それではついに、第5位から第1位までの発表。第5位から第2位までは、やや不本意ではあるが、山帰りではない「番外編」から選ばれた。どれも個性が光るが、けっして奇抜さをウリにしていない、ちゃんとしたポテトサラダと云っていいだろう。

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第5位 浅草/食事処・酒肴・浅草・水口(通称、水口食堂) (2014年7月27日入店)

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下町の老舗大衆食堂なのだが、思いがけず印象に残るポテトサラダ(380円)が出てきた。ポテトサラダが美味しい店に外れ無し、という格言があるかどうか知らないが、そんな言葉がしっくりくる。舌触りがなめらかでややゆるめなのは、マヨネーズが多めだからではなさそうだ。それが証拠に、味もとてもマイルドなのだ。マヨネーズそのものも、自家製のような気がする。これからも水口食堂には通ってみたいが、なにせここには膨大な一品料理がある。ポテトサラダばかり喰っていると、なかなか他に手が回らないのが悩み。大人数で押し掛ければ、様々な料理を賞味できるのだが・・・。


第4位 浅草/おか田 (2014年12月7日入店)

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地鶏炭焼きの店。ここは、クリーミーなのに深い味という、両立し難いイメージが見事に成り立っているポテトサラダ(480円)。この深みを出すために、いったい何を加えているのだろうか。もちろん、ここは在り来たりな焼き鳥屋とは違う。鳥も美味かった。たいていの客は、様々な鳥料理を喰うので、ポテトサラダには見向きもしないかも知れないが、ここでポテトサラダを喰わないのはとても勿体ない、そう断言できる味である。

第3位 広尾/松玄 (2014年11月24日入店)

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ここのポテトサラダ(550円)もかなり斬新なのだが、ともかく感動的に美味かった。生クリームと卵黄(かな?)を使ったソースが絶妙。もうこれはポテトサラダと呼ぶべきではないかも知れない。もうちょっと近所にあれば、頻繁に行きたいところ。できれば、奥多摩駅辺りに支店を出して呉れませんかね。四方津駅前でもいいけど。それはともかく、蕎麦屋で唯一のランクイン。そう云えば、蕎麦屋でポテトサラダって少ないかもなー。

第2位 神田/かんだ光壽 (2015年2月19日入店)

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「松玄」が洋のテイストを生かしているとすれば、ここ「かんだ光壽」のポテトサラダ(480円)は和の雰囲気。でも、具はベーコン以外何も入っていないと思う。塩味のベースは塩辛らしいが、あくまでも控えめ。刻みベーコンの燻製の香りも、決して全体の味わいのバランスを壊したりしない。品の良いポテトサラダと云えるが、居酒屋の肴らしく、しかし程良く濃いめの味付け。もう、これがあれば何杯でも酒が呑めるだろう。

第1位 立川北口/テンプラニージョ(Tempranillo) (2014年10月18日2014年11月15日入店)

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そして栄えある(?)第1位は、立川北口のテンプラニージョ。おっと、居酒屋じゃないね。そう、スペイン料理店のポテトサラダなのである。この店にはこれまで2回入ったが、ポテトサラダは1度目だけ。これがスペイン風ポテトサラダなのかどうかは判らない。シェフのホセ風、かも知れない。パッと見、マリネした赤パプリカが上に載っている以外は、ごく真っ当なポテトサラダに見える。ところが、口に含んでみると、マヨネーズは手作りの様(≒キューピーでも、味の素でもない味)だ。酸味は抑えめ(白ワインビネガーか)で、油はオリーブオイルを使っているようだ。もうこれだけで、そんじょそこらの居酒屋メニューとは一線を画している。具材はごく普通だが、味付けは、マヨネーズ以外にも何か入っているようだ。アンチョビやにんにくが入っているかも知れないが、はっきりとは判らない。とにかく、美味かった!という印象は鮮明。しかし、じっくり味わうレベルにはまだ達していない。もう1、2度、確認がしたい。人気店になっているかな。

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以上、とりあえず順位を付けてみたが、なかなか悩ましいところも多かった。これらの店は時間が許す限り引き続きモニターしてみたい。また、まだ世の中、ポテトサラダをウリにしている店はごまんとあるだろう。また新たな料理と出会えれば、機会を見て紹介して行きたい。