表参道と金峰山小屋の組み合わせという、我ながら良いプランを思い付いたのは、昨今、栄和交通の乗合タクシーの定期便が大弛峠まで通うようになり、しかもアコウ平で途中下車して表参道を登ったと云う、ネット記事を見た時のこと。それまで、何かと評判が良い金峰山小屋に、一度泊まってみたいと暫く前から思っていたので、これは丁度良いと密かに考え、実行に移すタイミングを見計らっていたという訳。健脚だったら、表参道を登って、そのまま大弛峠へ下り乗合タクシーでその日のうちに帰ることはできるだろうが、我々はその晩はのんびり小屋で過ごし、翌日は下るだけと云う、2日間合わせても6時間余しか歩かない超贅沢プラン。たまにはこんな登り方も良い(山の記録はこちら)。
結果として、表参道は金峰山の登路としては、白眉だと感じた。特に、鶏冠岩から見上げる五丈岩は、否が応にも登高意欲をかき立てる。荒川の渡渉から、標高差800mの直線的なルートは登り応えも十分だ。これほど気持ちが良いルートが何故、これまで埋もれていたのだろうか、と訝しく思ってしまう。
尤も、我々が辿った表参道は、全体のほんの一部分に過ぎない。昇仙峡のすぐ北側にある金櫻神社から本宮である金峰山山頂までが本来の表参道だ。この金櫻神社の由緒は、日本武尊が社殿の造営を命じたというから、相当古い。蔵王権現信仰の対象となってからも、既に千三百年が経過している。
機会があれば(それにアドレナリン分泌が豊富であれば)、昔の修験道よろしく、金櫻神社から金峰山を目指して歩いてみたい。たぶん、途中で泊まる必要があるだろうけど、それはやっぱり御室小屋あたりか。現在、表参道は途中、林道開発等で往年のルートが寸断されているとの由。そこでこの際、甲府市に申し上げたいのだが、市として、このいにしえの表参道を完全復活させ、もちろん御室小屋も復活させ(この頃、旧御室小屋をあえて解体したのは、そのつもりと解釈していいかな)、少々ハイグレードな遍路として、国内外にアピールしたら如何だろうか。上手くすれば海外でも噂になり、熊野古道と並び称されるようになり、ゆくゆくは世界遺産になるかも知れない。
金峰山小屋まで下ったら、外のベンチでビールを呑みながら暫しまったり。この小屋は定員60名。訊けば、今宵は満員だそうである。今日は偶々良い天気だが、本来は梅雨の真っ只中、こんな季節でも満員とは恐れ入る。日が陰ったら小屋の中に入り、食堂兼談話室で呑みの続き。
真っ黒い塊が床に置いてあると思ったら、この小屋の番犬(ラブラドールレトリバー、「ゆずひこ」という名前らしい)だった。まったく気配を消している。そのうち団体が到着し、みなさん、犬とは気が付かずに靴が当たったり、ストックでうっかり小突いても、ピクリともしないで寝ている。堂々たるものだ。
そのうち夕食。名物(?)のワイン付きチキンソテーをいただく。表面はパリッとしていて、味もしっかり浸みこんだモモ肉は結構ジューシー。噂だけのことはある。ワインがついているだけでも、優雅な気分。これで1泊2食付き8,500円は、とてもお得だ。食後、また外へ出て、夕暮れを眺めながらのちびちびやる酒もまた格別。消灯時間(20時30分)にはだいぶ早いが、暗くなったら寝床へ入り、忽ち爆睡した。
結果として、表参道は金峰山の登路としては、白眉だと感じた。特に、鶏冠岩から見上げる五丈岩は、否が応にも登高意欲をかき立てる。荒川の渡渉から、標高差800mの直線的なルートは登り応えも十分だ。これほど気持ちが良いルートが何故、これまで埋もれていたのだろうか、と訝しく思ってしまう。
尤も、我々が辿った表参道は、全体のほんの一部分に過ぎない。昇仙峡のすぐ北側にある金櫻神社から本宮である金峰山山頂までが本来の表参道だ。この金櫻神社の由緒は、日本武尊が社殿の造営を命じたというから、相当古い。蔵王権現信仰の対象となってからも、既に千三百年が経過している。
機会があれば(それにアドレナリン分泌が豊富であれば)、昔の修験道よろしく、金櫻神社から金峰山を目指して歩いてみたい。たぶん、途中で泊まる必要があるだろうけど、それはやっぱり御室小屋あたりか。現在、表参道は途中、林道開発等で往年のルートが寸断されているとの由。そこでこの際、甲府市に申し上げたいのだが、市として、このいにしえの表参道を完全復活させ、もちろん御室小屋も復活させ(この頃、旧御室小屋をあえて解体したのは、そのつもりと解釈していいかな)、少々ハイグレードな遍路として、国内外にアピールしたら如何だろうか。上手くすれば海外でも噂になり、熊野古道と並び称されるようになり、ゆくゆくは世界遺産になるかも知れない。
金峰山小屋まで下ったら、外のベンチでビールを呑みながら暫しまったり。この小屋は定員60名。訊けば、今宵は満員だそうである。今日は偶々良い天気だが、本来は梅雨の真っ只中、こんな季節でも満員とは恐れ入る。日が陰ったら小屋の中に入り、食堂兼談話室で呑みの続き。
真っ黒い塊が床に置いてあると思ったら、この小屋の番犬(ラブラドールレトリバー、「ゆずひこ」という名前らしい)だった。まったく気配を消している。そのうち団体が到着し、みなさん、犬とは気が付かずに靴が当たったり、ストックでうっかり小突いても、ピクリともしないで寝ている。堂々たるものだ。
そのうち夕食。名物(?)のワイン付きチキンソテーをいただく。表面はパリッとしていて、味もしっかり浸みこんだモモ肉は結構ジューシー。噂だけのことはある。ワインがついているだけでも、優雅な気分。これで1泊2食付き8,500円は、とてもお得だ。食後、また外へ出て、夕暮れを眺めながらのちびちびやる酒もまた格別。消灯時間(20時30分)にはだいぶ早いが、暗くなったら寝床へ入り、忽ち爆睡した。
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