志賀高原3日目は、完全観光モード。プロデューサーなおちゃんによる最初の訪問地は、「地獄谷野猿公苑」。露天風呂に入る猿はもはや世界ブランド、ここの正式英語名はその名も"Snow Monkey Park"である。女子連は、嬉々として公苑へ向かっていく。
小生は一昨日、膝の筋を少々伸ばしたので、なるべくなら余り歩き回りたくないし、特に階段は登り降りしたくない。「地獄谷野猿公苑」はパスして、とりあえず間欠泉の前までやってきた道を、一人でそのまま戻ることにした。「公苑」に入らなくても、そこらに猿はぞろぞろいた。すっかり慣れていて、人間を怖がらない。
小生の近くにいた猿が、何を思ったのか急に小生のすぐ脇を摺り抜けて歩き出す。次第にスピードを増してスルスルと、30メートルほど離れたところにいた中高年夫婦と思しき二人連れに向かっていく。見ると、ご婦人がレジ袋をぶら下げていて、中から何かを取り出そうとしている。『レジ袋を持ち歩かないこと』という注意書きを見なかったらしい。
あ、やられるな、と思ったその瞬間、くだんの猿が僅かに跳躍したと思ったら、ご婦人のレジ袋を叩く。そのご婦人の「きゃっ」という叫びと共に、レジ袋が手を離れ宙に舞った直後、その猿が上手にキャッチし、一目散に逃げ去る。ほんの2、3秒間の出来事。
小生がそのご婦人に注意を喚起する間もなく、ましてやその中高年夫婦にとっては突然、袋が宙に舞い、落ちたところに何故か猿がいた、ぐらいだったろう。一部始終を観察した小生は、まこと不謹慎ながら、的確で無駄の無い猿の動きに、ほとほと感服した。人ずれしているとは云え、さすがは野生動物。逃げ去った猿の後を、他の猿たちがお零れを頂戴しようと、キーキー云いながら追いかけて行った。
上林温泉の外れ、地獄谷野猿公苑へ通じる遊歩道の入口に「猿座(えんざ)カフェ」という洒落た店がある。開店は午前10時だが、着いて時計を見るとまだ9時45分。でも、ちょうど店から出てきた女の子に聞いてみると、「入れますよ」とニッコリ。ありがたく入店し、外のテラス席を確保する。頼んだのは地ビール、その名も「志賀高原ペールエール」(700円)。グビっとやって、観光地気分を味わった。

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