"Coffee&Canzume Bar YuBel"でいっぱいやったあと、精算して立ち上がると、意外にコーヒー・ハイボールで酔ったような気がした。でも、もう一軒行こうと既に二人は歩き始めているので、後を付いて行く。駅から続く道を、更に離れる方向へそぞろ歩き。
でも大して歩かないうちに、「季節料理 すず半」と書かれた灯篭型の看板が目に入った。店は何処だと目をやると、こんなところに珍しく飛び石が並んでいて、その先にちょっと奥まった暖簾が見えた。どうやら、ここは割烹のようだ。高いかも知れないと一瞬思ったが、もうあんまり歩きたくないし、三人ともすっかり気が大きくなっているので怖いもの無し、「入ってみよう」ということで、すんなり意見が纏まった。
暖簾を潜ってみると、中は意外と広い。この時間にも拘らず、先客は誰もいない。たしかにここは、小料理屋というよりも割烹である。少なくと料亭ではなさそうだ、と安心してずんずん入る。カウンター席と小上がりがあったが、もう大して呑むわけでもなし、カウンター席に三人並んで座る。
カウンターの中には女将さんと思しき女性と、もうひとり女性店員。どちらも我々と似たり寄ったりの世代のようだ。喉が渇いたのでまたビールをもらう。他の二人は日本酒の熱燗。付き出しは、ほうれん草の胡麻よごし。こういう普通の料理が美味い。
もう三軒目だが、また前の二軒と同様、話は自然と仕事の話になる。一人はまだ現役バリバリだが、小生を含め残りの二人はもうシニアなので、どうしても聞き役に回る。ひとしきりまた愚痴を聞いた後で、もう酒も入らないし、そろそろ帰ろうかと云うことになる。しかし大きな顔をして入ってきた割には、何も料理を注文せずに帰るのは些か気が引けた。次回は、何とかしてここまで来て、ちゃんと料理を喰ってみたい。

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