「湯立人(ゆたんど)鉱泉」は、このブログには初登場だが、このところ結構、頻繁に来ていて、2年余りの間に今日で5回目(以前の山の記録はこちら⇒第288回第292回第300回第333回)の入湯。今回は、百蔵山から直接下りて来た(山の記録はこちら)。大洞岩の山頂をはじめ、一日中富士山が見えた、富士見日和だった。
ここはかつて旅館だったそうだが、現在は日帰り温泉(1,000円、時間無制限?)になっていて、近所のおばあちゃん達の社交の場に、我々の様な山帰りの無頼漢が時々闖入する構図になっている。
大広間(休憩室)に荷物を置いたら早速、風呂へ。湯が少々温かったので、勝手に蛇口を開いてじゃんじゃんお湯を足すと良い具合になった。地元のおばあちゃん達(2~3人?)は、我々が来る前から隣りの女風呂に入っていて(仕切りが低いし、地声がでかいので、他愛もない四方山話が普通に聞こえてくる)、我々が帰る時も未だ、出てこなかった。恐るべき長風呂である。我々が入った後、青年男子の単独行と、男子二人連れがやってきて、我々よりも早く帰って行った。長居の程度は、年齢に比例するようだ。
風呂から上がったらビール(大瓶650円)を頂く。つまみ(お茶受け)はいつもの小梅の梅干し。もう少し経つと、玄関の近くにある竹やぶで採れた筍の煮物を、サービスで頂くことができる。崖の様な急斜面に筍が生えるので、採るのが大変なの、と女将さんが云っていた。この鉱泉の庭には季節の花が咲き、庭の奥の桂川を隔てた猿橋城山あたりが借景になっていて、眺めているだけでとてものんびりできるが、この日はまだ梅がようやく綻んできた程度だった。
首に鈴を付けた、ここの飼い猫がやってきてちょこんと座り、お女将さんに向かってにゃーにゃー云う。きっと腹が空いたのに違いない。でも女将さんはどこ吹く風で(時々「う~る~さ~い~」と呟きながら)、我々がビールを呑んでいる大広間で淡々と花を生けていた。決められた夕食の時間はまだ先なのだろう。ここはやけに時間の流れが緩やかだ。
ところで、バス通りからの入口にある、何度も見ている看板には「酒のこころ いちふる 湯立人鉱泉」とあるが、「いちふる」とはいったい何なのか気になった。今度、女将さんに訊いてみよう。
予定の電車まで時間があったので、久々、日本三奇橋のひとつ、猿橋を観光。でもこの三奇橋、諸説あるようで、ここ猿橋と岩国の錦帯橋まではほぼ確実なのだが、三つ目は、木曽の桟(かけはし)(現存せず)、日光の神橋、祖谷のかずら橋、宇奈月の愛本刎橋(現存せず)など色々あるようだ。
猿橋のすぐ東側に古びたコンクリート橋が見えるが、調べてみると「八ツ沢発電所施設 第一号水路橋」というシロモノだった。国指定重要文化財で1912年(明治45年)竣工。でも全くの現役で、確かに水がどうどうと流れている音が聞こえてくる。気になったので、更にこの水路について調べてみると、こんなHPがあった(勝手にリンクしました。どの分野でも奇特な方がいらっしゃるものです)。つまり、大月と猿橋で取水したあと、途中、大野貯水池を経由して延々と上野原にある発電所まで14kmを導水する、東京電力の施設。日本最大規模の重要文化財でもあるそうだ。

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