「高山の酒蔵巡り」の3軒目は「川尻酒造場」。江戸末期、天保10年(西暦1839年)の創業とのこと。黒塗りの板壁や格子戸が雰囲気を出している。この佇まいは、きっと昔のままなのだろうと想像する。「川尻酒造場」も、さっき入った「平田酒造場」、「二木酒造」と同様、上二之町筋にあるので、多くの観光客で賑わっている上三乃町の通りとは違って静か。この店に入る客も殆どいない。上二之町には、土産物や小物を売っている店が少ないせいだろう。おかげで、こちらとしては心ゆくまで試飲ができるというもの。
ここ「川尻酒造場」の主要銘柄は、「ひだ正宗」だが、基本的に古酒に特化した品揃えのみ(絞りたての「おり酒」は除く)。この頃、古酒そのものは珍しくなくなったかも知れないが、それだけに限定すると云うのは、かなり偏屈珍しいというか、相当なこだわりを持った造り手であると感じる。
建物のなかは、昔ながらの商家の造り。ここも天井が高い。帳場に座っている男性(たぶん、ご当主だろう)に200円を支払って、熟成古酒の、「山ひだ純米酒」 2002BY(Brewary Year;2002年7月から2003年6月までに仕込まれた酒、という意味)をいただく。女子連はもう、昼食まで「日本酒はひと休み」モードに入ったようである。
猪口に注がれた「山ひだ」は、古酒特有の、やや淡い琥珀色。口に含んだ感じは、かなり強い旨味と酸味、やはりこれもう、日本酒と云うより、ドライなシェリー酒に近い。昨今は何かと、吟醸酒が流行りになっているが、この酒は全く別世界。吟醸香は欠片も感じず、ナッツのような熟成香が広がる。意外に爽やかさを感じるのは、冷たいせいかもしれない。これだったら確かに、日本人よりも欧米人の方が気に入りそうだ。
この「山ひだ」 2002BYは、四合瓶で2,430円と、先ほどの平田酒造の「酔翁」よりもずっと良心的価格だが、なんとなく踏ん切りがつかず、購入を見送りとした。今考えてみれば、この酒、生産量が少ないせいか、通販での入手は難しそう。やっぱり買っておけば良かったと悔いが残る。この次に高山に来るチャンスがあれば、なんとかここに来て、手に入れたい。

P8140566

P8140567

P8140568

P8140569

P8140570

DSC02982

DSC02983

DSC02984

DSC02985

DSC02986