黒川鶏冠山は、もう久しく登っていなかった。いつ以来か思い出せないが多分、30年は経っているはず。以前のアプローチは、きっと柳沢峠から往復しただけなので(って云うか、世の中の常識的にはそうなので)、今回は少々捻って三条新橋から登ることにしてみた(山のレポートはこちら)。狙いは、黒川金山跡を覗いてみることである。遺構そのものが残っていなくても、「黒川千軒」と謳われた場所の雰囲気だけでも感じられたら、というプラン。その後は柳沢峠へ抜けたら、路線バスを待つ間、茶屋でビールを呑もうという魂胆だ。
今日は朝から雨。三条新橋は、高校1年生の冬に、大菩薩嶺北尾根を登った際に渡った筈なのだが、昔のままなのか、それとも様変わりしたのか、全く思い出せない。金が無い高校生だから、バスの終点の丹波からここまで歩いたのは間違いないが、その情景もすっかり忘れている。
金山跡は、三条新橋から時間にして2時間弱、標高差にして500mほど登ったところにあった。何処が採掘跡なのかははっきり判らなかったが、沢の両側に所々テラスの様な、平坦で苔生した土地が点在していて、そこにはかつて建物が建っていたことを彷彿させてくれる。
「黒川千軒」に思いをはせ、そのついでに黒川鶏冠山に登った後は、しとしと雨の中、柳沢峠を目指して歩くだけ。途中、じっとしていると結構冷えるので、殆ど休まずに柳沢峠に到着。雨は皮肉にも、柳沢峠に着いた途端、止んだ。まだバス発車時刻まで1時間以上あるのでのんびりできるな、と思って茶屋を見ると、見事にシャッターが閉まっていた。雨だったので、嫌な予感はしていたが、本当に閉まっているとやはりショック。
とてもバスの時間まで待てないのでタクシーを呼ぶことにした。塩山タクシーは迎車代を取らないので良心的。心が打ちひしがれている時なので、涙が出そうである。
たしかに、柳沢峠茶屋のホームページには「定休日火曜日、その他不定休の場合あり」と書いてあるので、文句は云えない。でも「不定休」というのは、余りにも曖昧な表現であり、不親切である。できたら、「雨が降ったら休み」とか「気温が〇〇℃以下の場合は休み」とか、不定休になる具体的事例をいくつか列挙してくれると、利用者側として当てにしていいかどうかの判断材料になるので有り難い。ともかく次回は、もうちょっと天気が良さそうな時(ツーリング客がやって来そうな時)を見計らってリベンジするとしよう。

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