3年前、八ヶ岳のキレット小屋に泊まってみたいと思い立ち、そのために、おそらく最短ルートだろうツルネ東稜を登ることにしたのだったが、悪天候で諦めて(その時の顛末はこちら)今回が再挑戦。バスを降りて暫くはちゃんとした径だったが、途中からは、土砂が洗い流され大きな石ばかり残った河原のようになって、甚だ歩き難い。
その後は地獄谷に出て、やはり巨石がゴロゴロしたところを縫って進む。ツルネ東稜に取り付くまでは10数回の渡渉が必要なため、沢の水量が一番の気掛かりだったが、結果的にはそれ程でもなく、1回も靴を脱ぐこと無く無事クリア。噂に聞いた出合小屋は左岸にあるとばかり思い込んでいたが、今回、右岸にあることを知った。
ツルネ東稜は想像通りに容赦のない登りだったが、ぐいぐい高度が上がるのを実感できる。天気は悪くとも、ガスの中に権現岳や大天狗などがちらりと見えると、気分は次第に高揚してくる。概ね予定通りの時間でツルネまで登り切り、明るいうちにキレット小屋到着。
小屋番一人だけで切り盛りしているのにちょっと吃驚。高見石小屋やくろがね小屋でもそんなことがあったが、それは積雪期のこと。今夜の宿泊客は我々以外に10人程度、うれしいことに我々には偶々(キャンセルがあったらしい)個室が与えられた。荷物を整理し濡れたものを干したら、さっそくビールをゲット。グビっとやれば、ツルネ東稜の苦労は忽ち報いられる。やはり毎年1回ぐらいは、登り堪えがあるところを登るべきだと実感。
夕食は釜炊きご飯のカレーライス。懐かしい味がする。同じテーブルに、単独行の女性がいた。訊けば旦那と二人、真教寺尾根を登っている途中、旦那がギブアップしたので置いてきたとのこと。旦那はそのまま家に帰って明日たぶん、迎えに来て呉れるはずという。なかなかドライな関係だといたく感心した。女王陛下としもべの関係だったらわかる。

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