久々、三斗小屋温泉の大黒屋に泊った(山の記録はこちら)。調べてみるとおよそ8年ぶり、通算では片手で足りないぐらいは来ているが、戊辰戦争直後に建て直したという本館の佇まいは、ちっとも変っていないように見える。今回、初めて新館(と言っても築20年)に泊った。一時期きまって年の瀬に、忘年会のようにこの宿に来たことがある。山が目的ではなく、ここに泊ることが目的化していたが、それだけの価値は十分ある。今回は流石山、大倉山、三倉山を登るのが主目的だったので、公共交通機関を使った場合、どうしても三斗小屋に前泊する必要がある。三連休の初日では混み具合がどうかと危ぶんだものの、意外と簡単に予約がとれた。
ところでタイトルにはいちおう「旅館」と書いたが、下界にある普通の旅館とはちょっと違う。例えば、浴衣やタオル、歯磨きセット等はない(確か昔はあったように記憶しているが、この頃は連泊すると出るらしい・・・)。布団も自分で敷く必要がある。隣の部屋との仕切が襖一枚というところもある。じゃあ山小屋と同じかと問われるとそうでもない。基本的に相部屋になることはない(絶対かどうかは自信がないけど・・・)。敷布団用のシーツはちゃんと清潔な洗濯済みのものが出てくる。食事はなんと部屋食である。しかも脚付御膳で出てくるところが実に良い(そう言えば隣の煙草屋は食堂に全員集合だが、やはり脚付御膳だ)。料理も、出来あいのものを単に並べただけのような山小屋の食事(ちゃんとした山小屋も勿論あるが)とは一線を画いている。「旅館」よりも「旅籠」という言葉の方が似合うかも知れない。
しかしこの宿のイチオシは、料理でも、脚付御膳でも、建物の風情でも、サービスでも無く(勿論これらが悪いという意味では全くない)、大風呂の雰囲気である、と言いたい(もうひとつ岩風呂もあるが、少々小さくて温くて解放感はイマイチ)。一般的に、風呂だったら煙草屋の露天風呂、料理とサービスは大黒屋、という意見が大方だと思うが、露天風呂に勝るとも劣らない開放感がここの大風呂にある。そのためには是非とも明るいうちに入りたい。今度はいつ来られるだろうか。

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