山から下りたらこんな店 - 副隊長の自己満足

山から下りて、ひと風呂浴びてから一杯やるのは醍醐味の一つ。しかし、最近はどっちが主なのか、判らなくなってきた・・・。

2014年06月

今日は登り始めから下山までシトシト雨。こんな日のためにとっておきの日川尾根を逍遙した後(山行記録はこちら)、嵯峨塩鉱泉で汗を流し、湯上りビールを呷ってから立川に出る。今日の目当ては居酒屋「青海」、ここは立川と言うよりも南武線の西国立駅の方が近いくらいか。一応電話で予約を入れてから、開店時間17時直後に入店。その後次々と客が入ってきて満席になるまでそれ程の時間はかからなかった。店のネーミングも赤い看板も中華料理屋を連想させるが、れっきとした居酒屋で、特に日本酒がウリ。長崎「福田」純米吟醸、秋田「秀よし」純米、高知「九礼」純米、福岡「庭のうぐいす」純米吟醸などを飲んだが、どれも初めて飲む酒ばかりで、皆、美味かった(些か飲み過ぎてどれがどれだか・・・)。
バイガイの煮付け、茎わさび醤油漬け、ポテトさらだ(玉蜀黍入り)、玉蜀黍の天麩羅(甘い!)、鰯のなめろう、鯵のたたき、薩摩揚げ、鮭トバ炙り、岩ガキ、岩海苔塩サラダ、〆鯖等々、たらふく飲んでたらふく食べた。厨房を若者一人だけでこなしているのが中々すごい。接客も基本的に若者一人だけだった(やや遅くなってからオバサンが手伝っていた)。もうちょっと立川駅に近ければ有り難いが、それでもまた行って、今度は(カパカパ飲まずに)じっくりと酒の味を吟味したい。

DSC_0220

DSC_0221

DSC_0222

DSC_0224

DSC_0225

DSC_0226

DSC_0228

DSC_0229

DSC_0231

DSC_0232

DSC_0233

DSC_0234

DSC_0235

DSC_0236

DSC_0238

DSC_0240

DSC_0243

DSC_0244

DSC_0245
 
店のHP: 青海 

この頃[番外編]の方が多いのでは・・・というご指摘はさておき、先週に引き続いて、鄙びた居酒屋へ、仕事帰りにアユラシと行ってみた。実は「根津の甚八」で出合ったお客の一人が教えてくれた店である。ところは銀座二丁目、歌舞伎座の二ブロック北側の辺り、と言ったら判り易いだろうか。ビル群の谷間に、取り残されたような木造商家。安易にレトロという言葉だけでは表しきれない、鳥肌が立つような光景である。歴史的建造物オタクだったら感涙に咽ぶところだ。オタクならずともこの僥倖に感謝したい。それにしても、こんな建物が残っているとは・・・、銀座は意外と広い。店内も外観同様、異次元世界。天井が高くて気持ちが良い。当然、BGMも無く静か。さほど敷居の高さは感じない。18時30分入店だが、先客は1組2名のみ。普段もこうなのか、それとも今日の天気がいまいちのせいか、はたまたサッカーW杯でボコボコにされ、皆元気を失くして家飲みなのか判らないが、(建物よりはお若いと思われる(失礼!))店員さんに、カウンターだったらどこでもどうぞと言われ(テーブル席は3人以上ということだろう)、一番奥に座る。昨日、念のため、予約をしておこうと電話を入れてみたとき、2、3人だったら全く問題ない、と言われたのが良く理解できた。厚さ20cmくらいありそうな無垢板のカウンターテーブルが、長い年月のせいか端っこの方が大きく反っている。きっとこの板は、秩父錦をたっぷり飲んでいるのに違いない。
微かな興奮が冷めやらないまま、先ずは生ビールを注文してから、壁に貼ってあるメニューを眺める。短冊状のメニューもかなりセピア色。料理はカミカツとポテトサラダから注文。その後、もつ煮込み、トビウオのなめろう、泥鰌の唐揚げ、さつま揚げを注文。カミカツとさつま揚げは、この店の名物らしい。さつま揚げは、出てきたときはまんまる膨らんでいるが、冷めると萎んでしまう。繋ぎにヤマイモが多く使われているようだ(小生、ヤマイモには人一倍、過敏なので(笑))。ポテトサラダは正統派で、大宮の「三悟晶」よりも舌触りが滑らかだが、量は半分程度。もつ煮込みはサッパリ系。泥鰌はカリカリで泥臭さは全くなく美味。なめろうにトビウオとは珍しいが、強い粘りが出るほど叩いてあって、酒の肴にぴったり良い感じ。酒は当然、秩父錦。まずは「にごり」から。かなり濃厚で甘め。続いて「寒造り」と「辛口」もひやで注文。「辛口」は相当ピリピリで酸味も強い。我々両名とも「寒造り」の方が舌に馴染むようだ。
酔うほどに、ぽつぽつと客が増えてきたが、それでも我々が帰るまで、客の入りはせいぜい席の半分程度。こういう雰囲気に、落ち着ける人とそうでない人がいるのかも知れない。様々な有名処の日本酒を安く、ワイワイと立ち飲みでき、かつ内装には拘らない店と、秩父錦だけを店の雰囲気で飲ませるこの店は対極にある。どちらかと言えば後者を好む者としては、この建物が無くならないうちに何度でも来てみたい。
(残念ながらスマホ(Galaxy S3)画像なので、鮮明さはご容赦願いたい)

image(8)

06-25@18-24-53-556

image(6)

image(4)

image(7)

image(11)

image(9)

image(13)

image

image(2)
 

山の帰り、大宮で途中下車したら、殆どの場合「いづみや本店」か「いづみや第二支店」に入ってしまうが、今回は心を鬼にして素通り(笑)。日曜日の16時過ぎなので、開いている店は限られるものの、南銀通りは相変わらず賑やかだ。通りの左手、雑居ビルの1Fにある居酒屋「三悟晶(さんごしょう)」に入ってみる。草臥れた暖簾に味がある。店構えも店内も、見るからにオヤジ御用達的大衆居酒屋。敷居の高さを全く感じさせない安心感がある。所沢の「百味」を彷彿させる。かなり広い店内に客はちらほら程度でとても静か。飲み物はホッピーを注文するが(新幹線では日本酒一本槍だったので少々喉が渇き気味)、この店の日本酒は高知「司牡丹」がスタンダード。他にも数種類の日本酒が置いてあるようだ。大衆居酒屋らしく、ビールもサワー類、焼酎、ウィスキーなどの品揃えも豊富。料理も魚介系や串焼き系、野菜系等色々ある。その中から、ポテトサラダ、ラビオリ揚げ、肉豆腐を頼んでみた。ポテトサラダは何の奇を衒ったところのない正統派で、ボリュームもたっぷり。ラビオリ揚げは、炭酸系の飲み物に良く合うB級グルメ的一品、ディップとしてトマトケチャップがついてくるところがちゃんとしている。個人的には気に入っているつまみなのだが、置いている店はありそうでなかなか無い。この店は、体脂肪やプリン体を気にしているオヤジにも優しく、安心して良い気分になれそう。今度来るときは大人数でワイワイやるのも良さそうだ。それにしてもこの店のネーミングが気になるが・・・。

 DSC_0176

DSC_0177


DSC_0178

DSC_0179

DSC_0180

小嶋屋でへぎ蕎麦を手繰った後、同行者のご希望により、直ぐ傍にある越の室/利き酒コーナーに行ってみた。相変わらず今日も結構な賑わい。オジサン、オバサンよりも若者の方が多い。こちらはすでに小嶋屋でだいぶ酒が入っているので、4人で10種類の酒だけ賞味(1,000円分)。小生は、「麒麟山」純米、「天領盃」純米、「伝衛門」純米吟醸、「白瀧」生酛純米、「君の井」山廃純米吟醸を賞味。「麒麟山」は新潟淡麗辛口の代表格だが、深みも感じる。「天領盃」はコクが強い感じ。「伝衛門」はマイルドで芳醇。「白瀧」もマイルドで旨味強し。「君の井」はコクと旨味。何れもなかなかの逸品だと感じたが、中でも「白瀧」生酛純米と「君の井」山廃純米吟醸は、いつか取り寄せでじっくり味わいたい。どちらも、さっぱりした肴では負けそうな強さを持っている。この頃は旨味がちょっと気になる。この次も近くの山を登って、越後湯沢駅から新幹線で帰る際には、きっとまたここに来ることになるだろう。 

 DSC_0166

DSC_0167

DSC_0169

DSC_0170

DSC_0171

DSC_0172

DSC_0174


雨の中を平標山から下りて、700年の歴史を持つという貝掛温泉でさっぱり汗を流したあと、越後湯沢駅に出てちょっと遅めの昼食。今日は手近な店ということで、駅構内の「湯沢がんぎどおり」にある蕎麦屋・小嶋屋に入ってみた。本店が十日町にあるらしい。結構、客の入りが多く、10卓ほどあるテーブルは概ね埋まっていて、10分ほど待ってからの入店。その間、偶々、土産物屋通りの特設ステージでやっていた、箏とバイオリンのコラボ演奏で「アナと雪の女王」主題歌を拝聴。
一番奥のテーブルに案内され席に着くと、もうビールは貝掛温泉で飲んできたので、始めから日本酒にすることに。メニューを見ると新潟の酒が7種類ほどある。先ずはその中から十日町・魚沼酒造の「天神囃子」(日本酒度±0度。種類は不明)を注文。甘口とのことだが、さらりとマイルドで旨味が引き立っている。酸味は抑えめで、吟醸香は感じない。続いて同じく十日町・松乃井酒造場の「松乃井」(日本酒度+5度。これも種類は不明。クレームするつもりはないけど、できればメニューには、吟醸とか純米とかも併記しておいて欲しい。調べた範囲では、例えば松乃井には純米、吟醸など12種類もあるのだから。店の主は酒には些か無頓着かな)を注文。これも吟醸香は感じないが、しっかり旨味が生きていてコクと酸味が程良い自分好みに感じる。
つまみは天麩羅盛り合わせ、玉子焼き、板わさ、油揚げの炙り焼きを注文。天麩羅は、海老に舞茸、茄子、さつま芋が盛り合わせ。藻塩で頂く。玉子焼きに餡が掛っているのは小嶋屋の流儀か、はたまた新潟スタイルなのか・・・。油揚げは、ぶ厚い栃尾産。そして最後の〆はもちろん、へぎそば。とても良く冷えていて、ふのりが入ったへぎそばならではの、つるつる喉越し感が気持ちいい。よく有りがちな駅ナカ蕎麦屋の蕎麦とは全く一線を画す味わいである。

DSC_0162

DSC_0163

DSC_0164

DSC_0165
 

アユラシと二人で、およそ30年ぶりに「根津の甚八」に行ってみた。不忍通りから一本裏に入っただけで、とても静か。辺りに普通の民家が結構多い。30年前は年配の男主人が店を切り盛りしていたが、暫くして店を畳んだらしい。この男店主は閉店時間(たぶん9時だったように思う)になると何の前触れもせず、パシッと天井の照明を消すので、客はもう帰らざるを得なかったのを鮮明に覚えている。閉店後は5年ほどそのまま放置され、今の女主人が店を受け継ぎ再開、それから18年経つのだと聞いた。
カウンターは7席ほどで、奥に8畳の小上がりがある小じんまりした店。築100年以上という建物の歴史がもつ、独特の空間と時間の流れがここにはある。カウンターの照明は白熱電球2個のみ。折り紙などが飾ってあるところが、如何にも女性の店主らしい。エアコンはあるが、入口の引き戸を開けておくと、意外に爽やかな風が入ってくる。この建物は夏は結構涼しいが、冬は隙間風が入ってとても寒い、と店主は仰る。ビールはアサヒとキリンがあるが、日本酒は秋田の太平山のみ。他に焼酎(その名も「根津の甚八」)などもある。肴は美味しそうなのが並んでおり、そのなかから、わた入りイカ干し、鯖の燻製、鶏ささ身の燻製と煮玉子をいただく。どれも美味で日本酒に良く合い、ついつい酒が進む。
先客は何れも一人客で3名。その後、入れ替わりでもう1名。それぞれ酒にまつわる興味深い蘊蓄話を聞かせてくれ、何方も居酒屋に関して拘りと一家言をお持ちとお見受けした。この店にして、この客あり、といったところか。隣のお客から肴のお裾分けまでいただく。店主も、興が乗ると色々話を聞かせてくれる。ここ根津で店を始めるには様々な苦労があったらしい。根津という土地は京都のように、他人に対してはとても冷たいところだが、いったん知り合いになるととても温かいとのこと。隣近所と知り合いになるまで10年かかったとも。
大人数でワイワイやるのではなく、ここだけの空間と時間を肴に、ちびりちびりと酒を飲むことが、この店のなによりの贅沢だと思われる。
(残念ながら店内はスマホ(Galaxy S3)画像なので、鮮明さはご容赦願いたい)

_DSC3260

20140617_183809_Android

20140617_184714_Android

2014年2月7日以来の「大越」入店。隣を見れば、「升亀」があった場所はすっかり片付けられていた。赤レンガ製高架がそのまま剥き出しになっていて、下はもぬけの空。もう「升亀」は、記録と記憶の中にしか残っていない。かたや、「大越」はいつもと変わらぬ風情で迎えてくれる。午後8時を回っていたせいか、意外にも空いている席がいくつかあり、すんなり一番奥のテーブルに就けた。早い時間から入っていた客が、大方入れ替わる時間帯なのかもしれない。従業員もそれほど忙しそうではない。客の殆どが男性サラリーマンであるが、女性もチラホラいる。心なしか、前回よりも静かな雰囲気。さて席に着いたら飲み物はホッピー黒、つまみにクジラベーコン、ポテトサラダ、身欠き鰊を注文。クジラベーコンもポテトサラダも、いつもと変わらぬ味だが、なぜか今日の身欠き鰊はタレ焼きではない。忘れたのだろうか。それとも何も言わなければ塩焼きになるのだろうか。そもそもここには、タレ焼きと塩焼きの2つのメニューが存在するのだろうか(注文時には何も訊かれなかったはずだが・・・)。前々回に食べた身欠き鰊がどうだったのか思い出せない。あー、また次回、確認するしかなさそうだ。
(残念ながらスマホ(Galaxy S3)画像なので、鮮明さはご容赦願いたい)

20140616_201457

20140616_202105

20140616_202916
 

昨今、漁獲高が激減して蒲焼が高騰しているとか、絶滅危惧種に指定されるとか、産卵場所が見つかったとか、人工ふ化に成功したとか、いろいろ巷を賑わしている鰻。蒲焼の値段もかなり上がっているようで、皆このようなニュースには敏感である。しかし考えてみれば、昔から鰻は日常食ではなく高級品だったのに変わりは無い訳で、さして驚くことも嘆くこともないが、もしかして蒲焼がもう食べられなくなる日が来るかも知れないとなれば、やはり食べられるうちに多少無理してでも食べておこうという気にもなる。できれば牛・生レバーの二の舞は避けたい(牛・生レバーの販売禁止は、ケシカランことに、小生がマレーシア長期出張中に決定され施行されたので、今のうちに食っておこうということができず、マレーシアで只々、地団太を踏むしかなかったのだ・・・)。
そのような気が働いたのかどうかはさておき、久しぶりに鰻屋に入った。店は神田駅西口にある「うな正」。神田と言えば、それこそ漸くマレーシアから帰って来たときに、皆に連れて行ってもらった「きくかわ」があるが、ここ「うな正」は正統派鰻屋とは少々趣が違っている。1階はカウンター席のみで、客が入れ替わり立ち替わりのようだが、2階は座敷になっていてゆっくりとできる。メニューを見ると、料理が意外と豊富である。それも、うざくやう巻き卵、肝焼きのような、良くある鰻料理だけでなく、普通の居酒屋にあるようなつまみのメニューもある。酒も有名どころがいくつか置いてあるので、長居したい人にも向いている。とはいえ、せっかく鰻屋に入ったので、やはり、鰻蒲焼をはじめ、白焼き、う巻き卵、うざく、肝焼き、骨焼きをいただくことにした。酒は一の蔵をチョイス。どの鰻料理もリーズナブル(蒲焼と白焼きは、その時に焼いている鰻の大きさによって都度、値段が違うようである)。蒲焼は直ぐに出てくるので、注文とは無関係にどんどん焼いているようだ。他にも鰻の素焼き(焼きだけで、蒸していないらしい)とか、八幡巻、天麩羅、柳川などもあって、次の機会には是非賞味してみたい。ここは、様々な鰻料理を食べてみたい者にはうってつけの店であると思う。

20140616_190556

20140616_190729

20140616_190801

20140616_190805

20140616_191213

20140616_192141

20140616_194029
 
店のHP: 神田/うな正 

梅雨の中休みに、何処から登ってもタフな山、滝子山を東稜(間明野・金山神社~切目峠~恵能野川渡渉~鞍吾山~葛野川線19号鉄塔~御上人のタル~山頂)から登った帰り(山の記録はこちら)、やまと天目山温泉で汗を流してさっぱりしてから、いつものように甲斐大和駅前のコンビニでビールなどを買い込んで、丁度やってきた立川行に乗車。立川駅は19時02分に着いて、先ず目指した「かぶら屋」は残念ながら満席で、少々出遅れた時間でもあり何処もいっぱいかと危ぶんだが、そのすぐ先の「立川やきとん」は、旨い具合に我々5人分が入れるテーブルが空いていた。店員は皆若者たちでてきぱき活気があっていい。
もうビールは充分飲んできたので、日本酒からスタートすることとし、王禄・純米をチョイス。超辛口とのことだか、旨味があってソフト。つまみ無しでもクイクイいけそう。その後飲んだ、姿・特別純米も旨味が生きている。この店は、テッポウをはじめとするもつ焼きがメインなのだが、ハムカツ(肉厚でジューシー)やポテトサラダ(チーズが入っていて独特なテイスト)、フライド山芋(アレルギーがある小生も、ひと齧りだけ賞味)、山盛キャベツ、肉豆腐、鶏たたき等もオーダー。良いタイミングでどんどん出てくる。サービスも申し分ない。もつは勿論、シロとテッポウ。塩も良いが、タレもなかなかの味で美味かった。きっとまた来るに違いないが、いちおう次はかぶら屋のもつ焼きを試すだろう。
ところで、我らの隊長はどうやら東稜の登りでストックを落としてきたらしい。もし見つけた方は是非ご一報頂きたい。

_DSC3257

_DSC3255

_DSC3241

_DSC3243

_DSC3245

_DSC3246

_DSC3247

_DSC3248

_DSC3252

_DSC3253

_DSC3254

奥多摩の山から下りて奥多摩駅へ戻る時、思い出す店がある。今でこそ駅前界隈には10軒を超す飲食店(≒小生の定義では、アルコールを置いてあって、かつ某かの肴もある店)が軒を連ねているが、10年くらい前までは、飲食店と言えば「寿々喜家」か「丸花」くらいしかなかった。駅前でちょっと寄って行こうかというときに、何度か「丸花」に入ったことがある。決して「寿々喜家」が美味しくないということではないが、何となく「丸花」の店の佇まいが気に入っていた(学生や会社員になりたての頃は、逆に「寿々喜家」ばかりだった。飲み気より喰い気ならば「寿々喜家」ということだろうか)。
「丸花」は外観も勿論、昔から思い切り枯れていたが、内装もまた、良い具合に枯れていた。ざるそばで締める前、酒はいつも澤乃井・純米四合瓶。隊長とタマちゃんと凸さんが揃うと、1本ではもちろん足らない(それで勢いが付いて、立川あたりで梯子するのは言うまでもない。なにせその頃は毎度のように終電近くまで飲んでいた)。簡単なつまみ(刺身とか野沢菜漬だったっけ?)があったように思う。その店がいつのまにか閉店になっていた(2010年11月撮影のGoogleストリートビューでは、店の入口に張り紙(さすがに文言は読めない)がしてあるのが分かる)。
いつ頃から行っていなかったのかはっきりしないが、拙い山の記録に残していた限りでは、2004年7月のようである。そのあたりから奥多摩駅前では飲むことをせず(角の「スーパー小川」で電車内用のビールだけ仕入れ)、立川「だるま」等へ直行するようになったのかも知れない。その頃でも店のお母さんはだいぶ齢を召されていたように記憶しているので、もう厨房に立てなくなったということが閉店の原因かもしれない。もっと行っていれば良かった、と閉まった後にいつも気が付く。こちらがだんだん渋い店が好みになってきたのに、逆にそういう店が次第に無くなっていくのは、世の倣いとは言え全く残念である。これから益々、未だ営業中の骨董品的飲食店を今のうちできるだけ通うことになりそうだ。

28

勝沼ワインをぶどうの丘で味わった後、中央線に乗り込み立川へ移動。未だ午後5時前だったので目当ての「味工房」の看板には灯がともっていなかったが、雨の中、辺りをひと巡りするうちに丁度開店、来客第一号で入店した。度々お世話になっている「だるま」のすぐ隣である。店は1995年開業とのことなので、何時も目にしていたはず。
中に入ってみると、意外に奇麗でそんなに経っているようにはみえない。スタッフも皆若い。先ず飲み物メニューを拝見、梅酒や焼酎の種類もかなり豊富だが、日本酒は飛露喜や田酒、十四代、亀の翁など有名どころがズラリと揃っているだけでなく、澤乃井、嘉泉、多満自慢、桑の都、喜正など、多摩の地酒が充実しているのがうれしい。先ず、嘉泉 純米吟醸から頂く(同行のなおちゃんは、澤乃井 純米吟醸)。続いて桑乃都 純米八王子城を注文。どちらもさほど辛口ではなくコクと円やかさが特徴的。料理メニューは、和洋中、結構いろいろあって幅広いが、残念ながらポテトサラダやハムカツは(それとカシラとかシロも)無いので、むしろ普段食べていないものを食べられる感じ。刺身も充実。日替わりメニューもあって、意欲的。定番メニューから大根サラダ、スパニッシュオムレツ、日替わりメニューからにしんの刺身(珍しい。勿論、新鮮)、のどぐろ唐揚げを各々注文。それぞれ申し分なく美味い。この店は、我々が普段馴染んでいる大衆居酒屋系には無い、味と雰囲気が楽しめるところがウリだと思う。臓物系に飽きた時には是非どうぞ。

DSC_0033

DSC_0038

DSC_0035

DSC_0034

DSC_0036

DSC_0037

DSC_0039
 
店のHP: 居酒屋味工房 

梅雨のはしりに日川尾根を歩く予定が、大雨で県道大菩薩初鹿野線が規制雨量に達し通行止めとなり、栄和交通の上日川行バスが不通となってしまったため、急きょ勝沼ぶどう郷駅からアプローチできる宮宕山に変更し、そのまま大滝不動尊からタクシーで天空の湯に入ることになった(山の記録はこちら)。勝沼ぶどう郷駅からはタクシーでワンメーターの距離。湯上りに「天空の湯 温泉ラウンジ」で生ビールを呷ったあと、まだ時間が早いのですぐ隣の「ぶどうの丘 展望レストラン」に入ってみた。あいにくの天気の割には眺めは悪くない。もし晴れていれば、南アルプスの大展望が期待できる最高の場所にある。ここはちょっと気取った店なので、ほんとは泊りで来てゆったりとディナーを楽しみたいところだが、グラスワイン一杯ぐらいであれば気楽に飲める。つまみにはオードブル盛り合わせを注文。昼下がりのひと時をまったりするには申し分のない店である。

DSC_0026

DSC_0029

DSC_0030

DSC_0032

P6070123
 

会社帰りに、蕎麦好きおやじさんに連れられて鶯谷の「関所」という居酒屋に入店。到着時間が18時30分を回っているにもかかわらず、すぐ隣がラブホ街のせいか、近くの「信濃路」や「加賀屋」と比べても、意外と空いている。客はおやじばかり。ここには普通の居酒屋にありそうな料理はだいたい揃っている感じ。それに加え、刺身関連のバリエーションがあるのがうれしい。値段も手頃で味も平均点以上。飲み物も、日本酒や焼酎が各々いくつか揃っているので全く問題ない。我々は生ビールのあと、黒霧島をボトルで頼み、ホッピーやお湯で割って飲んだ。さんざん料理を食べ、飲んで、一人当たり3,000円強と、まあまあ普通。店内が静かで、女性店員達が如才なくかつ礼儀正しいところがこの店のウリだろう。土曜日、山の帰りに果たして鴬谷へ直行するかどうかは意見が分かれるところか・・・。

_DSC3155

_DSC3142

_DSC3145

_DSC3146

_DSC3147

_DSC3148

_DSC3149

_DSC3150

_DSC3151

_DSC3152

_DSC3153


「東白庵かりべ」で蕎麦を手繰った後、まだ外は明るかったので、そのまますぐ近くにある、噂の居酒屋「竹子」に寄ってみた。何が噂かと言えば、神楽坂にあっても目立つほど、居酒屋らしからぬ立派な門構えの店なのに、生ビール、チューハイ、ハイボール等が年中終日180円!という激安情報を蕎麦好きおやじさんから入手したからで、どんな店なのか確かめに行った次第。やっぱりそれはそれは立派なエントランスで、飲み物の激安価格も変わっていなかった。確かに、何ら前知識がないと相当入り難い。内装は門構えとは裏腹に、やっぱり普通のちょっと小奇麗な居酒屋風である。かなり広い。この店には2階も3階もあるらしいが、1階へ。先客はテーブルの半分くらいしか埋まっていないものの(開店は午後5時)、それでも結構予約が入っているようで、店員はどこでもどうぞ、とは言わず、あそこでお願いします、と壁際のテーブルを指差す。真ん中に据えられたロングテーブルはグループ用なのか、無垢の一枚板で何処から入れたのかと疑うほど長い。先客は、一人連れの客から若者のグループ、年金生活者と思しき集まり等、様々。暑い日ではあったが、今日は日本酒を飲みたい気分だったので、あえて180円ドリンクは注文せず、一ノ蔵・本醸造辛口冷酒(300ml、880円)を頼む。つまみはホッケ焼き(580円)とエシャロット(380円)、ポテトサラダ(480円)を注文。つまみはどれも普通の値段だが、普通以上に美味いので満足。山の帰りに神楽坂はちょっと来難いが、それでも何処かで勢いが付いた晩にはうっかり来てしまう恐れもある。なにしろ年中無休で朝5時(!)までやっているのだ。その時は、180円ドリンクと共に、巻き寿司とか餃子も食べてみたい。

_DSC3136

_DSC3138

_DSC3140

_DSC3141
 

飯田橋に行くというカミさんの用事に合わせて、日曜日に神楽坂へ行ってみた。新橋や神田、北千住などサラリーマンの街にある居酒屋は、ほとんどの場合、日曜日は定休日だが、ここ神楽坂は、上野や浅草と同様、観光地なのか、夕刻からは勿論のこと、真っ昼間から酒が飲める店もある、大変有難い街である。その神楽坂で、予てより気になっていた「東白庵 かりべ」に行ってみた。エントランスがちょっと変わっていて、建物と塀の間の、外界から店に入るまでの時間と空間を区切るアプローチが、あえて長めにとってあってちょっと面白い。店に入ってもテーブルや椅子等の調度品、壁なども独特の雰囲気を醸している。聞けば案の定、ご主人は柏の竹やぶで修行していたとのこと。料理だけでなく、世界観も受け継いでいるようだ。
一応予約は入れていたものの、まだ午後5時前だったせいか客は我々のみ。人気の店のようなので、日曜日は狙い目なのかもしれない。生ビールと共に、アラカルトで前菜盛り合わせ、野菜天ぷら、稚鮎と切干大根の南蛮漬け、玉子焼き、焼き味噌などを注文。蕎麦はせいろと田舎せいろにしてみた。田舎せいろはコシだけでなく弾力もあって個人的には良い感じの歯触りと喉越し。つまみメニューを見た感じから、今回はビールの後は日本酒(五橋・純米吟醸)を頼んだが、この店は意外とワインのストックが豊富だった。今度は、そばに合うワインを探しに来てみたい。 

_DSC3133

_DSC3127

_DSC3128

_DSC3130

_DSC3131

_DSC3132
 

赤城山(黒檜山)に登った帰り(山の記録はこちら)、珍しく池袋まで来て、昭和レトロ感を売りにした居酒屋、「半兵ヱ 池袋東口グリーン大通り最初の路地を左に曲がったビックカメラ裏店」(それにしても店の名前が長いな・・・。)に行ってみた。上州や信州の山に登った帰りは、これまで決まって大宮で途中下車(そして殆どの場合「いづみや」に入店)だったが、都心の居酒屋情報に意外と詳しい(かつ、なるべく山手線の外に出たくない)アユラシが、夜の部参加の際に池袋のこの店をリコメンド。今回は新幹線ではなく、前橋から在来線をトコトコ乗ったことで、池袋は寄り易いイメージもあった。昭和ノスタルジーを積極的に演出しているのではなく、地でやっている昭和の店(つまり古い店)だったらそこそこ知ってはいたが、都心だけでなく北海道から鹿児島まで、全国中に店を展開しているこのチェーン店のことは、全く知らなかった。池袋にはもうひとつ「半兵ヱ 池袋サンシャイン60通り店」もあるらしい。
店に入ると、映画のポスターや商品の宣伝ポスター、ラベル、ブリキおもちゃなどが並んでいて、レトロ感満載。確かに中には当時のものもあるようだが、ポスターなどは良く見ると、印刷が新しいようなので復刻版乃至は復元版とでも言うべきかもしれない。また、昭和と言っても昭和初期のイメージであり、我々が馴染んだ昭和よりも一世代ほど古い感じで、懐かしさが必ずしもストレートに伝わってくる感じでもない(川路民夫主演の映画のポスター、なんてなぁ・・・)。店は意外にすいているが、どうも全て予約が入っている模様、かなりの人気なのである。我々の隣のテーブルは、ギャルばかりでやけに盛り上がっていたが、今時の若者の眼にはこの店の世界観はどう映っているのだろうか(ちなみにそのギャルたちはどうも10代のように見えたが、気のせいかもしれない)。
昭和ノスタルジーは店内装飾だけではない。アユラシはつまみ(?)に、砂糖ときな粉が塗してある揚げパン(コッペパン;180円。小学校時代、給食のコッペパンがさほど美味いとは感じていなかった小生は、特段、食指が動かない)や、すいとん(150円)を注文。もちろんそればかりではなく、焼き餃子(150円)やハムカツ(180円)、ポテトサラダ(なんと100円!)など定番メニューもある。それにしてもここはつまみが安い。一番高い、煮込み5点盛りでも390円である。決してその分、量が少ないわけでもない。薄利多売と看板に書くだけのことはある。ちなみにお通しは、380円と比較的高めだった。ビールを飲んだ後は、烏龍ハイやハイボール等の定番飲み物以外に、闇ハイ(290円;なんだかよくわからなかった)や電気ボール(290円;たぶんデンキブランの水割り)、アヒルのカクテル(390円;アヒルのおもちゃが浮いているだけ?)などにトライしてみた。最後には湯呑茶碗に入ったスープと、女性にはうれしい(アイスクリームではなく)アイスクリンが無料サービスで出てくる。このチェーン店は立川にもあるようなので、そのうち入ることになりそうだ。

 _DSC3106

_DSC3108


_DSC3109


_DSC3110


_DSC3111


_DSC3112


_DSC3115


_DSC3118

ところで話は遡るが、赤城山から下りてきた後、汗を流すために近くにある日帰り温泉(富士見温泉・見晴らしの湯ふれあい館)に寄ろうと、赤城山ビジターセンター発前橋駅行急行バスの運転手に、何処で降りたらいいか聞くと、「畜産試験場入口で降りてから約1km歩く必要があります」と聞かされ、実際には14時30分(時刻表では14時23分)に下車しその通り、暑い中10分程歩いて14時40分くらいに着いた。一方で、富士見温泉始発で前橋駅行のバスに乗る予定だったのだが、そのバスは、富士見温泉を15時15分に出た後、次のバス停が畜産試験場入口である。知らなかったとはいえ、1km歩いた10分間程汗をかいた上、風呂に入っている時間が短くなって大慌てで入浴した次第。つまり言いたかったことは、赤城山ビジターセンター発の急行バスは1kmだけ寄り道してくれれば、わずか10分間であっても暑い思いをして富士見温泉まで歩かずに済み、かつ長い時間風呂に入っていられる訳である。バスにとって1kmの寄り道はたかが知れているし、利用者拡大も期待できるはず。カスタマーサティスファクションとセールス向上が同時に図れる良いアイデアだと思うので、是非とも関越交通バスには善処して頂きたい。
ついでにもう一つ。上述した富士見温泉15時15分発のバスは、予定ではJR前橋駅に15時44分に着くので、15時49分発の高崎駅行両毛線電車に乗るつもりだったのだが、特に道路渋滞もなかったのに、駅到着は15時48分。一応走ってみたものの間に合わなかった。電車の接続を考え、もうちょっとゆとりを持ったバスダイヤにした方がいいのでは?(勿論、バス運行をもう少し時間に正確にしてもらっても良いが・・・)

↑このページのトップヘ