上野の山に「韻松亭」と云う料亭があり、桜の頃には大変な賑わいになるという話は、予てより良く耳にしていた。カミさんも2度ほど入ったことがあるらしい。なにしろ一等地だ。どうしてこの「韻松亭」が、土地を所有していた筈の寛永寺から入手できた(借りた?)のか判らないが、つい何かしらのドラマを感じてしまうのは気のせいか。奥にある「上野精養軒」と同様、ここは浮世の喧噪から隔絶した場所である。
東京都美術館に近いので、いい機会だから入ってみようと、11時開店の10分程前にやってきたのだが、すでに何組かが店の入口で屯していた。当然、予約も入っているだろうが、何とか入れそうだ。順番に、受付の店員へ名前を告げたら、少々時間が出来たので直ぐ傍の「上野大仏」を参拝。お顔だけが鎮座していて、首から下は旧日本軍に接収されてしまった(即ち、鉄砲の弾になってしまった)とのこと。そのおかげか、(もう)落ちない、という語呂合わせで合格祈願の仏になっている。沢山の絵馬が奉納されていた。
「韻松亭」に戻ると、まだ11時前なのに既に開店したようで、案内の店員しかいない。その案内係が曰く、今日は混んでいるので席は1時間だけでお願いしますとのこと。こんな寒空でも1時間制なのだ。花見シーズンの頃の混雑ぶりは、想像するに難くない。
靴を脱いで階段を上がり通されたところは、テーブルが4卓ある比較的大きな部屋。不忍池を見下ろすような位置にあり、大きな窓からは、見頃となった紅梅と、まだ一分咲きの白梅、その左手にはひときわ大きな桜の木が見える。真下に五条天神社の屋根。多少木々が茂って煩いが、佳景と云っていいだろう。それが証拠に、我々も含め、この部屋に入って来る客は、先ず窓に齧り付き、写真を撮りまくることになる。都合、この部屋には4組11人がやってきたが、うち男は小生を含め2人。
ランチは、コースか弁当。量的には弁当で十分だと思い、茶壷三段弁当(1,680円税込、以下同様)と花籠膳・雪(2,000円)を注文。先ず、生ビール。そして、やっぱり和風弁当には日本酒だろう。千駒を注文すると、片口に注がれて出てきた。なかなか骨太な味わいである。そうこうしているうちに、弁当。将に色とりどり、女性ゴコロの擽り方をご存じの様だ。
廊下が騒々しいと思っていると、着物姿の女性団体がどやどややってきた。トイレに行ったついでに覗いてみると、隣りの部屋には30人ほどの妙齢からお局さままでの着物姿がぞろり。いま将に、乾杯の音頭をお師匠さん(?)が取っているところ。思わず立ち止まってしまいそうになるほど実に壮観だが、世の男性諸氏は知ってますかね、巷の女子連はこんないい店で、こんないい料理を喰って、管を巻いているのですよ。 

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