ゴールデンウィークのさなか、カミさんが品川の「原美術館」に行きたいとのことで、くっついて行くことにした。そのついでに、何処かでランチを喰おうということになり、選んだのが「五代目 野田岩」という老舗うなぎ屋。飯倉に近いので、メトロ神谷町駅からてくてく歩く。
目指す店は東京タワーのすぐ西側で、おのぼりさんよろしく「おー!」と見上げて東京タワーを撮る。いつもスカイツリーばかり見ている気がするので、随分新鮮な感じがする。そんな辺りは勿論ビル街なのだが、その狭間にポツンと蔵造り風な建物がある。それが「野田岩」だった。
ここは店の名前にもなっているように、現在は5代目が主。創業はなんと寛政年間、徳川家斉の時代とのこと。モノの本に寄ればその時代、鰻の蒲焼の値段は200文、現在の価値に直すと4,000円ということだから、昨今は価格高止まりの時代とは云え、日常の喰いものでは無かったという点では、200年前からちっとも変わっていない。
我々も川松別館以来の鰻だから、半年ぶりなのでとても楽しみ。中に入って見ると、意外に混んでいる。こんなこともあろうかと我々は既に予約済み、2階の畳の部屋に置かれたテーブル席に通される。同じ部屋にはサラリーマン風の、東京出張のついでに寄ったようなグループもいる。
先ずビール(???円)で喉を潤し、メニューを眺め、ビールの後は何にしようかと考える。ワインの種類が意外と豊富。インバウンド需要に応える形なのだろうか。しかしやっぱり鰻には日本酒だろうと、菊正宗(???円)に切り替える。
料理は、鰻巻き(1,080円)と白焼き(ここでは志ら焼と呼ぶ、3,500円)、うな重(萩、3,900円)一人前ずつ注文。鰻巻きも志ら焼も、恭しく漆塗りの箱に入って出て来るが、その箱は湯煎の容器に載っていて、温めた状態で提供する心遣い。そして最後にうな重。タレは甘みは抑えめで、かつ塩味も薄い印象。うなぎの素材を生かす意図なのかも知れない。鰻そのものも、脂ののりが少ない感じでさっぱりしている。これが野田岩流なのだろうか。そんなことを考えながらも、二人であっというまに平らげた。いつものことながら、鰻がやってくるまでと、やってきたあととでは、時間の進み方が極端に変わる気がする。

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