以前、老舗居酒屋ばかりを巡っていたことがある。神田「大越」(残念ながら廃業)を皮切りに、淡路町「みますや」、根津「甚八」、銀座「酒蔵秩父錦」、鶯谷「鍵屋」、秋葉原「赤津加」、日本橋「ふくべ」、北千住「大はし」、大門「秋田屋」、月島「岸田屋」、浅草「赤垣」などには入ったが、その後はヒューストン出張などが入ったせいもあり、とんとご無沙汰だ。勿論、いくら老舗だからと云って、ピカピカの建物ではいけない。それなりの外観、内装の風情も必要。そして、酒と肴も当然重要だ。
などと考えているうちに、そういえば未だ神楽坂の「伊勢藤」に入ってないじゃないか、と思い立ち、アユラシ、和尚、なおちゃんを誘ってみた。基本的に予約は受け付けないようであるが、18時30分に入りたいと電話を入れれば、その30分ぐらい前から、それまで居た客が帰って席が空いても、新しい客は座らせないよう、配慮して呉れるらしい。
店は、以前入ったことがある、ガレットで有名な「ル・ブルターニュ」の前だ。ここも「鍵屋」と同様、女ひとりでは入れないという、昔乍らの頑固な店。昨今、女子禁制だとすぐ話題になるが、男子禁制の店の場合は、世の中、山ほどあるのでニュースにはならない。「鍵屋」や「伊勢藤」は、オヤジにとっては最後の聖地と云えるかも知れない。
入ってみると、先客はカウンターのみ。我々は座敷に通される。実に静かである。客のしわぶきが響き渡るくらいだ。カウンター席で呑んでいる客も皆、ひとり客らしく黙々と呑んでいる。後から座敷に上がった客の中にもひとり女性がいたが、それだけ。女性率10%ぐらい。どちらもオヤジ慣れしているせいか、泰然自若としている。立場が逆だったらさぞ落ち着かないことだろう。
最初は小生となおちゃんだけだったが、やがて和尚が現れ、少々話が盛り上がったら声もやや大きくなったらしく、店主に「何方とは申し上げませんが、もう少しお静かに願います!」と、びしっと注意を受けた。どうも俺たちは声のトーンが高いようだ。今日は女性1、男性3の割合だったが、これが逆だったら、店主は発狂するに違いなく、我々は「伊勢藤」所払い(出禁)になるだろう。とりあえず次回は、ひとりで来てみよう。

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