今を去る43年前、高校山岳部で初めての冬山トレーニング山行が大菩薩嶺北尾根だった。午前中の授業を受けたあと、青梅線と西東京バスを乗り継いで丹波まで向かった。金のない高校生なので、終点から青梅街道を西へへこへこ歩き、三条新橋を経て北尾根に取り付いた時点で概ね夕刻。篠竹に覆われた藪尾根を漕いで、僅かに平らな部分に無理矢理テントを張った。その時点では、翌日は裂石まで抜けられるものだと何の疑いも持っていなかった(なにしろ一年生なので)。ところが次の日、登るにつれ急斜面の藪の上に雪が積もっている状態となり、藪漕ぎしながら一歩登って半歩ずり落ちることを延々と繰り返すはめに。気が付くと、いつの間にかまた夕刻。結局、山頂へ抜けられぬまま、またテントを張った。後にも先にも、ひとつの尾根に10数時間もがき続け、抜け切れなかったのはこの時だけ。篠竹の藪漕ぎは強烈な印象となった。
あれから時は過ぎ、大菩薩嶺北尾根のことはすっかり忘れていたが、ある時偶々目にした「静かなる尾根歩き」(松浦隆康著、新ハイキング選書)に、紀行文が載っているのに気が付いた。読む限りまだ篠竹はあるようだが、無積雪期だったら日帰りができると紹介されている。時代は変わったものだと思っていたら、この頃WEBを見ると、もうすっかり篠竹は枯れてしまったとのこと。この現象はこの尾根に限ったことではないが、これならば再び大菩薩嶺北尾根をアタックしてみようかという気になった。
結果、天気が危ぶまれたが、なんとか降られずに済んだ。三条新橋から大菩薩嶺山頂まで、休みを入れて5時間半。篠竹は殆ど見当たらず、あっても枯れた残骸だけ。踏み跡を見失うことは余り無く済んだ。43年前とは比較にはならないが、それでもたっぷり登り応えはあり、充実の山行だった(山の記録はこちら)。
山頂から下りたら、今宵は「ロッジ長兵衛」で一泊。着いたら何をさて置いても先ずビールをいただく。実は、ここに泊まるのは今回初めて。ログハウス調でなかなか趣きある雰囲気である。客は、我々以外に若者3人グループと、広島から来たという熟年単独行だけだった。風呂があって有り難いが、湯の出が悪くやや寒い思いをした。
暖房器具は1階にある薪ストーブだけなので、自然とそこに集まるようになる。夕飯は、地のものも添えられてバリエーション豊富。これで1泊2食付8,000円はお値打ちだと思う。またぜひ来たいが、まだ「福ちゃん荘」に泊まったことが無いので、とりあえず次はそちらだろう。

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