すっかり涼しくなってきたので、久しぶりに甲府の北にある低山、奥秩父の前衛とも云える山塊(そもそも甲斐の国なのに"秩父の奥"という呼び方には昔から違和感があった)に足を踏み込んでみることにした(と云っても計画したのは残暑厳しき頃)。帯那山そのものは1時間程で登れてしまうので面白味は少ないが、そこから塔岩川左岸尾根(仮称)を辿り阿梨山を通って甲府市街地まで延々と下ってみた。無風快晴で絶好の行楽日和だった(山行記録はこちら)。
帯那山山頂から南に富士山、北に金峰山が望め、眺めは申し分ない。ここはサクラの名所になっていたと思ったが、今はすっかり立木が無くなり切株だけが残っている。下り始めると、一部林道を辿る部分からは東に大菩薩連嶺、西に甲斐駒ヶ岳を始めとする南アルプス連峰が望めるが、尾根を辿るようになると暫くはほぼ、眺望が利かない。
阿梨山(手前に吽梨山、中之岳があって、合わせて阿吽三山というらしい)を過ぎて、支尾根に入ると突然眺めが良い露岩帯に出る。富士山から南アルプスがぐるりと見渡せ、眼下には千代田湖も視認できる。まさしく白砂青松なこの場所には、国土地理院の地図を見る限り地名が付いていないようだ。
この界隈には、他にも風化した花崗岩が露出しているところ(例えば昇仙峡の羅漢寺山など)が点在しているので、わざわざこの場所を目指してくる輩もいないのだろう。その分、小さな天上の楽園を独り占めできる。
あとは下帯那町、上帯那町に点在する集落を横切り、金子(きんす)峠から甲府盆地めがけて下る。ちょっとだけ武田神社に寄り道し、丁度見頃の紅葉を愛でる。
ここまで結構歩いたが、風呂は更にもうちょっと歩いた「つつじヶ崎温泉」に浸かることにした。かなり質素な日帰り温泉のような銭湯。やはりここも天然温泉。でも宴会場があったりするので、やや風変わりな経営スタイルである。
さっぱりした後に「露天風呂あったでしょ?」となおちゃんに云われ、男湯には無かったと答えたが、念のためもう一度脱衣所まで戻ってみると、果たして脱衣所から風呂場へ通じる扉の右脇にもう一つ扉があって、そこが露天風呂だった。脱衣所から二手に分けられているスタイルも珍しい。
それにしても、ここは(宴会場では呑めるのに)休憩スペースではビールを呑めないので(これも新型コロナのせい?)、みんなが揃うまで水も飲まず悶々としながら待った。

01 帯那山登山口までタクシー乗車。

02 標識は必要最低限。

04 今日はいい天気。

05 登りは緩やか。

07 帯那山に到着。

08 奥秩父連峰が目の前。

09 金峰山クローズアップ。

10 富士山はひときわ高い。

16 見越山を通過。

17 白峰三山と左奥に塩見岳。

26 見上げれば良い感じの色。

30 吽梨山だった。マジか。

32 阿吽三山とは知らなかった。

36 古い標識。

40 木漏れ日が気持ちいい。

42 英語名の山があるとは思わなかった。

44 もう急な下りは無い。

45 ここにも英語山名。

46 ずんずん下る。

47 ちょっと岩々してきた。

55 自然が作り出した庭園。

60 と思ってもまた足を止める。

61 不思議な場所だ。

62 こうなるまでどれだけの年月が経ったのか。

67 もうすぐ甲府盆地。

69 躑躅ヶ崎の紅葉その1。

71 躑躅ヶ崎の紅葉その3。