしい。せいろ2枚を注文、そば猪口は3つお願いした。かなりの細打ちで喉越し感はやや物足りない気がしたが、ゆで加減、水切り加減は丁度良く、ボリュームも申し分ない。つゆも、如何にも「やぶ」らしい辛さ。この店も、宴会で使うのも良さそう。次回は、じっくり色々な料理をつついてみるか。

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やぶ久の公式HP: こちら 

昭和ノスタルジー居酒屋訪問シリーズも第7回目。今回は日本橋「ふくべ」。メトロ日本橋駅に至近だが、住所は八重洲一丁目。昭和14年創業。看板には「通人の酒席」と書かれていて、呑んべえゴコロをくすぐる。
入口を潜ると目の前は渋いカウンター席。満席である。右手の奥がテーブル席となっていて、4人掛けが4つ、2人掛けが2つある。我々が席に着くと、4人掛けと2人掛けが一つずつ空いている状態。天井も壁も良い感じに燻されていて渋い。この空間は妙に居心地が良い。2階は座敷で、Max.12人まで入れるとのこと。ここで宴会するのも悪くなさそう。お品書きには、ずらりと日本酒の名前。将にここは酒席なのだ。何れも昔からの有名どころで、昨今名前が売れてきたような新興銘柄は全く見当たらない。年季が入った居酒屋に並ぶ日本酒は、やはり年季が必要と云うことだろう。酒も肴も一切値段が書いてないが、気にせずがんがん注文。先ずはビールと共にぬたから。
日本酒は「菊正宗樽酒」からスタート。杉の香りが強い。この頃この手の酒は呑まないので、ちょっと新鮮。その後、「男山純米」、「菊姫純米」、「住吉純米」、「桃川本醸造」、「司牡丹純米」をいただく。肴は、厚焼き卵、海鮮納豆、はんぺん焼き、あじ干物、しめ鯖、さつま揚げ(小さ!)、たらこ(小さ!)、かます干物などを注文、ばくばく喰う。どの一品も昔から変っていないのだろう。
そのうち、くさや独特の臭いが漂ってくる。この店はくさやを出すことでも有名だ。和尚は、生まれてこの方喰ったことがない(!)と云うので、その臭いに乗じてこっちも注文。裂いた状態で出てくる。久しぶりに喰ったが、自分で喰った方が臭いは気にならない。味は申し分なし。ほぼ2時間、3人で凡そ1升ほど呑んで、肴ももりもりばくばく喰って、結果ひとり4,000円也。この店ではきっと上客だっただろう。
 
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三頭山からの帰り、瀬音の湯で汗を流し、ビールでのどを潤した後、アヒルちゃん、のりちゃんと(偶々三人とも立高OB/OGで)立川にて途中下車。特に目論見もなく南口に出て、立川駅南口は昔の面影が全く無いねと云いつつふらふら。いくつかの店を物色した結果、辿り着いたのが「なかさと」。「新そば」の張り紙が決め手となった。
暖簾を潜ってみると、民芸調の店内、我々が今夕で最初の客だったようだ。ビールと共に、焼き味噌ともつ煮込み、そして厚焼き卵を注文。焼き味噌は蕎麦の実がたっぷり入っていて香ばしい。こりゃ日本酒だ、ということで先ず「高清水」を注文。さらっと辛口すっきり系。いわゆる蕎麦に良く合う感じ。もつ煮込みはしっかり煮込んであり、味はとてもマイルド、クリーミー。居酒屋のものとは少々違う。日本酒は「菊姫 純米」に切り替える。こちらはちょっと濃醇、旨みが強い。厚焼き卵は結構なボリューム。出汁が利いているが塩味は控え目でとっても上品に仕上がっている。続いて、「田酒 特別純米」を試す。さらに甘み、旨みが強く余韻も長い。
もうつまみも無くなったので何か追加したいところだが、お品書きの一品料理で残っているのは和風ピクルスぐらい。店内を見渡すと、「帆立南蛮」とか「黒豚南蛮」の文字があるが、これはいわゆる南蛮蕎麦のことだ。だが、ダメ元で、黒豚南蛮に乗ってる具だけ出来ませんか、という無理な注文をすると、鶏ならばできます、とのことで、出てきたのが鶏ハムサラダ風の一品。美味い。なんでお品書きに載せないのだろうか。店主は、酒も、お品書きに無いものがいくつかあります、とのことで、その中から最後に頼んだのが「王禄」。やはり濃厚でこれが一番ガツンとくる。アヒルちゃん、のりちゃんも各々の違いを堪能した様子。
そして締めは当然、新そば。せっかくなのでニハそば、十割そば、粗引きそばを食べ比べてみることにする。其々、北海道産とか長野県産とか書いてあり、産地の違いはさっぱり判らないが、3つのそばの味、歯応え等の違いは歴然。個人的には粗引きが気に入った。きっとまた来るだろうが、そのときには、一品料理がもうちょっと増えていると有難い。

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三頭山で紅葉を愛でた後(山の記録はこちら)、元々は奥多摩湖へ下りるつもりだったが、手っ取り早く数馬に下ることとし、十里木で途中下車、「瀬音の湯」に立ち寄った。ここは、あきる野市が中心となった第三セクターが運営している日帰り温泉。宿泊施設も併設されていて、この手の施設としてはかなり大規模だが、今日もかなりの人出、相変わらず繁盛している様子。洗い場もさることながら、湯船は内湯も露天風呂も大賑わいである。それでも汗を流して湯船に浸かるのは(たとえカラスの行水にしても)気持ちが良い。リフレッシュしたら奥のカフェへ。さらに奥にあるレストラン(和風だいにんぐ川霧)は、午後3時から5時までは中休みなので、だいたいいつも閉まっているところしか見ない。
カフェで席を確保し、生ビール(470円)を注文。グラスはここのオリジナル。ここはつまみになるようなものは、牛肉コロッケ(130円)、鶏唐揚げ(420円)、味噌おでん(330円/3本)、もろきゅう(310円)があり、飲み物もビール以外に、秋川沿いにある蔵元の地酒が置いてある。川に面したテラス席もあり、本当はここでゆったりしたい気分もあるが、だいたいいつもバスの時間を気にしながら慌ただしくビールを飲み干すことになる。いつか泊まりで来てのんびり過ごすのも良いかもしれない。

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瀬音の湯公式HP: こちら 

月いちの、蕎麦好きおやじさん主催の格安居酒屋ツアー。今日の目的地は六本木。こんなことでもないと、会社帰りに六本木に来ることはない。場所は六本木のど真ん中、俳優座ビルの3階にある「小松」。六本木らしい洒落た店とは真逆でまったく飾らない、場違い的コンセプトの店。裏通りに入口があるので少々判りにくい。例の神楽坂「竹子」と同じ、謎の格安チェーンのひとつらしい。釣り天井が無く、天井裏がむき出しで、テーブル席の上に手荷物用の網棚があるところも良く似ている。
入口の看板には「本日生ビール210円」の文字が堂々と書かれている。つまり、曜日限定(もしかすると「本日」は毎日か?)ではあるものの、フルタイム、この価格ということ。本当にビールなのか疑いたくなる。そして、この鶏手羽揚げは、ひとつなんと50円。従って、生ビール4杯飲んで、手羽揚げ3つ食べても1,000円でおつりがくると云う、まさにセンベロ、育ち盛り御用達の店なのだ(勿論、小生は"量"には魅力を感じないので、そんな飲み方はしないけど)。ビールの後は、焼酎(いいちこ、ボトル2,100円)のお湯割りに移行。
到着は19時頃で意外に空いていたが、20時を過ぎる頃になると、いつのまにかほぼいっぱい。出足が遅いのは、この店は2次会で利用すると云う意味なのか・・・?、ちょっと謎である。麻婆豆腐(580円)、焼餃子(440円/2皿)、ミックスピザ(?忘れた?)、焼き鳥(?忘れた?)なども注文。それぞれ普通に美味い。ベンチマークのポテトサラダは喰い損ねた。きっと、「竹子」と同様、テンコ盛りで出てくるのだろう。わざわざ六本木に行って、ちっとも六本木らしくない店に入るのも、なかなか粋狂かも知れない。・・・そうか、粋狂しか来ないのか、だから直ぐには混まないのかー?!

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酒蔵 力(りき)は浦和、大宮界隈に複数店舗が展開する、知る人ぞ知る地元居酒屋チェーン。大宮には云わずと知れた「いづみや」があるので、ここを素通りするのはなかなか困難だが、今回は、鼻曲山を登って軽井沢からの帰りに大宮途中下車、なんとか東口駅前店に入店してみた。アーケード街の、「すずらん通り」に入って直ぐの左側、「いづみや」同様、駅から至近距離にあるので、途中下車組にはとても便利。14時開店とのことで、すでに結構賑わっていたがまだまだ余裕、すっと座れた。
イマドキの店らしく、店員は皆、若くて活気がある。「いづみや」のようにシルバー世代が醸す味はないが、それはそれで良い。飲み物のリストを見てみると、この手の店にしては珍しく日本酒もいくつか取り揃えているが、やっぱりここはホッピーで。つまみには先ず、ポテトサラダ(380円)、もつ煮(390円)、てっぽう(100円/本)を頼む。メニューを良く見ると、この店は基本的にもつ系、ハチノス刺(400円)、センマイ刺(380円)、バクダン(てっぽう入り辛味噌炒め;450円)、等々もあって、もつ好きだったらきっと泣いて喜ぶ品揃えである。
ポテトサラダは若者向けボリュームたっぷり。食材も味付けもごくスタンダード。もつ煮はじっくり煮込んであって、しっかり味が染み込んでいる。てっぽう(塩)には、東松山風に辛味噌が付いてくるスタイル。センマイ刺も注文してみる。さして美味という程ではないにしろ、独特の食感で新鮮さを感じる。新幹線で遠出して臓物系が喰いたくなったら、大宮で途中下車してここに寄る価値は十分にあるだろう。今度来るときには、是非、バクダンを試してみたい。

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店のHP: 酒蔵 力 大宮東口駅前店 

鼻曲山から下りて塩壺温泉でさっぱりしてから、旧軽井沢に繰り出した。登山姿は我々だけかと思っていたがそうでもない。ちらほら居るのは、碓氷峠辺りから下りて来たハイカーだろうか。それにしても今日は人の出が半端ない。避暑シーズンと全く同じ。ミカドコーヒーの名物モカソフトも、もう11月だと云うのに(今日はさほど寒くはないが)長蛇の列が出来ている。さて、ランチだが、微かな望みだった「川上庵」も「エンボカ」もお呼びじゃない程混んでいるようなので、どこか適当なところを見つけねばならぬ。ぶらぶらしているうちに、何処からかアーリオ・オリオの香しい匂い。見上げると2階にあるPasQua(パスクア)というイタリアンレストランから漂って来ているらしい。ダメ元で入ってみると、丁度上手い具合に空いたようだ。この店の食材は地元産であることを強調している。
メニューを見ると、ランチタイムのためか、ピザかパスタしかなく、つまみになるようなものは見当たらない。ここは天下の観光地、旧軽井沢なのだから、単に炭水化物で腹を膨らませるだけでなく(基礎代謝量が減っている者にとっては尚更)、昼間からちょいとワインを傾けつつ、色々料理をつまんでみたいと思う客はいるはず。店の回転を上げたいのはわかるけど、もうちょっと客のニーズに耳を傾けるべきではないだろうか(っていうか、そう思うのはオレだけ?)。ともあれ、ピザとパスタを各々2種ずつ、飲み物は赤ワイン、白ワイン、ジンジャーエール等を注文。店が混んでいるせいで、飲み物もなかなかやってこない。代わりに眠気がやってくる。
やがて、先ず飲み物が出てきた。冷やした赤ワインが出てくるが(店のセンスをちょっと疑うが)、味はまずまず悪くない。そしてまた暫くして「生ハムと地元野菜のピザ」が登場。食べ終わって暫くすると「アンチョビとコーンのピザ」が登場。その後、パスタ・・・、其々がコース料理の一部のように、たっぷり間をあけて出てくる。おかげで、その分、どんどんワインを追加注文することになる。ま、それはともかく、何れのピザもパスタも味は合格点。旧軽井沢にしてはまあまあ安いと云える料金なので、ちょっと時期を外して来る分には申し分ないと思う。

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鼻曲山の下りで、落葉松の紅葉を堪能し、カモシカにサプライズ遭遇。いつものことながら、カメラを構える余裕なし。随分とコロコロした感じのカモシカだったが、この時期に肥えていないと冬はのり切れないだろう。その後、タクシーで長日向から、日帰り温泉(1,000円)がある塩壺温泉ホテルへ(山の記録はこちら)。湯川沿いの林道はなかなかの渓谷美。道中、シカとカモシカの区別が付かないと云うタクシー運転手に、このちゃんが一生懸命説明していたがなかなか旨く伝えきれず。切羽詰まって、カモシカは「毛深い牛」みたい、という形容を捻り出したが、果たして運転手の頭の中にどんな姿が去来したのか少々興味深い。
千ヶ滝地区入口の星野温泉「とんぼの湯」辺りは賑わっていて、道路も駐車場に入れ切れない車で大渋滞。さすが軽井沢、さすが星野リゾート。かたや、そのちょっと先の塩壺温泉ホテルは、宿泊客が既にチェックアウトした後のせいかひっそりとしていて、巷の喧噪が嘘のようである。12時ちょっと前の到着。ホテルと言っても、入口でスリッパに履き替えるシステムで、旅館のようだ。貴重品をフロントに預けてから地下階へ。大浴場はほぼ貸切状態(ひとりだけ後からやってきた)。湯は熱からず温からず。
さっぱりしてロビーに戻ると、奥に、ラウンジが見える。メニューが出ているものの、客も係員もいなのでフロントで訊くと、何のことはない、フロント係の人が注文を受けますとのこと。それでは、と生ビール中(850円、乾きもの付)をオーダー。入湯料もビールもちょっと高めだが、ここが軽井沢のホテルだと思えばまあ納得。他のみんなもすぐに合流し、鼻曲山登頂を祝杯。大きな窓の外は真っ赤なもみじがあってなかなかの趣、ちょっと得した気分が味わえた。

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あいにくの雨で、剣の峰の登りはなかなかハードだったが(山の記録はこちら)、その分、山を越えた先の「金湯館」では癒された。10年近く来ていなかったが、佇まいは概ね昔のまま。午後2時前の到着、宿の人総出で迎えてくれた。大女将が、濡れた合羽やザックカバー、スパッツ等は、干しておきましょう、と預かってくれる。有難い心遣い。通された二間続きの部屋こそが、伊藤博文等が明治憲法を起草するために逗留していた処と聞かされた。
早速、風呂へ。ぬる好きの小生でもぬるいと感じる湯だが、その分長く入っていられ、温まる。さっぱりしたら、部屋に戻り、ビールを皮切りに小宴会。豪華なつまみが集合した。ワインはコノスル・カベルネソーヴィニョン、日本酒は麓井・純米本辛 圓(まどか)、屋守(おくのかみ)・純米無調整生詰を用意。障子は雪見障子になっていて、外の紅葉が見える。ちょっと贅沢な気分。夕食、朝食とも部屋食。地のものが使われた料理はなかなか食べ応えがある。これで1泊9,500円(税別)と、北アルプス辺りの山小屋と変わらない料金。素晴らしい。
二日とも雨を覚悟していたが、翌朝は、山の神の御目溢しのような快晴だった。

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