とりあえずジャズを聞くのは諦めたものの、まだもうちょっと呑みたいとの意見が複数出され、然らば再び街明かりを頼りにバーボン・ストリートを徘徊。ジャズが無くても、呑めさえすれば良いとなると、だいぶハードルは下がったはずだが、人間、そう簡単ではない。ジャズさえあれば、多少店の雰囲気が悪くてもいいかっ、という気が働くが、酒だけとなると雰囲気が重要、多少なりとも気が利いた店じゃないと入りにくい。実は、そんな気が利いた店は簡単に見つからないので、ジャズ酒場を見つけるのと同程度の難しさがある。
世話好きで物怖じしないアラフィー同行者は、酒の勢いも加わって、見ず知らずの道行く人に店を聞いたりする。黒人の若者集団がとぐろを巻いているところへ分け入って、いい店を知らないか、と聞いたりする。眼つきの悪い彼らが云う「いい店」の定義は、きっと我々と違う。聞く意味無いだろ~。しかも、10ドル寄こせば教えてやるだの、それよりドラッグはいらないかだの聞こえてきて、いいカモにされそうな雰囲気。危なっかしくて、見ちゃいられない。この手の輩は、ときどき小生の前に現れ何かと迷惑を被るが、世話好きの酔っ払いは天下無敵、普通の酔っ払い以上に厄介だ。
世話好きの酔っ払いは、簡単には懲りない。何度目かに、今度は地元の若い白人女性に教えて貰った店に行ってみたら、なかなか良さそうなので入ることにした。世話好きの酔っ払いは、たまに役に立つので、見限れない。そこは"Orleans Grapevine Wine Bar & Bistro"という店。賑やかなバーボン・ストリートから、ちょっと静かなオーリンズ・ストリートへ入ったところの右側。正面にはセントルイス大聖堂、その手前にライトアップされたキリスト磔刑像があって、しかもその像の影が大聖堂の壁面に浮かび上がっているので、なにやらダビンチ・コード的雰囲気が漂っている。
店に入ると、照明抑え目でぐっと大人のムード。U字カウンター席の奥にテーブル席。客は大体が白人カップル。BGMは微かに響くジャズピアノトリオ、ビル・エヴァンスか。ビル・エヴァンスとなれば、バーボンよりもワインが似合う感じだ。ニューオーリンズらしさは無いが、ヒューストンも含め、これまで入った中では、一番気の利いた店だ。
ウェイターは、食事だったらテーブル席だが、酒だけならばカウンター席に座ってくれとのことで、男4人でカウンター席に、ようやく座ることが出来た。ほっとしたところで注文しよう。メニューを見ても、ぐるっと見渡してみても、ここはワインがウリのようだ。するとバーテンダーが、今日は10時で閉店だと突然言い出す。時計を見ると9時半。おいおい早く云えよ、と思ったが、考えてみればもう普段だったらとっくに寝ている時間。世話好きの酔っ払いには物足りないだろうが、ちょうどいい店に入ったのかも知れない。
小生はやっぱりカリフォルニアワインにしようと、VAMPIRE PINOT NOIRをグラスでいただく($11)。ちょっとだけワインに浸っているうちに、カウンター内ではバリバリ片付けを始める。客はいつの間にか、我々だけ。もうちょっとゆっくりしてみたい感じの店だったので、ワイン一杯だけでは如何にも惜しい。何かの機会に、この店は、是非、もう一度来てみたい。

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20171123_221142世話好きの酔っ払い撮影(手ぶれ)

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Orleans Grapevine Wine Bar & BistroのHP: こちら