朝夕の通勤の車は、同乗者が時々入れ替わる。今日はフィリピンから来ているエンジニア達と一緒。彼ら曰く、ここプカロンガンの物価は、彼らが住むフィリピン・セブ島よりも安いとのこと。へー、そうなんだと純粋に驚く。日本やシンガポールに較べれば、東南アジアの国々は似たり寄ったり、フィリピンとインドネシアの物価水準も大して違わないだろうと漠然に思っていたが、そんなことはなくそれなりに違うようだ。それでも彼らは、夕食をホテルのルームサービスで済ませるようなことはしない。かといって自炊道具を揃えている訳でもなく、やはり専ら、ローカルの人たちが入る食堂に行くのだそうだ。
その一つが、小生もこれまで何回か入ったことがある「ポジョッ」(Pojok)。でも彼らは、その場で食べることはせず、毎度持ち帰るんだ、と云う。何故?と訊けば、だって、暑くって蚊がぶんぶん飛んでいる所で喰うよりも(たとえ刺されなくても)、空調が利いたホテルの部屋の方がいいでしょ?と。そりゃあ、そうだ。でも、フィリピン人に気付かされるとは思わなかった。
小生も車を降りて「ポジョッ」へ付いて行く。フィリピン・エンジニア君もインドネシア語を解せないので、身振り手振りでテイクアウトと告げる。小生は「こいつと同じ」と指をさすだけ。いつもの女将さん(?)は、油紙のような2枚の紙を重ね合わせた上にご飯をよそい、何にする?と目で聞いてくる。テンペの炒め物と、魚の南蛮漬けのようなものを乗せてもらい、IDR15,000(≒120円)。テイクアウトの方が、安いような気がする。ご飯とおかずは、実に手際よく紙の中へ丸め込まれ、袋に入れて渡された。
もう車は返してしまったので、テイクアウトしたあと、いったいどうするのかとフィリピン・エンジニア君に付いて行くと、バンバン車やバイクが行き交う国道沿いをさらに西へ進み、丁度我々のホテルの真正面まで来た。道路の反対側には、ホテルが雇っている「横断お助け人」がいる。すると、その「お助け人」が我々に気が付き、笛を吹き鳴らし旗を振りながら、こちらに向かって渡ってくるではないか。要するに、我々を迎えにきてくれた訳だ。後は、また戻っていく「お助け人」にくっ付いて渡るだけ。当然、お金はタダ。フィリピン・エンジニア君のコスト節約術に感心した。

DSC_0276

DSC_0277