松本城近くの蕎麦屋「たかぎ」で蕎麦を手繰った後、駅に戻り、松本電鉄上高地線に乗る。窓の外は、たちまち長閑になる。沿線は丁度稲刈りの時期。蕎麦の白い花も満開である。新島々駅で上高地行のバスに乗り換え、中の湯BSで下車。釜トンネル手前のBSには中の湯の売店兼連絡所があり、迎えの車を呼ぶことができる。急斜面に造られた、安房峠へ向かう九十九折りの道の途中に宿があるので、歩いて辿り着くのは少々難儀である。中の湯温泉旅館(標高約1,520m)は、玄関から真正面に霞沢岳、やや左手奥に穂高の吊尾根が見えるという、抜群のロケーションである。かつては、バス道からも見える位置にあったと記憶しているが、その後現在の場所に移転し、建物もリニューアルされた。ただ、昔の露天風呂(卜伝の湯)だけはまだそのままの場所にあるようだ。
チェックインしてさっそく一風呂浴びたら、ビールをちびちび飲みながら外の移り行く景色の変化を眺める。穂高連峰もすっかり見えてきた。明日は良さそうだ。宿にもらった焼岳の案内図を眺めて予習してみる。夕食を食べたあと、地酒を舐めながらまったりとしていたらいつのまにか(たぶん8時頃)就寝。
翌朝5時起床。すぐに窓の外を見る。まだ薄暗いが、雲が全く見当たらないことは明らかだ。北アルプスの山に来て、天気の良し悪しは雲泥の差。ささやかながら気分が高揚してくる。7時の朝食を摂ったら直ちに出発。ゆっくり味わえなくて少々残念。玄関から見上げれば将にピーカンの天気だ。道標はないが、宿の裏にはっきりした道があり、これを辿っていくと車道に出る(標高約1,600m)。路上駐車した車がびっしり並んでいる。車道から再び山道に分け入る。暫く進むと傾斜がきつくなり、どんどん高度を稼ぐ。振り返ると木々の間に、まだ安房山(2,219.4m)の方がだいぶ高い。地図上では、標高1,800m辺りで傾斜が緩くなるが、実際には細かい急登や平坦を繰り返すような複雑な地形になっている。
標高2,000m辺りで針葉樹は疎らとなり、明るくなる。ナナカマドがかなり色付いている。抜けるような青空。行く手に焼岳が見える。灌木帯を抜けると突然、展望が開ける。周囲に目を向け、ついつい写真を撮ってばかりで歩みが遅くなる。こんなに霞沢岳をじっくりと眺めることはこれまで無かった。右側にガレた涸れ沢(下堀沢)が現れ、これに沿うようにまた登りがきつくなる。見上げれば、噴煙の辺りに登山者がアリのように群がっているのが見える。
標高約2,400mで、北峰と南峰との鞍部に出る。火口に池が見える。さすがにこのあたりは人が多い。南峰の方が高いが登山禁止となっている。鞍部を北側に進むと上高地側への道との分岐点。北峰登頂のため多くのリュックサックがデポされており、小生もこれに倣ってデポして北峰へ。山頂まではほんの一投足。360度の大パノラマだか、やはり目立つのは槍・穂高連峰。槍・穂高を縦から眺めると、より一層立体的に感じられ、惚れ惚れする。ここは最高の展望台かも知れぬ。

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