「天下茶屋」からの富士山の眺めをちょっと期待していたのだが、残念ながら全く影も形も見えず仕舞い。前回もそうだったが、まだ「天下茶屋」から富士山を見たことが無い。
「富嶽百景」にもあるように、それまで太宰治は富士山には雪が相応しいと思い続けていたのに、「富士には、月見草がよく似合ふ。」との台詞を思い付いたのは、「天下茶屋」に3ヶ月ほど逗留するようになってからのことらしい。
そんな「天下茶屋」へ折角山を越えてやって来たのに、肝心の富士山は見えないし、辺りに月見草(実際にはマツヨイグサ)も見当たらず。いつになったら太宰治の気分に浸れるのか。やはり3ヶ月位逗留しないとダメか(勿論、今は宿ではない)。
ともあれビールで喉を潤したら、富士と月見草のことはすっかり忘れ、呼んだタクシーに乗って河口湖目指して駆け下る。富士急・河口湖駅に着いたら、とりあえず上り特急「富士回遊48号」の指定席券を購入。それにしても、ひと頃は駅前辺りには日本人よりも外国人の方が多いのではないか、と思う程だったが、今は閑散としていて、切符を買うのも楽チンだ。
切符を買ったら次は風呂。いつものように、駅前にある「河口湖ステーション・イン」へ。ここは王岳の帰り道に寄って以来、1年半ぶり。その時は、フロントに行くと海外旅行客がチェックイン中だったが、今日はやっぱり誰も居らず。
4階の風呂場まで息を切らせて登り、ひと風呂浴びる。男風呂の先客は登山姿のお一人のみ。ここの風呂場は眺めが良いのに今日も富士は見えない。ここもそういう巡り合わせが多い。サッパリしたら、風呂上りビールはここで呑まず、隣の店へ向かった。

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