立山からの帰り道。いつも感じることだが、信濃大町から松本への移動は、大糸線が全線単線区間のせいで、意外に時間が掛かるし、往々にして電車はいつも混んでいる。主に学生の地元客と、登山客を含めた行楽客とが半々ぐらいだろうか。大糸線で使われている127系の普通列車は、東側がロングシート、西側(北アルプス側)がセミクロスシートになっている。如何にも折衷案という感じだが、なかなか面白い工夫だと思う。
普段、乗り慣れている通勤・通学客ばかりであれば、ロングシートの方が能率的だろうが、行楽客はやっぱりクロスシートに座りたい。後立山連峰を眺めることができる、この大糸線沿線の眺望は日本有数だろうと思われる。望むらくは、ビールを呑みながらこの景色を眺めることができれば最高だ。けれど、クロスシート側で一杯やっていると、ロングシート側に座っている方々からの蔑んだ(又は羨望の)目線が気になる点では、全面ロングシートと大差ないかも知れない。
松本で蕎麦を手繰ったあとは、14時49分発のスーパーあずさ22号に乗る。立川駅到着は16時57分。2時間余で着いてしまうのだから、なかなか速い。普通どんな路線であっても、酒を呑まずに2時間ぐらいの乗車だったら何とかなる(例えば、出張の往路だったら我慢するしかない)。もちろん、酒さえあれば短いくらいだけど。知る人ぞ知るが、中央線を走る電車の車窓からの景色は、山好きには堪えられないので、酒だっていらない(小生はいる)。
山村正光著『車窓の山旅・中央線から見える山』(実業之日本社刊)という本があったが、これによれば、名だたる3,000m峰は、新宿~松本間の何れかの位置で見えるそうである。小淵沢~長坂間では、第1位富士山、第2位北岳、第3位奥穂高岳がほぼ同時に見えるそうで、この辺りに差し掛かるともう、おしゃべりしている場合でも、ノンビリ酒を呑んでいる場合でも無い、大変忙しいのだ。一番見え難い3,000m峰は南アルプスの仙丈ケ岳、なんと松本駅に近い、村井駅周辺からしか見えないそうだ。山好きにとっては、スーパーあずさに乗っている2時間は大変忙しく、立川に着く頃にはへとへとになってしまうのである。

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