神田古本屋街にはこれまで何度か来ているが、「さぼうる」以外に、このようにDeepな喫茶店が、しかも二軒も裏通りにあることは知らなかった。この小道は、時の流れが止まっている。カミさんが調べ見つけてきた「ミロンガ」と「ラドリオ」のどちらに入ろうか迷ったが、店の看板にあった「世界のビール」の謳い文句に心魅かれ「ミロンガ」へ。扉をあけると、抑えめの照明とタンゴのBGM。タンゴばかりかけている店に入ったのも初めてかも知れない。
客も、やけに店の雰囲気に染まっているというか、店と同化している。禁煙スペース側から通路を通して喫煙スペースを見ると、テーブルを挟んだ二人のお客は、額縁に嵌ったフェルメール絵画の登場人物と錯覚する。我々があの域まで達するにはまだまだ時間が必要だろう。
席に着いてメニューを見ると、せっかく世界のビールが数多くあるので、その中からスリランカのライオン・スタウト(900円)を注文してみる。アルコール度数が9%とかなり高い。口に含むとカカオの香りがして、濃厚な甘みとコク。これはちびちび飲むビールである。こんなビールがスリランカにあったとは少々驚きだ。フェルメール絵画を彷彿させる店内を眺め、厭世的かつ前時代的なタンゴのリズムに耳を傾け、旧英国統治時代の香りするライオン・スタウトをちびちびと舐める。これだけで暫し時を忘れられる。次に古本屋街に来た時は、向かいの「ラドリオ」に入ってみるか。

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