妙法ヶ岳登頂後は、三峰神社の興雲閣にある「三峯神の湯」に浸かるつもりだったが、思いの外、時間がかかり、予定バスの時間まで残りわずか。湯に入ると必然的に次のバスとなり、「久呂無木」到着時刻は確実に1時間遅くなるので、涙を呑んで今日は立ち寄り湯は無し(しかし、ビールはしっかり呑んだ)。やはり雪があると、それなりに時間がかかる。
同じ話は、路線バスについても云える。三峰神社BSを15時35分発のバスに乗り、三峰口駅で5分の待ち合わせで、池袋行直通の快速急行に乗る予定だったが、バスはスリップに注意してゆっくり走ったせいか、定刻を少々遅れ、ぎりぎりアウト。バスの運転手も、三峰口駅改札口に居た駅員も、待ち合わせをしてくれるのか、くれないのか、何も云ってくれない。
走って切符を買って(秩父鉄道はPASMO・SUICAが使えないので、一つずつしかない券売窓口と券売機に8人で群がって切符を買う必要がある)、もたもたしているうちに結局乗れなかったら最悪だ。(駅員が直通電車を停めていてくれない限り)あえてリスクは取らず、そのまま終点の西武秩父駅までバスに乗り、次の特急レッドアローちちぶ40号に乗ることにした。「久呂無木」到着時刻は、20分ほど遅くなるが仕方が無い。予定外だが、500円払って優雅に行こう。
そうとなれば、車内から酒盛りだ。リュックサックから取り出したのは、「積善・純米・ヒマワリの花酵母」。前回呑んだ、「りんごの花酵母」と較べて華やかな香りは抑えめだが、酸味とこくのバランスが程良く、飽きがこない感じ。酵母の違いだけで、これほど味わいに差が出るとは、改めて驚く。ということは、酵母はただ単に、エチルアルコールと二酸化炭素を生成させるだけではなく、様々な微量の副生成物を作っている訳だ。例えば「りんごの花酵母」だったら、他の酵母と較べてカプロン酸エチルを多めに作る「癖」がある、という具合に。酵母の世界はなかなか深い。杜氏になったら病みつきになるかも知れない。
「積善・純米・ヒマワリの花酵母」を味わいながら、「特急ちちぶ」の車窓からとっぷりと日が暮れた外を眺めていると、列車のスピードが緩くなったかと思ったら、怪しい色にライトアップされた、芦ヶ久保の氷柱まつりが一瞬見えた。 

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