ホテルや旅館に泊まる場合、朝食はたいてい付いているのが普通。この頃のビジネスホテルも、あえて素泊まりにしなければ、多くの場合朝食が付いてくる。そして、これもこの頃だが、ビュッフェ(バイキング)形式が標準的になってきている。それは海外のホテルでもほぼ同様。一方、ここ万平ホテルのメインダイニングは、クラシックホテルらしく、昔も今も、アメリカンブレックファーストのスタイルを守り続けている。他のクラシックホテル、例えば箱根の宮ノ下富士屋ホテルや、日光金谷ホテルも同様だったように思う。
選択できるものは、ジュース、ホットドリンク、玉子の調理法、そして肉加工品(シャルキュトリ)の種類である。他に、トースト、サラダがついている。トーストに塗るジャムは、このホテルのオリジナル。全体として、特に味がどうこう云うものでもないが(他の人はどうか判らないが、スクランブルエッグやオムレツの味に感動したことなんて、生まれてこのかた多分無いなあ)、この頑なさは悪くない。クラシックホテルは、時代に媚びない方が宜しい。でも、このメインダイニングでの朝食の、何が一番良いかと云えば、やはりここの庭だと思う。
旧軽井沢をぶらぶらしてみると気が付くことだが、広大な敷地を持つ別荘地は、完璧に草取りが為されているところは殆ど無い。むしろ、なすがままという感じの方が多い。但し、散策するのに邪魔になるほど生い茂っているという例も少なそうに見える。つまり程々に雑草が生えているという感じ。それも、全て雑草と云う訳でもなく、庭木や草花も適度に入り混じって、全体としてバランスしているような印象を与えている。
ここ、万平ホテルの庭も、同じような効果を狙っているように思える。勿論、ちゃんと手入れはされているのだろうが、どれが植え付けた草花なのか、俄かに判じ難い程度に雑草が生い茂っている。これが何とも云えない妙味を醸し出しているように見える。この雰囲気に釣られて、また来年もここの朝食を食べに来そうだ。
ところで今回、万平ホテルにやってきて、玄関の正面にあった幾つかの樹木が無くなって、随分とさっぱりしているのに気が付いた。ホテルマンに聞くと、理由は、大型バスが停車できるレーンを新たに造ったためだと云う。以前は、玄関にバスが横付けされると、他の自家用車やタクシーが入って来れなかった。たしかに妥当な理由だとは思うが、建物が随分と日当たり良くなってしまい、軽井沢らしさが薄らいだようで、少々残念だ。

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