昼食後、A班は「熱海秘宝館」、B班は「起雲閣」を見学することになった。以前、なんと「起雲閣」に泊まったことがあると云うWoodyさんは、やっぱりA班。「秘宝」を観るのに1,700円は高過ぎると感じた女子連と共に、小生もB班に参加した。
全くの市街地に四方を白壁塀に囲まれ、世間から隔絶されたように「起雲閣」が存在している。当初は富豪の別荘だったがその後、昭和22年から旅館となり、平成11年まで営業していたとのこと。一度でいいから泊まってみたかった。まったくWoodyさんが羨ましい。
靴を脱いで上がり、入館料510円を支払う。中庭(いわゆる池泉回遊式庭園)を中心として四方に建物があり、全て渡り廊下で繋がっているので、靴は入口のロッカーに置いたまま時計廻りに巡回できる。基本的には純和風建築であるが、洋室やサンルーム、ローマ風風呂など、洋式の設えや調度品が使われていて、大正ロマンを感じることが出来る。
太宰治が玉川上水で入水自殺したのは昭和23年6月13日(享年40歳)だが、同年3月18日にここ「起雲閣」に宿泊し、今もその部屋が残っていて、広い窓からは中庭は一望できる。自殺の3ヶ月前だから、かなり体調も悪かったはず。その精神状態で、この眺めは太宰治の目にどう映っていたのだろうか、と思いはせることが出来る。
他にも、尾崎紅葉、志賀直哉、谷崎潤一郎、三島由紀夫、舟橋聖一、武田泰淳など、名だたる文豪が宿泊している。
旅館時代にバーだったスペースは、現在は喫茶店「やすらぎ」として営業している。やはり窓からは中庭を望むことが出来る。喫茶店なので残念ながらアルコール類はメニューに無いが、ここはかつてバーだったのだから、せめてビールぐらい呑ませて欲しいものである。

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