もちろん舩坂酒造店へ入る前に気が付いていたのだが、舩坂酒造店の真向かいにももう一軒の造り酒屋、「原田酒造場」があった。まこと日本酒好きだったら泣いて喜ぶシチュエーション、高山の旧市街は日本酒のテーマパークのようである。
外観は、舩坂酒造店と同様、黒塗りの板壁で渋い。中に入ると、これぞ造り酒屋の雰囲気。舩坂酒造店以上に雰囲気を感じさせるのは、照明のトーンが抑えめのせいもあるだろう。さらに云えば、この店頭に並んでいる商品はすべて酒。造り酒屋なので当然なのだが、様々な土産物、小物が並んでいた舩坂酒造店とは一線を画しているので、新鮮な一途さを感じてしまう。
こちら「原田酒造場」のブランドは「山車」という。山車は高山祭で有名なのだから「だし」と読むのかと思ったら「さんしゃ」だった。確かに日本酒を「だし」よりも「さんしゃ」と呼ぶ方が語呂が良さそうだ。創業は安政二年(1855年)とのこと。
早速、利き酒をさせてもらおう。ここでは150円払って猪口を買えば、後は何杯でもどうぞ、という太っ腹な店。しかも試飲コーナーには10種類くらい置いてあるので、とても全部は呑み切れそうにない。猪口に注いだら、囲炉裏の傍でちびちびやる。まだ時間が早いせいか、利き酒をやっているのは他にいない。この雰囲気を独り占めである。
小生よりも若干年下と思しき何処かのご婦人が、通り過ぎながら「あら、羨ましい~」と宣う。今日は車の運転手でやってきているのかも知れない。
ところで、利き酒の結果、気に入ったのは「純米吟醸 花酵母造り」。この造り酒屋は酵母に凝っているようで、この酒も「アベリア」という花から獲ったとのこと。特定の花の蜜には特定の酵母が存在するようで、それをコメの発酵にも使ってみたら、意外にイケる、ということらしい。結構、香りが甘いのでびっくり。他にも、ベゴニアとかナデシコとか、色々あるらしい。日本酒の世界はまだ進化を続けているようだ。

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原田酒造場のHP: こちら