安達太良山に登った帰り(山の記録はこちら)、大宮で途中下車して「いづみや第二支店」に入った(写真は本店です、すみません)。そもそも、東北新幹線か上越新幹線、長野新幹線で遠出した山の帰りには、大宮で途中下車することが多い。たいていの場合、「いづみや本店」か「いづみや第二支店」のどちらかに入りこむことになる(ちなみに第一支店に相当する店は日暮里にある)。何故に惹かれるのか。「いづみや」は言わずと知れた老舗大衆食堂兼大衆酒場で、昭和ノスタルジーそのものの雰囲気を醸しているが、この店(両方とも)の一番の魅力は、店内の雰囲気や料理、酒もさることながら、店員と客筋にあると思う。
入ったことのある人にはよくお判りのとおり、店員の殆どは、呼びかけるには「お姐さん!」か「お母さん!」か「おばちゃん!」が相応しい、人生経験豊富な女性シルバー世代である。みなさん、実に味がある。観察しているうちに、店員間に序列らしきものがあるように感じてくる。単に年功だけではなさそう。新入りの「お姐さん」にビシビシ指摘をする古株「お姐さん」もいる。新入り「お姐さん」の場合、あまり一度に多く注文すると、忘れられることがある(二皿か、せいぜい三皿が限界である)ので注意した方がいいし、なかなか料理が来なくてもイライラせずにゆったり構えた方がいい。この店のシステム上、注文を受けた料理の数を単価別に伝票へ書き込んでいくので、どの料理がいくらなのか(料理メニューの数はかなり多い)、頭に入っていなくてはならないし、出来上がった料理が、どのテーブルの注文なのか覚えておかねばならない(伝票には料理名は記載されない)ので、「お姐さん」方も大変なのである。
客筋も興味深い。一人の客が多い。そして多くは公営ギャンブル好きの方々のようである。我々のように最低でも4人、どうかすると今回のように8人で、しかもリュックサックを背負って入る客は稀であり、注目を浴びる。一人連れの客は長居せず、いつの間にかすっといなくなる。仕事の憂さを晴らしに来たのか、家庭が上手くいってないのか、ギャンブルの女神に見放されたのか定かではないが、何気なく客の背中を眺めていると、その人の人生が透けて見えてくるような気がしてくる。それらがこの店の味と言える。 

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